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No.233 ★★★ 2005/05/17 Tue  隗よりはじめよ 前田又兵衛 小学館
 2004/12/09

隗よりはじめよ 前田又兵衛 小学館 変革とリーダーシップ

著者について簡単にご紹介しましょう。
 前田建設会長。日本品質管理学会会長、中央建設業審議会委員などを歴任。横浜国立大学、高知工科大学、早稲田大學の客員教授を務める。
 95年東京大學から工学博士の学位を授与。
 2000年度デミング賞本賞を受賞。
                   (巻末「著者紹介」から抜粋)

 この本は著者がMIT(マサチューセッツ工科大学)で行なった特別講義が基になっています。

まず、タイトルになっている「隗よりはじめよ」という言葉についてです。 「言いだしっぺから始めなさい」という意味です。
 中国故事を調べてみましょう。
 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)というサイトを見ますと本来の意味と現在人口に膾炙している意味が書かれています。
 <本来この意味は、「手近な私から始めなさい。」という事ですが、現在では、「言い出した人から始めなさい。」という意味で広く使われています。>

建設業界に限らず、国際化が叫ばれて久しいですが、そもそも国際化と「化」がつく言葉は「状況がそうなりつつあること」を意味します。
 では、前田氏は国際化についてどう考えているでしょうか。

<国際化とは、国家間あるいは民族間の相互理解と共存をはかるものであり、そこでの国家や民族はある意味で閉ざされたまま存続することができる。だが、グローバリゼーションとは一言で言えば「場の提供」であり、グルフやテニスのオープントーナメントに似ている。主催国が勝つ、あるいは「得をする」とはかぎらない。むしろ勝ち負けを度外視して、長期的な展望に立って「損して得を取る」ような、「無形の財」を築くような戦略だと言っていい。>
 リーダーシップはトップに立つ人にとって不可欠な資質です。前田氏はリーダーシップに対してこのように考えています。
<私にとってのリーダーシップとは、現場で実際の作業に触れ、現実を直視することにほかなりません。役員室のデスクに座ったまま書類をにらみ、部下の報告を聞くだけでは管理者にはなりえても、リーダーにはなりえないというのが、私の信念です。>
<大切なことは、自分の人生は自分でリードしていかなければならないということです。そのときに自分に対するリーダーシップというものがどうしても必要になります。なぜなら他人の後を追っかけて人生を送るのではなく、自分で自分の人生を切り開こうと思ったら、自分で自分をリードしていかなくてはならないからです。>
 三現主義は品質管理用語として知られていますが、前田氏は具体的に説明していますので、見てみましょう。
<品質管理の用語で言うところの「三現主義」は、私の行動指針である。現場に行って、現場をよく見て、現実を知るということである。しかし、これは理念というより、ほとんど体質というか、性分としか言いようのないものである。>
 最後に、リーダーの役割とは何かについて明確に定義していますので、ご紹介します。
<一経営者やオーナーの限りある命とは違って、企業という組織体が永続していかなければならないのは言うまでもない。そのためには、企業という組織の活性化と「人財」の絶えざる育成がリーダーたる者に課せられた大きな役割である。その役割を全うするには、人間の本質を理解し、人を見抜く能力――人間の活力を引き出し、相手が何を考え、どう思っているかを推察、判断する能力がまず求められるだろう。同時に世の中の変化、社会の動きを洞察し、将来を見通した中・長期的な展望を描けなくてはならない。>

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