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| No.115 | ★★★ | 2002/04/08 Mon |
地域国家論 大前研一 講談社 1995/03/02 |
新しい繁栄を求めてこの本は日米で同時出版されました。大前研一が長年主張している、日本の「道州制」やそれに関連した「地域国家(リージョン・ステート)」について、縦横に議論を展開した力作です。 まず、グローバル経済における4つのCについて次のように書いています。 <一番目のCは、キャピタル(資本)。二番目のCは、コーポレーション(企業)。三番目のC、コミュニケーション(情報)技術の発達。四番目のC、コンシューマー(消費者)もグローバル化が進んでいる>英文のタイトル"The End of the Nation State"(「主権国家の終焉」)とはどういうことなのでしょうか。 次の一節をお読みください。 <ボーダーレス経済では、国を分析の単位にすると、どんな統計をとってもまったく時代遅れのものになる。そうならざるをえない。私は10年以上も前から、貿易と貿易不均衡をめぐる長年の日米摩擦について、まさにこの点を主張し続けてきた>このようなボーダーレス経済が進展してきた理由は何でしょうか。 大前研一は次のように明快に述べています。 <情報が大きな力を持ち、グローバル経済に参加しようとする意欲が、経済活動の原動力になっている> <情報が届くところに、需要は増える。そして、需要が増えるところが、グローバル経済の「わが家」になる>つまり、「情報」がキーワードになるということです。 <情報技術の進歩が幅広く及ぼす影響は三つある。第一に、マクロ経済のレベルでいえば、世界中どこにでも、瞬時にして資本を移すことができるようになった。(中略)第二に、企業レベルでいえば、市場、製品、組織化の過程について、経営陣がリアルタイムで得られる情報の範囲が変わった。(中略)第三に、市場レベルでいえば、消費者が他の人びととの暮らしぶりについて、手に入る製品やサービスについて知ることができる範囲が変わり、何を買えばよいのかいろいろと比較できるようになった。したがって、何を買うかを決めるとき、経済ナショナリズムの力はどんどん弱まっている>衛星放送やインターネットがますます普及するようになり、情報がやすやすと国境を越えると、国家権力で国民の意思を押さえ込むことが難しくなると思われます。北朝鮮の人民が、自分たちよりも生活水準が高い韓国に亡命するという事件が、最近起こりました。これは、まさに「情報」がもたらした事件の好例です。 【地域国家の特徴】 <地域国家は外国からの投資を歓迎する> <地域国家がグローバル経済にとって効率のよい玄関口になるのは、地域国家の性格がグローバル経済のニーズによって形作られているからである>大前研一の力量がいかんなく発揮された本です。じっくり時間をかけてお読みください。芳醇な味わいをぜひあなたもお試しあれ。 |
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