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藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 中華連邦 [図説]ベンチャー株投資の実践ノウハウ [図説]ベンチャー株市場のすべて ボンド・キング ビル・グロスと楽天<日経ビジネス(2003.2.10)>


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No.165 ★★★ 2003/01/19 Sun  藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義
 藤巻健史 光文社 2002/11/25

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義  藤巻健史 光文社 為替と金利はなぜ、いつ動くか編

外資の常識1ドル200円で日本経済の夜は明けるさらにリスク時代の「資産倍増」勉強法の著者をご存知でしょうか。

「東京市場にフジマキあり」と云われた伝説のディーラー藤巻健史です。

余談になりますが、私とは姻戚関係はありません。アルファベットで書くとよく似ています。TakeshiとTakashiで1語違いです。


今回取り上げる本は上下2巻からなる上巻です。上巻は「為替と金利はなぜ、いつ動くか」編で、下巻は「現場で使えるデリバティブ、スワップ」編です。下巻の書評は次回掲載します。

著者は“はじめに”で、この本のついて次のように述べています。
<この講義録は、6日間に亘り3時間ずつ講義したものを本にまとめたものです。(中略)そうした講義をまとめた本書ですが、ノウハウ本ではありません。あくまでも実践に必要だと思われる知識を、やさしく書いたものです >

たしかに文章はやさしく書いてありますが、内容は初歩的なものからかなり高度なものにまで言及していて、中身の濃い本です。

現在、世界的に景気後退の暗雲が立ち込めています。
世界で唯一強い経済力を持っていたアメリカにも以前ほどの力強さは感じられません。
日本にいたっては、いっこうに回復の兆しが見えてきません。最近の報道を見ても、UFJホールディングスや三井住友フィナンシャルグループが外資に出資を仰ぎ、自己資本比率を高めるだけではなく、不良債権処理のノウハウも実績も持つ投資銀行メリルリンチやゴールドマン・サックスに不良債権処理を委ねる、つまり自行による不良債権処理を「丸投げ」するという事態にまで至っています。
しかし、カルロス・ゴーンによる日産のV字回復という明るい話題も一部にはあります。しがらみのない実績のある外国人経営者に経営を委ねることによって、起死回生を図るというのも選択肢の一つとして今後も行なわれる可能性があります。

金融についてより深くより正確に理解するためにも、また個人の財産形成の一助のためにも一読をお薦めします。

著者は次のことを強調しています。
<金融の知識がなければ自分の財産も守れない時代がやってくる。是非勉強していただきたいと思います>

私たちも金融の勉強を続けましょう。

【外国為替】
ニュース番組で、次のように外国為替の動向を伝えている場面をご覧になったことがあると思います。
「今日の外国為替市場は、1ドル118円88銭から90銭で取り引きされています...」

これは正確には正しくないと指摘しています。
要約しますと、次のようになります。
高いほうのレート(118円90銭)はオファード・レートといい、売りたい側の最低限のレートであり、低いほうのレート(118円88銭)はビッド・レートといい、買いたい側の最高限度のレートを表しています。

私もこの本を読むまでは、この違いを正確に認識していませんでした。ニュースで伝えられていることを真に受けていました。単にその間で取引されているレートだと。

もう一つはじめて知ったことは、<中(仲)値は9時55分のときのレート>であるということです。
中(仲)値について説明します。銀行がドルを顧客(法人・個人)を相手に売買する場合に、±1円の手数料を設定しているとします。
中(仲)値が119円25銭であれば、TTS(Telegraphic Transfer Selling Price:銀行の売値)が120円25銭でTTB(Telegraphic Transfer Buying Price:銀行の買値)が118円25銭となります。つまり、中(仲)値は、売買レートを決定するための「基準レート」のことです。(ここでいう、レートはドルキャッシュではありません。念のため)

ただ、突発的な事件や経済的に大きな政策転換が行なわれたときなどには、1円以上の変動があります。そうすると9時55分にいったん決まった中(仲)値、TTS、TTBは無効になります。

全世界での為替の取引量は、1日当たり1兆ドルに達するそうです。その中身を見ますと、実需の取引(輸出入企業の為替取引=円転やドル送金、先物予約など)よりも銀行間取引のほうが多いそうです。

【LIBOR(ライボ)London InterBank Offered Rate】
LIBORは時々目にすることがあります。
<LIBORというのはロンドン市場で取引されているユーロ円のレートです。(中略)日本国外で取引されている円資金のことをユーロ円と言います>

LIBORがなぜ重要かについては次のように指摘しています。
<なぜLIBORが重要かというと、海外での貸付とか、金融取引っていうのは非常に多くLIBORがベースになっているからです。日本ですと、貸し金をやるとなると、短期プライム(企業への最優遇貸出金利:注 藤巻隆)とか、長期プライムとかがベースになり貸出しレートが決まります。しかし海外になると円にしろ、ドルにしろ、多くの取引がほとんどLIBORベースになります>

ですから、<LIBORで資金を借りられる銀行というのはクレジットのいい銀行>ということになります。

【長期金利と短期金利】
まず、次のことを理解することが必要になります。
<短期金利というのはしょせん日銀の手の内のマーケット。(中略)長期金利というのは多少、政府日銀の影響があったとしても、基本的にはマーケットが決める金利であるということがあります。(中略)国債の金利が日本の長期金利体系を決めるということです>

このあたりの話になりますと、金融の教科書にはなかなか出てこない事柄です。経験・実績に裏づけされた見方ということが言えると思います。

このほかに重要なこととしては、「名目金利」があります。
<名目金利というのは実質金利+期待インフレ率+リスクプレミアムで決まります>

日本の金利はずっとゼロ金利が続いています。この状態が今後も継続したままであるはずはありませんが、急にインフレになり金利が上昇するとも思えません。景気がよくなれば、高い金利でも支払うことができるわけです。今は不景気(普通という意味で普景気という人もいますが)ですから金利を上げることができません。

金融に関心を持ち、仕組みを知るためには実践してみることが大切です。私も少額ながら株式投資やドル預金を続けているのも常に金融に関心を持ち続けていきたいと考えるからです。世界情勢がどう金融商品に影響するかわかるようになってきます。

著者の次の言葉で、今回の書評は締めくくりたいと思います。
<金融マーケット知らずして日本経済を語ることは、もはや不可能なのです。国家を儲けさせる、すなわち国を栄えさせるためにも金融の知識は必要になってきています。その点も心に留めながら読んでいただければと思います>

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