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No.194 ★★★ 2003/10/26 Sun  コトラーのマーケティング・コンセプト
 フィリップ・コトラー 東洋経済新報社 2003/05/15

コトラーのマーケティング・コンセプト フィリップ・コトラー 東洋経済新報社  マーケティングが無用になる日は永遠に来ない

 マーケティングの大家、コトラーによるマーケティングの本です。

 本著は、監訳者恩藏直人氏が「監訳者あとがき」で述べているように<今日のマーケティングで最も重要と思われる80のコンセプトが簡潔にまとめられてい>ます。

 ただし、コトラーの理論だけを述べたものではありません。ピーター・F・ドラッカーを始め、学者・経営者・マーケティングの専門家の言葉が多く引用されています。


 まず、コトラーにとって「マーケティング」とは何かから始めることにしましょう。
<私のマーケティングの定義を述べておこう。マーケティング・マネジメントとは、標的市場を選択し、優れた顧客価値の創造、伝達、提供を通じて、顧客を獲得、維持、育成する技術である
マーケティングとは、充足されていないニーズや欲求を突きとめ、その重要性と潜在的な収益性を明確化・評価し、組織が最も貢献できる標的市場を選択したうえで、当該市場に最適な製品、サービス、プログラムを決定し、組織の全成員に顧客志向、顧客奉仕の姿勢を求めるビジネス上の機能である
 もっと簡単に言えば<マーケティングの役割とは、たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化することである>

 本著では、ピーター・F・ドラッカーの言葉が特に多く引用されています。
 その個所を書き出してみましょう。
<ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)も「マーケティングの目的は販売を不要にすることだ」と断言している>(「序文」)
<ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)は、コンサルタントとしての彼の最大の強みは、知ったかぶりをせず、基本的な質問を2つ、3つ投げかけられることだと述べている>(「Consultants コンサルタント」)
<ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)はいまから30年以上も前に、企業を成功に導くには顧客について考えることが重要だと力説している。企業の目的は「顧客を創造することだ。したがって、事業の基本機能は2つ―そして、ただ2つのみ―ということになる。それはマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションは成果をもたらす。その他はすべてコストなのだ>(「Customers 顧客」)
<価格をあまりにも安く設定すると、売上は伸びるが利益はほとんどあげられない。(中略)逆に価格が高すぎる場合は、売上も顧客も逃してしまう可能性がある。また、ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)は別の問題点も指摘している。「プレミアム価格をありがたがる企業は、競合他社のために市場を創造しているようなものだ」>
<ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)が戒めているように、「顧客は、製造業者に利益を確保させるのが自分たちの務めだなどとは考えない」のである。企業は、売上を伸ばす方法だけでなく、顧客の再購入を促す方法を発見しなければならない。最大の利益はリピート販売からもたらされるからである>(「Profits 利益」)
<顧客の収益性よりも、製品の収益性の測定に時間をかける企業が多い。だが、より重要なのは顧客の収益性なのである。「唯一のプロフィット・センターは顧客である」(ピーター・ドラッカー)>(「Profits 利益」)
<ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)も、やはり品質は顧客が決めるという見方をしている。「品質は企業がサービスや製品のなかに埋め込むものではない。それはクライアントや顧客がサービスや製品から取り出すものである」(「Quality 品質」)
<販売員は必要なのだろうか。ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)は次のように述べている。「人を販売に使うのは、とにかく費用がかかりすぎる。一般的にいって、もはや販売は通用しない―必要なのはマーケティング、つまり、人々の購買欲求を喚起することである。購買欲求さえ喚起できれば、さして販売に注力せずとも、人々の欲求を満たすことができる」。企業は、必ずしも社内にセールス・フォースを抱えておく必要はない>(「Sales Force セールス・フォース」)
 ソニーの創業者(ファウンダー)、盛田昭夫の言葉も引用されています。
<ソニーの盛田昭夫は、著書『メイド・イン・ジャパン』(朝日文庫)で、「われわれは市場に奉仕するのではない。われわれが市場を創造するのだ」と述べている>(「Customer Needs 顧客ニーズ」)
<ソニーの元CEO、盛田昭夫は、「マーケット・リサーチなど必要なかった。大衆は何が可能なのかを知らない。それを知っているのは、われわれのほうだ」と述べている>(「Innovation イノベーション」)
 個人的に面白いと思ったのは、Words of Mouth クチコミについて述べている個所です。
<クチコミの専門家、マイケル・カファーキー(Michael Cafferky)は次のように述べている。「クチコミは……堂々と、だが静かに広まっていく。(中略)市場にはハイテクを駆使した誇大広告があふれている。クチコミとは、そうした広告をふるいにかけるために、われわれの脳が備えたローテク技術なのである」。企業のマーケティング活動は、しだいにクチコミを活用するようになってきている>
 本著は、マーケティングについて疑問が生じた時に、いつも傍に置いて参照するのに最も相応しい本の一つと言えるのではないでしょうか。

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