この本を書きはじめたのは1991年だそうで、10年前のことになります。その後10年間調査に費やしたそうです。
この本の中におもしろい記述がありました。戦後、1ドル=360円の固定相場制が導入されましたが、360円になった経緯についてです。
<日本の円のレートは固定相場で1ドル360円だった(この数字は、マッカーサー将軍が日本の通貨単位は「円形」「丸」という意味であると知って選んだものだ、といわれる)>
手元に新聞があります。1993年(平成5年)7月11日(日曜日)付の日本経済新聞です。「円レート決定の謎」というタイトルがついています。その記事によりますと、300円基準から330円へ、そして360円へ修正されたそうです。その修正に至った理由は、公開資料を分析してもまだ解明されていないとしています。「円は360度だから360円だ」(田中角栄元首相)という説まであったと述べています。
著者の視点が新鮮に感じられることは、いままでエリート官僚を多数有する大蔵省(現在財務省)が日本の頂点にあり、日本を動かしていたとする考え方が主流を占めていましたが、実は「日銀のプリンス」といわれた日銀生え抜きの総裁や副総裁が実権を握っていたということにあります。
<この国はじつはわずか6人に支配されてきた。過去50年間では5人(一万田尚登<蔵相>、佐々木直、前川春雄、三重野康、福井俊彦)である>
当事者にとっては相当に刺激的な内容であるため、ここに書かれている内容が事実なのであるかどうか、もし事実無根のことがらであるならば反論が聞きたいところです。
それにしても、欧米人が書いた場合には、その内容がいかに衝撃的なものであれ、黙認されてしまうのは不思議に思います。
日本銀行