あんな雑誌こんな雑誌第3回・・・嗚呼!!懐かしの小型雑誌
面白半分 先ずは無難なところで、「面白半分」。昭和46年創刊で、6ヶ月交代で編集長が替わるという珍しい雑誌だった。吉行淳之介・開高建・金子光晴・藤本儀一・五木寛之等、当代きっての人気作家が歴任した。
この雑誌を不滅のものにしたのは、やはり野坂昭如の「四畳半襖の下張裁判」に尽きる。この裁判は余りに有名なのでここには記さないが、こぼれ話をひとつだけ。罰金刑となったこの事件で、押収した「面白半分」を警視庁が紛失し、発行者に返却できなかった。つまり、内部から持ち出されてしまったのだ。これって、よくある話で、証拠として押収した裏ビデオが持ち出されたというのは記憶に新しいし、三島由起夫の遺体写真(極私的お宝本等ワールド参照)がフライデーに漏れたのと同様、内部から持ち出さない限り雑誌がなくなるはずはないし、現場検証の写真が世に出るはずがないってこと。なお、「面白半分」という誌名は、宮武外骨が出した雑誌名をいただいたそうだ。画像は「四畳半襖の下張の裁判特集号」(昭和48年10月臨時増刊号)
※(こぼれ話は、”雑誌で読む戦後史”を参考にしました。)(2001・11・9)
だぶだぼ 昭和45年3月創刊。現在3冊所蔵しているが、改めてパラパラめくると、変な雑誌である。例えば画像の号では、「堆肥の作り方」「三上寛ーニューカントリーソングの唄い方」「ピルの使い方」「コミューン体験の仕方」等、1ページワンテーマのこまぎれ記事が続く。どの号もこの形で、「マリファナ栽培方法」まである。ヒッピー文化の影響下にあったことは間違いない。執筆者は、泉谷しげる・中川五郎・鈴木いづみ・浅川マキ・山下洋輔等、フォーク系の連中が多い印象がある。発行は(株)スピン。(2001・11・9)
絶対絶命 サブタイトルに”熱血冗談突発的ドタバタ風クソ真面目マガジン”とあるが・・・。何でもあり風のこれまた変な雑誌。1冊のみ所蔵だが、画像でも分かるように、野坂センセイの特集号です。大日本愛国党総裁の赤尾敏(故人)や淡谷のり子・「思い知ったか」の花柳幻舟等が野坂センセイについて論じておられる。かと思うと、アラーキーの写真あり、ページの中程に”なんとか実話”に出てくるようなヌードが現れたり、高信太郎のマンガあり、鈴木いづみの小説ありと、行方が定まらないが面白くはある。ただ、短命の予感は既にある。発行が、あの(株)幻影城というのは意外。(2001・11・9)
噂 やや伝説化している雑誌です。故・梶山季之の責任編集で出された雑誌です。「活字にならなかったお話の雑誌」というコンセプトで発刊された。”噂の真相”(新旧サブカルチャー雑誌紹介参照)は、この”噂”と昭和初期に出されたバクロ雑誌”真相”とを合体させて付けられた。画像は左から、創刊号(昭和48年8月号)と2号で、創刊号の特集は「大宅壮一」、2号は「江戸川乱歩」。創刊号では、阿部定と坂口安吾の対談を再録(”座談”創刊号初出)している。何号まで出たかは勉強不足で分かりかねるが、それ程派手に売れた様子もないので、長寿雑誌ではなかったと思う。なお、2000年創刊の同名雑誌は(政界出版社)とは無関係。(2001・11・9)
話の特集 有名な雑誌です。矢崎泰久編集の、どことなくお上品なイメージのある雑誌です。画像左(昭和57年11月号)の表紙は、若き日の筑紫さんですね。髪型があまり変わってません。右は古くて、昭和46年7月号のショート・ショート特集号です。執筆者を挙げておくと、唐十郎・川上宗薫・鈴木いづみ・藤田敏八(懐かしき”八月の濡れた砂”)・稲垣足穂等、信じられないほどの豪華な顔ぶれです。息の長い雑誌でしたが、何時の間にか失速し、廃刊になりました。(2001・11・9)
ショートショートランド 講談社から、昭和56年4月に創刊された、ショートショート専門誌。これ1冊しかなく、よく分からないのですが、この頃ショートショートって流行ってたんでしょうか?星新一とか小松左京、筒井康隆なんて、もっと前に読んだ記憶があるけど。「ボッコちゃん」とか「ノックの音が・・・」。ナント懐かしい文庫本なんでしょう。高校で授業中によく読みました。併せて、椎名麟三とかも読んでたので、今思うと変な読書遍歴です。画像は、創刊号です。(2001.11・9)
フォークリポート アート音楽出版から発行された、季刊フォーク雑誌。ニューミュージックなんて言葉がなかった頃の発刊ですから、かなり古い。このマイナー雑誌を一躍有名にしたのが、「二人のラブジュース」という中川五郎(フォーク歌手)の小説。刑法175条に引っ掛かり裁判になってからだろう。残念ながら、この小説読んでないが、当時のフォークは反体制を前面に打ち出していた頃だから、当局とすれば、目の上のタンコブだったはず。飛んで火にいる夏の虫だったことでしょう。画像は、1972年夏号です。画像が光ってしまいました。キラリと光った雑誌ということで、ご勘弁を。(2001・11・9)
頓智 何となく買ってしまう雑誌と、何となく買わない雑誌というのがあって、これは後者でした。そのうち休刊になってしまいましたが、豪華な執筆陣でした。椎名誠・荒俣宏・藤森照信・南伸坊・高田文夫・えのきどいちろう・赤瀬川原平等、頓智者のオンパレードでしたが、どうも豪華執筆陣の小型雑誌は短命に終わるというジンクスどおり(私が勝手に作りました)、短命でした。おもしろいんだけど、それ故に行方の定まらない印象がある。”天下無敵の呑気雑誌”も、詰め込み過ぎると疲れます。1995年10月創刊。筑摩書房からでたというのも面白い。画像は創刊号です。(2002.2.2)
ポエム 名前のとおり、詩的な雑誌でした。画像の3冊は、中原中也(創刊号)・金子光晴(13号)・太宰治(7号)の特集の3冊です。他に”つげ義春”のがあったのですが、知り合いに貸したらそのままになってしまいました。他の特集としては、萩原朔太郎・川端康成・立原道造・ビートルズ等の特集号が出てました。結局何冊出たか定かではありませんが、それ程長続きはしなかったと思います。赤字続きで、原稿料を相当踏み倒したと聞いています。やはり執筆陣は豪華だ。創刊号では、吉本隆明・大岡昇平・吉増剛造、そしてつげ義春の「夢日記」、村上龍の短編「スザンヌ」が掲載されている。他の号も、一般文芸誌とは違う曲者が登場している。いい雑誌だったと思うんですけど、志とは裏腹、商業的には成功しなかったんですね。すばる書房から、昭和51年10月に創刊された。(2002.10.26)
ダ・カ−ポ(創刊号・2号) まだまだ現役バリバリの雑誌です。出た時、これは売れるだろうな、と思いました。通勤の合間の僅かな時間の暇つぶし、忙しいけど世の中の流れをある程度知っていたいウンチクオヤジ、そんな向きにはうってつけの小型雑誌です。創刊号と2号が残っていたので、ご紹介します。創刊は昭和56年11月20日(平凡出版)で、定価170円でスタートです。”「現代」そのものが圧縮されているリトル・マガジン”と銘打たれています。創刊号特集は、「長島茂雄の言語感覚」と「夕刊フジvs日刊ゲンダイ」。内容を表紙に細かく載せる手法は、今も続いてるはず。特集でも4ページ、適当に硬軟織り交ぜの、こまぎれの知識を詰め込んだ手軽さが、受けてるんでしょうか。今も続いている?「クライマックス」(官能小説等のさわり部分の紹介)、創刊号では「ポルノのさわり」と言ったんですね。なお、da
capo というのはイタリア語で、意味は「初めから」ということ。音楽用語として使われ、初めに戻って、もう一度繰り返して演奏するときに使う記号。だそうです。「結婚するって本当ですか」のダ・カ−ポと同じですね。(2002.10.26)
マスコミひょうろん ”噂の真相”(新旧サブカル雑誌紹介参照)を発行している岡留安則が、マスコミ評論社から出していた雑誌です。画像のものは昭和56年7月号です。”マスコミが書けなかった話題を満載する月刊誌”ということで、内容的には”噂の真相”と同系列です。前出の”噂”にも通じてます。でもって、”噂”の発行者だった梶山季之のゴシップ”梶山季之香港急逝の謎を追う”が記事になってます。梶山は、どうも香港に女を連れていったらしい・・・というところから出発し、果たして・・・というわけです。知りたいでしょう?。また、設立二年目のフォーライフレコードのメンバー不仲についても書かれていて、つい買ってしまいたくなるという仕掛けです。執筆者も豪華。野坂昭如や竹中労・大島渚なんかも書いてますね。表紙のイラストは何なんでしょう?(2003.12.24)
追加の可能性ありです。