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| No.124 | ★★★ | 2002/05/01 Wed |
ベスト・プラクティス革命 竹内弘高 ダイヤモンド社 1994/09/16 |
成功企業に学べ
今回は、「異質のマネジメント」の著者の一人である、竹内弘高の「ベスト・プラクティス革命」を取り上げます。一昔前、日本に“飛ぶ鳥を落とす”ほどの勢いがあった時期、「もうアメリカに学ぶものはない」と発言した、日本の経営者がいました。 しかし、それから10数年経った今、日本の現状はどうでしょう。ごく一部の企業を除いて、ほとんどの企業が疲弊しています。倒産した企業も枚挙に暇がありません。国も同様で、先進7か国の中で最下位に格付けされています。 先の経営者の発言が、驕り以外の何ものでもないことが証明されました。日本の景気が良かった時期、アメリカは「日本に学べ」をスローガンにして、徹底的に日本を研究し、遂に日本を凌駕することになったことはだれもが認めるところです。 当時、日本企業に限らず、世界の優れた企業に学び、その後最も尊敬される企業になったGEは「ベスト・プラクティス」という手法を用いて、競争力を回復させました。 著者は次のように書いています。 <GEのように、欧米では、再建に取り組んだ企業が、なりふりかまわず改善策を打ち出してきた。それらの多くの企業は競争力を回復することに成功した。現在、日本企業がなすべきことは、この現実を真摯な態度で見つめることである> <何を学ぶかというと、企業の全社戦略のケーススタディではなく、業界を超え、個別の実践例、つまりプラクティスである。だれから学ぶかというと、他社からである。業界を超え、国境を超えて、そのプラクティスに関しての第一人者、つまりベスト・プラクティスを実践している他社から学ぶのである> この本は、「ベスト・プラクティスを実践している企業」を26社選び、それぞれの企業がどのようにプラクティスを実践しているかを詳しく紹介しています。 本書から、よく知られた企業名を列挙しますと、ボディショップ、ウォルト・ディズニー、サン・マイクロシステムズ、イーストマン・コダック、マイクロソフト、インテル、リーバイ・ストラウス(リーバイス:注 藤巻)、ウォルマート、フェデラル・エクスプレス(フェデックス:注 藤巻)、デル・コンピューター、ゼネラル・エレクトリック(GE:注 藤巻)、ゼロックス、コカ・コーラ、ナイキ、ハーレー・ダビッドソンがあります。 この中から、サン・マイクロシステムズ(以下サン)の例を見てみることにします。 サンはワークステーションのリーダー企業であることはご存知のとおりです。 SUNはStanford University Networkの略で、CEOのスコット・マクネリをはじめ、スタンフォード大学あるいは大学院出身者たちが創業者であるため名づけられました。 著者はサンの特徴を次のように書いています。 <オープン、カジュアルといったサンの文化を象徴するような行動を、経営陣自らが意識的にとることによって、また、経営陣はそれを求めているのだということを明白にするような発言を繰り返すことによって、従業員を鼓舞しようとしているのである> あるいは、<従業員が最もよく口にするサンの精神が「よく働き、よく遊べ」であるように、「遊び心」も重要なサンの企業文化である> さらに、<遊び心と並んで重要なのが、風通しのよさである。サンでは、団結心と遊び心を発揮し、強化し、また、違う部署の人とコミュニケートするために、Tシャツがよく利用されている> それと、今思い出したことがあります。 サンのワークステーションは社内で実際に日常での仕事に使い、改良を加えていたということです。同業他社でこのような話を聞いたことはありません。OEM(相手ブランド名生産)で販売し、自社で生産していないだけではなく、自社内で使用するということは皆無でした。そのため、その製品の不具合についてほとんど理解していないこともあったようです。 「結び」で、著者はこのように述べています。 <26個のベスト・プラクティスから学べることは、欧米企業が株主以外のステークホルダーを重視していることである。(中略)欧米企業は、社会、従業員、顧客を重要なステークホルダーと認識し、そのそれぞれと新しい関係を構築しようとしている。つまり、「株主オンリー」の視点が大きく変わろうとしているのである> ステークホルダーに関して書かれていることは、以前に取り上げた「スターバックス成功物語」の中で述べられていたことに近いものです。 次の言葉が、この本のすべてを物語っていると思います。 <一つの実践が他社の「動き」を誘う。これがベスト・プラクティスの真髄である> |
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