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| No.123 | ★★★ | 2002/05/01 Wed |
異質のマネジメント 竹内弘高+石倉洋子 ダイヤモンド社 1994/09/08 |
日本的同質経営を超えて
ここに一冊の本があります。その本のタイトルは「異質のマネジメント」です。表紙をめくると、そこにはお二人の署名が記され、お二人の名刺が貼ってあります。日付は1995年7月13日となっています。この日にダイヤモンド社主催のセミナーが開催され、その時にサインをいただいたものです。私にとっては貴重な宝物です。 そのお二人は著者の竹内弘高氏と石倉洋子氏です。 竹内氏は現在一橋大学大学院国際企業戦略研究科科長(当時は一橋大学商学部教授)で、ハーバード大学大学院助教授を歴任しました。 「ビジネスウィーク」誌(1993年10月25日号)の「米国企業が学びたがっているビジネススクールの教授10人」のリストにも、日本人としてただ1人名を連ねたそうです。(「ベスト・プラクティス革命」竹内弘高 ダイヤモンド社の著者紹介から) 石倉氏は現在一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授(当時は青山学院大学国際政治経済学部教授)です。日本人女性で初めてハーバード大学大学院でDBA(経営学博士号)を取得しました。 お二人にお会いしてからもう丸7年が経とうとしています。「光陰矢の如し」とはこのことでしょう。 「刊行によせて」で大前研一氏がこの本について以下のように書いています。 <本書は、日本企業26社の中で国際マネジャーとして選ばれた431人の日本人マネジャー、それもMBI(注:マッキンゼー社のMultinational Business Institute 藤巻)という共通の体験をした人々が、現在の日本企業のグローバル化をどう見ているか、また国際マネジャーとして自分自身をどう評価しているか、また自分たちの経験にもとづいて、今後のマネジャーに何が必要と考えているか、をまとめたものである。中でも、彼ら自身が、外国や外国と関連したビジネスの経験の中で感動した体験、失敗談、意外な経験を、自らの言葉で語っている点が貴重である> この本を読み返して感じたことは、現状が7年前とあまり変わっていないということでした。 バブルがはじけてから10数年が経過しました。その間に世界は急激に変化しました。しかし、金融システムをはじめとして、日本の構造改革の立ち遅れが目立っています。アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国と言われ続けてきましたが、ここにきてムーディーズやスタンダード&プアーズによる国債の格下げが取りざたされています。 タイトルにある「異質」について、こう書かれています。 <ここでいう「異質」とは、国や文化、環境の違いである> そして、こう結んでいます。 <「異質」を実感し、マネージした経験を国、業界、企業を超えて活かすことこそ重要である。21世紀においては、ビジネスマンが革命児となるのである> 情報の「信頼性」をどのようにして確保するのかについては、次のような考えを述べています。 <自ら生の情報を足を使って探すとともに、情報の信頼性を確かめることも必要である。一方的な思い込みをせず、複数の情報源を持ち、「裏」をとることも、慣れない環境のもとでは必要である> 「情報とは2つ以上の違った意見である」(作家岡崎久彦)とは、至言です。 よい情報を得ようとするならば、よい情報を発信しなければならないことも自明の理です。 ここに、コミュニケーションの重要性がクローズアップされてきます。そして、<コミュニケーションとは、異質なものを双方向につなぐことである>ということが理解されなくてはならないでしょう。そして、<手段である言葉ができても、双方に異質なものを理解しよう、伝えようとする意欲や努力がなければ、意思は伝わらない>という事実は納得できることです。 言葉の違いや異文化間、考え方の違う民族間の問題に少しでも関心のある方に読んでいただきたい本です。 |
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