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| No.181 | ★★☆ | 2003/06/01 Sun | 戦略管理会計 西山 茂 ダイヤモンド社 1998/04/16 |
管理会計の重要性まず、「管理会計と財務会計の違いは何か」から見てみることにしましょう。 <管理会計は、企業の内部にある会計データを、意思決定や組織のコントロールなどに利用していくことを目的としている。財務会計は、バランスシート(貸借対照表)や損益計算書といった企業の業績を表す財務データを、外部の関係者にディスクロージャーしていくために、定められたルールに従って作成していくこと、またディスクローズされた情報を上手に利用していくことを目的にしている。簡単に言うと、財務会計と管理会計の違いは、企業内部で利用するためのものか、企業外部で利用するためのものかという点にある>(最後の部分は順序が逆ですが、あえて原文のまま掲載します) 長期的意思決定を行う際にキャッシュフローを考慮することが最重要なポイントの一つになります。 キャッシュフローの定義は以下のとおりです。 <キャッシュフローとは、企業活動の中で実際に出入りする現金の流れのことである> 利益ではなく、キャッシュフローで考えていくことが望ましい理由を、著者は次のように指摘しています。 ●利益はあくまでも「計算上の儲け」である ●企業の活動はキャッシュをベースに行われている ●利益よりもキャッシュフローのほうが客観性が高い キャッシュフローにはいろいろなものがあります。その中でフリー・キャッシュフローを取り上げます。 <フリー・キャッシュフローは、本来の事業活動ではない財務活動から得られるキャッシュフロー(支払利息)は含まないため、企業がどのような形で必要な資金を調達しているかには関係なく、純粋な意味で事業から生み出されたものである。投資判断や企業価値の算定といった長期の意思決定を行う場合には、このフリー・キャッシュフローによって判断することが一般的である> [フリー・キャッシュフローの算出方法] フリー・キャッシュフローを算出するためには以下のような修正が必要になります。 (1)財務活動を除いた本業からの税引後利益を算出する (2)実際にキャッシュの支払いがない費用の修正を行う ここまではいわゆるEBITDA(=Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amorization、支払利息・税金・減価償却前利益)といわれるものです。(注:藤巻) (3)費用ではないがキャッシュの支払が行われるものの修正を行う 具体的には、設備投資の支払金額が該当する。 (4)運転資本(Working Capital)の変化による修正を行う 運転資本には少し説明が必要になるでしょう。 <キャッシュの支払いと受け取りの間にタイムラグがあってとしても、資金ショートを起こさずに企業を存続させ「運転」を続けていくためには、そのタイムラグを埋め合わせるために一定のキャッシュが必要になる。これを運転資本というが、これは企業が継続していくのに不可欠な潤滑油ということができる> 具体的な運転資本の算出方法は以下のとおりです。 運転資本=売掛債権+棚卸資産−仕入債務 つまり、<売掛債権、在庫、仕入債務の3つの項目を加減することによって、必要な運転資本を求めることができる>のです。 運転資本と並んで重要な考え方に損益分岐点があります。 <損益分岐点(Break Even Point)とは、損失が出たしまうのか、あるいは利益をだすことができるのかの分岐点、つまり最終的な利益がちょうど0になるような場合の売上高(採算点)のことである。損益分岐点での売上高が低ければ少ない売上高でも黒字を出すことができるので、その事業はリスクも少なく、比較的余裕があるということができる> ここでいう利益は通常、経常利益となっています。 損益分岐点を求める方程式は下記のようになります。 損益分岐点=固定費÷限界利益率* (* 限界利益率=限界利益÷売上高=1−変動費比率) 損益分岐点に関連して、安全率を検討することが不可欠になります。 安全率は、次の方程式で求めることができます。 損益分岐点の位置(安全率)損益分岐点売上高÷現在の売上高 では、この比率をどのように見たらよいのでしょうか? <比率が低ければ低いほど経営が安定していることになる。一般的には70%以下であれば超優良企業、80%以下であれば優良企業といわれており、逆に現在の売上高が損益分岐点での売上高を下回っている赤字企業では100%を上回ることになる> この本は、会計に携わる方や経営者だけではなく、投資家の方々にも企業分析を行う際に、「基礎的知識」を提供してくれます。 |
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