「お金に不安のない世界」を味わってください。
まず、「ビジネス」とは何か、小阪裕司氏の定義をご紹介しましょう。
<ビジネスとは「人の営み」であるという事実である。
あなたにはビジネスが数字の羅列に見えていないだろうか。
ビジネスとは数字の羅列ではない。
ビジネスとは「人の営み」、ビジネスの数字は人の営みの「結果」。つまりは、人が感じ、あるいは考え、そして行動した結果だ。>
ビジネスがうまくいっていない理由として、ビジネスの本質を見失っているという指摘は的を射たものです。
<今多くのビジネスが苦境に立たされているのは、ビジネスは人の営みで成り立っていること、この「ビジネスの本質」を見失っているからだ。>
では、「商い」の成立条件とは何でしょうか?
<「商い」は、「自分の会社を利用してくれるお客様」と、そのお客様それぞれが「使ってくれるお金」で成り立っている。>
だとすれば、その状態を持続する仕組みが必要になってきます。
<「商いを成り立たせる」には、自分の会社を利用し続けてくれるお客様の絶対数を必要なだけ持ち、その一人一人に必要な額のお金を使ってもらうことが不可欠だ。>
小阪氏が主宰するワクワク系マーケティング実践会は、「悦び」をキーワードにしたマーケティングを「実践」しています。
<私たちは人の「悦び」を動力にした「儲けの仕組み」を築き、動かす。「悦び」を動力にして、「自社を利用してくれるお客様の数」を増やし、「そのお客様それぞれが使ってくれるお金の額」を増やすのだ。>
キーポイントは「人にフォーカスするビジネス」、それを私たちはワクワク系ビジネスと呼ぶ。
以前、小阪裕司氏の「儲け」を生みだす「悦び」の方程式の中に次のようなエピソードが紹介されていました。少し長くなりますが、引用します。
<お客は買う理由がわからないから買わない、その商品を買うことで自分の人生にどんな悦びがもたらされるかがわからないから買わないのです>
言い換えれば、その理由を明示してあげれば買う機会を与えることができるということです。その具体例として「サンマの背」と「ブロッコリー」の話が出てきます。私も「サンマの背」については知りませんでした。魚屋さんの社長にサンマの売れ行きを聞く場面です。
<―サンマ1匹130円
―サンマ1匹150円
(中略)
「社長、これサンマ1匹130円、150円とありますね」
そうしたら社長は言葉をさえぎって、
「そうなんですよ。いや、うちみたいな田舎は今、景気が悪くて、安いほうのサンマばかり売れるんだ」と。
本当にそうなのか?(中略)
安いほうの、130円のサンマばかり売れるのは「不況」が原因か?
わたしはさらに訊きました。
「どうしてこっちが130円で、こっちが150円なの?」
「大きさが違うんですよ」(中略)
さらに「これ社長、大きさ一緒じゃないですか」と訊いたら、彼はこう答えました。
「そうじゃないんです。サンマというのは背で見るんですよ、背で。背で見たらほら、150円のほうの背が厚いでしょ。こっちの厚いサンマのほうが脂ののりがあって美味しいんですよ」
(中略)
あと20円出すだけで人生の悦びが得られるんですよ。>
この店の野菜売り場で350円する「北海道産のブロッコリー」について訊く場面では―。
<「この北海道産は何がいいかというと、ゆがいた時の歯ざわりが違うんだな。サクッて感じなんですよ」
って社長、それをPOPに書かないと。>
この例からお分かりのように、著者は「お客が買わなくなった理由は不況ではない」と言っているのです。では、その理由は何でしょうか?
<このサンマの例のように、なぜ20円高いほうを買わなければならないのか、その理由がわからないからだ。しかし、このことが見えないと、この一言を書くことはないでしょう。
これが、お客に買う理由を教えるということです>
本著にはワクワク系マーケティング実践会会員の実例が満載で、読んでいるうちにこちらもワクワクしてきます。
ビジネスに関心のある方はもちろん、いつかビジネスを立ち上げようと準備している方にもきっと大きなヒントを与えることでしょう。
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