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| No.144 | ★★☆ | 2002/08/04 Sun |
MBA全集2 マーケティング ウォートン・スク−ル /ロンドン・ビジネススクール/IMD ダイヤモンド社 1998/06/25 |
視点を変えるマーケティング
8月最初の書評は、「MBA全集2 マーケティング」を取り上げます。前々回に取り上げた「ゼネラル・マネジャーの役割」同様に、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授たちの寄稿論文をフィナンシャル・タイムズが責任編集した本です。 マーケティングにおいて、「ブランド」は重要な要素です。では、消費者に認知され、支持される「ブランド」において考えるべきことはどのようなことでしょうか? <ブランド化とは、消費者に認知される価値を生み出し、それを維持することである。第二に、ブランド化とは、商品はいつかは日用必需品(消費者が競合商品間の差異を認めない商品)化してしまうという市場の「自然の摂理」に対抗するために実施される。第三に、消費者にとっての価値は必ずしもはたから見えるものとは限らない> 「ブランド」を的確に定義するものとして、次の文章が参考になると思います。 <差別化された消費者価値を約束し提供するブランドは、消費者に記憶されやすく、自社製品の信奉者としての消費者を多数抱えることで競合他社から身を守り、また流通チャネルに対して生産者としての交渉力を高めてくれる。これらはすべて、企業により多くの利益を与えるものである> より短く定義すれば、次のようになります。 <「ブランド」とは、たとえば洗剤のタイドのように、「プロダクトとその付加価値」のことである。ブランドは、消費者にとっては機能面、経済面、そして心理面で利益を享受できるものである。単純に言えば、品質、価格、イメージということになる> 「ブランド」と並んで、マーケティングで重要な要素は「顧客」です。どんなに優れ、また手頃な価格の商品であっても、購入してもらえなければ企業は利益を上げることはできません。では、既存顧客の維持と新規顧客開拓ではどちらが容易であり、コストがかからないのでしょうか? そして、どちらにより重点を置くべきかはマーケティング担当者だけではなく、経営者層にも関心が高い問題です。 本書では、次のような一つの解答を提供しています。 <@現在の顧客こそが、将来の売上げをきわめて安定的に予想できる源である。Aそれまでの取引履歴をもとにした将来の期待売上額(すなわち、企業にとっての「資産価値」)によって、個々の顧客を効果的に細分化することができる。B顧客は償却されなければならない。C顧客は売り買いできるものである> もっと説得力を持つ表現は次の文章に見出されます。 <自社から離れるおそれのある顧客は、多くの場合、合理的なコストの範囲内で説得可能であることが知られている。また、新規の顧客から新たに売上げを得ることは、既存の顧客から追加的な売上げを得ることに比べて7倍も高くつくことも明らかになっている。もちろん、この比率は企業によって異なる。しかし、重視すべきことは、顧客を維持するための努力は報われるということである> マーケティングを異なった視点から捉えると、どのようなことが見えてくるかに関心がある方にお薦めの本です。 |
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