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No.195 ★★☆ 2003/11/08 Sat  ベンチャー投資の実務 エム・ヴィー・シー
 /三井物産業務部編 日本経済新聞社 1997/06/02

ベンチャー投資の実務 エム・ヴィー・シー/三井物産業務部編 日本経済新聞社  発掘、選別から回収まで

 ベンチャーキャピタルとは何なのか。そして、ベンチャー投資はどこに重点を置いて行われるのかということを詳細に述べた本です。

 まず、日米のベンチャーキャピタルの違いを次のように述べています。
<これまでの日本のベンチャーキャピタルのほとんどが証券・銀行系列であり、(中略)一方、アメリカのベンチャーキャピタルは、ほとんどが独立した個人の主宰するパートナーシップであ>
 ることです。


 ベンチャーキャピタルが企業に投資する際には、事前に詳細な企業調査を実施します。その詳細調査(Due Diligence)について説明している個所がありますので、見てみましょう。
<投資案件を評価・検証するために実施する調査のことを、「詳細調査(Due Diligence)」と称する>
 詳細調査の目的は次の通りです。
<詳細調査の目的は、事業の潜在成長性、発展可能性の見積もりとリスク要因の特定である>
 詳細調査は具体的にはどのように行なうのでしょうか?
<詳細調査の方法はほとんどが電話である。(中略)大半は照会(Reference Check)と称して、電話で情報を取ることで調査を進めていく>
<質問は「オープン・クエスチョン(答えがイエス・ノーにならないような質問)で行うのが、基本的なテクニックである>
 ベンチャーキャピタルが投資案件の評価で重要視する点はどのようなものなのでしょうか?
<ベンチャーキャピタルが投資案件評価の際に最も重要視する要因は、経営陣、特にCEOの資質であることで、業界で名の通った人物がCEOに就任すれば、それだけで会社の信用力は一気に増し、高い企業価値評価で新規の投資家を引きつけることができる>
 しかし、現実には期待が裏切られることはあります。
<こうして鳴り物入りで就任したCEOが全く期待を裏切るケースも少なくない。有名大企業で高い地位についていた人間がベンチャー企業の経営に向いているとは限らない、ということであろう>
 ベンチャー企業には資金が不足しているケースが多くあります。資金調達としてどのような方法が考えられるでしょうか。
<@大企業資金や助成金の導入
 A銀行からの融資資金
 B増資による資金調達>
 等があると述べています。

 ベンチャーキャピタルがベンチャー企業に投資したら後はどうように回収するかです。それは編者によれば、株式公開(IPO)と企業売却(M&A)です。
<株式公開とは、その企業が初めて一般投資家向けに新株を発行して、市場資金を調達することであるが、「初めての公募増資」の意で、IPO(Initial Public Offering)という。(中略)
 M&A(企業の買収・合併)による投資回収は、利点として、
(1)IPOのように、資金市場の状況に左右されない。
(2)現金の案件であれば、IPOの場合のように市場の株価変動にまどわされなることなく、利益を確定できる。
(3)提携によるシナジー効果を織り込んだり、競合状況が勘案されたりする>
 ベンチャーキャピタルの持ち分比率はどの程度のものなのだろうかという疑問がありました。その点について、編者は次のように述べています。
<投資家の枠が大きいほど有利な投資案件といえるが、ベンチャーキャピタルの持ち分比率は60%程度が平均的であろうか。経営陣への割当枠が全体の何%程度かは、事業ごと、案件ごとにバラツキがあるが、15%前後が多いようである。多すぎれば、投資家の取り分が減るし、少なすぎれば、経営陣の意欲をそいでしまう>


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