Pour Your Heart Into It
前回に引き続き、「スターバックス成功物語」を取り上げます。
スターバックスが、他の多くのアメリカ企業と異なる点を列挙します。
<スターバックスで成し遂げた最も誇れることを一つ挙げるとすれば、会社で働いている人たちとの間に築いた信頼関係である。それは多くの企業に見られるような口先だけのスローガンではない。われわれはパートタイマーを含む総合的な健康保険制度や全社員を対象とするストックオプション(自社株購入権)など画期的な制度を導入してきた>
<経営者が新しいアイデアに耳を傾けようとしない会社は、大きなチャンスを逃がすことになる>
<われわれは最も大切にしているものの完全性を損ない、めちゃくちゃにしてしまうような事には絶対に手を出さない。最も大切なものとは、深煎りの豆を使った、入れたての香り豊かなコーヒーである。それは、われわれの試金石であり、基盤であり、伝統なのである。スターバックスに行けばそういうコーヒーが飲める、と顧客に信頼されることが必要なのだ>
次の一節は、ウォルマート(ロープライス エブリデイ)
と似た個所です。
<スターバックスにとっての最優先事項は社員を大切にすることである。なぜなら、社員はわれわれの情熱を顧客に伝える責任を担っているからだ。この第一の課題をクリアすれば、顧客を大切にするという第二の目標も達成されるだろう。そして、この二つが共に達成されてはじめて、株主に長期的な利益をもたらすことが可能となるのである>
起業家は何をすべきかが度々取り上げられています。
<起業家が果たすべき責任の中で最も重要なのは、自分の価値観を組織内に浸透させることだ>
<会社が成長していくある段階で、起業家もまた、経営の専門家に成長しなければならない>
<私自身起業家なので、コーヒーショップであろうと他の会社であろうと、新たな事業を起こそうとする人々には大いに敬意を払っている。コーヒー専門店のような成長過程にある分野では、多くの人々に成功するチャンスが与えられているのだ。成功の秘訣は、顧客を満足させ、常に先手を打つことであり、向かいにだれが店を開こうが全く関係ない>
大企業になったスターバックスが描く企業像について、著者は最終章(第24章)で次のように書いています。
<われわれが思い描く企業像は、揺るぎない大企業であると同時に、良質のコーヒーをすべての人々に味わってもらう使命感に燃える企業にほかならない>
次の言葉がスターバックスの根幹をなすものとなっていると思います。そして、その精神が広く世界中のスターバックスで共有され続けられるならば、今後も企業として成長していくものと推測されます。
<情熱と真心で結ばれた社員、顧客、株主との絆こそ、わが社の重要な基盤なのである>
この本は、起業家、これから起業しようとしている人、投資家、就職先探しをしている学生の皆さん、スターバックスなどのコーヒーをこよなく愛する人たち、そして「ビジネス書」を読んでみたいがどれにしたらよいか迷っている人に、ぜひ読んでいただきたい本です。
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