ピッチャーインザ××




コタツに入ってぼんやりテレビを見ていたら、いつの間にか番組は映画になっていて、いつの間にかラブシーンになっていた。
洋画だからキスシーンなんてもう、濃厚なことこの上ない。
三橋が隣で気まずそうに顔を伏せたのが分かった。
相変わらずウブだなぁ、なんてそんな言葉回しは古くさいだろうか。だけど、本当にそう思う。
今時、キスシーン一つでここまで赤面する男子高校生も珍しい。
俺は、三橋三橋とからかうように名前を呼んだ。三橋が、うん?と何でもない風を装って答えるけれど、残念ながらそれは成功していない。

「恥ずかしいんだ?」

言ったら、そんなことないよとムキになって反論してくる。
嘘吐け、恥ずかしいんだろ。照れくさいんだろ。
さらに言うと、そ、そんなこと、ないよ、とやはり反論。

「ふーん。そう。じゃぁさ、言っても良いかな?」
「う、あ、な、なにを?」
「なんかさ。恥ずかしいっていうより、こういうの見てるとエッチぃ気分になるよね」

言って、三橋が反応するよりも先にキスをした。
驚いたのか、一瞬抵抗するような仕草をみせたけれども、下唇を甘噛みしてやるとすぐに大人しくなった。テレビからムーディな音楽が聞こえてくる。
長いラブシーンだなぁ、と思う。こんなの、うっかり家族で見ちゃったら大変なんだろうな気まずくて。
そんなことを思いながら、三橋の唇を舌で突いて開ける。ぬるりと、わざと唇を擦るようにして舌を口内に滑り込ませると、三橋の息が一瞬上がった。

「り、お・・くん・・」

途切れ途切れに、そんな必死になって名前なんて呼ばなくても良いのに。はいはい、俺はここにいますよ大好きですよと、返事をしてやる代わりに舌を愛撫してやる。
ぬるぬるぬる、舌を合わせ続けているとそれだけじゃ物足りなくなってくる。
ちゅっと音を立てて唇にキスをして離れて、そのまま首筋に顔を埋める。
そこに舌を這わせると、三橋はあっと小さく声を出した。

「あ、気持ちよかった?」
「あ、あの」
「大丈夫大丈夫。辛くなんないから」

少なくとも、俺は。
心で言ってペロリと舌を出す。

「あっ・・で、でもっ・・んっ」

何かを言いかけるのを押さえ込むように、もう一度首に舌を這わせる。そのまま、コタツの中にある下半身へと手を伸ばす。肝心の部分にたどり着いて、服の上からそっと触れるとビクリと三橋の体が大きく揺れた。
キスをして、もう、手で顔を押さえるようなことはしないで、荒っぽいキスをして、俺は三橋自身を強く服の上から擦った。徐々に反応を示してきて、きつそうに張った服はその先端部分がじっとりと湿っている。

「三橋ぃ」

甘えるように名前を呼んで、自分の足で三橋の太ももを挟む。俺も大分反応しちゃっていて、それが三橋の太ももに触れるだけでさらに興奮していく。

「り、りお、くっ・・・やめっ、」

目尻に涙を浮かべている。それが、拒絶ではないのは何度かの経験でちゃんと分かっている。三橋みたいな性格だと、そう簡単に受け入れられることではないのだろう。
だから、嫌って言ってることのどこまでが本心でそうじゃないかを見極めなければならない。

「何泣いてんの。そんな、怖いことないでしょ?」

耳元で囁くようにあやすように言う。
すると、三橋が名前を呼んでくれながら俺の胸に顔を押しつけてくる。
可愛くて、そのうなじに跡を付けるようにキスをした。

「あっ・・あっ・・」

それと同時に、自分のそれを三橋のとすりあわせると、やけに興奮した。

「っ・・やっ・・あ、うぅんっ・・」

ガタガタと揺れる机が、余計に劣情をかき立てる。三橋三橋と名前を呼ぶと、三橋がぎゅぅと俺の頸に手を回して抱きついてきてくれた。
たまらなくなって、ズボンを降ろす。狭いコタツの中ではちょっと面倒だけれども、その狭さがまたとても良い。つまり、シチュエーション萌えってやつだろうか。
うん、まぁそんなことは三橋に言えば引かれてしまうかもしれないから黙っておくけれど。案外、三橋も好きなんじゃないかなと思う。
だって、いつもよりもなんか喘声が多い、大きい、色っぽい。
わざと音が出るように三橋のを擦り上げた。

「あっ・・や、もっ・・あっあっ・・っ」

本意ではない反応に、必死に堪えようとするのが可愛くて、俺はまだイッている三橋のそれをさらにこすり上げる。先端を爪先で引っ掻くと、待ってとせっぱ詰まった三橋の悲鳴。

「待てない」

もう、本当に。

「あっ・だめ、だめっ・・んぁっ・・やっ・・」

ビクビクと体を仰け反らせて、上がる喘声を抑えようとするから口を塞ぐ手をそっと退けて、代わりにキスをしてやった。舌を絡ませて、噛むとそれにも敏感に反応する。

「ね。エッチぃ気分になった?」
「・・ひっ・・あっ」

指を蕾にゆっくり入れて、それから本数増やすと三橋がゆったりと腰を揺らせ始めてきた。多分無意識で。

「三橋、きもちい?」
「あっ・・・やだっ・・あ、あっ・んんっ」

否定の言葉を口にはするけれども、やっぱり腰は揺れていて俺はもうその媚態にたまらなくなって堅く勃起した自分の物を押し当てた。入口で、ちょっと遊ぶように先だけを突くとひくりとそこがうねったのが分かった。

「ふぅっん・・・あっうっ・・・」
「入れるよ?いい?」

言ったら、小さく本当に小さくだけど三橋が頸を縦に振った。

「あっ・あぁっ・・・ふっ・・いっ・・っ」

そろりそろりと、傷つけないように入れていくと三橋のそこはうねりながら俺の物を受け入れる。短く喘ぎながら、上半身を反らして胸を俺の胸板に押しつける。ゆるゆると、三橋は腰を振って、胸では俺の服との接触に感じているのだ。

「ひあっ・・ん!あっ・・やっやっ・・もちいっ・・!」
「あ、きもちいの?」
「いわないでっ・・やっ、あっ・・・ひぅっ・・あぁっ・やぁぁぁっ・」

顔を伏せて恥ずかしがるわりに、どんどん動きが激しくなってくる。腰を突き出して、完全に溶けきった表情で俺の突き上げに応じる三橋に、俺はさらに深く突く。

「あぅっ・・あっ・・・だめ、やっ、もうっあ、いっちゃう!いっちゃうのっ・・あぁッァあぁ・ァっ!」
「待って、俺もイくから」

ビクビクと体を震わせる三橋の物をぎゅぅと掴んでイかせないようにして、俺は自分も達する為に早く挿入を繰り返した。

「やぁぁぁっ!あっ!りおくっ・・やん、イきたいのっイっちゃうっ、あぁぁっ・ひっ!」

コタツ机がものすごい勢いで揺れて音を鳴らす。そんなのも、俺らにとってみれば一つの興奮材料なわけで、半端にコタツからはみ出した手とか足とか、信じられないぐらいの暑さとかもまた余計に興奮するのだ。
狭いコタツの中で、下半身のあちこちを角にぶつけながらイった。
くたりと力無く目を閉じてしまった三橋に、ごめんねと小さく言ったらうっすらと目を開けていいよ、と細い声で返してくれた。
付けっぱなしだったテレビでは、映画がラストを迎えようとしていた。
あれだけ愛を睦み合っていたカップルが、何でだか殺し合っていた。女が、男を泣きながら指した。女も血だらけだが、男の方が重症だった。
俺たちは、アザだらけだった。



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