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| No.154 | ★★★ | 2002/10/16 Wed |
明日を支配するもの P・F・ドラッカー ダイヤモンド社 1999/03/18 |
21世紀のマネジメント革命P・F・ドラッカーの本を読んでいつも感服するのは、その類まれなる「ものごとの本質を見抜く能力」と「先見性」です。氏は常々「公開された情報を基に分析すると、こうならざるを得ない」というようなことを述べていますが、他の人にはなかなかできないことです。 私のような常人には遠く及ばない「洞察力」や「未来を明確に見通す眼力」が備わっているのでしょう。そんな簡単な言葉で片付けられることではないかもしれません。 この本は、3年前に世界同時出版された著作の日本語版です。 「マネジメントを発明した男」の本領が遺憾なく発揮された本と言ってもよいのではないでしょうか。 今年93歳になる著者の向学心には本当に頭が下がります。氏のものの見方・考え方を参考にして、長い年月をかけて独自の視点を形成していきたいと考えています。 特に印象に残った一節がありました。自分は「読む人間」か、「聞く人間」かという個所です。 <仕事の仕方について初めに知っておくべきことが、自分は読む人間か、聞く人間かである。世の中には読み手と聞き手がいるということ、しかも、両方できる人はほとんどいないということを知らない人が多い。自分がそのいずれであるかを認識している人はさらに少ない。しかし、これを知らないことがいかに大きな害をもたらすかについては、いくつかの実例がある> その実例をいくつか挙げていますが、その中の一つはケネディとジョンソンを比較している個所です。 <リンドン・ジョンソンが同じく大統領として、アイゼンハワーとは逆に、自らが聞き手であることを知らなかったために、評判を落とした。 自らが読み手であることを知っていた彼の前任者ジョン・ケネディは、歴史化アーサー・シュレジンガー、一流記者のビル・モイヤースなど、最高の書き手を集めた。彼は、問題の検討に入る前に、必ず書いたものを要求した。ジョンソンは、それらの書き手をそのまま引き継いだ。彼ら書き手は、次から次へと書面を提出した。しかし、ジョンソンがそれらのものを一度も理解しなかったことは明らかだった> 余談になりますが、大統領には膨大な書面に目を通さなくてはならない義務があります。 ケネディはその昔、速読するために文書の左上から右下にかけて「斜め読み」したといわれています。その速読法によって文書の大意を掴んだのでしょう。 本書のテーマである「明日を支配するもの」とは何か。その解答は後半の第5章に書かれています。 <知識労働者の生産性こそ、明日を支配するうえでの最大の経営上の挑戦である。とくに先進国にとっては、彼らの生産性が先進国としての地位の鍵となる。彼らの生産性を向上させることなくして、今日の生活、今日のリーダーとしての地位を保ち、今日の生活水準を維持することはもとより、先進国であり続けることはできない> 知識労働の生産性を向上させるための6つの条件を指摘しています。 <知識労働の生産性を向上させるための条件は、大きなものだけで6つある。 (1)仕事の目的を考える。 (2)働く者自身が生産性向上の責任を負う。自らをマネジメントする。 自律性をもつ。 (3)継続してイノベーションを行なう。 (4)自ら継続して学び、人に教える。 (5)知識労働の生産性は、量より質の問題であることを理解する。 (6)知識労働者は、組織にとってのコストではなく、資本財であるこ とを理解する。知識労働者自身が組織のために働くことを欲する。> ドラッカーの経営学を学ぶには最も適したテキストの一冊といえます。 P・F・ドラッカーの本 ポスト資本主義社会 プロフェッショナルの条件 |
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