映画好き。


キンキーブーツ

  06年10月21日 ワーナーマイカルみなとみらいで親友の尚と二人で見たぜ。
 イギリスはロンドンから遥か片田舎に、主人公の少年は生まれた。彼のお父さんはこの地で、職人気質でコツコツと靴を創って来た。質実剛健で、決して華美ではないけれど、愛着の沸く靴を作って来た。
 場面は代わって、海沿いのウッドデッキが敷かれた店の前のベンチ。ミニスカートから出た足はその日の寒さに震えて。髪の毛をコーンロウに編んだその子は自分の脇に置かれたカゴバックから、ヒールのついた赤いエナメルのでこ靴を取り出す。早速その靴を今まで履いていた白いスニーカーから履き替えれば、今までの寒さなんか何処吹く風で、思わすスキップから、リズムはステップに変わって、夢中で踊り始める・・・。だがその時父親が怒鳴る!
 「コラっ!このバカ息子が。」
 さて主人公の「チャーリー」は父親が亡くなり、時代に乗りそこね納品できなかった山積みの靴と、借金だらけの靴工場を背負う事になり。あのスッテプを踏んでいた男の子は、ロンドンでも有名なドラッククイーンの「ローラ」になっていた。で、このまま行けばなーんの接点も無い二人は偶然出会う!チャーリーは、傾いた工場の復活に前代未聞の案をぶち上げる!
 「男性向けの、性的偏向者(キンキーな)ブーツ」を創ろうと!
 そしてチャーリーは起死回生のキーマンとして「ローラ」に協力を頼む、工場の保守的な従業員には知られぬ様に、隠密に動いていたのに、メタリックターコイズのミニスカタイトスーツと、おそろいの色のピンヒールで田舎町の工場に乗り込んでくるごっつい黒人ドラッククイーン!そこから始まるドタバタハートフルコメディなのだが、この話なんと実話を基に作られたお話!すげぇイギリス。
 イギリスの映画という事もあって、決してハリウッド的過剰演出は無いんだけど、兎に角主人公のチャーリーとローラのやり取りは傑作!ローラは堅実だけどもっさいデザインのブーツを作るチャーリーに啖呵をきる!「アンタが作るのは、長さ75センチの筒状のSEXよ!」と。ローラが周囲から蔑まれ続けて生きてきた人生。靴工場を切り盛りするには、素質が足らないチャーリー。二人は互いに相反しながら、相手の本質を認め合う。
 さー、この映画は一人でも友人とでも、カップルでも間違いなく楽しめる作品。最後のショーはちょっと感動するよ、見てみて損はさせません。キンキーブーツ今年感動した一本!

サンキュースモーキング

 061020
 06年10月20日 TOHOシネマ川崎にて。親友の尚と。
 この主人公の男は「喋る」のだ、兎にも角にも良く喋る。主人公ニック・ネイラーは「タバコ研究アカデミー」の広報部長として苦情の鉾先をバンバン捻じ曲げちゃうやり手!「情報操作の王」と呼ばれ、世間からはタバコの害を広める悪魔として煙たがられている(タバコだけに)。情報の鉾先をすり替えるなんてお手の物、テレビの討論番組で、タバコの常習で肺がんになってしまった少年が隣に座っていようと。ビビリもしないし、ニックを目の敵に州議員を煙に巻くのもお手の物(タバコだけに)。
 世間は白い目で見ている彼の事を、離婚した妻の元にいる長男ジョーイはとても尊敬している。パパは何故世間から白い目で見られているのかを知るため、ずっと内向的だったジョーイはパパの仕事にくっ付いて歩く。
 百戦錬磨で怖いもの無しかと思われたニックだったが、そんな彼にも弱点が。美人記者に言い寄られ、栄華を極めたニックの転落が始まる!

 凄くハートがあったまる良い作品だった。今回は尚がチョイスして、事前に何の情報も無いまま見たうえに、話が面白かったんで物凄く得した気分になった。いやー、映画ってほんっといいもんですねー。

SUGAR&SPICE 風味絶佳

 06年9月29日 ワーナーマイカルみなとみらいのレートショーにて一人にて。
 大好きな山田詠美さんのお話しから、映画が出来ました・・・。あーっ、大好きなんですよ、原作本。良い話なんだこれが。
 但し、原作本に惚れこんでいたバードさん的には、これが映画化になると聞いたとき、好きであるが故に絶対外して欲しくない点があった。この話の影の主役である「グランマ」の女優だ。バードさんのイメージでは何処をどう考えても「夏木マリ」以外考えられなった。そのせいか柳楽君が主人公に決定!と言う情報のときよりも、グランマが夏木マリに決まったのを聞いたときに、何十倍喜んだ事か。思うに、飾り気の無い少年に、こんなj格好の良いおばあちゃんがついていれば、きっと無敵であろう。
 キャスティング見た時点でその本気っぷりはお釣りが来ていた、柳楽君の相手役には、美人で演技派、乃里子の役どころにはイメージどんぴしゃの沢尻エリカ。そして夏木マリだ。もう演技の面では問題は全くなかった・・・、なかったんだよ・・・。
 どうも、フジテレビが関わってると聞いた時にいやーな予感はしてたんだ、が、まさかこんな事になろうとは。細かい心のニュアンスを演技で充分演じられる布陣に対して、なんだこの脚本?原作に失礼だろうがっ。
 なんでこう、この作品を見る対象を「高校生」くらいに置いたんだろう?何故見てれば分かる心情をいちいち志郎のモノローグで語らせんだ?をゐ?余計だよそれ。まあ、柳楽君は相変わらず「セクシー俳優」への途中経過を見るようだったし、沢尻さんは元彼の車に乗り込むシーン、ピンヒールの足首の細さにグラグラ来たし。それにマリ様の若いボーイフレンドと一緒にいる雰囲気の凛とした感じとイイ。そう考えると何で脚本が・・・なんでー、何で脚本がーーー!

m:i:3

 06年8月4日 ワーナーマイカルみなとみらいのレートショーにて一人で。
 毎回毎回言っていて申し訳ないが、トム・クルーズは好きではありません。何かがいつも腑に落ちないんです?そして毎回毎回言っていて申し訳ないのですが、何故かトム・クルーズの出ている作品をよく見ている。ミッションインポッシブルシリーズも結局全部見ているんですが。この3作目嫌いじゃないです、って言うか「あれ?ひょっとしてトムって、嫌いじゃないかも。」とか思いました。ってか歳取ったなぁ、トム。良く頑張ってるよ天晴れだ。
 否、ちがう。トムが好きになったんじゃ無く、今回は話が飽きなくて上手い。展開は早いし、主犯格と疑わしき人物がどんどん出てくる。完全にシナリオ勝ち。久々「いかにもハリウッド的アクション映画」で、何も考えずに一気に見れたが、最後に「えーっ身内を巻き込むのはご法度なのに、しかも撃たせちゃうんだ。」と、ソコだけがエンディング終わってもなんか・・・、案の定「ヘイ!ベイベー僕のハンサムな顔を見てご覧。」と言わんばかりのトムのどアップも、結構歳を取って来ていた。うーん。

かもめ食堂

 06年4月1日と4月21日 109シネマみなとみらいで一人で。
 いやいや、最近邦画が頑張ってるって良く聞くじゃないですか、確かにそれは感じます。最近新しい感覚を映像に仕上げる監督さんがいい作品を作っている。
 そんななかでバードさんのつぼを押して、辛抱たまらんな状態にしているのはこの「かもめ食堂」です。うーんたまらん。以前に紹介したぴあのフィルムフェスティバルで賞を取った、もたいまさこ主演「バーバー吉野」を取った監督荻上直子の最新作である。
 今回の主人公、小林聡美演じる「サチエ」はフィンランドの首都、ヘルシンキ(白夜もあるよ!)で、何故か日本食を出す食堂を始める。かもめ食堂のメインメニューは「おにぎり」鮭・梅干・おかかのおにぎりだ。実はおにぎりがメインメニューの理由は映画の後半に出てくるのだが。
 で、いきなり東洋人の女の子が始めた日本食の食堂に、現地の人たちは店を覗き込む事はしても、扉を押して入って来る事はなかった。しかしそこに日本かぶれの男の子「トンミ・ヒルトネン」がはじめてのお客様としてやってくる。トンミったらいきなりバックからスケッチブックを出してサチエに懇願する。「ガッチャマンの歌の歌詞を知ってるか?」と。
 この後、たまたま目的地をフィンランドにして。来ては見たものの何をしていいのか不安げなミドリ、と、フィンランド空港のバゲッジで出てこない自分の荷物を待つマサコが加わって、かもめ食堂が満席になるまでのお話なのだが。いやぁ、佇まいが良いのよ、ヘルシンキの町、かもめ食堂の店内、お店の家具や食器調理器具、サチエの住んでいる部屋の雑貨。そしてサチエを演ずる小林聡美の佇まいもとっても良い。
 ヘルシンキの人たちのリズムは、何故こうもゆったりとしているのか?そして何故サチエはお客が来ない店であせることなく、食材の下拵えをし、テーブルや食器をピカピカに磨いていられるのか?その答えが分かるとまた凄く心地の良い作品だ。小林聡美を含め、ミドリ役の片桐はいり、前作から引き続き今回は謎の女として登場するマサコ役のもたいまさこが、現地の空間にすこっと収まっていて。不思議なくらい違和感が無い。演技派が揃ったこの作品、どこをとっても安心して見られるところもまた良い。なんか褒めっ放しですがまだ行きますよ、この映画のパンフレットがマサコのどっかに行ってしまった旅行鞄に引っ掛けてバック型なんですが、素敵な写真がたくさん入ったパンフでしかも600円と、クオリティとコストパフォーマンスの高さに、これまたびっくり。滅多にパンフレットを買わないバードさんも、思わず買ってしまいました、うーんカワイイ。こりゃDVDでたら買うな、きっと。
 と、言うか実は5月4日3回目を劇場で見ました。今回はくみっぷると一緒だったんですが、いやー実に3回見ても、全然良いのよ何故か?やっぱり見終わった後に「お腹すいたー!」と言ってしまうんだなぁ、これが。

Mr&Mrs Smith

 06年1月6日 ワーナーマイカルみなとみらいにて、エビスと黒エビのロング缶1本ずつ隠し持ってレイトショーへ。
 いやー、久々劇場で映画見たよ。今回の選択肢としては、全く頭を使わずに見れる作品と言う事で選んだのがコレ、で、もう最高!じゃぶじゃぶビール飲みながら見るには文句なしです。アンジェねーさんの美しさには秒殺されましたよ、ワイルドと上品さがこんなに高いレベルで融合している女優さん他にいるんだろうか?あの美しい目元とエッチな唇。アレだけのモデル体型にもかかわらずアクションも進んで喜んでやっちゃうところといい、無数のギャップが凄くイイ!で、だ、今までバードさんはブラットピットの良さって感じた事がなかったんですが、コレ見たらちょっといーんじゃなーい。ブラピ。
 なんか、大きなやんちゃ坊主みたいな役どころが彼の真骨頂なんだと気付きました。兎に角ハリウッド特有のお金かけてバカをやるところに、アンジェねーさんとブラピ、って、なんて贅沢な。OLさんや若い奥様方は、アンジェねーさんの着てる物に注意して見てくださいな、凄くお洒落の参考になります。シンプルなタートルネックニットと、タイトのスカートの素敵着こなしに注目。是非真似してください。

ムトゥ踊るマハラジャ

 05年8月7日 仕事場の橋本さんが貸してくれたDVDをお家で鑑賞。
 さて、邦画やハリウッド系は良く見るしアニメも見る、が、今回初のインド映画!インドは年間に700本位の映画が作られ上演されている位娯楽の王道だとの事、ってー事は日本におけるテレビのノリで皆が楽しんでいるものだと言う事であろう。で、今までインド映画にふれたことが無く・・・。
 予備知識といえば、テレビでチョロっと見たやたらと群舞で踊ってるシーンくらいなんですが、さて構えても仕方がないと見始めたんですが、これが今まで見てきた映画の概念で見てると度肝抜かれますよ、主役のムトゥを演じている「ラジニカーント」はインド映画界のスーパースターと言われているんです、それはいいとして、映画の一番最初、ストーリーに入る前に役者の名前が出てくるんですよ。それも「SUPER STAR」って出てくるんですよ、アリか?それ?と思っているといきなりそのスーパースターが唄って話は始まるわけですよ。バードさんの性格上ここでドン引きですよ、腰引け引け。もうこの時点でこの映画アウト!と思いながら見てたんですが、おっとどっこい。
 この出だしで唄ってる歌詞がこの後のストーリーを説明しているんですよ。お?なんか面白いんじゃなーい。と思ったところからいきなり群舞、踊る踊るそりゃ踊りまくり!それがまた俄然面白いのだよ。話はノンストップがんがん進んでインチキ臭い特撮も含めて超能天気!あーインド映画素敵!で単純に娯楽映画だと思って見てたら後半俄然ストーリーが良く出来ていて、話の全般に出てくる複線が後半の展開を奥深い物にしていて、話としても充分に面白い作品だった。
 それから若いお嬢ちゃんは四の五の言わずこの映画を見なさい、そしてヒロインの「ミーナ」を見て、今やってるダイエットなんかとっとと止めちまいなさい、子役から名演を見せ、しかもベリーダンスの名手である彼女は全然痩せてなくて、お腹周りなんかぷっくりしてるんだが、これが超セクシー。しかも美人!今の日本の常識を根底からガンガラガッシャンとちゃぶ台ひっくり返すくらい、いろんな意味で楽しめる映画でした。インド万歳!

宇宙戦争

 05年7月2日 ワーナーマイカルみなとみらいで、美声の王子様アキラくんと一緒に。
 バードさんは、何度と無く、何度と無く言っているのですが、どうも「トムクルーズ」と言う人の事が好きになれません。だって、品行方正で破綻の無い美男子なんて全然ツマンナイじゃないですか?友達になりたくない感じ。ってか向こうが友達になってくれる事は無いわけですが。
 さて、今回久々横浜に帰って来ていた美声の王子アキラくんとお昼前に待ち合わせ、挨拶もそこそこでアキラくんったら「映画が見たいです!」とのたまった。ん?なに見たいの?と聞いたら「宇宙戦争!」と・・・、
 ここでバードさんは内心「えー、自分だったら絶対選ばないタイトルだ。」と思いつつ「でも、ダコタ・ファニング出るし。」と妥協点を見つけて大人らしく、隙の無い笑顔で「いいねぇ、見よう見よう!」などと答え見たのですよ、で、観た・・・・・・・。

「酷かった、と言うか惨かった。」

なんつうか、話しが破綻してます。って言うか、この映画に対して何をクローズアップして、どう見ればいいのか?映画見終わったアキラくんの第一声が「申し訳ない」だったんで、思わず「大丈夫悪いのは君じゃない、トムだよ。」と優しく答えてみた。
 いつもこのコーナーでは、酷いところも包み隠しつつ、やんわりと良い所とかを探して書いたりしてるんですが。この映画に限ってはハッキリ言いましょう、最後のオチ何?なんかどうでも良いけどこれ見よがしにトムの「僕のハンサムな顔をアップで撮ってね。」みたいなシーンはぁえぇーっちゅうねん。でも、この映画見たおかげで、映画の話をネタにアキラくんとは笑ってビール飲めたし良しとしよう。
 でもよく考えたら嫌い嫌いと言いつつ、気付けばトムクルーズの出てる映画って、よく見てるかも。好きなのかトム?本当はすきなんじゃトム、否、ありえない(断言)

電車男

 05年6月15日 ワーナーマイカルみなとみらいで朝一の上映を、一人で鑑賞。久しぶりに劇場で映画見たよ。
 「2ちゃんねるの掲示板」って好きじゃないので見ないんです。で、掲示板上で盛り上がってるのは知らなかったし、本になったと聞いても別段読みたいとは思わなかったんですが、本になったことで色々な所から話の筋立ては耳に入ってきて、「あぁ、ダメなアキバ系男子のシンデレラストーリーか。」くらいに思っていたバードさんの耳に次に入ってきた情報は、「エルメスさん役は・・・中谷美紀」
 中谷キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!(←個人的にこのフレーズもあまり好きではないのですが作品的に敢えて。)ドラマ「ケイゾク」ですっかりファンになった中谷さんが出ていらっしゃると言うじゃありませんか。で、雨降りだったにもかかわらず朝一番の上映を見たのです。で、山田孝之君は若手の俳優さんの中では元々ある程度顔も実力もありなわけで、キモく見えるようにメタルフレームの眼鏡に髪を伸ばして、アキバ系ファッションで登場しても、結果ルックスが結構イケてる感じになることは想定の範囲内じゃないですか。もちろんエルメスさんのために、コンタクトを入れ慣れない服屋にジャケットを買いに行き、髪も美容院で切った電車男は充分イケてるんですよ、だって「山田孝之君」だから。・・・、じゃぁ想像の範疇でツマンナイ作品だったって言うと。意外と途中不覚にも涙出そうになっちゃったよ、なんだかなー。
 困った事に、電車男にアドバイスをくれるオーディエンス中で、引き篭もりの青年役が瑛太君なのと、アキバど真ん中の三人組のうち一人が岡田義徳君だったりしてるところが、山田孝之君も含めて「普段モテモテじゃんか君ら」と思ってしまうところがバードさんの良くない所なんですね。でも確かに電車男のじれったさは、身近にいたら応援してやりたくなるよ。だって根本的に電車男自身が裏表の無い「イイ奴」なんだもの。バードさんの身近に電車男が実際いたら、一緒に洋服買いに行って、美容室では「髪型はこうしろ!」とか「デートコースはここでコウだ」とまで事細かく言ってしまいそうだもん。

 で、ここからネタバレですが

 この話、結局「キモいヲタクの電車男」との出会いの時点から、エルメスさんは彼の事が好きだったわけで。「そうとは知らずに悶えまくる電車男」のもじもじっぷりを「見ているこっちも一緒にもじもじしながら見る作品」と最後に気付いた時点で、あぁ、ヤラレタ!と思いました。イイ意味で。

真夜中の弥次さん喜多さん

 05年4月16日 ワーナーマイカルみなとみらいでレートショー、ロンリーさ、あぁロンリーさ。
 製作発表が出てから待ちに待ち、楽しみにいていたクドカン初の監督作品。途中中村七之助さんの暴行事件でお流れになるかと思ったが、何とかカンとか公開にこぎつけた、やっほぉぅ!はてさて、元々このお話はシュールと不安定を描かせたら世界一なんじゃないかと思われる漫画家「しりあがり寿」の描いた漫画が原作、そして漫画自体が既にディープ!さてお話はワイルドで熱い男、弥次郎兵衛こと弥次さんとヤク中の役者、喜多八こと喜多さん。二人はディープに愛し合う恋人同士。「弥次さん・・・、オイラ現実(リアル)がとんとわからねぇ。」と麻薬に溺れる喜多さんの手から注射器を奪い取る弥次さんは、喜多さんが溺れてゆく闇から何とか救い出そうと悩んでいた、そーんな所にお伊勢さんからのDMが届く”リヤルは当地にあり”喜多さんのヤク中を治すため、そしてリヤルを探すため東海道を一路お伊勢さんに向かって旅立つのであったー!ってか、もしこれから見ようと思っている方には最初に言っときます、おかしいくらいに映画としては成立していません(笑)。そこだけは覚悟してみてくださいね。
 なんかこうテレビの2時間枠っぽかったっちゃーぽかったけど、でもまぁ面白かったのは面白かった、途中思わず口元が何度も緩んだよ。中村七之助さんは歌舞伎役者ですし女形もこなす若手実力派、そこいら辺問題ないとは思っていましたが、TOKIO長瀬がまさかこんなにハマるとは!二人の演ずる弥次喜多のディープな愛をご堪能あれ!

功殻機動隊S.A.C 2nd GIG

 05年4月10日 親友Nが貸してくれたDVD13枚をガンガン鑑賞。
 もう、タチコマには泣かされっ放しだ。ゴースト・イン・ザ・シェルではバトーを救うために、わが身を呈してアームスーツと戦って死んでいったタチコマ。その記憶をも引き継いで復活したタチコマは、もう既に視聴者にとっては機械ではない。こまっしゃくれた会話を、ポンポンと展開してゆくAIが、すでにこの脇役たちを人間以上に人間らしく見せる。
 さぁ、今回は第4次世界大戦が過ぎ去った日本が舞台。東京は土台ごと吹っ飛んでいて、バラックを上へ上へと継ぎ足したそのハーレムにはアジア系難民が大勢流入している。状況は今にも一発触発の不安定な状態。ここに2つの野望がその動機を結実させようと動き始める、片や不安定なバランスを逆手に誘発させて、カリスマになろうと企てる男。もう一人は、自分が起こす革命が多くの難民を救うと信じ、その強大な信念が圧倒的なカリスマ性として結実した男。再結成した公安9課にはタチコマも加わって連戦連勝かと思いきや、手に入らない物を強引に引き寄せようとする「合田一人(ゴウダカズンド)」に良い様に振り回され、片や追いかけても追いかけても、孤高のカリスマ「クゼ」は捕まえられない。
 今回はファーストで描き切れなかった各キャラクターの過去も交え、話は相変わらずの膨大な量の台詞とともにガンガン進んでゆく。前回も言ったが、女子供は最初っから相手にしていない。
 そして話の最後にはやっぱりタチコマに泣かされるのだ、コレも計算づくだとは思っているんだけど、それにしても大泣き。遷都した九州にある出島に立て篭もったアジア難民たちと、彼らを先導して革命を起こそうとするクゼ。米軍に手を回し原子力潜水艦から出島を吹っ飛ばすために発射される核弾頭、クゼ確保に出島へ潜入していた9課の面々。もうリミットが迫りいよいよ素子すらも難民たちをサルベージさせる事で、何時の日かその思いが復活できる可能性にかけ、諦めかけたその時。子供のように無邪気な声で、歌が聞こえてくる。
  
♪僕らは皆生きている。生きているから唄うんだ・・・。

 こんなもの見せられたら今後「手のひらを太陽に」を聞いたらそれだけで泣きそうである。もうコレはアニメなんかの域を超えて策略的であり、近未来の一方向を見せられているような、グロテスクで誘惑的なドラマだ。

ハウルの動く城

 05年1月16日 恋愛運微弱友達のくみっぷると一緒にワーナーマイカルみなとみらいで。
 久々大きいスクリーンで映画を見た、しかも宮崎アニメ。2004年公開してもう既に落ち着いているだろうと思っていったら場内満席。今回は主役の魔法使い「ハウル」の声優に木村拓哉を迎えると言う目玉を用意したが、そんなもんあろうがなかろうが客は入るのだよ、実に恐ろしい。
 お話の内容は本当にホッとする話で心温まるし、家族でも友達同士でもカップルで見ても感動できる実にいい作品だ。良くコレだけの良作を飽きられずに作り続けられるのは恐れ入る。
 さて、どの道良い作品なのは端っからわかっているので、ちょっと違う角度からこの作品について鑑賞して見ましょう。今作、話が始まってトップシーン、霞んだ景色から霧がサーっと晴れ、そこから広がる世界を見たとたんに「ハイジだーっ」と思う部分がある。見て反射的に「ハイジだ」と感じられるほど、多くの日本人のDNAに「宮崎ワールド」は刷り込まれているのにびっくり。今までの宮崎作品と比べて「ハウル」は非常に話がシンプルである、「もののけ」のような厳しい自然の摂理もなければ、「千と千尋」のようなごちゃごちゃと大量の人が蠢くシーンもばっさりと少ない。例に挙げた2作と比べると、情報量の密度は低い。だがしかしこの作品のリッチで味わい深い濃厚さを作り上げているのは、なんといっても背景の作り込みの密度が理由だ。千と千尋の中盤で単線の電車が水の上走る風景。あの叙情が全編通して背景に注ぎ込まれている。冒頭で「ハイジだ」と思ったあの懐かしさをブラッシュアップして緻密にした背景が、シンプルな話をがっちりと支えているのだ。
 それぞれキャラクターの姿が状況と場面でクルクルと変化してゆくのだが、登場人物を絞り込んでいてとても明確。しかもソフィーを演ずる倍賞さんの声と、意外や意外違和感なく溶け込んだ木村君の声がが非常に良くてちゃんと「ハウルワールド」が完成しています。上映中に映画館で見ると他のお客さんと共に「良い作品が見れて良かったね」感が共有できる、良い作品でした。はい。

華氏911

 04年12月5日 じゃぶじゃぶ飲んでガンガン唄っている飲み屋、CCのマスター法ちゃんが貸してくれたDVDをお家で鑑賞。
 あははははは!もうなんかこのジャケットの趣味の悪さから中身の想像はちょっと付いたが、まさかここまで酷いなんて「あーぁ」としか言葉が出てこない。ブッシュさん再選で後4年の任期なんですね。もう、お先真っ暗感ぶんぶんに漂ってます。マイケルムーアーのバイタリティは前作の「ボーリング・フォー・コロンバイン」で重々承知だったんですが、すごいよこの人は、一見アポなし突撃取材の無茶なおっさんかと思いきや、この作品を見ると話の組み立てと、緻密で膨大な取材と、大量のコメントにおぼれることなく、編集して行く能力は並大抵じゃない。だけど僕らはもう薄々気付いている、メディアは真実の一部分しか見せてくれないし、そこには何かの外圧がかかってる可能性も充分考えられる、テレビの画面に流れていることは100%鵜呑みには出来ない。じゃぁ、その理論を持ってきてこの作品を考えて見よう。でもさその分を差し引いてこの作品を見ても、ブッシュがトンチンカンチンなのはあからさまで、この人がイラク戦争の指揮をしているのは薄ら寒いとしか言いようがない。大丈夫なのかアメリカは?人ん家の事に首を突っ込むのは基本お節介な訳で、それが他国であれば、過去の歴史や宗教も絡んで、安易な勝ち負けでは済まなくなる。現場の兵士たちの声、時系列を追って発言の内容が変わってい行く。イエスやノーではなく、現場の兵士たちの声は真実だ。なんか、そわそわしてきた。コレ読んだ人が告発してバードの鳥小屋にもFBIが乗り込んで来たりして!

PIXER,2作!ニモ&モンスターS'INC

 04年11月吉日 足蹴く通う飲み屋、CCの仲良しマスター法ちゃんが貸してくれたDVDを鑑賞、お家で鑑賞。
 えー、DVD貸してもらえるのは本当にうれしい、うれしいんですが、いっぺんに6本はどうなのよ?と、言いつつそん中から先ず見たのはディズニーの3DCGアニメを手がけるPIXERの人気作品「モンスターズインク」と「ファインディングニモ」の二本、因みにディズニーは著作権がうるさいので、バードさんうるおぼえでチマチマ描いて見ました、似ていない所はご愛嬌と言うことでゆるしてね。で、本当にゴメンナサイ、ここ暫くのCGアニメにすっかりがっかりさせられていただけに、なーんも期待せずに肩の力抜け抜けの両手ぶらり状態で、最初にモンスターズインクを見た。すげー!何コレー。サリーがふっさふさ!しかも話が面白い上に畜生、ちょっと涙ほろりとさせるストーリー!すげーすげーすげーCGすげー!この映画が上映された当時ショップの店頭に並んだサリーのぬいぐるみを見て「ふさふさしてんなー」と思って見ていた意味が数年の月日を経て今新鮮に湧き上がる感動!本当に本当にふっさふさだよ!かっ、かわいい。そんでもってニモだよ、もうぴっちぴちのちゃっぷちゃぷ。さらにこれまた強烈にさんご礁が美しーい!道理で熱帯魚屋でカクレクマノミ売れるわけだよ(でもそれは本末転倒でしょ)。おいなんだよPIXERやるなーやるじゃんよっ、以前CGアニメの限界はアニメ特有のデフォルメが表現できない所と指摘しましたが、コレはすごい!なんかディズニーの底力を見た、デフォルメが物凄く自然、怖いくらい。日本のCGアニメよがんばれ負けるな!いやー感動。

the ROSE

 04年10月24日 良く行くCCの仲良しマスター、法ちゃんが絶妙なタイミングで貸してくれたDVDで鑑賞、一人で。
 1960年代アメリカでカリスマ的人気を博した伝説のロックシンガー、ジャニス・ジョップリンの生き様を映画にした作品であり、演じているのはこれまた現在のアメリカショービズ界でも、完全に別格であり今だ多くの観客を唸らせる「ベッド・ミドラー」の映画発主演作であり。その歌唱力であっという間にトップパフォーマーとして認知された作品である。
 片田舎の一人の女の子は、悲しい過去を溶かすために大量の酒とドラッグに浸りながら歌を唄っていた、幸か不幸か彼女は優秀なプロモーターに実力を見出され、アメリカ人が一番弱い「ビックでフェイマス」と言う立場になった。彼女は疲れた心と体を引き摺って、プライベートジェットに乗ってツアーを回る。彼女の心の痛みは癒えずに、傷は深く悲しみは増していくばかりだった。いくら有名になったからといって、彼女はこの当時の反体制と激動の時代には目の上のたんこぶだった。悔しくて悲しい思いをしたある日、彼女は本当に出会うべき男性と出会う。「自分の悲しい過去」も、「自分の感情をストレートにぶつけてしまう事も」すべて隠さずにいられる最高の相手を。しかし彼女の衝動と愛は大きすぎて、愛する者までも激しく傷つけてしまう。
 結局、自業自得なのだ、きっと自分にも他人にも厳しい人から言わせれば。でもバードさんは人の心の闇も、弱さも、すべてがあってこそ初めてその人だと思う、だから彼女をただの「弱い人」なんて切り落とすことは出来ない。そんな弱さも切なさも。もし、彼女が有名でなかったら、もしもっと違う夢を持っていたら、これほど悲しい結末にはならなかっただろう。悲しい過去を見返すために有名になって、今まさに自分の故郷でビックステージに立つ事になった彼女はボロボロになりながらも、今までに見せたことの無い輝きを放って、そして倒れてしまう。「どうしてみんな離れて行ってしまうの?」声にならない声で彼女は最後にそう言うのだ。この結末は自業自得だ、しかし彼女の唄が本当の心の叫びであり、だからこそ多くのファンの心を鷲掴みにしていたのだ。昔の天才アーティストは夭折であり、だからこそ時代を超えて語り継がれるのであろう。
 さて、以前からその実力に唸っちゃうベッド・ミドラーなのですが、ヒールで踊って唄ってコレだけ神懸り的なパフォーマンスが出来る人は居ません。日本のアーティストにこう言う凄い人、いつか出てくるんでしょうか?

誰も知らない

 04年8月17日 横浜伊勢崎モールにある横浜ニューテアトルにて、友人Nと2人でこの日の2本目。
 久々見終わったときに見た事を後悔した程、心の中にやりきれない思いが「遺恨」となって残ってしまった作品。凄く良いんですよ、本当に、でもね見終わった後に言葉が出ないくらい打ちひしがれた。最初のシーンは、電車の中。大きな旅行用のスーツケースをもって、汚い穴の開いたTシャツを着た男の子が羽田に向かうシーンだ、この時はまだ、彼がなぜ羽田に向かうのかは知る余地も無いが、最後このシーンがもう一度出て来る時に、拭い切れない遣る瀬無さに襲われる事となるのだが・・・。
 都内某所のアパートに引越しのトラックが着く。越して来たのは「YOU」演ずる母けい子と「柳楽優弥」演ずる明。大家には父親が海外赴任中で母と長男の二人暮らしだと嘘をついて。小さな弟、「木村飛影」演ずる茂は旅行用のピンクのスーツケースから。末の妹「清水萌々子」演ずるゆきはヴィトンの旅行かばんから顔を出し次女の「北浦愛」演ずる京子は追って近くの駅まで電車でこの街にやって来た。母子家庭で4人も子供がいると知られれば、またこの家も追い出されかねない。4人の父親はみな別々で、学校に通ったこともない。それでも母がデパートで働き、12歳の明が母親代わりで家事をして、家族5人は幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、母は明に「今、好きな人がいるの」と告げる。
 ある晩遅くに酔って帰った母は、突然それぞれの父親の話を始める。楽しそうな母。だが、翌朝に母は20万の現金と「しばらく留守にします。京子、茂、ゆきをよろしくね」と明にメモを残して消える。この日から、4人の子供たちの誰も知らない漂流が始まる。
 この映画は元々東京で実際にあった話しの概略を借りてストーリ立てされた作品である、監督の是枝裕和さんは長男の明役に柳楽優弥を抜擢した時に「勝った」と思ったに違いない。大きくて切れ長な目のただならぬ存在感で、しかも時折見せる表情にとてつもない引力と破壊力を持つ。この少年は完全にこの映画を支える背骨のようである。大抵こういう化け物子役が出ると周りはみんな食われる、しかしこの明に対し、どーしょも無い母親役としてYOUを据えた是枝天晴れ!この力関係恐るべし。このたった12・3歳の男の子が見せる大人びた顔や肩口に漂う刹那や、行き詰った状況でも、ふとこぼれる笑顔。それをもってしてもこの母親なら仕方ないかと思わせるYOUの名演。いやなんかみんな演じてるって感じが無くて、むしろ怖い。普通に映画を見ててこんなに怖い映画はなかった。何でそんな状況で笑える?何でその状況でそんなにしっかりしているんだ明?何だあの母親!どれをとっても遺恨だ。ジャンルとしてぜんぜん掠りもしないのだが、この「遺恨」の残りっぷりは、昔見た緒方拳と岩下志麻の「鬼畜」以来の残りっぷりだ。しかし敢えてこれはぜひ見てほしい、カンヌを制したまだ小さな名優はあなたの心のそこで鈍りかけた琴線を打ちます。
 で、2005年4月も後半、仲の良いNがDVDでリリースになったのを期に購入したのをお借りしました。で是枝監督の演出ノートが特典で付いていたのだが、やはり明役の柳楽優弥くんはオーディション一発で選んだとのことだ。特典ディスクに子供たちのオーディション風景が入っていたのですが、一番下の妹ゆき役の清水萌々子ちゃんの可愛いこと、そして柳楽くんの目が力強く印象的。彼はほんとに良い俳優さんになりそうな気がする。

スパイダーマン2

 04年7月28日 ワーナーマイカルみなとみらいにて一人で。
 アメリカのカトゥーンから生まれたヒーローは何人もいますが、元々地球人じゃない上に生まれながらのヒーロー気質の「スーパーマン」を除き、それ以外のヒーローには何かしら苦悩の部分や、闇の部分があって、科学者の父親に実験材料にされちゃったとか、過去の記憶が無いままナノテク技術で、意識が戻ったらヒーローだったなどなど。それに負けず劣らず苦悩しまくりの「スパイダーマン」。前作では今回2をやるのにあたって必要以上の伏線はバンバン張られていた。自分を育ててくれた里親のおじさんが、自分が嘘をついた事で命を落としてしまった事を後悔しながらヒーローとなり、自分がヒーローとなってしまったが故に、愛するメリージェーンや里親のおばーちゃんが危険にさらされてしまう事への苦悩、そのルックスゆえに悪者として書きたてるタブロイド。そして、無茶な人体実験の結果化け物になってしまった親友の父親を倒した事で、親友に「父親の仇」と言われてしまったスパイダーマンことトビー・マグワイア、何がイイってこの人って冴えないにーちゃんである事が何よりもイイ。
 さて今回の2は勿論前回の話しを引っ張り。苦悩の結果「ヒーローはやめる」と決意する所から始まるのだが、無茶な実験の結果変な化け物と化した「ドクターオクトパス」が大暴れ!メリージェーンとへの気持ちに素直になろうとした矢先、親友の「スパイダーマンを連れて来たら望むものをやろう」と取引をしたドクターオクトパスがスパイダーマンを誘い出す為に、事もあろうかメーリージェーンを攫って行く!ニューヨークの街に場違いな核融合を起こしこの銀河系に2個目の太陽が生まれ、この星をも飲み込む勢いで成長しようとするのを阻止できるのかスパイダーマーン!!!!
 彼は悩みに悩んで兎に角、ドクターオクトパスが無茶しまくるのを押さえにかかるのですが、ボロボロに戦いながらスパイダーマンったらマスクが取れてしまい、ニューヨークの街の人々にその顔を見られてしまうんです。ところがその時の街の人たちの反応がもう涙、なみだ、涙。みんなはスパイダーマンが帰って来て欲しいと願っているのですよ、街を守るヒーローがニューヨークに戻ってくる事を待っているんですよ。で、結局彼は決めるのですよ「やはり自分は孤独であろうと、ヒーローであろう」と!所が最後に・・・。3も楽しみ。結構ヒーロー者の中では見ごたえありました!ご覧あれ!

バーバー吉野

 04年7月8日 横浜西口シネマソサエティにて、友人Nと2人で。
 (椎名林檎「浴室」のメロディーで)♪横浜のカメラ屋さんの階段を下りた映画館は・・・。
 って事で、結構コアな作品を見せてくれる地下のミニシアター「シネマソサエティ」。で、本日の作品は「第13回ぴあフィルムフェスティバル」スカラシップ作品の「バーバー吉野」。
 日本のとある片田舎、そこには泳ぐ魚が全てわかるくらい綺麗な川が流れる「吉野町」と言う小さな町。その街には昔からの言い伝えがありました。「昔、吉野町にある山には天狗がいて、町の子供をさらって行った。大人達は子供たちをみんな同じ髪型にして天狗から守った」と言う言伝えだ。この吉野町に一軒だけの床屋「バーバー吉野」で理髪業をしている吉野のおばちゃんは、この町の子供たちの全員の髪型を切っていた、その言い伝えの当時のまま全く同じおかっぱ頭にである。
 その床屋のおばちゃんを演じるのが「もたいまさこ」さんなのですが、「やっぱり猫が好き」とかから大好きな女優さんな訳で、楽しみに見に行ったんですよ、そしたらば案の上いい作品でした。で、ちょっともたいまさこと室井滋さんを比較するんですが、どっちも濃い女優さん達ではあるんだけど、室井さんが「何を演っても室井滋」なのに対してもたいさんの「絶対こんな人いるよ!」と思わせる感じがあって、この作品にもその、こんなおばちゃんいそう!と感じさせるところが充分に発揮されている。
 町の中はいつも安泰。で、今日も何も変わらなく同じ毎日を繰り返していたのだが、この町に東京から一人の男の子が転校してくる。その男の子は茶色にカラーリングした髪の毛をワックスで綺麗に整えていたのだ。
 この設定って良く考えたら「ドックビル」と同じで、「閉鎖的な町にイノセントがやってくる事に寄って起きる動乱」な訳で、「最後は悲劇か?」と、話しの先が読めそうだと思って見たら、良い感じに裏切って、所どころには「人生って自力じゃどうにもならない事」があって、でも「勇気を持ってぶつかって行かなきゃいけない!」と思わせてくれて、最後は満面の笑みを浮かべたくなるような話だった。ある意味日本版の「スタンドバイミー」みたいな(これは誉めすぎか。)しかし!仕事がきつくて疲れた状態のバードさんの心に、じーんわり染みる話でした、良かったです。

21g

 04年6月22日 ワーナーマイカルみなとみらいにて、友人Nと2人で。
 ナオミ・ワッツ演ずる「クリスティーナ」は、話の冒頭のワンシーンで、長女を産んだ時の苦労と、その苦労を乗り越えて、今愛する夫と2人の娘を最も大事にしていると話すシーンが挟みこまれ。ベニチオ・デル・トロ演ずる「ジャック」は、前科をもち、今は教会の手伝いをしながら、神にすがる事で自分は変われると思いながら、妻と2人の子供と生きている。ショーン・ペン演ずる「ポール」は心臓に重い病気を持ち、病院のベットでもう残り僅かな自分の命を憂いながら死の時を待って暮らしていた。フラッシュバックのように複雑な時間軸を前後させながら、話は悪い方向へ進んでゆく。神を信じて幸運が自分の方に向ってき始め、神は自分にご加護を与えてくれていると思っていたジャックは、それまで働いていた仕事場を首になった帰り道、Uターンしようとした時、視界に入らなかった親子3人を轢いてしまう。死んだ父親の心臓が移植コーディネーターを通じて、死を待ってベットに横たわる男の元に届く。勿論死んだ3人はクリスティーナの旦那と2人の娘で、心臓が届いた先はポールの胸骨の中だ。人は誰でも死ぬと21g軽くなる、それは5セント硬貨5枚分の重さ、ハチドリの重さ、チョコバー1本分の重さ。
 話は益々ごちゃごちゃした時間軸を辿りながら、最後には息が詰まりそうな展開を見せる。しかし、困った事に実力派の役者3人がスクリーンから目をそらす事をさせてはくれない、ポールは生きる事にリミットがある人生から、心臓を移植した事で今まで思いもよらなかった、生きる為の時間と向きあい。クリスティーナは自分の手足をもぎ取られるような、生きたまま死んでいるような時間を彷徨い、ジャックは最愛の家族から、そして自分の弱さからも逃走してしまう。なのにこの話は、最後3人に形は違うが「希望」を見せる。素晴らしい脚本と最高の演技。どうぞお時間があれば見て下さい、笑える所はこれっぽっちも無いことは覚悟の上で是非。

about a boy

 04年4月14日 美声の王子様アキラ君が貸してくれたDVDを部屋で暢気に鑑賞、一人で。
 「ノッティングヒルの恋人」は残念ながら見ていないのだが、ヒュー・グラントが、美系だけど情けない男をやらせたら世界一だというのは風の噂で聞いてはいましたが。いやーハマリ役でしかも良い話し。なんかテレビのニュースは日々新しいどよんと澱んだネタを繰り出して世界を鬱な色に染めてばかりだから、たまにはこう言う、心にほっと深呼吸できるような良作は見とくべきだ。ヒューグラント演じるウィルは一発屋の父親が作曲したクリスマスソングの印税で生活するには何一つ困らない位の印税が入ってくるが故に、38になる今まで一度も定職にも付かずに自由気ままに生きてきた。人から見たら羨ましい限りの生活の中で、ちょっとした好奇心からちょっとした嘘を付いた。結果知合う事になる12歳の男の子ニコラス・ホルト演じるマーカスに出会いここから彼ののんべんだらり生活が段々と本人が望まない方向にずれて行く。
 目的なく生きてきた彼は、本当に愛したい人と出会っちゃったが故に、出来れば気付かずにいたかった事に気付いてしまう。「俺って、空っぽ?」そう、あまりに何もしないで生きて来た自分を直視し、世知辛い境遇のなかで大事なママを助けてあげようともがいているマーカスを見ているうちに彼は変わって行く。いやー良い。ヒュー・グラントにあて書きしたのか、それとも本当にヒューが演技派なのか?いや両方か。主役の2人以外にもマーカスのママといい、他のシングルマザー達といい、ちょっとおかしなキャラの人たちがたくさん出てくるが、一番よいなぁと思う所は親子ほども歳の離れた大人になり切れない男と、ちょっと個性派で冷めた男の子の間に、本当の友情が確立する所に「まだまだ世の中捨てたもんじゃない。」感を感じさせてくれる。それにつけてもマーカス役の男の子が、なんか中川家の弟にちょっと似ていて憎たらしい所もまたイイ。

功殻機動隊ゴースト・イン・ザ・シェル

 04年4月1日 映画3本ハシゴして脳味噌がすっかり疲れたあの日に、Nが貸してくれたDVDをお家で鑑賞。一人で。
 いやー、ココ遊びに来てる皆さんはこの作品が出来た当時に見ました?この作品って作成が1995年なんですよ、ほぼ10年前ですね。バードさん意外とインターネットやPC関係のお仕事をし続けているので非常に痛感しているのですが、こんなに世間にインターネットが老若男女に普及しだしたのって、実感ココ5年くらいだと思うんですよ、体感的にね。で、先日から話題のINNOCENCEがらみで復習の為にも貸して貰って始めて見たんですが、「この話は早すぎるや!」95年の当時これを見た人でこの話のスケール感をすんなり受け入れられて見ていた人って、いないでしょ!押井守監督の感覚の早さ、早すぎ。まだ世間がE-MAILって単語すら「何?」って時代にこの完成度。超高性能ハイブリッドボディに脳味噌を乗っける設定から、甘さ一切無しで子供の相手なんか全くするつもり無しの作画、膨大なネットで繋がった電子ニューロンから生まれ出でた生命体と言う発想。今ならなんとなーく頷ける設定が10年程前に高い完成度で描かれていてしかもハードボイルド。ひゃー、にしても、先にこれ見てたらマトリックスなんてかけらも驚かなかったよ。すご。マトリックスって「ゴースト・・・」の焼き直しジャン殆ど。今この時代にやっと追いついた2004年のあなたが体感できる恐ろしく高密度なアニメーション!フィフスエレメントのビルから飛び降りるシーンやマトリックスのオープニング、007で消える車が搭載していた光学迷彩やら。ハリウッドのアクション映画のハッとするシーンがもう10年前にここにあったのよ。まぁびっくり。

花とアリス

 04年3月30日 TOHOシネマ川崎にて。友人Nとハシゴの2本目。
 うちら的には岩井俊二監督作品はおさえておかないとね。ってな感じで。なんか岩井監督の映画に対するロジックみたいなのってわかってきた気がする。花とアリスはキットカットのCMで流れていた鈴木杏ちゃんと蒼井優ちゃんのCMからインターネットのショートシネマそんでもって、劇場版と言う流れでランクアップし、二人のシュチエーションはそのままに、女の子同士の分厚い友情物語、となっているのである。これ位の年齢の女優さんの中では、えらく演技能力値が高い二人と、これまたリリィシュシュにも出ていた郭智博君と言う強力な布陣を引き完成度の高いほのぼのっぷりをみせる。この日一本目に見た「エレファント」とは大違い、で。岩井俊二的にはこの作品で考え付く限りの可愛い物を、できるだけ一杯集めてそれを全部綺麗なままでフィルムの中に閉じ込めたかったのであろう。浴衣で縁日を歩く女の子・女の子二人が降りしきる桜の花びらをすくい集めてはぶつけ合う登校姿・バレエのチュチュ姿でじゃれあう女の子たち・制服のままでバレエを踊る女の子。もう文字で書いただけで「絶対可愛い、間違いない!」と思われるシーンを丁寧に敷き詰めて、チョットがさつで大雑把な花(鈴木杏)と小悪魔炸裂のアリス(蒼井優)それと、騙されちゃうのかお前?の宮本先輩(郭智博)の微妙な三角関係は、岩井監督お得意の美しい風景の中でほわんと、まさにほわわんと進むのであった。可愛いだけで事が済むのかと思ったら、意外とアリスの家は離婚していて一緒に住んでる母親は、娘そっちのけで恋愛にうつつをぬかしてるし(因みにこの母親役がWink相田さんなのだが、久々見事なキャスティングと思わず膝を打ったよ。)結構現実は世知辛いし、でも女の子は可愛く逞しくあれ!と言うか、そうあって欲しいと言う監督の思いが素直に描かれたお話。物凄くデート向きな映画ですよ。

エレファント

 04年3月30日 川崎チネチッタ、チネグランデにて。友人Nと。
 バード以上に映画好きなN、映画のハシゴは良くある話。しかしこの日は3本(をゐ!)続け様に。で、一本目。前にあったじゃないですか、ボウリング・フォー・コロンバインって映画、ご存知ですか?銃社会のアメリカを震撼とさせた「コロンバイン高校銃乱射事件」を、覚えてます?高校生二人が学校内で銃を乱射した事件。「ボウリング・・・」は、その事件を踏まえて、アメリカと銃の関係をマイケル・ムーア監督が、赤裸々にブッタ切る怪作のドキュメンタリーだった。で、この「エレファント」と言う作品はそのコロンバイン高校銃乱射事件をベースに、とある高校で凄惨な結末を向える一日を淡々と追う。上っ面だけ仲のいい振りをしている者、スポーツに明け暮れる者、家庭の事情に翻弄されている者、周りにからかわれている者、そして蔑まれている毎日に、どす黒い物を、心の中に育ててしまった者がいた。
 参謀者と2人で育む捻じ曲がった狂気の元に、やって来る宅配便のダンボール箱にはショットガンが入っている。まるで健康器具かなんかのように、普通に、普通に。そこから計画を着々と進める二人は、学内をパニックに陥れた暗澹たる結末まで終始ペラペラに無感動なのだ、人を撃ち殺す事に快感も低迷もなく終始ペラペラだ。生き残った者、殺されてしまった者、銃を乱射した者。どこを切っても、どっから見ても寒々しい。
 で、後で知ったのですが、この話に出てくる大人の人以外、つまり学内に出てくる学生たちは実際の高校生からオーディションで選ばれ、役名も本名だそうだ。凄いよ、見てよ。日本と言う国の安全をこの映画から、考え直して見てよ。

INNOCENCE

 04年3月11日 ワーナーマイカルみなとみらいにて、友人NとNの恋人Hと3人で。
 もう今後、球体間接人形を見たら、瞬間その場吐くかも知れません。
 バードさんはあの世界中のアニメンファンを、表現力の限界を越え亜空間に放り投げた怪作「功殻機動隊ゴースト・イン・ザ・シェル」を見逃してしまい、その凄さを生で体感していないのです。本作はその続編と言いつつも独立した作品として生まれ、あのドリームワークスが全世界配給と言うメガトン級のオマケまで付き、ココ暫くそこここでバンバン宣伝をうっていた。で、その予告で流れた劇中の祭りのシーンの美しさに、絶対ヤバイ!と思い速攻見に行きました、結果。近眼に乱視が入り気味にもかかわらず、通常裸眼でいるためバードさんは、雑貨屋など色数が多い場所に長時間いるとグラッグラッするのですが、案の上すっかり酔ってしまいました。今までその映像美を唄われた作品は多々あります。黒沢明の「乱」しかり、「2001年宇宙の旅」しかり、想像を越す美しさは吐き気を起こすほどの嫌悪感を巻き起こす。
 美しいが故におぞましく、グロテスクであるが故に美しい。話しの内容は至ってシンプルなのだが、会話の中に中国の古い漢詩が多用されていて煙に巻かれる。しかし、人間はその理想形として人形を作った。と言う件から最後のオチまで見事にグロテスク。話しの煙に巻かれても元が取れるくらいの美しさは、世界中のアニメファンを圧倒するでしょう。因みに、こんなに凄い力技みたいな作品だと言うのに、Nは始まって物の10分で爆睡してました。ははは。お疲れ様です。
 で、3月30日映画をハシゴしたこの日の3本目。前回、ものの上映5分程度で、誰も引き戻せない眠りの深淵に落ちた友人Nに「どうしても見たいから。イイ?」と聞かれ快諾。2回目みたら、圧倒的情報量の視覚効果を脇に置いて、ストーリーを洗い直すように見れて良かった。これは実は凄くシンプルでわかりやすく、且つ、生命とは?生きているとは?その、太古からあって直視しないようにしている所を真っ向見せつける作品だ。うーん、イイ話し。

戦場のピアニスト

 03年12月1日 親友Nからまとめ借りしたDVDの一枚。
 劇場公開時にタイミングを逃して見れなかった作品、今こうして見られるなんて、DVDって素敵だ。さて、この話は実話に基づいた作品で圧巻である、そこに脚色を加えると感動的になったりするもんだ、しかしバードさんこの話しの原作をまだ読んでいないので、なんとも言いがたいのですが、原作を書いたウワディスワフ・シュピルマンと言う実在のピアニストが生き抜いた、ナチスドイツによるユダヤ人の虐殺の時代。に監督のロマン・ポランスキーも同じ時代を生き抜いてこの原作にめぐり合った。監督はこの話の当時まだ小さい子供で、母親はこの話の中のシュピルマンの家族のように、ナチスによって殺されたのだと言う。この時点でこの話は映画として多くの人に見て貰う意義がある。しかし、あまりにも冷静にそして客観的にある一線を置いて俯瞰的に作られている。この作品の時代にどれほどの馬鹿げた虐殺や破壊が起こったのかを「お涙頂戴」的な所一切無しで見させられるのだ、圧巻なのも当たり前。途中からどんどん街中の色数が減って行く。時代が冷えていくとシンクロして、一番寒いと思われるシーン。隠蔽生活から一転しナチスに追われ、もうガリガリに痩せたシュピルマンがびっこをひきながら命辛々で壁を乗り越えた向こうに、瓦礫の廃墟が何処までも続く心を凍らせるシーン。全ての色味を失ってモノクロームなのだ。街も生き物に例えるなら「死んでいる」状態を、見せられるのだ。
 殺された者、殺した者、戦った者、逃げ延びた者、その全てが必死で時代を生き、そしてシュピルマンがこの時代を越える中に必ずピアノがあって、彼はピアニストだったからこそ、生きてこの作品を現代に映画として語りついでくれたのだ。話しの最後、冷えた時代は終りを告げ彼はまたピアノを弾く。色のあるオーケストラをバックに。彼はピアニストだから聞く者の為に、亡くした多くの愛すべき人の為に色のある曲を弾くのだ。

トーク・トゥ・ハー

 03年11月15日 横浜西口相鉄ムービルにて、一人で。
 横浜西口老舗のシネコン「相鉄ムービル」はオープンして15周年、その15周年記念企画として、駄作ですらも底引き網のように世界中から持って来ては、莫大な広告費をつぎ込んで観客を煙に巻く「ギャガ・ヒューマックス」との連携企画で、今年単館で人気だった3本の作品を選りすぐり11/1-11/10まではオーストラリア映画「裸足の1500マイル」11/21-11月末まではジュリアン・ムーアー主演「エデンより彼方へ」を上映!毎日朝9:30から一回のみ上映を1000円で見れるので、朝早くから見に行ってきました。今回の作品はリンク先の友人たちも挙って見に行っていたスペイン映画「トーク・トゥ・ハー」。
 バレリーナのアリシアは事故で昏睡状態となり、その隣には、彼女が事故に会う前、彼女が通っていたバレースタジオの向いに住んで、彼女を見つめ続けていたベニグノが、看護士となり4年間、眠り続ける彼女の髪や爪の手入れをし、体を拭き。彼女に日々の出来事を当たり前のように語りかけていた。一方、女闘牛士リディアも、競技中の事故によって昏睡状態で入院していた。彼女恋人マルコは、突然の事故に困惑し、彼女の傍らで泣き、ふさぎこむ。互いの境遇を語り合ったベニグノとマルコの間には、いつしか厚い友情が生まれていった。ベニグノの盲目的な愛が、誰も予想だにしなかった悲劇と奇跡を招き、それぞれの運命を大きく変えてゆく・・・。
 出てくる役者の配置がいい。ベニグノ役(ハビエル・カラマ)は見るからにそう言う結末を呼びそうだし、マルコ役の(ダリオ・グランディネッティ)は泣きをやらせたらメチャメチャ上手い。マルコは事故にあい植物人間状態のリディアに対して「死」を感じ、ベニグノはアリシアに「生」しか感じていなかった、結果この話しは最後にすごく切ない終焉を招く。ベニグノの仕出かした事は全く持ってイカンのですが、命の代償を払い結果アリシアには奇跡が起こる。ストーリーの途中何度か回想シーンが挟みこまれる、いつもなら「展開がわざとらしい」とか内心あら探ししがちなバードですが、不思議とこの映画に関しては違和感が無い。スクリーンに映し出されるスペインの風景もプールを泳ぐ男も、教会の結婚式もバレイのシーンも、闘牛の試合の前リディアが身に付けるマタドールの刺繍や細工までもが美しい。最終的にこの話、観客はマルコの視点に立たされる事になるのだが、これまた本当切ない。久々に唸る作品、秀作。

カッコーの巣の上で

 03年5月31日 バードのツボを押しまくる、友人Nから借りたDVD、自宅にて拝見。
 今やよっぽど映画好きじゃないと見ても誰だかわからないのだろう「ジャック・ニコルソン」。バードさんのイメージでは「シャイニング」しか浮かばないのだが、この間誰かに聞いたら、「あぁ知ってる!バットマンの悪役の人でしょ。」って、そりゃそうなんだけど。
 最初に言っとく、すげぇぞジャック・ニコルソン、こんな役者いねーぞ他に。もし「ファイトクラブ」や「トゥエルブモンキース」のブラット・ピットのキレっぷりを100とすると2864052(当社比)ぐらい。ヤバさのステージが違う「やばい」と言うより「ヤヴァイ」のだ、因みに比較にならないが高橋克典を隣に置くと0.27位だろう(比較にもならん上に、きっとオダギリジョウの方がもうほんのちょっと上だ)。さて話は刑務所の強制労働を逃れる為に精神異常者を装うジャックニ・コルソン演じる「マクマーフィー」はオレゴン州の精神病院に身柄を移される。もちろん彼以外は皆、コントロールをする事を前提に、薬物を与えられた精神病患者なのですが、この病院ではそのセクションを治める看護婦長がすべてを牛耳っていて・・・。
 今日の時点でバードさんは、鬱やPTSDなどを患っている知人・友人が3人はいて、入院や自宅療養をしている。とくに親しい友人に関してはHPの日記を読むとその状況に胸が痛くなる。そう考えると「見てる側も鬱になる映画」のような気がしながら見ていたが、マクマーフィーがこの開放病棟の中に新しい風を起こす、途中妙に、見ていて可笑しくて笑えるのだ、しかも予想を裏切って痛快で爽やかに笑える、ひょっとしてマクマーフィーって、石原裕次郎か、加山雄三か?くらいの勢いなのだよ。
 ストーリー的に難しい話である、ところが揃えた役者がすごいのばっかり、婦長役のルイーズ・フレッチャーの「無表情の威圧感」とジャック・ニコルソンの「演技かわからないヤヴァさ」で完全に持っていかれる。パーティーの後のビリーのシーンが悲しすぎて、最後の終り方が妙に納得してしまう。シャバでの物差しにあわない人、精神病院の物差しにあわない人、刑務所の囚人としての物差しにあわない人、じゃぁどれにもあわない人は?その人は何処に行かなければならなくて、それを決めている人は一体誰なの?その人は何かを裁決出来る権限を誰から貰ったの。ねぇ何が正義で何が悪なの?それを答える事が出来る人は一体何処にいるの?最後に本当の意味で彼を殺したのは誰なの?
 (注:上記文面の薬物利用に関しては、治療として必要な薬物も含めたものすべてに対する否定の意味ではありません。だって必要な人には実際必要なんだもん。)

神の子たち

 03年3月3日 千代田区のエデュカス東京にて、一人で。
 映画は娯楽のバードだが、今回はStyleのパンフで見つけたドキュメンタリーを見る。
 内容は演出、やらせ、インチキも無ければ包み隠し無し。フィリピンの膨大なゴミが山を成す、「スモーキーマウンテン」と言うエリアで、使える物を拾い暮らす人々を追った作品。そこには日本人の理解を越えるほど当たり前のリアルがあった、長い集中豪雨でゴミが山崩れを起こし山の裾野のバラックを飲み込む、ドロドロになって救出される人、飲み込まれたバラックだけでも500以上。画面は翌日の救出のシーン、大人の遺体、真っ黒な幼児の遺体、膝から下の無い遺体、遺体、遺体、遺体。
 シーンは向こうから歩いて来る少女の長回し。脇を通り過ぎるまでカメラは彼女を追う、少女の名は「ニーニャ」12歳。
 山崩れの事故のせいで、政府がゴミの搬入をストップする。それは生活の収入源が止まること。食べる物を買うお金が底をつく。違う家庭、水頭症の5歳の長男を筆頭に子供三人と両親の5人家族、長男は立つ事も歩く事も出来ない。次の家族、娘と両親の3人家族、母親は妊娠中。もちろん大きなお腹で毎日ゴミを拾いに行く、両親は娘を学校に行かせたいが、そのお金が無い。母親は短い妊娠期間で破水。未熟児で生まれた待望の長男は未熟な肺が潰れ、一生懸命生きようともがきながら大量の血を吐いて死んでしまう、金の線の入った小さな小さな白い棺。しかし、立つ事すら出来ない男の子も、食べるすら出来ない家庭でも小さな事で良く笑う。
 全編を通して出て来るニーニャはまだ子供で決して美人ではないが、こう言うのだ「例え餓死したとしても、悪い事はしない。」微笑んだ彼女は人として神々しい美しさなのだ。

ダンサー・イン・ザ・ダーク

 劇場にて2001年最後に、そして2002年最初に観た上、DVDまで買っていやがる。
 事あるごとに見てるんですよ毎度毎度、何が凄いってこの作品以降の映画に多大な影響を与えたのが、通常のシーンからミュージカルシーンへの展開のスムーズさ。通常シーンの中で使われている「ノイズ音をリズム帯に使う」音的な部分。そしてシーンとキャストは全く同じなのに、工場はみんな踊りだし、死んだものは生き返り、そしてセルマは目が見え、すべてが悪夢のように美しく幸せ。バードさん、以前は人前で泣いたりしない人で、特に作り物が持つ胡散臭さに敏感なので、「絶対泣かない」と構えていると泣きません、しかーし。が、これはやられた。何が原因ってビョークの唄。陸橋ではじまるミュージカルナンバー「I've Seen It All」この歌詞にやられた、「これ以上見るべき物があるの?」もうほとんど視力を失い、その事を心配し追いかけてきた好意を持たれている男性の友人に「目が見えないの?」と問われ、彼女は現実の不幸から逃れるように、スムーズに幸せなミュージカルシーンに逃げ込む時の歌詞だ。もう靴のまんま感情にヅカヅカと入り込んでくる。ある意味こう。犯されぎみな、かなり。
 泣く、泣く、涙が出る出る。なんか昔、信頼した人に裏切られて、ボロボロになった事があるせいか、ビョーク演じるセルマの生き方が下手で、ダメな方へダメな方へと行く感じを、昔の自分と重ねて見たりしていて。最後のナンバー「107Steps」楽しく踊りながら107歩で辿り着くその先は・・・。もう駄目。
 凄い好きな映画。でも人に薦めにくい、ほんとテンション下がります。




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