3. 風に向かって走れない

さっそく、帆船の走行性能の優劣について語りたいのはやまやまなのですが、その前に帆船の動き方について説明させてください。動力付きの船と事情が違うためです。

◆ 普通の子…現代の練習帆船

先のポーラーカーブでは、16世紀の帆船、現代の練習帆船、影船八番艦、アメリカズカップ艇の4隻をとりあげましたが、ここから先、しばらくの間は現代の練習帆船を例にとって解説していきます。その昔、若い人は知らないでしょうが、欽ドンで「良い子・悪い子・普通の子」というTV番組がありました。現代の練習帆船がちょうど普通の子になり、帆船の良し悪しを説明する上で好都合です。さて、この子の走りを見ると下記のような特徴があります。

◆ 風に向かって走れない。…40°以下

◆ 真後ろから風を受けても、速くならない。…180°

◆ 横または斜め後ろから風を受けると速くなる。…90°〜120°

「なんで?!」と思う人もいるかと思いますが、その解答は他日とさせてください。ここでは帆船の動きの特徴をおさえることが目的なので。それよりもっと切実な問題があります。

この子は大抵の方向へ走れますが、赤の斜線部分へ向かって走れません。風向きが悪く、目的地が赤の斜線部分にあった場合どうするのでしょうか?風向きが変わるまで待つのでしょうか?走っている途中で風向きが変わってしまったらどうなるのでしょうか?


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