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No.153 ★★★ 2002/10/12 Sat  IBMを甦らせた男 ガースナー ロバート・スレーター
 日経BP社 2000/02/21

IBMを甦らせた男 ガースナー ロバート・スレーター 日経BP社 とにかく顧客第一だ

著者ロバート・スレーターが、ビッグブルー(IBM)を立て直したガースナーの言動を丹念に追いながら、ガースナーの人となりを描ききった本です。

ルー・ガースナーの職歴を簡単にご紹介します。ハーバードビジネススクールを卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社しました。4年でパートナーになった後、アメリカン・エキスプレスのナンバー2になり、IBMのCEOに就任する直前にはRJRナビスコ(食品会社)のCEOでした。アメリカン・エキスプレスでもRJRナビスコでも会社を立て直したことから「企業再建請負人」という異名を頂戴しました。

1993年4月、IBMのCEOに就任しました。当初は、こうした経歴がコンピューターに無知な人物に巨人IBMの経営はできないという風評を生み出しました。
しかし、結果は杞憂に過ぎなかったのです。卓越した経営能力を持ってすれば、業種は関係ないことをガースナーは証明しました。

IBMはメインフレームの販売で圧倒的に強かったため、PCへの転換が遅れたことがその後のIBMを衰退させたということはよく言われました。
しかし、PCの販売でも実は世界一の企業だったのです。ガースナーはメインフレームを捨ててPCに特化する戦略は取りませんでした。PCがインターネットによってネットワーク化されると、メインフレームがサーバーとして不可欠になると読んでいたからです。もう一つは、今では当たり前になりましたが、ソリューションビジネスが大きな柱になると考えていたのです。 つまり、ハードウェアを販売するだけではなく、問題解決というサービスをコアビジネスにしていこうと考えたのです。

ガースナーが考える中心課題は次の5つに集約されると思います。

(1)今現在のビジネスは何か
(2)その顧客は誰か
(3)市場はどこにあるのか
(4)自分たちの強みと弱みは何か
(5)主な競争相手はどこか

これらの5つの質問に的確な解答を出し、正しいタイミングで正しく実行できる企業であれば、業種に関係なく成果を出すことができるのではないでしょうか。

エイカー前CEOとの大きな違いは、次の言葉が物語っています。

<第一は顧客、二番目にIBM全体、個々の事業ユニットは三番目という姿勢を当然のこととして貫くことです(ガースナー)>

ガースナーの考え方を端的に表している言葉があります。

<私の考えでは、根本的な課題は実行です。戦略、それは実行することです(ガースナー)>

この言葉をフォローするように著者が述べているのは、ガースナーができないことは約束しないというものでした。

<適切に実行するということの中に、できないことを約束するという項目はなかった。これはガースナーが持っている経営哲学のもうひとつの重要な側面で(他は徹底的にスピードにこだわる)、ガースナーはこれをIBMに入る以前に、すでに身につけていた。やみくもに約束することは逆効果だ、 ガースナーはそう信じていたのだ>

ガースナーには“武器”がありました。

<ガースナーにはそれまでのIBMの経営者たちにはなかった大きな武器がひとつあった。自由に解雇を言いわたせることだ>

私が簡単のようでなかなかできそうにないと思うことは、トップが直接顧客に会うことです。トップは顧客(現場)から最も遠い存在と思うからです。
ガースナーはそれをいとも簡単にやってのけたのです。率先垂範したのです。

<ルー・ガースナーは顧客と会うために自分に許される限りの時間を使うと宣言、それを実行した。IBM社内で最高のセールス担当者に負けず劣らず、しばしば何十万ドルというハードウェアとソフトウェアの注文を持って帰ってくることもある>

<「役員から顧客の話を間接的に聞くつもりはない。顧客の口から直接聞くことにしている」(ガースナー)>

最後に、ガースナーがコアビジネスと位置づけた「ソリューション」についての記述がありますので、その部分を掲載します。

<テクノロジーそのままではソリューションにはなりません。ソリューションとは、ハードウェア、ソフトウェアそしてサービスの組み合わせです。これらを統合することによって我々は顧客の要求に応えることができるはずです>


ロバート・スレーターの本
GE会長ウェルチ語録

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