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No.180 ★★★ 2003/05/28 Wed  ピーター・ドラッカー 未来企業を語る/デルコンピュータ
 /日東電工(日経ビジネス 2003/4特別編集版
 2003.4.7 2003.4.14) 日経BP社

ピーター・ドラッカー 未来企業を語る/デルコンピュータ/日東電工(日経ビジネス 2003/4特別編集版 日経ビジネスの記事から

久々に日経ビジネスから「これ」と思った記事を抜粋してご紹介します。
 実は、1カ月に1回のペースで日経ビジネスの記事を掲載する予定にしておりましたが、諸般の事情により長らく取り上げることができませんでした。お詫び申し上げます。

今回は3本の記事を取り上げます。
(1)ピーター・ドラッカー 未来企業を語る(2003.4 特別編集版 情報力を鍛え直す)
(2)デルコンピュータ 経営と組織の変革(2003. 4. 7)
(3)日東電工 ニッチでも世界首位12事業の独創性(2003. 4.14)



(1)ピーター・ドラッカー 未来企業を語る(2003.4 特別編集版 情報力を鍛え直す)

今年93歳を迎えたピーター・F・ドラッカーはいまだ健在であることを強く示してくれたと感じられました。

<テクノロジストが企業と社会を変える>と述べています。

「テクノロジスト」とはどのような人を指すのでしょうか?
<テクノロジストとは、高度な専門技術や技能を持ったナレッジワーカー(知的労働者)のことで、米国をはじめ欧州や日本などでも活躍の場を広げています>

テクノロジストの特徴は次の点にあるとドラッカーは指摘しています。
<テクノロジストの特徴は出世を望まず、経営幹部になって報酬を3倍に高めるより専門家として思い切り働きたいと願うことです。組織に対する忠誠心よりも自分の専門領域への情熱を優先します>

日本にもテクノロジストがいます。
<昨年、ノーベル賞を受けた島津製作所の田中耕一氏>その人です。<当時の肩書は「主任」。それ以上、昇進すると管理職になるので、昇進試験を受けなかった。この点もドラッカー氏の言う通りだ>

問題は、こうしたテクノロジストの処遇です。
<テクノロジストたちは金銭的動機づけでは動きません。自分たちの専門性を愛している人たちですから、管理はさらに難しくなるでしょう。(中略)テクノロジストをどう管理して伸ばすかは、今後の経営の最大の課題になるでしょう>

経営者にとっての利点を述べています。
<経営者にとっての利点は「テクノロジストに通常の管理はいらない」(ドラッカー氏)点にある。能力が高く責任感も強いテクノロジストは勤務管理がなくても、働きに手を抜くことはない。経営者は部下の管理以外に時間を使えるようになる>

ドラッカーの本を読んでいつも気がつくことは、ドラッカーはことあるごとに用語の定義をしていることです。これはきわめて大切なことであると思います。定義しなければ、書き手と読み手とで認識のずれが生じ、話がかみ合わないことになるからです。

 「情報共有」がよく話題になりますが、これも同じです。考え方を明示したり用語の定義をきちんとしておかないと厳密な意味で「情報共有」は成立しません。



(2)デルコンピュータ 経営と組織の変革(2003. 4. 7)

デルコンピュータ(以下デル)といえば、PCの直販で世界一であるばかりか、PCの顧客満足度NO.1の会社であることはご存知のとおりです。

そのデルで変革が進行しているというのがこの記事の要旨です。

まず、大きな変化はマイケル・デルCEOとケビン・ロビンズCOO(最高執行責任者)とが相部屋で「共同経営」を行うことになったことです。
このようになった経緯をデルCEOは次のように日経ビジネスニューヨーク支局長酒井耕一氏に語っています。
<「2人で相談した方がいい経営ができる。日常業務の多くをロリンズ氏が担当している」>

さらに詳しくインタビュー記事を見てみることにしましょう。

 インタビューの中で特に印象に残った部分は次の個所です。
<個人でも企業でもそうだが、成功というものは自己満足や独りよがりに陥る危険と隣り合わせだ。幸いにもデルはそうなっていないが常にその危険はある>
 この一連の言葉を読んだとき「成功の復讐」(一度成功すると驕りが生じ、その当時と経営環境が大きく変化しているにもかかわらず、同じ手法を用いたために失敗すること)と「権力必腐」(権力を握ると必ず腐敗する。人類の歴史をひも解くとこの事実が繰り返されていることがわかります)という言葉が思い出されました。

もう1つ、この記事の中で印象的だったことは「従業員満足度」についてでした。
<デルCEOが最も力を注ぐのが従業員の満足度評価。デルでは、同社での仕事に満足しているかを社員に問う制度を導入した。約30項目からなり、「上司の指導法」や「能力開発の機会」などについて評価を聞く。社員にさらなる成長を期待するには、管理職も変わらなくてはいけない、との問題意識が背景にある>

酒井ニューヨーク支局長は、この記事を次の言葉で結んでいます。
<経営陣の姿勢が伝われば社員の士気は上がる。だからこそ、社員は顧客の声を聞くことに専念できる。デルの強さは、好循環を生む小さな変化の積み重ねにある>



(3)日東電工 ニッチでも世界首位12事業の独創性(2003. 4.14)

 最後は「私が選んだ優良企業」の中に取り上げている日東電工の記事です。

日東電工についてはご存知でない方がいらっしゃると思われますので、少しご説明します。

日東電工は隠れた超優良企業といえます。
 ニッチ製品に徹し、世界一の事業は12にのぼるということです。その中でも日東電工を日東電工たらしめているのは、液晶向け偏光フィルムです。

<液晶の明るさ(輝度)や視野角を決める偏光フィルムで世界シェア60%を握る日東電工。(中略)ある液晶メーカーの担当者は言う。「日東と組まない限り、画質がすべてを決めるテレビ向け液晶は作れない。パネルの売値が10%程度しか下がらないのは確かに頭が痛い。それでも、日東なしの液晶事業などあり得ない」>

では、日東電工の優位性はこのまま持続されるのでしょうか?
<液晶向け偏光フィルムの優位は当面、揺るぎそうにない。韓国勢の台頭で液晶パネル自体の単価下落は止まらないものの、シャープによると2002年3月期の液晶需要は全世界で2兆6600億円前後と20%の増加を達成し、2003年度も6%強の成長を見込めるからだ>

地上波デジタル放送が間もなく開始されます。家電量販店のテレビ展示コーナーを覗いてみますと、大型ハイビジョンテレビやプラズマテレビに混じって、液晶テレビが所狭しと並べられています。
 液晶テレビの画質がよいことは誰もが認めるところですが、画面の大きさの割りに価格が高いことがもう1つ普及するためにはネックになっています。

しかしながら、視点を変えて見ますと、日東電工の偏光フィルムが使われ、画質のよさを決める大切な役割を担っているという事実に突き当たります。このことはもっと多くの人たちが知っていていいことです。

日本にはまだまだ世界に負けない製品を作る会社があるということに意を強くしました。



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