Titan チタン 軽い!! 強い!! さびない!! チタン製ねじ一覧へ
チタンは銀灰色の金属で、質量は鉄とアルミの中間で鉄の60%程度で
強度は炭素鋼とほぼ同じ、重さあたりの強度は鉄の約2倍でアルミの6倍と軽くて強い夢の金属です。
酸に強く海水中では白金の次に耐食性に優れます。融点は1668度と高く耐熱性があります。
電気抵抗は鉄の5倍と高いため伝わりにくく 誘導加熱に適します。
熱伝導率は銅の4.4%と熱の伝わりは遅いのですが、熱容量(比熱x密度)は小さいので
鍋などでは直火のような効果を生みます。熱膨張率はステンレスの約半分で安定しています。
ヤング率は低くてステンレスの2倍たわみやすく、バネ性をもちます。
非磁性で18-8ステンレスのように強く加工した場合に磁性を帯びるようなこともありません。
表面に薄い酸化チタン皮膜を形成させると、その暑さにより光の干渉でグレーから茶、赤、青、緑、黄色、ピンク、赤やその中間色など自由な色に処理できます。
肌にやさしく金属アレルギーを起こしにくい材料なので医療用に人工関節や歯茎のインプラントなどに利用されます。
めがねフレームが一番身近なチタン製品かもしれません。
クラーク数は10番目でアルミ、鉄、マグネシウムに次ぐ地殻埋蔵量ですが
酸素との結合力がアルミより強く精錬を難しくしています。また大気中での溶接作業を難しくしています。
そのため工業向けに大量生産できるようになったのは1948年アメリカでのことだそうです。
埋蔵量は多くても、掘り出し精錬して使える量が少なく 加工が難しいことがコスト高の要因になっています。
| 融点 度 | 密度 g/cm3 | ヤング率GPa | |
| 純チタン | 1668 | 4.51 | 106.4 |
| アルミニウム | 660 | 2.70 | 69.1 |
| 鉄 | 1535 | 7.86 | 166.7 |
| ステンレス | 1400 | 8.03 | 199.3 |
| 銅 | 1083 | 8.93 | 116.7 |
1MPa=0.102kgf/mm2
工業用チタン材料にはやわらかめの純チタンと硬いチタン合金がありますが、日本ではプラントなどで多く
利用されるために耐食性の高い純チタンが利用されています。
アメリカなどでは航空機に多用されることから、強く硬いチタン合金が利用されます。耐食性では純チタンに劣ります。
JISでは純チタンを引っ張り強さ、耐力により1種から4種(Ti1〜4)まで定めています。耐食性は同じです。
| 強度区分 | H | O | N | Fe | Ti | 引張強さ | 0.2%耐力 | 破断後の伸び | 硬さ HV |
| Ti 1 | ≦0.015 | ≦0.15 | ≦0.05 | ≦0.20 | 残部 | ≧270 | ≧165 | ≧0.2d | ≧140 |
| Ti 2 | ≦0.015 | ≦0.20 | ≦0.05 | ≦0.25 | 残部 | ≧340 | ≧215 | ≧0.2d | ≧160 |
| Ti 3 | ≦0.015 | ≦0.30 | ≦0.07 | ≦0.30 | 残部 | ≧480 | ≧345 | ≧0.2d | ≧180 |
| Ti 4 | ≦0.015 | ≦0.40 | ≦0.07 | ≦0.50 | 残部 | ≧550 | ≧485 | ≧0.2d | ≧200 |
引張強さ N/mm2 、 0.2%耐力 N/mm2 、 破断後の伸び mm dはねじの呼び径
冷間圧造でヘッダー加工するねじは純チタン(Ti1)を利用することが多いです。
鋼種名としてはTW270 TW340 KS50などがあります。
チタン製ねじ類は材料のチタン色ですが、潤滑用にニッケル皮膜処理した材料を使うと白っぽく
皮膜のないものだと黒っぽくなります。特殊洗浄で白っぽくすることもできます(有料)。
ニッケル皮膜したものはニッケルの毒性が残留するので、医療や食品などには利用できません。
64チタン合金( 6AL-4V )(α+β型チタン)
軍事用に開発されたチタン合金で、高強度、軽量、高耐食ですが難加工材の為に 加工コストが桁違いにかかります。
ねじでは 六角穴付ボルト(CAP キャップスクリュー) が製品化されています。
15-3-3-3チタン合金(β型チタン)
難加工材64チタンより加工性に優れた強度のある軽量、高耐食チタン合金ねじです。
ねじでは +なべ小ねじ その他 小ねじ類の製作品 などがあります。
チタン(Titanium)はギリシャ神話の巨人Titanenの強さにちなんでとか、オリンポスの神々との戦いに敗れて地底に封じ込まれたから
などといわれています。
純チタンは耐食性に優れていることから化学プラントに多く利用されてきましたが、野球ドームなど
屋根や外壁等の利用も増えてきました。ドームの屋根などメンテナンスしにくいところでの利用は
管理において大きなコスト低減を果たしています。
航空機、特にエンジン部ではその耐熱性からなくてはならない存在で、最新の戦闘機からチタンをのぞいたら
ボディーは半分も残らないということです。
チタン製の人工関節は骨への親和性がよく、軽く強いので術後の生活を助け、その耐久性により手術を繰り返して
人口関節を交換する必要も減り患者の負担を軽減します。
かじり(焼きつき)について
チタンは熱の伝わりが遅いため、局所的にねじ山に大きな力がかかり続けると、その部分の金属が溶けて固まり
溶接したかのような状態となります。こうなるとどうしようもないので精度の良い組み立てと焼き付き防止用
ケミカル材のご利用をお勧めいたします。
ステンレス同士も焼き付き安い材質ですが、チタンはステンレス以上に焼きつきを起こしやすい材料ですので
ご利用には十分にご注意下さい。(完全に焼きつきを防ぐ技術は確立していません)
電蝕について
チタンは表面に安定した不動態皮膜を酸化により形成するためにとても耐食性に優れますが
多かれ少なかれ異なる金属が接触する面には電位差が生じます。
電位差が小さい場合や、環境が乾燥している場合はそれほど気にする必要もありませんが
屋外で雨(酸性雨)にさらされるような場合は注意が必要です。電位が低い金属が腐食、溶出します。
白金>チタン>SUS316>SUS304>Ni>SUS430>Cu>Fe>Al>Zu
チタン板をステンレスビスで止めて利用しているような場合、チタンとステンレスではステンレスが腐食しますので
ステンレスのビスが電蝕により腐食することがあります。
表面硬化、タッピングについて
チタンの表面はショットブラストと窒化処理を組み合わせた方法(WPC処理)により表面硬さHV650〜700となり
ステンレス製タッピングの材料として多く利用されるSUS410焼きいれ品より硬くなりますが
芯部は硬くならないので粘り強さが残ります。
チタン薄板へのチタンタッピングご利用は板厚MAX0.5ミリとなります。
ボルトの強さ 実測例 より
六角穴付きボルト(キャップスクリュー)
| 引張強さN/mm2 | 耐力N/mm2 | 硬さHV | ねじり強さKgf・cm | |
| チタン | 436 | 318 | 210 | 6.3 |
| SUS XM 7 | 500 | 210 | - | 5.5 |
| 強度区分5.6 鋼 | 500 | 300 | 160 | - |
注)保証値ではありません
チタンの着色
チタンの表面に酸化チタン皮膜を形成させると、光の干渉により皮膜暑さによりいろいろな色をだすことができます。
放電加工による陽極酸化処理の電圧の大きさで皮膜厚さをコントロールします。
参考 金属なんでも辞典 増本 健 監修 株式会社 講談社 発行
日本チタン協会資料 サンコーインダストリー資料