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No.229 ★★★ 2005/03/09 Wed  プロフェッショナルマネジャー ハロルド・ジェニーン
 プレジデント社 2004/05/20

プロフェッショナルマネジャー ハロルド・ジェニーン プレジデント社 58四半期連続増益の男

『ユニクロ』ブランドを展開しているファーストリテイリング代表取締役会長兼CEO柳井 正氏が「これが私の最高の教科書だ」と紹介し話題になったビジネス書です。

著者ハロルド・ジェニーン(以下ハロルド)氏は<ITT社長兼最高経営責任者としてアメリカ企業史上空前の記録、“14年半連続増益”という金字塔を打ち立てた>(巻末の「著者紹介」から)人物です。

この本を読み解くヒントは次の言葉です。

<今こそ明かそう。―ビジネスでも人生でも成功する秘密は、秘密なんかないということだ。なんの秘密もありはしない。なんの方式も、なんの理論も。>

ハロルドは自分の考え方をたった三行にまとめて示します。 例えば《三行の経営論》として次のように述べています。

<《三行の経営論》
 本を読む時は、初めから終わりへと読む。
 ビジネスの経営はそれとは逆だ。
 終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。>
 最終目標を定めて、そこに至るまでにどのようなことをしなくてはならないのか、現在どの時点にまできているのかあるいは方向性を確認し、次の行動につなげていくことが大切です。

この本には、ハロルドの経営者としての体験から得た多くの教訓が述べられています。実績を残した人物だけに一つひとつの言葉に重みがあります。 「隗より始めよ」(言いだしっぺから始めなさい)という言葉があるように率先垂範したからこそ説得力があります。

最高経営責任者であったハロルドは最高経営責任者の役割を次のように述べています。ここでは「最高経営責任者」を「最高経営者」と翻訳者田中融ニ氏は訳出しています。

<最高経営者の第一の役割は、いわば経営チームのクオーターバックとして、ゴールポストはどこにあるか、そしてそこへ到達するにはどうするのが最善かをチームの全員に示し、しかるのちに率先してそのプレーへとチームを導くことだ、というのが私の久しくいだいていた信念だった。>

経営層の仕事はどのようなことか次のように定義しています。基本的に現代でも変わらない考え方であると思います。

<どんな会社でも、マネジメント(企業の経営・管理層の総体を指す)の基本的な仕事は経営することである。私は自分の職業経歴を通じて、何百回、何千回となくそのことを強調した。マネジメントは意思決定をおこない、それらの決定が遂行されるようにすることによって経営する。そしてマネジメントがそれに成功する唯一の道は、会社の福利に影響を及ぼすあらゆる状況に関する事実を完全に把握することだ。最高経営者を首長とするトップ・マネジメントは、いわば会社というてこ、、の支点である。>

次に示すのはプロフェッショナル・マネジメントあるべき姿です。

<プロフェッショナル・マネジメントという最高の芸術は、“本当の事実”をそれ以外のものから“嗅ぎ分ける”能力と、さらには現在自分の手もとにあるものが、“揺るがすことができない事実”であることを確認するひたむきさと、知的好奇心と、根性と、必要な場合には無作法さをもそなえていることを要求する。>

ハロルドが考える「経営」とは何か?

<“経営(する)”とは何かをなし遂げること、マネジャーである個人なりマネジャーのチームなりが、努力するに値することとしてやり始めたことをやり遂げることだ。>

次はリーダーシップについてです。

<リーダーシップは経営の核心である。数字をいじったり、組織図を作り替えたり、ビジネス・スクールで編み出された最新の経営方式を適用するだけでは、事業の経営はできない。経営は人間相手の仕事である。>
<リーダーシップというものは企業経営の最も重要な一要素であり、人びとに前進と上昇への熱意を起こさせる最高経営者の態度は、その会社の成功の八〇〜九〇%の貢献度があると私は確信する。>

「失敗に学ぶ」というくだりがありました。『失敗学』あるいは『成功の復讐』にも通ずる考え方です。

<人は失敗から物事を学ぶのだ。成功からなにかを学ぶことはめったにない。たいていの人は、“失敗”の意味を考える以上の時間をかけて“成功”の意味を考えようとはしない。>
 ではビジネスにおいて取り返しのつかない失敗とはなんでしょうか?
<ビジネスにおいて修復不可能の失敗は、キャッシュが尽きてしまうことである。それ以外なら、ほとんどどんな失敗でもなんとか回復の道がある。しかし、キャッシュが尽きてしまったらゲームはそれで終わりだ。>
 この言葉で思い出すのは板倉雄一郎氏が『社長失格』の中で述べていたことです。
(書評を読む → 『社長失格』

この本には付録がいています。柳井氏は『「創意」と「結果」7つの法則 これが「プロフェッショナルマネジャー」の仕事術だ』と題して解説しています。

 ユニクロの経営に関連付けて『プロフェッショナルマネジャー』のエッセンスをわかりやすく解説しています。

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