10. 16世紀の帆船(2)

16世紀の帆船の続きです。最高速度に続いて、VMGにチェックを入れます。

16世紀の帆船 現代の練習帆船 影船八番艦 アメリカズカップ艇

◆ 超貧弱(涙)な上り最大VMG…たったの0.5ノット(風速の4%、最高速の9%)

図中の青線ですが、あまりに短過ぎて先端に矢印がつけられませんでした。風上への航行は現実的ではありません。帆船にとって鋭い角度で風上に上るのは、人間にとって急な坂あるいは断崖絶壁を登るのと同じです。ゆえに角度がきつくなる(少なくなる)ほど、走るのが苦しくなります。カーブを180°から0°へ向かって見ていくと、100°からスローダウンし始め、90°のラインを超えて風上側の領域へ入ると、まるで力尽きるようにスローダウンし、80°で消息を絶っています。

◆ 割りと上出来な下り最大VMG…4.1ノット(風速の34%、最高速の78%)

風速に対して34%と貧弱ですが、これは最高速度そのものが貧弱ですから当たり前です。最高速度と比較すると78%に達しています。VMGが最高速度の8割近くもあるのは、異例の出来映えですが、最高速度自体が低いので、評価は「そこそこ」です。

◆ のべつ幕無しのジグザグ走行…0°〜80°& 150°〜180°(61%)

ジグザグ走行の方角が、全方位の61%を占めています。まっすぐ一目散に走れるケースはせいぜい4割であり、6割はジグザグ走行を強いられます。下りはVMGが最高速度に近いため、ジグザグでも問題ありません。悲惨なのは上りです。最大VMGの角度がなんと80°。ほとんど90°です。目的地へ行くどころか、「ちょっと、あんた。どこへ行くのよ?」な走り方です。0°の方角へ向かう場合、走行距離は最短距離の1/cos80°=5.75倍にもなります。いつになったら着くのやら。


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