怒れTAXIドライバー
序章
無線タクシーとは、ご存知のように電話で客がタクシーを注文し、
無線を使用して付近の空車を呼出し、配車する。
とご存知の事の繰返しです。
一見無線を使用するという意味合いにおいては公平のように感じられますが、
実はとんでもない落し穴があるのです。
落し穴
通常AVM装置を使用している無線も含めタクシーの無線というのは
一斉呼出しが原則です。無線オペレーターが「◎△どうぞ」というと
タクシーの乗務員さんがその付近を空車で走行中なら応答してくるわけです。
従って多くの乗務員さんは全ての無線の内容が一斉呼出しにて行われていると
信じています。しかしこれには裏があったのです。近代化を進める上で導入された
AVM装置・・・これにはなんと「個別呼出」というモードがあるのです。
これを使えば他の乗務員に聞かれる事なく秘密の配車が出来るわけです。
しかし昨今、秋葉原や雑誌の広告等で簡単に受信機が売られているので、
その受信機を使用すればこんな通信は丸聞こえになってしまいます。
無線オペレーターは自分の地位を守る為に個別呼出をした後無線室の
自分宛に有線をかけさせるわけです。
ではAVMの無い無線ではどうでしょうか?
これは業務連絡という形式でやりとりが行われます。
「忘れ物の件で・・・」とか理由を付けて無線室に有線を入れさせる事になります。
理由
何故、公平ではないのか?
これは古い体質があります。各乗務員の無線配車に対する意見を
聞いていたのではラチがあかなくなってしまう為、
とある無線会社では「無線委員」という制度を設けています。
各社呼び名は違っても似通った制度はあるはずです。
「無線委員」は乗務員の代表であり又、無線室からの指示、
伝達事項を乗務員に伝えるという板挟み的な要素があります。
時には乗務員から突き上げられたりもします。
しかし、無線オペレーターと仲良くなれるチャンスが多々あるわけです。
無線オペレーター
無線オペレーターも人の子です。殴れば赤い血が出てきます。
首を絞めれば死んでしまうでしょう。役職的には乗務員と何等変わらぬ存在です。
二人三脚で仕事を進めて行かなければ仕事が先に進まないでしょう。
いくら呼び出しても車が応答しなければ無線室の意味がありません。
乗務員もただひたすら流したり駅待ちしていてもそれ以上客を拾う事は出来ません。
空車で戻る時にタイミング良く無線が入ればロスの無い仕事が出来るわけです。
しかし、無線オペレーターというのは比較的高い存在に見られがちです。
自分の立場を弁えて公平に仕事をしている無線オペレーターも多々います。
しかし、立身出世の為、自分の欲望の為、不正を行う無線オペレーターも
いる事を忘れてはいけません。
古い悪慣習
とかく無線室というのは足の引っ張り合いです。
A氏が間違った配車をしても他の者はそ知らぬ顔をします。
当然配車された車は待てど暮らせど客は現れないわけで、
キャンセルになってしまいます。キャンセルになっても最初の迎車メーターの
問題が出てきます。
このキャンセルについては無線室のペナルティとなります。
ペナルティの多いオペレーターは上司に注意を受けます。
多ければ当然「駄目」の烙印を押されます。
では注文してきた客はどうでしょうか?
待てど暮らせど指定された無線Noの車は来ない。
当然無線室に再度確認の電話が入ります。
間違えて配車したことに気がつき再度配車し直します。
これが何度も続くと客からのクレームが上がります。
すると最悪の場合取引が中止されたり(チケット客の場合)、
無線室長が自ら謝罪に行ったりします。
当然無線オペレーターは今度はえらく叱られます。
ひどい時は始末書や処分に発展する事もあります。当然上司がかばう。
なんて事があるわけありません。
無線室勤務が長くなればなる程乗務員との癒着も生まれます。
「無線委員」と親しくなり、何回が飲んだり食事を共にしたりすると、
おいしい仕事の予約等を受けたりすると、恩返しのつもりなのか
「個別呼出」を使用します。又、その逆に配車の際、
無線オペレーターと乗務員との間でトラブルが起きる事もあります。
その無線オペレーターはそれ以降絶対その車を配車しません。
まあ一つの相性ってやつかもしれませんが・・・・ しかしその乗務員に当てつけて、
実際には「俺に嫌われると俺がマイク握っているときに配車してもらえないぞ」
という事を他の乗務員に遠まわしに言っているようなものです。
これくらいならまだかわいいものです。職責の上の者が例のおいしい仕事の
注文を受けた場合はどうでしょうか? 当然自分の子飼の乗務員に仕事を回します。
特に予約等が多いのでなるべく新人オペレーターがマイクを握っている時に
「△×号車呼出して、無線室有線」と指示を出します。
新人オペレーターは何も分からず上司の指示に従います。
当然、不信感をいだいて上司に質問したところで上司は
「うん。あの乗務員なら安心だから。場所も知ってるし、第一大切なお客さんだから
失礼があっては困るから」などともっともらしい事を言います。
かくしてその後その新人オペレーターが無線講習会等で
その乗務員に出会ったら・・・・・乗務員はその時のお礼を言います。
そして仲良くなります。悪習慣の始まりです。
通常より高いタクシー代金
普通、商店とかではひいきにしてくれるお客さんや大量に買ってくれる
お客さんには値引きをします。しかしタクシー業界は違います。
チケット客・・・・・これは当然お得意様のはず。
しかし一般客が仮に1000円のメーター料金を現金で支払った場合、
チケット客がチケットで支払いをすると1100円になります。
無線室を運営する所は「社団法人」が殆どです。
この社団法人の運営費なのです。
全てのチケット客から均等のマージン(事務手数料)を取っているのなら
問題ないのですが、A会社は10%、B会社は5%とか、
とある中央省庁は0%のところもあります。
利用実績に合わせてマージンを変えているのでしょうが、
一概にも公平で無い感もあります。営業担当の一存で決定される場合もあり、
マージンを下げる変わりにバックマネーを貰うという事もあるそうです。
いわゆる汚職ですね・・・・・
汚職
汚職といえばタクシーの無線機や無線室の無線装置の交換の際には
億に近い金が動きます。各会社の役員が集まり会議の上決定するのですが、
殆ど無線室長の独断場です。当然業者もプレゼンにやって来ます。
当然接待もあります。通常業務無線の装置というのはアマチュアの
使用する機械と比較してもかなり割高です。雲泥の差があります。
無線室長や発言に大きな影響力を持つ人を見方に付けておくのは業者の必須です。
酒池肉林とまではいかなくても、それなりの身入りは期待できるでしょう。
まとめ
その日の気分で配車されたり、公平に配車されなかったり、
特定の人だけおいしい仕事をしていたり、こんな汚れきった無線タクシーの内情。
現在は是正されているのか?
だいぶ年月も経ち、新しい乗務員さんはこんな事知ってるのかな?
少しは無線室も硝子張りにされてオープンになっているのかな?
日々真面目にタクシーの乗務を行っているタクシー乗務員の皆さん。
もっと無線室に疑惑の目を向けましょう・・・・・