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| No.199 | ★★★ | 2003/12/27 Sat |
トラ・トラ・ライオン! サミュエル・ライダー マガジンハウス 2003/10/03 |
著者、サミュエル・ライダーは『はじめに』で日本で今後起こりうるシナリオを3つあげています。すなわち―。
<●第一の道―このまま大手術をせず、自然に良くなるのを待つ。第一の道は、国がいままで取ってきた政策、つまり問題先送りということです。これではいっこうに良くなりません。第二の道は『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』で日本の現状が語られたように悲惨な結果が待ち受けています。しかし、国が破綻しても国民は必ずしも悲惨な生活を強いられるとは限りません。そして、第三の道は国民が犠牲になるという意味で非常に悲惨な結末を迎えることになります。 はたして、究極のシナリオはこの3つしかないのだろうかと、誰もが疑問に思うことでしょう。そこで、サミュエル・ライダーは第四の道を提示します。サミュエル・ライダーが提示する<景気を一気に良くして日本復活を実現させる、“第四の道”>とはいったいどのようなものなのでしょうか? この問題の回答を見る前に、興味深い話に耳を傾けてください。来年2004年に新紙幣が発行されることは新聞紙上でご覧になっていて、ご存知でしょう。 著者の言葉を拝借して、確認してみることにします。 <新紙幣に変わるのは、千円、五千円、一万円の各札。実に20年ぶりの刷新だそうです。(中略)一万円札は前と同じく福沢諭吉ですが、五千円と千円は、それぞれ樋口一葉、野口英世になっています>さらに、 <私はまず、ものさしを一万円札の右上部分に当てました。福沢諭吉の頭と10000の数字との間がどのくらい離れているかを測るためです。この指摘が事実であるかどうかは、来年はっきりします。 話題は変わって、次の内容は大前研一氏が以前から指摘していたことでした。 <「日本は、空港や港をあまり重要視していませんね。これは大きな間違い。ものすごく損をしています。人、物、金、情報―皆この玄関から入ってくるのに、それをわかっていない」>デノミの実施、全国に2500万戸ある“既存不適格建築物”の立替需要の喚起、そして“高品質の農業”を育成することによって、日本をV字回復するというのが第四の道だそうです。 先に新札の発行について書きましたが、最新の日銀のホームページには次のように書かれています。 [日本銀行は、新しい日本銀行券一万円券、五千円券および千円券について、平成16年(2004年)7月頃の発行開始に向けて準備を進めて参りましたが、本日、財務省から「新日本銀行券の発行に万全を期するために、その発行開始時期について平成16年の秋頃を目処とする」旨対外公表がありました。私は、この延期の発表によって「デノミ」の実施が真実味を帯びてきたと意を強くしましたが、いかがでしょうか? ここで注目されることは、福沢諭吉が新旧札の絵柄になっていることです。絵柄が同じ人物では区別がつけにくくなることはだれでもわかります。とすれば、新札でも福沢諭吉を採用した理由があるはずです。 サミュエル・ライダーは次のように推理しました。 <「福沢諭吉とは、Xデーのシンボルであると同時に、デノミのための強力な“仕掛け”であるかもしれないんだ。デノミを実施しなくても、そのまま通る。しかし、デノミを実施した場合には、自動的に新円切換えに持っていけるように、まったく同じ絵柄を使った、ということだ」>では、「デノミ」を実施する目的は何なのだろうかという疑問が湧いてきます。その目的とは―。 <Xデーの狙いは、退蔵されちたお金を表に出すことですよね。とくにアングラマネーを洗い出す。それには、デノミをやれば即座に新円切換えになって、政府は完全にマネーを掌握できる>著者、サミュエル・ライダーの指摘が正しいかどうかは来年(2004年)秋に明らかになります。 ところで、「トラ・トラ・ライオン」とはどういう意味なのでしょうか? その答えは282ページ以降をご覧ください。 少しだけご紹介しましょう。真珠湾攻撃の時の電文「トラ・トラ・トラ」(逆襲に成功セリ)に関連していて、“アメリカからの自立”すなわち“日本の真の自立”をめざすものだそうです。この続きは本書に当たってお確かめください。 「おわりに」に興味深いことが書かれています。その内容は次のようなことです。少し長くなりますが、大切なことを述べていますので、最後までお読みください。 <“個人戦略”として効果的なものを一つ伝授いたしましょう。それは、本を読むこと。「なあんだ」なんていわないでください。これ、ほんとうに効果的なんです。考えてもみてください。著者たちが一年以上、あるいは五年、十年もかかって研究したことを、読者は、たった数時間で、一挙に自分のものにできるのです。その凝縮度、深さ、理解のしやすさにおいて、本に勝るものはありません。知識が得られると同時に感性を養え、癒しにもなるのです。そして、本というものは、なんと安いものでしょう。印刷・製本技術の発達と出版流通の整備によって、それが可能となっています> <パチンコ業界の規模は、少し前まで年間30兆円。では、出版業界は?驚くなかれ、わずかに2兆3000億円。パチンコ業界の13分の1でしかないのです。今から27年前、1976年頃には、両業界は売上げ1兆円で肩を並べていたのでした。ところが、パチンコのほうは30倍にも膨れあがったのに、出版は、2.3倍にしか伸びなかったのです。実は、このことは、日本の国際競争力が低下し、GDPの伸びが止まった原因の1つにもあげられます>知っておくべき経済数字(例えば、個人金融資産1400兆円、出版業界の規模2兆3000億円など)をちりばめ、また謎解きの面白さも堪能できる本に仕上がっています。 |
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