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| No.146 | ★★☆ | 2002/08/19 Mon |
ウォルマートの真実 西山和宏 ダイヤモンド社 2002/05/10 |
最強のIT 最大の顧客満足
今回は、先ごろ西友の株式を6.1%取得し、最終的には66.7%まで取得する権利を得た世界最大の小売業「ウォルマート」の真実に迫った本を取り上げます。以前に掲載した、ウォルマートの創業者サム・ウォルトン(以下サム)の自著「ロープライスエブリデイ」もあわせてご覧下さると幸いです。 一番関心があったのは、日本で4番目のスーパーストア「西友」を傘下に収めどうするつもりなのか、ということでした。残念ながら、この件についての記述は見当たりませんでした。まだ日が浅く、著者に確たるものが見えてこなかったからでしょう。 ウォルマートについては、大前研一の「中国シフト」(小学館)に詳細な記述がありますので、改めて取り上げてみたいと思います。 さて、ウォルマートについて簡単に触れておきましょう。 <ウォルマートは、10ヵ国で約4400店舗を運営、売上げ2178億ドル(2002年1月期)の世界最大のリテーラーである> 日本円にして28兆円(当時の換算レート)という想像を絶する売上高を上げています。しかも、売上高の増加を率に換算して<多いときには前年比10%、少ないときでも4%伸ばしてきた>そうですから、驚異としか言いようがありません。 しかし、次の記述を読むとサムは「危機感」を常に抱いていたと推測されます。 <米国内にさほど強力なライバルがいなくなったサム・ウォルトンは、1992年4月この世を去るまで、日本小売業の米国参入を心配していたという> この本の中で注目した部分は、サムは早くから「情報の共有化」の重要性に気づいていたことです。 <責任を共有するためには情報の共有が不可欠であり、これによって、従業員と真のパートナーシップが築かれるとウォルトンは信じた。このような信念の下に、ウォルマートはコンピュータを導入する以前からデータを活用し、みんなで情報を共有した> そして、その情報システムを具現するものとして、「リテール・リンク」があります。これは、1991年、つまりサムが亡くなる1年前から構築が始まったデータウェアハウスです。 著者によれば、「リテール・リンク」とは次のようなシステムを言います。 <ウォルマートのサプライヤー約7000社は、「リテール・リンク」にアクセスすれば、自社商品について、過去104週間の売上げ、在庫、出荷状況を知ることができる。というよりも、サプライヤーは「リテイル・リンク」へのアクセスを義務づけられている> この「リテール・リンク」はどのような効果を生み出したのでしょうか? <「リテール・リンク」によって、バイヤーとサプライヤーは同じデータを分析しながら、売上げと利益を向上させるためには、どうすればよいかのアイデアを交換できるようになった。サム・ウォルトンは、データが競争相手に漏れるリスクよりも、データを活用しないことによって失うリスクを恐れた。ウォルマートはデータを提供するだけでなく、積極的に活用することをサプライヤーに要求している> 世界第2位の小売業、フランスのカルフール(売上高635億ドル<2001年12月期>)が一足先に2000年12月に日本に上陸しました。一号店は千葉県の幕張に開店し、その後2店舗を開店しました。 一号店の開店当初は、「フランス」の雰囲気を期待した消費者が殺到したようですが、その後消費者が期待するほどの品揃えがなかったため、戦略の大幅な修正を余儀なくされたそうです。 しかし、今では在日フランス商工会議所のメンバーは、小売業だけではなくほかの業種でも日本での展開に自信を深めているという報道がなされました。 今後、さらに<ドイツのメトロや英国のテスコが日本参入を表明している>そうですから、一層ウォルマートの今後の動向から目が離せない状況になっています。 |
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