| No.051 | ★★★ | 2001/08/25 Sat |
レイバー・デバイド 中流崩壊 高山与志子 日本経済新聞社 2001/02/09 |
労働市場の二極分化がもたらす格差著者は、「おわりに」で次のように述べています。 <今後日本でも生じると予想される社会構成員の二極分化と企業から個人へのリスク転嫁は、中流意識により支えられていた安定的な日本社会に大きな変化を引き起こすことだろう。<中略>日本経済がグローバル市場での競争力を維持しようとするならば、市場原理に基づいた雇用システムや、それによってもたらされるハイリスク社会への突入を避けることは難しい> デジタル・デバイドという言葉はよく使われました。PCを使える者と使えない者とで、賃金格差が生じているということです。 レイバー・デバイドは著者の造語ですが、アメリカでは職階の違いによる賃金格差だけではなく、経営者層の中でもCEO(最高経営責任者)と取締役とで大きな賃金格差が生じていると指摘しています。 冒頭で、「レイオフ」について述べています。「レイオフ」は「一時帰休」あるいは「一時解雇」と訳されますが、実態は「解雇」だそうです。「一時帰休」の意味合いとしては、「一時的レイオフ(Temporary Layoff)」というそうです。「解雇」の意味では「レイオフ」あるいは「永久的レイオフ(Permanent Layoff)」という言葉が用いられるそうです。 アメリカが抱える2つの問題―「賃金格差」と「雇用保証(ジョブ・セキュリティ)の低下」―が発生した要因は、情報化の進展だけではなく、株式市場からの圧力があったと指摘しています。日本では「もの言わぬ株主」が長い間存在していましたが、アメリカでは「もの言う機関投資家」によって株価を高めるためのあらゆる手段―たとえばリストラによる人件費の削減―を講じる必要が生まれました。つまり、株主の意向にそった経営を行なうことが不可避になったのです。 著者は、現在アメリカで起こっていることがいずれ日本でも現実化すると見ています。その時、私たちはどうなるのでしょう?今からそのための対策を考えておく必要がありそうです。 |
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