ステンレス    

1.ステンレス鋼一覧  2.歴史  3.特性  4.加工、表面処理  5.用途  6.新種

7.316と316L

表にはまだ工事中のところがあります。ごめんなさい

SI単位で表示していない表は換算してください。順じSIヘ訂正しますのでしばらくお待ちください



1.ステンレス鋼一覧

ステンレスにはその成分によって大きく2つの種類に分かれ 

組織的には3つに分かれてています。

    Cr系       13Cr  マルテンサイト系      SUS4xx    431,403,410,420,440.......
 18Cr  フェライト系    SUS4xx     430,405........
    Cr-Ni系  18-8  オーステナイト系     SUS3xx      SUS2xx   304,304L,316.316L.....  

「ねじ」などにもっとも多く利用されるのはオーステナイト系 のSUSのあと、頭が 3 で始まる鋼種で

小ねじは線材SUS304相当の冷間圧造用鋼種線材 XM 7 が多く利用されます。

キャップ、ボタンキャップなどもXM7へ移行しました。

タッピングなどには主に焼きいれのできて硬いSUS410が利用されます。

一部のボルト、ナット、寸切ではまだ304の利用があります。

ステンレスの鋼種にはアメリカのAISIの記号ナンバーにあわせて3桁の数字で表すことになっています

日本独特の鋼種にはj1、j2などの連番がつきます

この他析出硬化系SUS6xx(PHタイプ)、耐熱鋼板(SUH)、5%Cr系 SUS5xx などがあります。

    新種のステンレス鋼)詳細

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オーステナイト系ステンレス

 一般には18−8ステンレスとも呼ばれます。

 冷間加工だけで硬化し、熱処理では軟化します。(オーステナイト組織)

 冷間加工で微弱な磁性を有し、熱処理状態で非磁性です。

 表の機械的性質は板、固溶化 状態のものです

鋼種 概略組織 性質 用途 引っ張り強さ 堅さHB WS WP CP W    
SUS201 17Cr-4.5Ni-6Mn-N 301の代替鋼 Ni節約鋼種 鉄道車両                
SUS202 18Cr-5Ni-8Mn-N   料理道具                
SUS301 17Cr-7Ni 冷間加工により高強度を得る     77 85          
SUS301J1 17Cr-7.5Ni-0.1C                    
SUS302 18Cr-8Ni-2.5Si-0.1C                  
SUS302B 18Cr-8Ni-2.5Si-0.1C                    
SUS303 18Cr-8Ni-高S 被削性、耐焼付性向上   自動旋盤による加工に              
SUS303Se 18Cr-8Ni-Se 被削性、耐焼付性向上                  
SUS304 18Cr-8Ni ステンレス鋼耐熱鋼としてもっとも広く使用される 家庭用品、建設材料、食品設備、一般化学設備、原子力   59 80    
SUS304L 18Cr-9Ni-低C       57 79        
SUS304N1 18Cr-8Ni-N                  
SUS304N2 18Cr-8Ni-N-Nb                    
SUS304LN 18Cr-8Ni-N-低C                    
SUS305 18Cr-13Ni-0.1C                
SUS305J1 18Cr-13Ni-0.1C                  
SUS309S 22Cr-12Ni       63 85        
SUS310S 25Cr-20Ni       67 85        
SUS316 18Cr-12Ni-2.5Mo-0.6C 海水他各種媒質に304より優れた耐食性をもつ 耐孔食材料   59 79            
SUS316L 18Cr-12Ni-2.5Mo-低C 316の極低炭素鋼

耐熱性

    57 79            
SUS316N 18Cr-12Ni-2.5Mo-N                      
SUS316LN 18Cr-12Ni-2.5Mo-N-低C                      
SUS316J1 18Cr-12Ni-2Mo-2Cu                      
SUS316J1L 18Cr-12Ni-2Mo-2Cu-低C                      
SUS317 18Cr-12Ni-3.5Mo                      
SUS317L 18Cr-12Ni-3.5Mo-低C                      
SUS317J1 18Cr-16Ni-5Mo                      
SUS321 18Cr-9Ni-Ti       63 80            
SUS347 18Cr-9Ni-Nb       67 85            
SUS384 16Cr-18Ni                      
SUSXM7 18Cr-9Ni-3.5Cu 304にCuを添加して冷間加工性向上をはかった 冷間圧造用                  
SUSXM15J1 18Cr-13Ni-4Si                      

WS=JIS G 4315 冷間圧造用ステンレス鋼線、 W=JIS G 4309 ステンレス鋼線(303など切削向け)

WP=JIS G 4314 ばね用ステンレス鋼線   、 CP=JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板

☆ SUS304は広く知られていますが 「ねじ」材料用の相当鋼種SUSXM7の名前の認知度は薄いようです。

    このXM7は開発コードで、1977年にJISに認められたときにはすでに業界で名前が通っていたので

    そのままXM7となってしまったようです。SUS304cuあたりの名前になっていればわかりやすかったですね。

    耐食性、強度は304とほぼ同等で、成型のための冷間圧造加工性の向上をはかったもので この材料のおかげで

    品質が良くて コストの安いステンレス「ねじ」が生産できるようになりました。

マルテンサイト系ステンレス

 普通の鋼と同様に、焼入れによってマルテンサイト組織を生じて硬化します。

 強く、硬いので410はタッピングなどに利用されています。

  反面もろく、耐食性では他の系列のステンレスに劣ります。 

 常温で磁性を持っています。

鋼種 概略組織 性質 用途 引っ張り強さKg/mm2              
SUS403 13Cr−低Si 高応力、耐熱 タービンブレード 76              
SUS410 13Cr 良好な耐食性、機械加工性 一般用途、刃物類                
SUS410S 13Cr−0.08C 410の耐食性、成形性を向上                  
SUS410J1 13Cr−Mo 410の耐食性を向上させた高力鋼種 タービンブレード、高温用部品                
SUS416 13Cr−高S 被削性がステンレス鋼中最良 自動旋盤加工品                
SUS420J1 13Cr−0.2C 焼き入れ状態での硬さが高い13Crより耐食性良好 タービンブレード 82              
SUS420J2 13Cr−0.3C 420J1より焼き入れ後の硬さが高い 刃物、ノズル、弁座、バルブ、直尺 94              
SUS420F 13Cr−高S 420J2の被削性改良                  
SUS429J1 17Cr−0.3C 耐摩耗性、耐食性 オートバイブレーキディスク                
SUS431 16Cr−2Ni ,熱処理で高い機械的特性 410,430より耐食性良好   107              
SUS440A 18Cr−0.7C 硬化形 440B,Cよりじん性大きい 刃物、ゲージ、ベアリング                
SUS440B 18Cr−0.8C 440Aより硬く440Cよりじん性が大きい 刃物、弁                
SUS440C 18Cr−1C すべてのステンレス、耐熱鋼中最高の硬さ ノズル、ベアリング                
SUS440F 18Cr−1C−高S 440Cの被削性を向上                  

フェライト系ステンレス

 冷間加工で若干硬化しますが、熱処理して急冷しても硬化しません。

 常温で磁性を有します。

鋼種 概略組織 性質 用途 引っ張り強さ                      
SUS405         46                      
SUS410L                                
SUS429                                
SUS430         53                      
SUS430F                                
SUS430LX                                
SUS434         54                      
SUS436L                                
SUS444                                
SUS447J1                                
SUSXM27                                
                                 

析出硬化系ステンレス

鋼種 概略組織 性質 用途                
SUS630                      
SUS631                      
SUS631J1                      

2相合金、オーステナイト・フェライト系ステンレス

鋼種 概略組織 性質 用途                
SUS329J1                      
SUS329J2L                      
                       

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2.歴史  

 インドのデリーの寺院にある3−4世紀に造られた鉄塔は、遙かな時を超えても表面に錆が

ないそうです。(最近は酸性雨の影響で危ういですが)

他にもボンベイのWootz ウーツそれを加工した刀剣Damascusダマスカスなどの

優れた性質をもつ鉄鋼が大昔から存在したそうです。

それらの特殊鋼に興味をもち電磁誘導で有名なイギリスのファラデーや

フランスのカルノーなどが19世紀に研究を始めました。

 20世紀初期にはフランスのギレー、ドイツのモンナルツ、ボルシャーらにより

製法の基盤が確立し、工業材料として利用されていきます。

大砲の砲身類の内張りとして研究され、最初の製品は刃物類だったようです。

...   人類の技術は、必ず最先端の武器から発祥しているのですね

 日本では、1919官営八幡製鉄所(新日本製鐵)が試作を始め

1933日本金属工業が13クロム、18−8ステンレス鋼板を量産化

陸軍の火薬工場硝酸製造装置に利用されたそうです。

当時は「不金秀鋼(PCに漢字探せず金と秀あわせて一文字)」と呼ばれていたそうです。

 1945 昭和20年ごろからは、軍需に代わり肥料工業界で利用され

その後、化学繊維工業、石油、天然ガスプラント利用され

昭和40年に日本は世界第一位のステンレス生産国となりました。

 

 

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3.特性 性質

耐食性

 ステンレスには、広範囲の環境条件下において不動態という

基質に比べて科学的にきわめて安定な薄い皮膜が形成される能力があり

腐食を防いでいます。

  鉄は鉄鉱石をコークスから得られる一酸化炭素COで還元してつくられます。

そして、大気中の水分や酸素と反応して錆びます。

2Fe+3HO+3/2O →2Fe(OH)[FeO(赤錆)]

 ステンレス鋼は同じ鋼の仲間ですがクロムやニッケルなどを含むことに

より不動態を形成して錆を防いでいます。

ただし、強い酸やアルカリ液で温度が高いときは腐食します。

ステンレスだから絶対に錆びない というわけではありません

特に日常の中では18-8ステンレスと呼ばれるものが多く利用されていますが

海水などの塩分による錆びの発生が多いようです。(SUS316は塩水にも強い鋼種になります)

髪止めの鉄のピンなどをステンレスの洗面台などに置きっぱなしにすると

錆びたピンから「もらいサビ」することがあります。

水により不動態の皮膜が遮蔽されるのも原因のひとつです。

ステンレス製品は塩分や汚れを除いて表面を綺麗にしておくことが

長持ちの基本ですね。

対候性はステンレスの大きな魅力のひとつです

一般には18-8(304)が利用されますが

海の近くや工業地帯などの汚染大気には18-12Mo (SUS316)が利用されます

チタンなどを配合してより対候性の良い鋼種も開発されているようです。

耐酸性 参考  抜粋

酸の種類 濃度% 温度℃ 炭素鋼 18-8 

(SUS304)

18-12Mo

 (SUS316)

塩酸   0.1  20-50  △  △*  ○*
  1  20  X  △*  ○*
  2  20  X  X  △*
 10  20-35  X  X  X 
硫酸   0.5  20  X   ○   ○
  0.5 100  X  X  △
  5  20  X  △  ○
 10  20-35  X  X  ○
 50  20-30  X  X  X
 98  30  △  ○  ○
硝酸   1  20-50  X  ○  ○ 
  5  80-沸点  X  ○  ○
 50  沸点  X  ○  △
 65  沸点  X  △  △
酢酸   1  沸点  X  ○  ○
 10  20  △  ○  ○
 50  20-50  X  ○  ○
 80  20  X  ○  ○
100  沸点  X  X   ○
○ : 侵食度 0.1mm/年以下で十分な耐食性がある。

X : 侵食度  1.0mm/年以上で耐食性なし。  

△ : 侵食度 0.1〜1.0mm/年で場合により使用可能

* : 孔食を生じる可能性あり

.

42%塩化マグネシウム腐食試験例 破断時間 抜粋

 鋼種/応力kgf/mm2 20  25  35 
 SUS304  1.3 1.0   
  SUS 316  7  6  5 

大気中の表面 耐用温度

鋼種SUS 概略組織  繰り返し酸化 ℃  連続酸化 ℃ 
 304  18Cr-8Ni       870       925 
 302B  18Cr-8Ni-2.5Si       970    1050
 309  22Cr-12Ni       980    1095
 310  25Cr-20Ni      1035    1150 
 XM15J1  18Cr-13Ni-4Si      1035    1150
 410S  13Cr-0.08C       815     705
 430  18Cr       870     815
 446  25Cr-N-0.2C      1175     1095

309 310 446は耐熱鋼(SUH)

鉄鋼を大気中で長時間高温にさらすと、その表面がポロボロになってしまいます。

これは高温酸化という現象です。ステンレスは高温酸化に対して 不動態皮膜とは異なる

保護性の酸化皮膜を表面に形成しますので優れた耐酸性を示します。

ただし、全体的な耐食性としては劣化するようです。

この酸化物層の組織はクロム含有量によって変わり クロムの増加かとともに

欠陥の少ない保護性の高いものとなります。

  温度が高くなると機械的強度は落ちるので 一般ネジでの使用は表のような高温には

耐えられません、温度と機械的な性質は後述します。

亜硫酸ガス雰囲気での耐食性は硫化により50〜100℃下がります

硫化水素ガス雰囲気中では実用で600℃以上に耐えられる合金はありません。

  一酸化酸素COやメタンCH4などの炭化水素、活性炭素は鋼の表面に吸着し

内部に拡散して鋼を脆くする浸炭が起きます。ステンレスでは耐酸性も落ちます。

浸炭に抵抗するにはクロム、ニッケル、けい素、アルミニウムなどが良いとされています。

   高温でアンモニアなどが分解して生じる活性の窒素ガスが鋼の表面から中へ拡散して

じん性、延性を低下させ、耐酸性を劣化させる窒化を防ぐのに有効なのはニッケルです。  

この他にも高温ハロゲンガスによる腐食や重油などの燃焼ガスに含まれる

バナジウムにより酸化の進むバナジウムアタック(燃焼灰腐食)

高温、高圧ガスによる水素脆性なども注意する必要があるようです。

また、オーステナイト系は温度差による応力腐食割れにも注意が必要です。

物理的性質   常温

  密度 線熱膨張係数 熱伝導率 比熱 電気比抵抗 ヤング率 剛性率
 18クロムステンレス  7.75      10.4       22     0.11   60  20400  
  SUS304  18-8  8.03     17.3     14  0.12  72  19700  7460
   SUS410   7.75       9.9      21   0.12   57   20400  
   SUS316   8.03      15.9      14   0.12   74   19700  
   SUS301 バネ    8.03      17.0      14   0.12   72   19700  
 鉄  7.87     11.7     68  0.10   9.8  21000  8440
 炭素鋼  7.87     11     50  0.12  16  21100  8440
  SCM435        11.2          
 アルミニウム  2.70     23    168   0.21   2.75   7170  
 銅  8.93     16.7    320  0.091   1.72  13200   
 チタン  4.51      8.9     15  0.126   55   11420  
 鋳鉄                9500  

密度...g/cm3 体積1立方センチメートルあたりの物質の質量

比熱... ca3/g/  1グラムの物質を1度上昇させるのに必要な熱量 

             FeにCが入るほど比重は小さくなります

熱伝導率...Kcal/mhr℃ 

             オーステナイト系は伝導率が悪く焼きつきの原因でもありますが

             魔法瓶のように伝導率の悪さが良い方向に向いている商品もあります

             手入れの簡単なことで鍋にも利用されてきましたが、熱伝導率が悪いぶん

             焦げができやすいという欠点がありましたが ステンレスの間に銅などを

             はさんだ便利な鍋も登場しました。               

熱膨張...x10-6

                18-8は 鋼に比べて約1.5倍  

                 アルミは更に大きく膨張します。

                 同じステンレスでも種類により大きく膨張率は異なるので、カシめた場合など

                 応力の違いによリ発生する 割れに注意する必要があります。

 

電気抵抗...μΩーcm  ステンレスは電気を通しにくい金属です。

                

磁性...オーステナイト系は基本的に非磁性ですが

      強い冷間加工を行うと磁性を有します

      身のまわりに多い18−8系は弱磁性です。

      ねじの材料に多く利用されるSUSXM 7も弱磁性で 

      耐食性に優れたSUS316Lは非磁性です。 

      フェライト系やマルテンサイト系は磁性がありますので

      ドリリングスクリューなどに利用されるSUS410は磁性があります。

ヤング率(縦弾性係数)kgf/mm2

 

剛性率(横弾性係数)

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機械的特性

 

1.引っ張り応力に対して どの程度強いかを示す引っ張り強さ、0.2%耐力

2.延性を示す伸び、絞り、曲げ

3.硬さ

4.じん性を示す衝撃値

5.高温での強さを評価する引っ張りクリープ強さ、破断強さ

で評価される機械的な性質はステンレスの種類と温度により

違いがあります。

 

 

材料 引っ張り強さkgf/mm2 硬さHB      
ステンレス鋼板SUS304     59  150      
普通鋼板SPCC     33   70      
アルミニウム板1100-O      9.5    25      
純チタン     40  120       

高温における機械的特性

  各鋼種とも500度まではかなり高い引っ張り強さを示しますが

  それ以上は強度の低下が著しくなります。

高温による 引っ張り強さ の推移  

温度 18−8 炭素鋼      
100度 約85% 約102%       
300  75   95      
500  70   50      
600  60   40      
700  40   30      
800  30   20      

  18−8はクリープ強さでも優れています。

低温における機械的性質

18−8系は極低温においてもじん性の低下がきわめて少なく

シャルピー衝撃値も100〜−200度で80〜100ft-1bにあり

SUS304では−269度における引っ張り強さが150kgf/mm2を示し

伸びも30〜40%と優れています。

 

 

 

 

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4.加工、表面処理 

 オーステナイト系は伸び値が大きいため過酷な曲げ絞り加工を行っても割れにくいですが

フェライト系やマルテンサイト系は割れやすい性質があります。

 切削加工には303などの快削ステンレス鋼を利用します。

一般のオーステナイト系は加工硬化が激しく、熱伝導が悪いので

工具も摩耗しやすく扱いにくいものになります。

 溶接加工では、オーステナイト系では普通鋼よりも熱膨張計数が50%大きく

熱伝導率は半分以下ですので、工作物がひずんだり割れができたり

内部残留応力が大きくなったりしますので、特性にあった溶接方法を

とることが大切です。

また、オーステナイトの場合は、450〜850度に長時間さらされると

ステンレスの中のクロムが炭素と結合し結晶内からでて、結晶粒の間にたまる

性質があり、その部分のクロム量が減ると耐食性が劣化してしまいます。

耐食性を保つためには、不動態皮膜を保持することが大切で

表面を綺麗にすることが必要です。

ステンレスの研磨には、ベルト、バレル、バフなどの機械による研磨と

電解研磨が利用されています。

ステンレスへの電気メッキは、表面の不動態皮膜を除去する活性化という処理を

して、すぐにメッキを施します。

活性化処理は10〜30%塩酸に浸ける方法と、20〜50%硝酸を70度に加熱して

浸ける方法があります。

ステンレス表面に高温で金属または非金属を拡散浸透させる拡散メッキの

アルミ拡散メッキは高温腐食にきわだった抵抗力をもちます。

また、PVD(物理蒸着)CVD(化学蒸着)といった方法でも表面処理されるようになりました。

 

 

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5.用途

ネジをはじめ、ありとあらゆるところに使われています。

目立つところでは、電車のステンレスカー、タンクローリー車

身近な所では腕時計のウラ蓋、フロや流し台、手すり

そして、病院の各器具や施設

工場のプラントや食品設備など

  そして、焼き入れのできるマルテンサイト系では刃物、タービンプレード、シャフト

ノズル、ベアリング、タッピングやドリルビスの全体、または刃先に利用されています。

ステンレスを上手に使うポイントは 綺麗にしておくことです

サビを防ぐ不動態皮膜を造るためには、表面が綺麗で酸素が供給されていることが重要です。

仮に錆びてしまっても、その部分を細かい紙ヤスリ等で削って

洗い流せば自身の力で復活させることが出来ます。

一般のボルトや小ねじ向けステンレスはXM7が利用されています。

これは鉄に18%のCr(クロム)と8%のNi(ニッケル)を加えて合金化したステンレス鋼(SUS304)に

Cu(銅)を少量加えて冷間加工性を向上させたステンレス鋼で耐食性はありますが

硬度、強度を熱処理により上げられないためタッピングには不利です。

.

タッピング向けに多く利用されるステンレス材料はSUS410になります。

SUS410は鉄に13%のクロムを合金化したもので、残り87%は鉄のためにC(炭素)が多く含まれ

熱処理により表面の硬度とねじ自体の強度を持たせることができます。

ただし、鉄の成分が多いことから耐蝕性が悪くなってしまいますので錫メッキ等の表面処理をして

利用されることがおおくなります。

.

そこで、より強い耐蝕性、強度などを狙い 新ステンレス鋼種の開発が進められています。 

新ステンレス鋼種 ミラクルステンレス  ミラクルステンレス製品

外部使用環境の錆びの発生しやすいところで、相手板材が硬い鉄板やステンレス鋼板などの場合は

ミラクルステンレス製タッピングをお勧めします。

1.ステンレス鋼一覧  2.歴史  3.特性  4.加工、表面処理  6.新種

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6.新種   

より強い耐蝕性、強度などを狙い 新ステンレス鋼種の開発が進められています。 

1.PS-550  丸エム製作所製     2.エコシリーズ 第一工業叶サ 3.ASL516 ミラクルステンレス 日立金属叶サ

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PS-550パーフェクトステンレス(より強さと耐食性を追求した新種のステンレス鋼)詳細

                                                                              株式会社丸エム製作所製

 タッピングには従来マルテンサイト系のSUS410が利用されてきました。

 硬さがあってオーステナイト系で一般に利用されるものより良いのですが   

 オーステナイト系(18-8系の304(XM7))に比べ耐食性で劣りました。

 正確な表現ではありませんが、410は鉄の成分が普通のステンレスより多いので熱処理で硬くできてドリルねじの歯やタッピングには便利だが、

 その分錆びやすいと思っていただければわかりやすいでしょうか

 このため410で製作されたタッピングやドリルビスなどではスズメッキなどの表面処理も

 施すことが多いと思います。

 今回開発されたステンレス鋼 PS-550 パーフェクトステンレスは、強さと耐食性の両方を

 兼ね備えた夢の鋼材です。

 まだ、広く普及していませんが 今後 多くの場所で利用されていくと考えられます。

 科学成分 %

  C   Ni   Cr   Mo   N
 0.10〜0.20 1.00〜2.40 12.50〜14.00 1.80〜2.30 0.05〜0.15

物理特性

 縦弾性係数 N/mu  横弾性係数 N/mu 密度 g/mu  熱膨張係数 cm/℃
 2.05x105  7.94x104  7.80  11.5x10-6

機械的性質 代表例

  0.2%耐力 N/mu 引張強さ N/mu せん断強N/mu 表面硬さ Hv 心部硬さ Hv 頭部じん性試験
PS550 タッピン  1150   1650  1100  550  515  15°合格
PS550 ボルト   900   1000   650  450  350  15°合格
XM 7  350    650   500  330  280  15°合格
410  -   1200   800  600  400  15°合格

引張破断荷重 N 

   M3  M4  M5  M6  M8  M10
 PS550  6000  10500  17000  24000  44000  69500
 XM 7  3200   5700   9200  13000  23500  37500

ねじり強さ N.m

   M3   M4  M5  M6   M8   M10 
 PS550   3.3  11  19  32  -  -
 XM 7  1.7   3.9   8.3  15  -  -

 

特徴

高強度.. 410は表面硬度は高いが 心部は低いためタッピングの際に変形することがありますが

       パーフェクトステンレスは芯部まで硬度があるので高い締結力を有します。

高耐食性..SUSXM7、304と同等以上の耐食性を示し

        塩害、酸性雨などのSUS410では対応できなかった環境にも利用できます。

        ただし、SUS316には劣ります。  

高じん性..一般にひっぱり強さや硬さの強い材料は、じん性がなく「もろい」性質を持つのが

       普通ですが、パーフェクトステンレスは高いじん性を持っていますので 

       頭とびなどが起き難くなっています。

   2000.05 株式会社丸エム製作所 技術資料パンフレットより抜粋

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エコシリーズ       第一工業叶サ

強度区分10.9をクリアする高強度、高耐蝕ステンレスボルト

   鋼製ボルト 焼入焼戻マルテンサイト系ボルト エコシリーズボルト
強度区分   10.9          C1-110        A3-100
引張強さ 最小 N/mm2    1,040          1.100         1,141
降伏点 最小 N/mm2      940             820            979

SUS304,316を基材とした強度区分10.9をクリアする高強度、高耐蝕ステンレスボルト

従来よりワンサイズ縮小したボルトで利用できることにより軽量化、省資源化

SUS304,316と電位差なし、非磁性、

カタログより抜粋

受注生産品

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ASL516 ミラクルステンレス 日立金属叶サ   ASL516ミラクルステンレス製品

 

 

 

 


7.316と316L      316L製品

高耐食性ステンレスとしてねじ材料にはSUS316が利用されてきましたが

現在ではSUS316Lが多く利用されています。

316Lは316の低炭素鋼です。非磁性で高耐食性を有するのも同じですが

規格上MAX強度が異なります。

成分で見ると316の炭素Cが 0.08%以下 SUS316LがC 0.03%以下になります。

ニッケルも多少異なり316が10〜14%316Lが12〜15%となり、成分的にはラップしている部分が多いです。

316と316Lを特に区別しない国もあるようです。

鋼種 概略組織 性質 用途 引っ張り強さN/mm2 耐力N/mm2 堅さHB
SUS316 18Cr-12Ni-2.5Mo 海水他各種媒質に304より優れた耐食性をもつ 耐孔食材料 520以上 205以上 79
SUS316L 18Cr-12Ni-2.5Mo-低C 316の極低炭素鋼 耐孔食材料 480以上 175以上 79

SUS316では生産していない品種もありますので注意してください。

316,316L製品に関してはの詳細はこちらをご覧ください。

 

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参考 ステンレスの話  大山 正  森田 茂 共著  財団法人 日本規格協会 発行   1990.07

         設計材料熱処理   大和久 重雄 著   日刊工業新聞社    1983.02

  UPDATE  2007/02/08