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No.200 ★★★ 2003/12/31 Wed  「儲け」を生みだす「悦び」の方程式 小阪裕司
 PHP研究所 2003/07/02

「儲け」を生みだす「悦び」の方程式 小阪裕司 PHP研究所  見える人にしか見えない商売繁盛の「仕組み」とは

 2003年大晦日にご紹介する書籍は、小阪裕司氏の『「儲け」を生みだす「悦び」の方程式』です。副題はなにやら禅問答のように思われるかもしれません。しかし、ここで言う「仕組み」とは、ビジネスモデル(儲ける「仕組み」)を言い換えただけのことです。ビジネスモデルという英語の言葉を日本語に換え、また考え方(コンセプト)を小阪流に組み立て直したものが「仕組み」であり、「方程式」であるわけです。まず、この点を頭に入れておいてください。




 『もっとあなたの会社が90日で儲かる!』の著者、神田昌典氏が実践し大きな成果を上げているエモーショナル・マーケティング(感情マーケティング)との共通点が2つあります。
 1つは「実践」し成果を上げていることであり、もう1つは人間の感情に訴えるマーケティングであることです。ものを購入するのは機械ではありません。人間です。「人間は感情の動物である」という本質をよく理解しているからこそできる「マーケティング」であり、「仕組み発想」なわけです。

 ところで、この2人は友人であり、よきライバルでもあります。
 「あとがき」には次のように書かれています。
<盟友神田昌典さん。この本に書かれている発想・知識は、彼から教えてもらったことにより「そうか!」と見えてきたものも少なくありません。心から感謝を。また彼の考え方や実践メソッドの根底には、わたしと同じ思想が流れています。その意味でも彼の著書を併せて読まれると、この本の読者であるあなたには効果無限大でしょう>
 さらに言えば、ベストセラーになった『ユダヤ人大富豪の教え』の著者、本田 健(ほんだ けん)氏とも友人です。
<わたしをいつも支えてくれる友人たち、自身もベストセラー作家である本田健さん、...>
 前置きはこのあたりにしましょう。
 まず、この本はどのようなものなのか、著者、小阪裕司氏は次のように強調しています。
はじめに言っておこう。この本は「お客を悦ばせることが大切だ」というお題目を説いた本ではない
 では、どんな本なのかこれからみていきましょう。
 なぜ、人はモノを買わないのかという理由を次のように述べています。
<お客は買う理由がわからないから買わない、その商品を買うことで自分の人生にどんな悦びがもたらされるかがわからないから買わないのです>
 言い換えれば、その理由を明示してあげれば買う機会を与えることができるということです。その具体例として「サンマの背」と「ブロッコリー」の話が出てきます。私も「サンマの背」については知りませんでした。魚屋さんの社長にサンマの売れ行きを聞く場面です。
<―サンマ1匹130円
 ―サンマ1匹150円
 (中略)
 「社長、これサンマ1匹130円、150円とありますね」
 そうしたら社長は言葉をさえぎって、
「そうなんですよ。いや、うちみたいな田舎は今、景気が悪くて、安いほうのサンマばかり売れるんだ」と。
 本当にそうなのか?(中略)
 安いほうの、130円のサンマばかり売れるのは「不況」が原因か?
 わたしはさらに訊きました。
「どうしてこっちが130円で、こっちが150円なの?」
「大きさが違うんですよ」(中略)
 さらに「これ社長、大きさ一緒じゃないですか」と訊いたら、彼はこう答えました。
「そうじゃないんです。サンマというのは背で見るんですよ、背で。背で見たらほら、150円のほうの背が厚いでしょ。こっちの厚いサンマのほうが脂ののりがあって美味しいんですよ」
(中略)
あと20円出すだけで人生の悦びが得られるんですよ。>
 この店の野菜売り場で350円する「北海道産のブロッコリー」について訊く場面では―。
<「この北海道産は何がいいかというと、ゆがいた時の歯ざわりが違うんだな。サクッて感じなんですよ」
 って社長、それをPOPに書かないと。
 この例からお分かりのように、著者は「お客が買わなくなった理由は不況ではない」と言っているのです。では、その理由は何でしょうか?
<このサンマの例のように、なぜ20円高いほうを買わなければならないのか、その理由がわからないからだ。しかし、このことが見えないと、この一言を書くことはないでしょう。

これが、お客に買う理由を教えるということです>
最近、スーパーでもよく見かけるようになりましたが、「○○さんの畑で取れた有機野菜」とか「××さんグループのトマト ミネラル豊富...」など、中には生産者の写真付きで能書きが添えられていることもあります。これも確かな品質をアピールすることで差別化を図り、高いのにはそれなりの訳があるということを説明しているのです。ただ、どこでも同じことを始めたら「差別化」ができにくくなるかもしれませんが。

 商売にとってもっとも重要なことは何だと思いますか?
 小阪氏は断言します。
商売にとってもっとも重要なことは、お客を増やすことです。もっとも重要なことは、商品やサービスを売ることではありません。あなたの会社のお客を増やす、それがもっとも重要なことです>
 一方、「売上げ」を次のように明快に定義しています。
「売上げ」とは、お客の数×お客の使ったお金
 実にシンプルな解説でしょう? 問題は売上げが増えていかないことです。その理由の1つはお客の数が減っているからであり、もう1つの理由はお客1人当たりが使うお金が減っているからです。

 一人勝ちの例としてよく引用されるディズニーランド(ディズニーシーも)はどうして儲かっているのかを説明している個所があります。
<この1つの答えは、お客が消えていかないからです。(中略)もう1つの答えは、近年お客1人当たりが使うお金が増えたからです。>
 では、ディズニーシーが早く儲かった理由は何でしょう?
 それは、
既存客がたくさんいたから です。この、ディズニーランドに深い信頼と愛着を感じていてくれる莫大な数の既存客に、ディズニーシーという新しい商品を売ったからです>
 つまり、
ディズニーランドには儲かるための「仕組み」ができている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ということです>
 今まで、ディズニーランドが儲かっている理由をこのようにすっきりと説明した例を目にしたことも耳にしたこともありません。

 この本のタイトルになっていてメインテーマでもある「悦び」は、どのように関連してくるのかという疑問が湧いてくることでしょう。
 小阪氏はこのように述べています。
<人間には何かいいことをしてもらったら、いいことをお返しするという性質があります。つまり、「悦び」は必ず返されるということです>
 つまり、
儲けの「仕組み」、その動力はひとの「悦び」で>
 あるということです。

 儲けの「仕組み」の具体策をみてみることにしましょう。
 ここで重要なことは、一言で言えば「人脈を活用しよう」ということです。
 つまり、
1人のリストからたちまち100人の見込み客が獲得できるということです>
 先に書いた『ユダヤ人大富豪の教え』の中には次のような一節があります。
<「普通の人間は、だいたい200人から300人ぐらいの知り合いがいる。親戚や友人、学校時代の友人、ビジネスの取引先などがそうだ。しかし、ほとんどの人は人づき合いをそれほど大切に考えていない。それは、いまから話すことを知らないからだ。(中略)
君の周りの300人に同じく300人の知り合いがいると思ってごらん。君は、間接的には9万人の人とつながっている。その9万人に300人がいるとしよう。何人になるか計算できるかね?」
 「えっと、2700万人ですか?」(中略)
 「たとえば、君が優秀な歯医者だったとしよう。人は、いつも腕のいい歯医者をなんとなく探しているものだ。もし、君が最初の100人に満足できるサービスを与えられれば、3万人の潜在顧客を抱えることになる。その100人に誰かが『腕のいい歯医者さんはいない?』と聞くと君の名前を思い出してくれるだろう。そうやって客に新しい客を連れてきてもらえば、君は一生お客とお金に困ることはないだろう。
 これが、口コミのパワーだ。つき合う人が君の応援団になってくれれば、あっという間に成功者の世界にもち上げてくれるのだよ」>
                   (『ユダヤ人大富豪の教え』本田 健 大和書房 PP.117-118)
 つまり、
たくさんの見込み客集客ルートを持つことが大切>
 であるということです。

 このあたりでまとめることにしましょう。
<「仕組み」とは「商品を売る仕組み」のことではなく、「人を動かす仕組み」のことでした。そして「動かす」動力源となるのが「悦び」でした>
 実に「面白い、ワクワクするような本」でした。小阪氏が述べているように神田昌典氏の著書と併読すればいっそう理解が深まると思います。

 最後に、小阪氏が主宰している「ワクワク系マーケティング実践会」についてお知りになりたい方は下記のサイトにアクセスしてみてください。

「ワクワク系マーケティング実践会」

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