あなたが株で勝つための株式投資100の答え 巨象も踊る ネクスト・ソサエティ メガバンク危機とIMF経済政策
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No.172 ★★★ 2003/03/09 Sun  あなたが株で勝つための株式投資100の答え
 大竹愼一 フォレスト出版 2000/04/13

あなたが株で勝つための株式投資100の答え  大竹愼一 フォレスト出版 トップファンドマネジャーが明かす投資のAtoZ

日本の株式市場は、イラク情勢の緊迫化と北朝鮮によるミサイル試射の可能性を巡って、大きく下落しました(2003/03/07)。

TOPIX(東証株価指数)は20年前(1983/03/15)の水準まで下落し、796.17と800の大台を割り込みました。
 一方、日経平均株価はバブル後の安値を更新し、終値は8144.12円でした。

企業や金融機関は3月末の決算を間もなく迎えますが、株価の下落が続く現状では企業業績がよい企業までが株式を売られ、株価が下落するという「逆バブル(投資家が皆売ってしまう)」(中央三井投信投資顧問エグゼクティブファンドマンジャー大島和隆氏)の様相を呈しています。

投資家はどのような対応をしたらよいのでしょうか。ただ、嵐が過ぎ去るのをじっと待っていることしかないのでしょうか。

私は(素人同然ですが個人投資家の“はしくれ”です)、こういう時だからこそ、原点に帰り、輝かしい実績のあるプロのファンドマネジャーの言葉に静かに耳を傾ける必要があるのではないかと考えました。

「プロのファンドマネジャー」と私が自信を持って言える人は、大竹愼一氏です。
 大竹愼一氏について簡単にご紹介します。
 ニューヨーク在住の独立系ファンドマネジャーで、ウォール街で16年間トップクォーター(上位から4分の1)を続けました。大竹氏の言葉によれば、

<現在私が運用しているのは、日本円にして約1000億円。この資金を、約700の銘柄に分散して投資している>
そうです。

これだけの資金を集めて運用できるのは、氏の実績が群を抜いていることを物語っています。

 この本は、

<1998年9月から翌1999年6月までの、日本経営合理化協会でのわたしの株式投資セミナーでの、質問に対する応答をまとめたもの>
です。

この中から、今後も役に立ち続けるであろうと思われる応答を選び出しご紹介します。個人投資家、これから株式投資を始めようとしている方だけではなく、将来会社経営に携わりたい方、プロのファンドマネジャーについて知りたい方、日本経済、世界経済の将来について何かヒントを得たい方には参考になることが多くあると思います。

ファンドマネジャーはどのような仕事をしているのか」から始めることにします。

 ファンドマネジャーは企業訪問をして、直接トップに会い企業情報を収集することが大切な仕事になります。大竹氏は次のように述べています。

<企業訪問では、トップとのインタビューだけでなく、工場見学や工場長・技術者などとの会話を大切にしている。会社の実態は、企業の現場を見なければ分からないというのがわたしの信念である>
<要するに、他人から預かった資産を運用する専門家がファンドマネジャーなのである>

プロと素人との違いについて
 この違いはだれもが関心のあることでしょう。

<投資した銘柄が下げることも、もちろんある。しかし、二割、三割下がった株をそのまま持っているということはあまりない。必ずその前に損切りをして処分している。これができるかできないかが、プロと素人の差である>

 次の一節は、現在の株式市場での対応に当てはまることを述べています。

<市場が暴落している真っ最中には、わたしはキャッシュポジションを高めて模様眺めをすることにしている。(中略)暴落の最中にはあまり動かないほうがよい。素人には難しいことだが、これができるかどうかが素人と玄人の境目でもある>

プロのファンドマネジャーの実績はどのように判断されるのか

<プロのファンドマネジャーの実績は、利回りだけで判断されるわけではない。ダウ平均やS&P500などのインデックス(指標)に対して、どの程度上回ったか、あるいは下回ったかが非常に重要である>

尊敬する投資専門家はだれか

<一番に名前を上げるべきなのはやはりウォーレン・バフェットだろう。アメリカではだれもが知っている投資家であり、実績のある人物である。(中略)彼の資産運用法は株式の長期保有による長期的なリターンの確保であり、現在アメリカでも流行しているデイトレードとか、ヘッジファンドとは対照的な、ある意味では保守的と呼べる手法である。本書でも強調している株式のバリューを重んじた、バリュー投資という考え方をアメリカで最初に強調した投資家である。その意味で、部分的な手法は異なることはあっても、わたしはバフェットの弟子の一人であると考えている>

どのくらいのスパンで投資を考えるべきか

<投資行動を成功させるためには、100年先を考えなければならない。30年を一世代と考えれば孫の時代、20年を一世代と考えれば曾孫ひまごの時代。何代も続いている欧米の大資産家は、孫や曾孫の時代を考えて投資しているし、だからこそ高率な税制のもとでも、何世代にわたって繁栄を続けていられるのである>

「損切りと持続について」―これは非常に大切なことです。

<短期投資で一割、二割の損を出したら、ただちに売り払って、そのお金で二倍、三倍に上がる株を買う。その決断ができるのがプロである。もう一つ考えておかねばならないのは、値下がりしても、自分が買った理由が、誤っていないと判断されるときは、持続すべきである。この買った理由というのが、大変貴重であって、これが消滅しないかぎり、持続なのである。だからこそ、買うときには、その理由を熟考しておく必要があるのだ。そうすることによって、衝動買いを避けることができる>

株価には固有のバリューがあるとはどういうことか

<企業が持っているある価値によって、株価は決まっていく。このことをキチンと認識することが、株式投資の初歩の初歩である。これが分からないかぎり、投資家として決して一流にはなれない>
<バリュ−はどうやって決まっていくのか。一言でいえば、金利とキャッシュフローである。この場合の金利とは長期金利であって、もっとも安全とされる長期国債の市場金利である>

企業のバリューは何で判断するのか

<バリューはキャッシュフローで見る。キャッシュフローというものは利益と減価償却を足したものである。キャッシュフローから、税金や配当などを除いたものが、最近よく使われるフリーキャッシュフロー(FCF)である。つまり、フリーキャッシュフローとは、企業経営者が自らの意思によって自由に使うことができる企業の内部資金である。(中略)言い換えれば、経営とはキャッシュフローを積み上げていく作業そのものなのである。(中略)キャッシュの投資とリターンをできるだけ効率的に行うことが経営であり、経営者の仕事はこの点にこそある>

株価の下落や景気の後退はときに好ましいものであるとはどういうことか

<株価の下落や景気の後退はときに好ましいもであることを、日本人は学ぶ必要がある>
<市場は相場である。相場は一本調子に上がればよいというものではなく、必ずあるサイクルをたどっていく。そのサイクルが下降局面に入って株価が下落しても、それは次の上昇のエネルギーを蓄積している。だから、一時的には株価が下がっても調整されたほうが、市場の将来によってよいのである。むしろ、そういう調整局面こそ、株が買えるときなのである。ベアマーケットは、投資家に絶好の買い場を提供している。だから、株価調整は望ましい>

重視する指標は何か

<キャッシュフロー経営という点からいって、わたしが株式のバリューとして一番重視しているのはプライスキャッシュフロー(PCF=株価/一株当たりのキャッシュフロー)である>
<わたしがPCFと並んで重要視しているのはプライスブックバリュー(PBV=株価/一株当たりの純資産)である。この指標は、いわゆるバリュー株への投資を行うときにもっとも有効な指標になる。
PBVが一倍を割り込んでいるような銘柄、つまり簿価以下にしか評価されていない銘柄は文句なく買いである>

あなたが予想していた内容とはかなり違っていたのではないでしょうか。


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『キャッシュフローで会社を強くする』 大竹愼一

『不況でも「上がる株」が見つかる』 大竹愼一ほか

『バフェットからの手紙』 ローレンス・A・カニンガム

はじめはルイス・ガースナーの『巨象も踊る』を取り上げる予定にしていました。しかし、株式市場の大幅な下落を見て、大げさに言えばこのままでは日本経済は本当に沈んでしまうという危機感を抱き、どうしてもこの本を取り上げないではいられなくなりました。



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