4. 転覆

先ほど、横流れの話をしましたが、横力はもう1つ厄介な問題を起こします。それが「転覆」です。

◆ 横力は水面より上で発生する→船が引き倒される

上図を見れば一目瞭然でしょう。横力は船を引き倒そうとします。ここでは転覆力と呼ぶことにします。真後ろから風を受ける180°の状態でない限り、横力や転覆力は必ず発生します。

◆ だーるまさんがこーろんだ?

帆船もだるまさんのように下に重りをつけて、自分で起きあがるようにします。巷では復元力と呼ばれています。復元力は船の傾きに比例します。転覆力と復元力がバランスするところで、傾きが決まります。帆船がほとんどの場合、斜めに傾きながら走っているのはこのためです。どんな帆船でも必ず船底に転覆防止用の重りを積んでいます。ゆえに船に穴があいて浸水すると木の船でも沈没してしまいます。なお、小さい1人乗り、2人乗りのヨットは重りではなく、乗っている人が体重移動を行うことにより、復元力を発生します。

◆ 復元力の強さが、船の速さを決める

特に強風の場合、帆に受ける力が大きくなります。当然、横力も大きくなり、転覆の恐れが出てきます。風を逃がしたり、帆を縮めたりして、横力を減らせば転覆の危険は免れますが、それでは速く走れません。復元力の強い船…重心が低く傾きにくい船ほど、大きな横力や転覆力に耐えられ、速く走れます。つまり、強風では復元力の強さが帆船の最高速度を決定します。影八のサーフィン走法も、強力な復元力に裏打ちされた技と言えます。


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