シスコの真実 新マーケットの魔術師 [新・家族論]親が反対しても、子供はやる 藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義
藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 中華連邦 [図説]ベンチャー株投資の実践ノウハウ [図説]ベンチャー株市場のすべて ボンド・キング ビル・グロスと楽天<日経ビジネス(2003.2.10)>


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No.166 ★★★ 2003/01/26 Sun  藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義
 藤巻健史 光文社 2002/11/25

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義  藤巻健史 光文社 現場で使えるデリバティブ、スワップ編

『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』の下巻「現場で使えるデリバティブ、スワップ」編を掲載します。

サブタイトルにある「デリバティブやスワップ」についての詳細は、次の書評をご参照ください。

外資系投資銀行の現場 西村信勝 日経BP社 1999/09/27

デリバティブの非情な世界 リチャード・トムソン TBSブリタニカ 1999/04/30

私が読んだ限り、著者は著書を通じて一貫して「円安誘導」を展開しています。この本の中でも「円安」について次のように主張しています。
<私の主張っていうのは景気が回復するために円安を経なくちゃいけない。「円安を経ない景気回復はありえない」というものです。ですから、円安は国力を強くするためのプロセスであって、最終目的では当然ありません>

<問題は、円安になるかどうか。円安って5円、10円の話じゃないですよ。やっぱり160円、170円の世界です。もし円安がこないと日本経済は相当苦しいかなと思います>

今日(2003/01/26 Sun)、いつものように海外の新聞、雑誌社のサイトを見ていましたらForbes.comに塩川財務大臣の発言が掲載されていました。
その発言の要旨は「円安にしてデフレを終息させる必要がある」というものでした。
これは、著者の主張と軌を一にするものです。
詳しくはこちらをご覧ください。

【金利スワップの本質】
金利スワップについては次の記述をお読みください。ポイントが要領よくまとめられています。

<重要なポイントというのはまた金利スワップも契約だけということなんです。今までやった、為替の先物や債券先物と同じです。為替の先物というのは契約だけでしたよね。値段を今日決めちゃうけど、お金が必要なのはすなわち決済は1年後。先物のドルを買った場合、1年後に初めてドルを買うための円が必要なんです。決済は1年後なんです。1年間は約束だけが存在しているんです。債券先物もそう。金融先物もそう。先物ですから、9月とか、12月に決済(ほかに3月、6月の年4回:注 藤巻隆)しますけど、それまでは約束だけだから証拠金だけ必要なんです>

<一般的なのは固定金利と変動金利、すなわち短期金利との交換なんです。固定金利が円で、変動金利がドルの場合は為替スワップ。固定金利も変動金利も交換するのが両方とも円の場合には金利スワップと言います>

さて、企業の財務担当者が金融機関から融資を受け(資金調達)、運転資金に使用したり、子会社や関連会社などに貸し付ける(運用)場合に、金利に神経を尖らせなくてはなりません。
そうした際に、金利はどのように調達し運用すべきでしょう。

金利が今後上がる場合と下がる場合では、逆の方法をとらなくてはならないことは誰でもわかります。では、具体的にはどうすべきでしょうか。

<金利が上がるときというのはなるべく長い資金を借りるべきであって長い資金を固定で貸してはいけない>

補足説明します。現在の借入金利を5%で調達し、貸付金利を7%とします。今後、調達金利が8%、9%と上がっていくとすれば逆ザヤになってしまうからです。そうした状況を回避するためには、固定金利を長期調達する一方で、変動金利で短期で貸付けるべきです。
逆に、今後調達金利が下がる場合は変動金利で短期調達し、固定金利で長期貸付することが有効です。もちろん、このような目論見どおり相手が承諾してくれるかどうかは別の問題です。

再度、確認しましょう。

<金利上昇期というのは、短い運用をして、長く調達するのが王道です。(中略)金利下降期というのは短い調達、長い運用ですね>

次に、デリバティブ等のリスクについて確認しておきましょう。リスクマネーに投資しなければ、リターンは得られない時代になりました。
ただし、「ハイリスクであるからハイリターン」であり、「ローリスクでハイリターン」は存在しないことはきちんと認識しておくべきです。
別の言い方をすれば、「ローリスクでハイリターン」を謳い文句にしている金融商品があるとしたら胡散臭いと考えましょう。それでも、その商品に投資したいのであれば、自己責任で行なうことを徹底しましょう。他人のせいにしてはいけません。

最近もコンゴの人物が投資を勧誘するという詐欺事件が起こりました。日本でも騙された人がいて、募集した母体は100億円を集めたといいますから、詐欺事件が後を絶たないご時世となりました。
不景気が続くとこうした類の事件が頻発します。気をつけましょう。

実はこの事件との関連性は確かではありませんが、コンゴの前大統領の未亡人と称する人物からEメールが届きました。
「莫大な資金を運用するために協力してくれませんか」という何とも胡散臭い内容でした。「自分たち家族は国を追われ逃げているが、スイス銀行にも巨額の預金をしている。しかし、口座を封鎖される恐れがある」という話になるととても信じられませんでした。
「確認のために、自分たちの顧問弁護士に連絡を取ってください」とも書かれていました(すべて簡単な英語で)。ご丁寧に顧問弁護士(?)のメールアドレスまで書かれていました。

さて、本題に戻します。
【金融に関するリスク】

<マーケットリスクに関しては「ハイリスク、ハイリターン」の原則があるのです。ハイリスクを取らないことにはハイリターンがない。確かに昔の日本のように規制がたくさんあった場合には「ローリスク、ミディアムリターン」みたいなことはありました。しかし、それは規制があったからであって、これだけ世の中がグローバル化されてきますと、もう「ローリスク、ハイリターン」「ローリスク、ミディアムリターン」などという取引はない。ですからある程度、マーケットリスクを取らざるを得ない>

問題はどのようにして儲けるかです。

<コントロールシステムを作って、それでリスクを取って、初めて儲かるのです。リスクコントロールシステム自身が儲けを生むわけではないのです>

アメリカではエンロンやワールドコムなどの不正会計事件が続発しました。この事件にからんでSEC(アメリカ証券取引委員会)委員長が辞任(正確には解任)しました。これらの事件を「対岸の火事」と考えていては問題の本質は見えてきません。

アメリカでは時価会計が採用され、日本では簿価会計がされているという違いをまず認識することが必要です。そのことを考慮された上で著者の次の指摘をお読みください。

<米国の会計基準を日本の企業にあてはめたら、非常に多くの日本の会社が違反していることになってしまうと思うということなんですよね。(中略)要するにアメリカの会計基準が要求する透明度というのは非常なる高レベルまで達しちゃっている。時価会計が徹底している。隠しようがない。その中で、ちょっと隠したということが今回の問題の本質じゃないかなと思っています>

今回は自分の体験を含め、書評を掲載しました。少しでもご参考になれば幸せです。

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