耐熱特殊鋼

1.ステンレス   2.インコネル  3.インコロイ  4.モネル  

5.高温化でのゆるみ防止部品                         9.戻る

一般にねじの材料として利用される金属は厳しい高温の環境下で利用されるようにはできていません。

ステンレスは、もともと高い温度でも酸化しにくい材質ですが 一般に利用される18-8と呼ばれる

ステンレスでも限界は思っているほど高くはありません。

常温では大丈夫な雰囲気でも、温度が高くなることにより腐食の進む場合があります。

鉄製のスプリングワッシャーなどは、バネ性を得るための熱処理は200℃以下ですから

高温化で利用すれば、ゆるみ止めの効果はおろか逆効果にもなりかねません。

構造的には利用される素材とねじの材質を同じにするのが理想的なのでしょうが、

材料の数だけねじを用意することは現実的に不可能です。

しかし、安全上 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性の材質を利用される場合に同等な材質のボルト類を

要求される場合があります。

このような特殊鋼のねじはありませんので切削加工で製作するようになります。

当然、加工しにくい上に小ロットの場合が多く、単価的には高いものになってしまいます。

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インコネル

材料 特徴 用途
600 高ニッケル、クロム

耐酸化性、高温化の耐食性に優れる

化学、食品工業向け製造装置

電子部品

601 高温性

酸化、浸炭、浸硫雰囲気下の耐食性あり

石油化学他製造装置、熱交換器、燃焼用部品

航空機用ガスタービン

617 高温で安定、900℃でラプチャー強度大

酸化、浸炭抵抗大

航空機向けエンジン部品

熱処理用部品

625 高温から低温まで優れた機械的特性

耐食性良好、疲労強度高い

化学装置、公害防止設備、核融炉設備

耐海水用部品

690 インコネル600の高クロム材

酸化性の化学薬品と硫黄を含むガスの

耐食性に優れる

酸洗装置のスチームヒーター

核燃料の再処理器具

718 高温から低温まで優れた機械的特性

時効硬化性と時効後の溶接製に優れる

900℃までの耐酸化性に優れる

原子炉、ジェットエンジン、ロケット部品
X-750 耐食性、耐酸化性に優れた時効硬化性合金

リラクゼーションに対する抵抗力優れる

圧力容器、航空機ガスタービン部品

原子炉部品、耐熱バネ、ファスナー、熱間加工工具

751 インコネルX-750と同様の性質

排気バルブ用に開発されたもの

自動車エンジン排気バルブ

 

 


インコロイ

材料 特徴 用途
800 高温での酸化、浸炭抵抗大きい

内部酸化も起こしにくく、耐食性に優れる

熱交換機、浸炭用器具、過熱炉部品、原子炉部品

 

802 インコネル800の高炭素合金

高温での機械的特性を改善したもの

チタン加工ダイス、エチレン工業
840 家庭用厨房機器用シーズヒーター外筒向けに

開発され、高温での耐酸化性に優れる

シーズヒーター外筒

 

 


高温化でのゆるみ防止部品

ゆるみ防止のために組み付け時に適正なトルク管理を行うことが重要ですが

より積極的にゆるみを防止する製品もあります。

バネ性を利用したものは150℃程度が限界と考えられますので

高温化ではハードロックナットのようなクサビ効果の得られるものが適しています。

ハードロックナットですと特殊な表面処理(特注品)によりある程度の高温に利用できますし

厳しい高温化では耐熱鋼ハードロックナットの特注品が効果的です。

2重のワッシャーにクサビ効果を持たせたノルドロックワッシャーも熱に強いゆるみ止め部品です。

ハードロックナットはM6からとなり小さいサイズはありませんがノルトロックはM3より利用できます。

低温から高温まで広い温度範囲で繰り返し利用される環境でねじは伸びたり縮んだりを

繰り返します。ねじ山は螺旋ですのでそのような動きはゆるみ方向に働きますが

このゆるみ方向の力を逆手にとったものがノルドロックワッシヤーです。

 


参考文献

UP 2001/08/09