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No.035 ★★★ 2001/07/02 Mon  社長失格 板倉雄一郎 日経BP社 1998/11/30

社長失格 板倉雄一郎 日経BP社 ぼくの会社がつぶれた理由

著者は、ベンチャー起業家で経営者でした。ハイパーネット社という、今では当たり前になったバナー広告の草分けの会社を創業し、1995年にニュービジネス協議会の「ニュービジネス大賞」と通商産業大臣賞をダブル受賞しました。

しかし、その後1997年12月に倒産しました。銀行の貸し渋りどころか、融資の全額引き揚げによるものでした。

倒産した企業の元社長によって、倒産に至った理由は何だったのかが切々と綴られています。

著者個人も「自己破産」しましたが、本書からは悲壮感はあまり感じられません。むしろ、経営者になるなら「お金の流れ」をしっかりコントロールできることが必須であり、それができないなら経営者になるなと言っているように感じました。

間接金融(銀行借入)から直接金融(株式を公開したり、上場する事によって、市場から直接資金を調達する)へお金の流れが変わってきたことに注意を喚起しています。

著者は悔恨の情を吐露しています。

<多くの金融機関はぼくにカネを貸したのではない。ある意味で最初にバックについた住友銀行の看板に貸したのである。そしてぼくは住友銀行という法人の信用を完全に勝ち取ったわけではない。「ベンチャーを育てよう」というこの時の住友の戦略の元、国重さんという個人を一時的に勝ち取ったに過ぎなかったのである。>

企業が倒産する理由については次のように述べています。

<企業の失敗というのは、たいていの場合、目の前の「当たり前」が見えていないときに起きるものだ。>

「個人」と「企業人」との違いについて。

<いざとなれば、国重さんという「個人」から住友銀行取締役日本橋支店長という「企業人」に、チャンネルが変わるのだ。個人の感情と企業の論理。どこでどう線を引くかということが、ぼくにはわかっていなかった。会社勤めをしたことがなく、「組織」というものに対する本質的な理解がなかった。>

ちなみに、国重氏は現在、DLJディレクトSFG証券というネット証券会社の社長です。

企業家を目指す人もそうでない人も、生きた事例として読んでいただきたい本です。

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