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| No.161 | ★★★ | 2002/12/15 Sun |
リスク時代の「資産倍増」勉強法 藤巻健史 講談社 2002/08/22 |
「守る」から「儲ける」へ何をどう学ぶべきか初めにご注意申し上げます。手軽そうに見えるタイトルに惑わされないでくださいということです。 今までに外資の常識 日経BP社や1ドル200円で日本経済の夜は明ける 講談社を取り上げました。 これらの本の中で、「東京市場にフジマキあり」と言われた著者の(外国)為替ディーラーとしての実力がいかんなく発揮されていました。 本書はこれらの著書の延長線上にあり、日本全体を覆っているデフレ下で、私たち庶民はどのように生活防衛し、資産をどのようにして増やしていったらよいのかを懇切丁寧に解説しています。 氏の専門分野の外国為替取引(外貨預金など)だけではなく、株式投資や不動産投資など幅広く取り上げ、それらのメリット、デメリットを明示しています。 いつものことながら、文章が読みやすく理解しやすい構成になっています。後はどう「実行」するかです。 本書の趣旨は、次の一節にすべてが述べられていると言っても過言ではないでしょう。 <日本の景気回復の時期とスピードは為替いかんなのである。それほどまでに為替は日本経済回復を測る指標として重要なのであり、その重要な為替に絶えず注目するためには、自分自身で為替の勝負をすることがベストなのである> 著者が他の本でも度々指摘しているのは次のことです。 <もともと私は、中長期的に見ても円安ドル高が進むと考えているし、何よりも国が真剣に円安政策を検討しなければ、日本経済はこのまま破綻に向かって突き進んでいくとさえ思う。逆の言い方をすれば、現在の日本経済の窮状を救うことができるのは、円安背策しかあり得ないと思っているのである> こうした前提を踏まえた上で資産運用を行なうにはこうしたらよいと述べています。資産運用を再考するためにとても有益ですので、ご紹介しましょう。 (1)<情報は量ではなく質が大事なのである。(中略)大事なことは、こうした情報源(新聞や雑誌、テレビなどのマス媒体、インターネットなど:注 藤巻 隆)のなかから、誰の発信する情報を、自分が資産を運用するにあたっての拠り所とするかである> (2)<実際に資産を運用する場合、必要なツールは2つある。ひとつは経済・金融に関する基礎知識。それと、もうひとつは英語である> 少し補足説明をします。 ビジネス書を読んで、経済・金融に関する基礎知識を一緒に身につけましょう。また、当サイトにはThe EconomistやBusinessWeek、Fortune、Forbesなどの世界的に著名で高い評価がされている経済紙や雑誌のサイトにリンクしています。こうしたサイトにアクセスして、世界経済や世界金融が今どう動いているのか感じ取っていくだけでもかなりプラスになります。 これらの英文が理解できない?私も例外ではありません。私も決してこれらの英文を読んですぐに理解できるわけではありません。よく「速読速解」と言われますが、そう簡単にはいきません。じっくりと読んでも、せいぜい60%〜70%が解ればいいほうです。 しかし、毎日続けて読んでいますと、おおよその流れがつかめてきます。これは自分の体験から断言できます。 多少単語の意味がわからなくても飛ばして読んでいきましょう!そのうち、自然に理解できるようになってきます。 (3)<経済の勉強をして、さらに実際にマーケットに参加して取り引きしてみること。外貨建てMMFなどの外貨建て資産を少額でもいいから保有すれば、マーケットがどういうものなのか、ある程度の蓋然性をつかむことができるはずだ> 私は現在少額のドル預金をしています。最近は122円プラス・マイナス2円程度のボックス圏で推移しています。著者が主張しているように1ドル200円までとは行かなくても、150円から160円程度には円安になる余地は十分にあると思っています。日本経済の現状を考慮すれば、著者の主張は納得できます。 (4)<資産運用だからといって、金融業界だけの意見にばかり耳を傾けていてはダメだということである。他業種の話を聞くことによって、違った角度から経済・金融の動きを追うことができるようになる> <資産運用で成功するためには、ある程度、複眼的な見方でマーケットの流れを読むクセをつけることが大事である> 「情報とは2つ以上の違った意見である」(作家・元外交官 岡崎久彦氏)や「情報とは自分にとって付加価値を持つものである」(藤巻 隆)という情報の定義も参考にしてください。 (5)<景気の方向を読む場合は、長期にわたってデータをチェックし続け、回復に向かっているのか、後退に向かっているのか、あるいは横ばいなのかを感覚的に把握できるようにしておくほうがよい。経済・金融の基礎知識を勉強し、英語を理解し、さらに五感を駆使して景気の風を読むことのできる感性を身に付ければ、資産運用に必要な情報収集は完璧に近い> (6)<自己責任時代の資産運用には、「自分で考える」ことが不可欠である> (5)と(6)については説明は要しないでしょう。 (7)<声を大にして言いたいのは、ノウハウではなく、きちんとした理論を学ぶべきだということである> 書評欄で取り上げているビジネス書は、こうしたを踏まえて取り上げているつもりです。 (8)<余裕資金で運用するということである> これは当然のことのように思われるかもしれませんが、強調しても強調しすぎることはありません。生活資金まで運用に回してしまうと、運用がうまくいかなくなった場合には、破綻してしまいかねません。 著者が何度も強調しているのは以下のことです。 <「現状のように国力が弱まった時、円が強いのは最悪である」と言いたいのである。国力が弱まっている時、すなわち現在の日本の場合には、円が弱くならなくてはならないのである> この本は、「私には資産運用なんて関係ない」と思われている方にむしろ読んでいただきたいと思います。大いに関係があると気付かされること請け合いです。 |
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