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No.207 ★★★ 2004/03/28 Sun  週末起業 藤井孝一 筑摩書房 2003/07/10

週末起業 藤井孝一 筑摩書房 「週末起業」というライフスタイルの提案

「週末起業」を実践し、提唱している人が、著者、藤井孝一氏です。

この本を一言で表現すれば、「会社を辞めずに週末だけ自分のために自分の好きな仕事をすること」となるでしょうか。





起業の際に発生するリスクについて、藤井氏は「はじめに」に次のように書いています。
<起業するときに直面する最大のリスクは、収入が突然なくなることです。それに、起業家の世界と会社員との世界はまったく違います。起業をすると、何でも自分でやらなくてはなりませんし、法律、会計、税金などを学ぶ必要もあります。何よりも大変なことは、自力でお金を稼がねばならないということです>
私たちの多くはサラリーマンとして人生を送っています。今、サラリーマンは危機に晒されています。ようやく、一部の企業や業界では、景気が回復してきたことが確認できるようになってきました。売上高や利益が増加し、中には最高益を更新する企業も現れました。新聞やTVでその様子が報道されることが目に見えて増加してきました。

特に自動車業界に目を転じれば、トヨタ自動車や日産自動車は軒並み最高益を更新し、日産自動車はボーナス支給に関して、組合の要求に対し満額回答しました。しかし、定期昇給については経営者側は同意していません。

こうした傾向は他業界でも見られ、キャノンやベネッセなどは住宅手当などの諸手当をカットし、それを原資にボーナスで格差をつけるという業績評価を実施しています。「成果主義」という名の下に「賃金格差」を明確につけることによって、社内競争に拍車をかけています。「勝ち組」と「負け組」がいっそう鮮明に色分けされる時代になったのです。

サラリーマンは「雇われの身」である以上、こうした状況は避けて通れません。「雇われの身」では、やりたくないことでもやらなくてはなりません。

それがいやなら退職して、希望が叶えられそうな会社に転職(社)するか、脱サラするしか選択肢はありませんでした。今までは。

しかし、藤井氏が提唱している「週末起業」なら、会社を辞めずに、つまり平日は「雇われの身」のサラリーマンをしながら、週末には起業家として、つまり経営者として働くという2つの生き方ができることになります。

では、「週末起業」している人たちはどのようなことをビジネスにしているのでしょうか?その答えは―。
<何より大事なことは、自分の大好きなことをビジネスにしていることです>
週末起業をすることによってどのようなメリットが得られるのでしょうか? 藤井氏は次のように述べています。
<週末起業をすると人脈が広がります。活動の領域がもうひとつ増えること、そしてつき合う人間が本業とはまったく異なる業界や地域の人になるからです>
あるいは、
社外で蓄積したものが、本業の仕事にも還流して良い循環が生み出される>
さらには、
<週末起業は、会社を辞めない、お金をかけない、自由な企業スタイルですから、どのようなつき合い方も自由にできるのです>
起業する時に注意すべき点を次のように指摘しています。
<起業には、試行錯誤が避けられません。だからダメ元でやるのがいいのです。でもダメ元のうちに会社まで辞めてしまってはいけません。日本のようにまだまだ閉ざされた社会では、失敗したからといって簡単に就職できません。退職は取り返しがつかないのだということを覚悟すべきなのです>
<週末起業は小資本ではじめるべきです。出資も融資も受けるべきではありません。とにかく手持ちの資金ではじめ、その範囲でできないことはあきらめるべきです。とくに、融資を受けることは絶対に避けるべきです。なぜなら借金すれば、成功しようが失敗しようが、全額プラス金利を返済する義務が生じます。これが起業のリスクを著しく高めるからです。また、融資を受けるためには担保を取られます。その担保は家や土地など個人の資産です。これにしたがうと、かりに事業に失敗した場合、起業家は会社だけではなく、個人の財産を取られてしまいます。一家が路頭に迷う可能性すらあります。つまり、あまりにもリスクが高いのです>
「小資本ではじめるべきです...」のくだりは、株式などの投資にも当てはまることです。本業でないかぎり、余裕資金で行なうということがポイントです。

藤井氏は次の点を強調しています。
現金主義に徹し、手堅く利益をあげることに注力すべきです>
問題は、企業が社員の副業や週末起業を認めるかどうかです。右肩上がりの景気が復活する可能性は少ないことを考慮すれば、給与所得の伸びは望み薄です。であれば、サラリーマンは自衛手段を講ぜざるを得ないのかもしれません。

この点について、藤井氏は次のように述べています。
<近年は企業の側も、むしろ社員の自立を促す傾向にあり、「副業・兼業は禁止」の規定をはずす方向にあります。もはやこの規定は時代遅れになっているのです>
週末起業をする1つのポイントは、
<日中は会社に勤めているという時間の成約のある週末企業では、好きなことでないと続かないもの>
と言えそうです。

もう1つのポイントは、SMAPの『世界に一つだけの花』(クリックするとメロディーが流れます)の歌詞ではありませんが、
「オンリーワン」を目指すほうが得策>
でしょう。

実際、藤井氏は「オンリーワン」が成功の秘訣と述べています。
<いろいろな業種がある「週末起業」ですが、いずれも「オンリーワン」になっています。これが成功の秘訣といえるでしょう>
ここで、「起業」とは何かという原点に返ってみましょう。ここは大変重要なことですので、藤井氏の言葉をお聞きください。
<「起業=会社をつくること」ではなく「起業=業を起こすこと」なのです。「業を起こすこと」とは、世の中に役に立つことをして、その対価としてお金をもらう仕組みをつくることなのです>
藤井氏は「週末起業フォーラム」を主宰していますので、そのサイトをご覧になれば、週末起業の最新情報や事例が得られることでしょう。


「週末起業フォーラム」


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