8. 目的地に応じた走り方

いままで、ゴール地点がもろに風上にある場合に限定して話をしてきました。しかし、実際の航海ではゴールがどの方角に来るか分かりません。常に遠回りなジグザグコースを走らなくとも、一目散に最短距離を走れる場合もあるはずです。そこで、目的地の方角に応じてジグザクコースと通常の最短コースを使い分ける必要が出てきます。

◆ ジグザグと一目散の境界線…最大VMGのライン

どんな帆船にも必ずVMGが最大となる角度、ラインが存在します。下図の「最大VMGのライン」がそうです。

要はゴールがこのラインよりも風上側か風下側かで、ジグザグ走行(ピンク線)になるか最短距離走行(青線)になるかが分かれます。つまり最大VMGのラインはジグザク走行と最短距離走行を分ける境界線になります。帆船の性能上、このラインより上でも走れますが(紫線)、結局遅くなってしまいます。上の図は風上側ですが、風下側も考え方は全く同じです。

◆ ジグザグ走行の使用頻度は意外と高い

上記の結果をポーラーカーブに塗りこんだのが下図であり、半分の領域…180°の範囲が赤の斜線に塗りつぶされています。目的地の方角が赤の斜線の範囲内に入っていると、ジグザク走行になります。

確率は50%です。これだけの高い確率でジグザグ走行を駆使せざるを得ないのですから、最大VMGは帆船の性能を評価する重要指標といえます。また2つの最大VMGを見比べると下りの方が速く、この船は下りが得意で上りが苦手なことも分かります。


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