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| No.159 | ★★★ | 2002/12/01 Sun |
ピット・ブル マーティン・“バジー”・シュワルツ パン・ローリング 2000/05/23 |
チャンピオン・トレーダーの自伝少数銘柄に長期投資して世界一の投資家になったウォーレン・バフェットと対極をなすデイ・トレーダー、マーティン・“バジー”・シュワルツの自伝です。 シュワルツの手法は「先物取引」のデイ・トレードに徹していることです。 「先物取引」について「日経225先物」を例にとって簡単にご説明しましょう。 「日経225先物」は東京市場だけではなく、シンガポール市場でも取引されています。東京市場とシンガポール市場での価格の差を利用して取引し利ざやを稼ぐことをアービトラージュ(裁定取引)といいます。 「日経225」銘柄が将来上がると思われる場合に、「日経225先物」を買付けます。このことによって買付け額を確定するわけです。 「日経225先物」が思惑通り上昇すれば、売却額と買付け額との差額が利ざやとなります(証券会社への手数料や税金を考慮しなければ)。 もし、思惑とは逆に買付け価額よりも下落したらその差額が損失となります。 一方、将来「日経225」銘柄が下がると思われる場合には、「日経225先物」を売っておきます。このことによって売却額を確定します。 「日経225先物」が思惑通り下落すれば、売却額と買付け額との差額が利ざやとなります(証券会社への手数料や税金を考慮しなければ)。 もし、思惑とは逆に買付け価額よりも上昇したらその差額が損失となります。 ここで重要なことがあります。必ず一定期間内に反対取引をしなくてはならないことです。 SQ(特別清算指数)という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これは先物やオプションの清算を6ヶ月毎に行なう日です。第2金曜日が該当します。オプションは毎月ありますが、先物は3,6,9,12月の年4回だけです。今月(12月)は13日(金)が該当します。 日本市場の話はここまでにしまして、米国市場についてお話します。 ニューヨーク証券取引所では、ダウ工業株30種平均先物やS&P指数先物等が取引されています。 シュワルツはこれらの先物取引で大成功した人です。 シュワルツは個別銘柄のデイ・トレードは勧めていません。先物取引の方がレバレッジ(梃子)を利かして証拠金の何十倍あるいは何百倍もの取引が可能になります。うまくいけばそれだけ儲けが大きくなるからです。もちろん失敗すれば損失も莫大になります。失敗したときに追証(追加証拠金)が必要になることは日米で違いはありません。 この本を読んで感じたことは、原著者の文章がうまいだけではなく、訳者成田博之氏の翻訳によって臨場感が味わえることです。あたかもシュワルツの取引現場にいるような錯覚を何度となく覚えました。 そのシュワルツといえども人間ですから先物取引で失敗したことはあります。しかし、そこはプロですから損切りによって損失を最小限にすることができたことは言うまでもありません。 真偽のほどは定かではありませんが、奥さんが母親と一緒にコートを買いに出かけ、身近にいなかったために適切なアドバイスが得られず、取引を継続するかどうか迷った挙句に、結局損を出したというエピソードが紹介されています。後に奥さんのアドバイスでその損を取り戻したそうですが。 私は、シュワルツが得意な先物取引はギャンブルと同様だと思いましたが、実際シュワルツはギャンブルでも大儲けしています。 相場にもギャンブルにも共通する「勝つためのルール」を述べています。 <最初のルールは、「自分のエゴを捨てること」である。相場でもギャンブルでも、精神的にコントロールが利かなくなるようでは、絶対に成功しない。<中略>第二のルールは、「手持ちのおカネはきちんと管理すること」である。(中略)最後のルールは、「立て続けに勝った後は、違うテーブルに移る」ことである。運良く連続して勝ったとしても、その運がいつまでも続く訳ではない> これらのルールはシュワルツが何度も痛い目に遭って身につけたものでしょう。経験のなせる技です。 本書には読んでいてわくわくするような場面が多く、一気に読み終えることができました。面白い本であったからです。 巻末に「シュワルツの売買テクニック」という章があります。ここには、実際に先物取引や個別銘柄の取引でデイ・トレードを行なう人やそれらの取引について知ろうとする人に参考になることが多く書かれています。 この中からいくつかをご紹介しましょう。 <弱気の銘柄や売り叩かれている銘柄には一切、手を出さないようにしている。上昇銘柄が一時的に売られるのと、下落して安い銘柄とでは両者に大きな違いがある。その点を、支持線を引いておくことで買いのポイントを事前に把握するだけでなく、その支持線を割り込まないかどうかも確認できる> <多くの場合、場が引けた後に何かニュースが流れたり、事件が起きたときに、この窓空けが起こる。この窓を二、三日中に埋めることができないと、その窓を空けた方向に相場が進む可能性が高い。この窓は、非常に優れたシグナルである> <一般的には、動き出した銘柄は同じ方向に三日間ぐらい進む。初日は賢い連中が動き、二日目にはその賢い動きを察知したそれなりに賢い連中が動き、そして、三日目に大衆がやっとその動きに気が付く。これは、非常に単純であるが、大事なルールの一つである。仮にその銘柄にとってマイナスになるニュースが流れ、その株が売られたとしても、三日目には買い戻す用意をするべきだろう> <その銘柄にとってマイナスのニュースが流れても、売られることがなく上昇をし始めると、これは買いのシグナルである。そのニュースをすでに市場参加者は読み取っていたので、ニュースがニュースでなくなっていた証拠だ。もちろん、その逆もあり得る。その株にとってプラスのニュースが流れても上げることがないときは、売りのシグナルである> 関連する書評 バフェットからの手紙 |
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