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No.184 ★★★ 2003/06/29 Sun  ソニー銀行 道具としての銀行  末永徹
 ダイヤモンド社 2002/12/05

ソニー銀行 道具としての銀行  末永徹 ダイヤモンド社 フェアな金融機関とクレバーな個人の経済学

以前からソニーの動向とともに、ソニーが銀行を設立したことに関心を抱いていました。

創業者の一人である盛田昭夫氏は次のように述べたことがあります。
<「もともとソニーは、小さい企業集団だ。将来ソフトウェア・ビジネスは絶対伸びるから、力を入れてやっていこう。ただ、企業として伸びるためには、金融機関が絶対必要だ。何も、これは資金調達のためだけではない。企業の信用やバランスを保つ大切な存在となる。金融機関を有した上で、新しい企業集団をつくっていきたい」。盛田の頭の中で芽生えた自前の金融機関への夢は、広がっていった>(『ソニー自叙伝』 ソニー広報センター ワック出版部 1998/03/16)

『ソニー自叙伝』をご参照ください。

盛田氏の遺志(1999年逝去)を継いで2001年5月に設立された「ソニー銀行」は、満を持して登場したといえるでしょう。

「ソニー銀行」と他行との違いはどこにあるのでしょうか?
<ソニー銀行は店舗を持たないインターネット銀行である>

<ソニー銀行は、個人をプロのマーケットに近づける>

<ソニー銀行は「フェアであること」を最大の目標に掲げる。ソニー銀行は、個人をフェアなマーケットに近づけ、個人をプロのマーケットから疎外しない。プロのマーケットに近づいた個人は、従来よりも有利な条件で取引できる代わりに、みずからが下した決断に責任を負わなければならない>

<ソニー銀行は、他行よりも高い金利を預金者に払い、他行よりも安い手数料で円とドルを両替し、他行よりも安い金利で住宅ローンを貸し出すことを目指している。個人にとって不必要な店舗を維持する費用を節約しているから、既存の銀行よりも有利な条件を提示できるのである>

言い換えると、「フリー、フェア、グローバル」を実践していることになります。ディスクロジャーに基づく、自由と自己責任という世界の常識が前提条件となります。

「ソニー銀行」の企業理念を考えますと、<ソニー銀行の顧客には、銀行や証券会社のプロの為替ディーラーが大勢いる。プロであるだけに、個人の立場で為替を取引する相手としてソニー銀行がもっとも有利であることがよくわかるのである>ということも頷けます。

個人がソニー銀行と取引する場合には、通常の銀行取引とはかなり異なっています。
<ソニー銀行と取引する個人は、金融やインターネットに関する一定の知識を持たなければならない。ソニー銀行のウェブサイトは非常に使いやすく工夫されてはいるが、たとえば、マウスとキーボードに触れたこともない人がソニー銀行と取引するのは不可能である>

実際に「ソニー銀行」のウェブサイトにアクセスしてみましょう。
MONEYKitという名称を使っています。

    MONEYKit

「ソニー銀行」はインターネット銀行であり、店舗を持っていません。インターネットでも電話でも取引はできますが、例えば為替取引においてアドバイスを受けることはできません。すべて、自己責任で判断を下さなければならないのです。
ですから、そうしたことにわずらわしさを感じる人は、「ソニー銀行」と取引してもメリットは見出せないはずです。

結局、<ソニー銀行は、金融を理解しようという意欲とインターネットを操作できる最低限の能力がある人たちに、従来の売り場よりもはるかに安く買うことができる手段を提供したのである>ということになります。

私も「ソニー銀行」に口座を開設しました。別に為替取引をするために口座開設をしたのではなく、インターネット銀行の機能はどのような点に特徴があるのか確認したかったからです。使い勝手がよいかどうかは、実際に使ってみなければわからないからです。

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