アメリカズカップ艇の続きです。最高速度に続いて、VMGにチェックを入れます。

16世紀の帆船 現代の練習帆船 影船八番艦 アメリカズカップ艇
◆ 鬼の上り最大VMG…6.4ノット(風速の53%、最高速の64%)
影八と比べて、対風速で38%から53%へ…4割アップです。対最高速度でも64%あり、鬼みたいな上りVMGです。こんな走り方されたら、影八でも全くついて行けません。今までと同じようにカーブを180°から0°へたどってください。全体的に速いのもありますが、風上側の領域は特筆に価します。普通の船は90°からやや風下側でパフォーマンスを発揮しますが、この船は100°〜60°の範囲で最高のパフォーマンスを発揮します。得意とする領域が完全に風上側へ入っており、明らかに他の船と性格が異なります。45°まで9ノット以上をキープし、40°でも影八の最高速度を上回る8.6ノット、影八の限界である30°を7ノット、極限状態の20°を3.5ノットで切りあがる。
同じアメリカズカップ艇のバトルでもない限り「風上有利」の理屈はコイツに通用しません。風上へ上ることなどコイツにとっては朝飯前です。おそらく、影八の「風さえぎり攻撃」やロナルディアの「カノン砲」をホイホイかわし、エグイ角度であれよという間に上ってきます。…もっとも、接舷して斬り込んでも、圧倒的に人数不足でNGか?(T_T)
◆ 割りに苦手?下り最大VMG…5.6ノット(風速の46%、最高速の56%)
影八に比べて、42%から46%へ、9.5%程度のアップにとどまっています。上りVMGの性能アップとは対称的です。対最高速度では60%から56%へ若干ダウンしています。対風速で上り53%、下り46%であり、ついに上りが下りを上回ってしまいました。
総合力(最高速)で約2割アップと言いましたが、そのほとんどが上りの性能アップに注がれた格好です。海皇紀で軍船として使うなら偵察艇としての用途が考えられます。実際、この手のスループと呼ばれる小型艇は、18、19世紀ごろに密輸艇などに使われ、運河などの狭い水域を夜中にすり抜けたそうです。
◆ 影八同様のジグザグ走行…0°〜40°& 155°〜180°(36%)
範囲そのものは影八とほとんど変わりません。逆にいえば、影八のジグザグ走行範囲はアメリカズカップ艇並みとも言えます。この船と影八の双方に言えることですが、上り下りのVMGも強力なので、仮にジグザグ走行になったとしても、他の2隻のように苦になりません。唯一、風上側のジグザグ範囲が片側5°違います。(無論、アメリカズカップ艇の方が狭い。)大した違いに見えないかも知れませんが、速度そのものが同じでも、実際のレースで5°違ったら大変です。おそらく勝負になりません。