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| No.164 | ★★★ | 2003/01/10 Fri |
[新・家族論]親が反対しても、子供はやる 大前研一 PHP研究所 1998/02/16 |
大前流「家族論」「哲学書」そして「ビジネス書」今回取り上げますのは、一見するとビジネス書からかけ離れているようで、実はこれからのビジネスに欠くべからざる要諦を語った本です。少なくとも私はそのように理解しました。 冒頭で大前研一は、次のように語っています。 <家族に対する責任、自分自身に対する責任、社会に対する責任、それから勤めている以上は会社に対する責任、この4つの責任は常にイコールであり、どれが欠けてもバランスのとれたいい社会人にはならないのではないでしょうか> 私はこの4つの責任に対してバランスを欠いているかもしれない(たぶんそうでしょう)と思い、内心 次の指摘は大切です。 <これからはパソコンによって、覚える必要がなくなってくる。覚えなければいけないこともたくさんあるけれど、覚える必要がないこともたくさん出てきているのです。つまり、産業革命から近代史が始まって以来、はじめて覚えなくていいことが多くなってきたのです> <日本はこれまでずっと知識偏重の教育をしてきました。それによって、日本人には何が欠けたかといえばやはり、公徳心でしょう。それは他人を思いやる心とも言えます> 子を持つ親として、次の言葉は考えさせられました。 <子どもの考え方を聞いてみて、その子を一人の人間として理解してあげることから始めなければならないと思います。その結果、子どもの考え方に賛成できなければ、大人としての考え方を述べる。それでも子どもが自分の考えを主張すれば、今度は「責任」は子どもに移ります。その責任を自分でとるから自分の道を歩みたいと子どもが言えば、親はそれを「祝福」してあげるべきです> 世の中には恵まれた人がいますが、果たして次のような自覚ができている人がどれだけいるでしょう。 <恵まれた人は、ノブレス・オブリージ(身分に伴う道義上の義務)を果たさねばならないことを、もっと自覚する必要があると思います> 「リーダーシップ」についてはいろいろな本に書かれていますが、次の定義は最も平易で理解しやすいでしょう。 <リーダーシップとは、いばることではありません。聞いて、見て、自分の心のなかで育ったものを説明して理解を得る、そのことなのです> 著者は、ビジネスをする上でも家庭がしっかりしていなければうまくいかないと指摘しています。これは関係なさそうでいて、実は密接な関係があることがわかります。 <家庭がしっかりしていないのに、外に出て日本をよくしようとか、会社をよくしようとか、お客さんの会社をよくしてあげますなどということは、おそらくできないのではないかと私は思っています。家庭がうまくいかないということは、結局私自身の人間性が全面的に否定されているように思えます> <私は、すべての出発点は家庭にあると思っています。ほかの部分で、どんなにパーフェクトだと思っていても、自分が納得できる家庭がつくれなかったら、まず最初の事業には失敗したことになります。それでたまたま出世しても、あるいは著作が売れても、あまり意味がないのではないでしょうか> 次の言葉の意味をじっくりと考え、行動に移していきたいと思います。 <すべてが大きく変わっていく世の中で、変化に耐えられるようにするには、いつも自分を客観的に見て、自分自身のほうを変えていかなければいけないのです> 今回の書評は通常のものとは趣を異にしています。それは、「ビジネスの原点も家庭にある」という逆説をみごとに証明した大前研一をもっと多くの方々に知っていただきたかったからです。 大前研一の本のコーナーがありますので、こちらもぜひ、ご覧ください。 そして、この本をこれから父母になる方、すでに父母のなっている方だけではなく、その他多くの方がたが読んで下さることを願っています。その上で、もう一度、「教育とは何か」「家族とは何か」「大きく変化した社会にどのように対処していったらよいのか」「ビジネスをする上で本当に必要なものは何なのか」をじっくり考える時間をつくってみようではありませんか。 |
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