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蘇れソニースピリッツ (日経ビジネス) |
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| No.138 | ★★★ | 2002/06/30 Sun |
蘇れソニースピリッツ 日経ビジネス 日経BP社 2002/06/03 |
さらば出井神話
前回の書評では「ソニー自叙伝」という、「GENRYU源流」(同社広報センターの編集・発行)をベースに編纂された本を取り上げました。 今回は、「日経ビジネス」(2002年6月3日号)に「蘇れソニースピリッツ」という特集が組まれましたので、その内容をご紹介します。 本編はいわば、「井深大とソニースピリッツ」 立石泰則 日本経済新聞社の続編ともいうべきものであり、時宜を得たものです。 この特集が組まれた趣旨を考えますと、次の言葉がソニーの現状を象徴しているように思います。 <「エンジニアが会社の中で偉い人の顔色を窺うようになったら、ユニークな技術など生まれない。このままでは井深さんの遺伝子が失われてしまう」(技術部門トップの鶴島克明氏)>最近、ソニースピリッツを感じる製品が少ないという批判が社内外から相次いでいたと言います。 「ソニースピリッツ」について書かれている個所がありますので、ご覧ください。 <ソニーの創業者である井深大氏と盛田昭夫氏、さらに後を継いだ大賀典雄氏は、新製品の機能はもちろん、デザインや質感、使い勝手の良いボタンの位置にまで徹底してこだわった。消費者もまた、その製品が醸し出す独自の雰囲気に「ソニースピリッツ」を感じ、幾多の熱狂的ソニーファンを生んできた>ソニーはカンパニー制を敷いているため、事業毎の業績が明確に示されるような仕組みになっています。 今問題になっているのは、 <最も得意なはずの自社ブランドのAV(音響・映像)事業で思ったほど利益が上がっていないこと>です。 <特に先行きが懸念されるのが、「家電の王様」テレビ事業だ。ソニーはブラウン管テレビで「トリニトロン」という独自技術で一世を風靡。1990年代後半には平面テレビ「ベガ」の大ヒットで、シェア首位の松下電器産業に肉薄した。だが、最新の大型テレビの核になる液晶やプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)などの平面ディスプレイの開発では後れを取った>ソニーは液晶とPDPは自社開発せず、パネルは外部から調達するそうです。では、どの部分で差別化をするのでしょうか。 <「テレビの命は画質。トリニトロンで磨いた高画質化や画像作りの技術を応用すれば、外部からパネルを購入しても、他社を上回る高画質の製品を作れる」(テレビ事業を担当する山下勉プレジデント)>この自信がまだ残っている限り、ソニースピリッツは復活し、日本経済を引っ張っていくことが可能ではないかと思えました。 日経ビジネス EXPRESS(日経ビジネスの読者限定のウェブサイト)にソニー・トップ3人(出井伸之会長、安藤国威社長、徳中暉久副社長)インタビューが掲載されています。この中の出井会長のインタビューの内容の一部をご紹介して、今回の書評は終了とさせていただきます。 インタビューの中で、出井会長が「QUALIA(クオリア)」と名づけられたプロジェクトについて述べている個所があります。 <クオリアとは、数字では評価できない何かを感じ取る脳の力を表す言葉で、私(出井会長)と安藤さん(国威・社長)、高篠さん(静雄・執行役員専務)が中心になって委員会を作り、8つの製品分野で着々と準備を進めている。今までのソニーのラインから外れ、埋もれていた企画の中からも面白いものが出てきているし、これは期待してもらっていいのではないかと思う>これは今後のソニーの進むべき方向に自信を持っている証拠と見ていいのではないかと思います。 井深大氏、盛田昭夫氏、大賀典雄氏の3人について語っているところがあります。 <考えてみれば、大賀さんくらい純粋にソニーのことを考えて、経営に当たってきたトップはおられないのではないか。井深さんは技術者の夢があり、新しい技術があると経営よりもそちらに熱中されていた。盛田さんはある時点で社長をきっぱりと大賀さんに任せ、会長として世界を飛び回っていた。若い頃には、私自身、「盛田さんは世界に飛び出すだけじゃなくて、もっとソニーの中を考えてくれればいいのに」と思ったことさえある(笑)。その点、大賀さんの情熱は、いったいどこから生まれてくるのか。音楽家としての才能を捨ててまでソニーに身を投じた、という思いもあるかもしれない。いずれにしても、トップにすべての責任が集まって、盛田さんにせよ大賀さんにせよ、倒れてしまうまで頑張らなければならない、という状態はやはり無理がある。だからこそ、プロフェッショナルなマネジメントがしっかり頑張って、チームで普通に経営していける仕組みの構築が欠かせない>今回は変則的な書評となってしまいました。書評と言うよりも、純粋にソニーの現状をリポートする内容の紹介に終始しました。 次回からは通常の書評を掲載します。 |
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