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最新のQ&A(#1000-) Q&A(1)#1-#299 Q&A(2)#300-#699 「50音順キーワード索引」
「物性なんでもQ&A」(#700-#999)
アップした日付
質問項目
分類
質問者
2007.09.08999. TiO2の磁気光学効果磁気光学K大Iさん
2007.08.30998. トラップ存在下における空間電荷制限電流電子物性D大Mさん
2007.08.30997. 波長1310nmにおけるSiの消衰係数の温度依存性光物性H大Fさん
2007.08.25996. 傾けたガラス板の偏光性光物性S社Kさん
2007.08.23995. 金属表面の反応性表面物性D社Mさん
2007.08.07994. フォトダイオードの受光領域光物性K大Aさん
2007.08.04993. 人体からの赤外線を透過する材料光物性T大Kさん
2007.08.04992. 物質の接着界面化学F社Sさん
2007.08.04991. ガウスの定理における電荷分布電磁気学東理大社西田さん
2007.07.27990. 窒化珪素,酸化珪素,バナジウムのビッカース硬度機械特性T社Kさん
2007.07.26989. ニッケル,コバルト,鉄はなぜ磁石の材料になる磁性小6世古さん
2007.07.26988. イオンミリングの運動エネルギープロセスT社Kさん
2007.07.26987. 無電解めっきNi-Pの磁性金属物性F社STさん
2007.07.26986. 低温成膜Alの物性金属物性F社Sさん
2007.07.21985. X線はなぜ人間の内部を通り抜けるか電磁気学M社Sさん
2007.07.21984. 低温堆積と高温堆積のAl薄膜の物性の違い金属物性F社Sさん
2007.07.20983. ダイヤモンドの応力誘起直接遷移半導体物性Tさん
2007.07.20982. 金属薄膜の熱伝導率熱物性S社Kさん
2007.07.18981. 金を高周波が透過する厚み金属物性C社Kさん
2007.07.18980. ステンレスの酸化スケールの剥離と腐食金属物性M社Sさん
2007.07.14979. 工具鋼SKD11の電気抵抗率と硬度金属物性M社Tさん
2007.07.10978. γアルミナ((Al2O3)の硬度機械的性質N社Sさん
2007.06.27977. アンモニウムの電気分解電圧電気化学Y社Kさん
2007.06.23976. 光伝導スイッチとストリップラインの静電容量光物性M社Iさん
2007.06.23975. 石英ファイバーの赤外吸収特性光物性F社Kさん
2007.06.16974. 異方性エッチング半導体プロセスT社Kさん
2007.06.16973. 赤外線用光チョッパー光物性N社Mさん
2007.06.11972. ダイヤモンド結晶の末端の価電子状態結晶工学I高校教諭YFさん
2007.06.11971. 半導体プロセスでの異物付着半導体プロセスT社Fさん
2007.06.10970. LUMOが2.3eV以下、HOMOが6eV以上の有機EL材料電気化学D大Yさん
2007.06.08969. LIF法によるZnOのPLD過程の解析結晶成長学K大Sさん
2007.06.07968. ウェットスーツのコア素材の断熱性繊維工学K大Iさん
2007.06.07967. Al合金薄膜の許容電流密度金属工学T社Tさん
2007.06.02966. 半田の高さ金属工学K社Kさん
2007.06.02965. エポキシの熱劣化の活性化エネルギー化学重電機メーカーYさん
2007.05.29964. シリコン基板上の金属膜の加熱光物性S社Tさん
2007.05.29963. 液晶中の光の伝搬の説明光物性H大Mさん
2007.05.26962. 水の気化潜熱と融解潜熱熱物性北大大岡さん
2007.05.26961. 赤外線とX線の透過性光物性盗撮で悩んでいる者さん
2007.05.26960. 表面プラズモンとブリュースター条件光物性C大Mさん
2007.05.25959. ポリ塩化アルミ溶液の比熱有機材料D社伊藤さん
2007.05.25958. 金型と亜鉛メッキの凝着を防ぐには金属工学M社Yさん
2007.05.25957. シリコンのランプ加熱半導体プロセス制御屋CKさん
2007.05.24956. エポキシの熱伝導率熱物性K社袖山さん
2007.05.22955. ホッピング伝導とトンネル伝導電子物性東理大渡邊さん
2007.05.17954. コバールの物性値金属工学貝沼さん
2007.05.16953. 発電の原理電磁気学電気主任Sさん
2007.05.16952. 圧電体の発熱誘電体物性S大Uさん
2007.05.15951. ステンレスの反射率の温度変化光物性S大Uさん
2007.05.14950. タンタルとPTFEの耐食性の比較材料物性D社佐藤さん
2007.05.13949. フッ化アルミと酸化アルミについて電子材料F社Sさん
2007.05.13948. 金及び銀に対する複素屈折率光物性A社Sさん
2007.05.13947. 線膨張係数の温度変化熱物性東北大遠藤さん
2007.05.12946. 負の磁気抵抗効果スピントロニクス東工大Tさん
2007.05.12945. アルミ合金の仕事関数電子物性T高専Fさん
2007.05.08944. シリコンのランプ加熱半導体プロセス制御屋CKさん
2007.04.23943. 半絶縁性GaAsの電流電圧特性電子物性M社Iさん
2007.04.23942. ポリスチレンの放射率光物性T工高Oさん
2007.04.17941. ZnOにおける自由励起子発現の機構光物性電機大Sさん
2007.04.14940. 金属の比抵抗の不純物濃度依存性電子物性R社Iさん
2007.04.14939. Si基板への近赤外フィルタ膜の蒸着成膜技術A社Kさん
2007.04.10938. 高配向性グラファイトの硬さ機械的性質S社井上さん
2007.04.10937. 佐藤退官後「物性なんでもQ&A」はどうなる?一般農工大大田さん
2007.03.30936. ハンダの際に生じる金属間化合物の融点金属物性N社Kさん
2007.03.30935. 酸化亜鉛(ZnO)のA励起子光物性東京電機大Kさん
2007.03.30934. ラマン散乱の解釈光物性A社Kさん
2007.03.30933. テフロンの帯電電磁気学N社Sさん
2007.03.27932. 「塩の結晶と不純物」へのコメント結晶成長学農工大松岡さん
2007.03.22931. 塩の結晶と不純物結晶成長学塩製造会社松浦さん
2007.03.21930. タングステンの複素屈折率光物性A社Sさん
2007.03.14929. PMMAへの金属薄膜の成膜について成膜技術G社Uさん
2007.03.01928. 粉末試料の熱膨張係数熱物性S社Tさん
2007.03.01927. 光の散乱と微粒子のサイズ光物性B社白鳥さん
2007.02.15926. 金線へのハンダ付け金属工学マイコンクラブ川西さん
2007.02.14925. 水の比熱の温度依存性熱的性質S社Oさん
2007.02.14924. 制振メカニズム機械的性質T社Mさん
2007.02.14923. SiO2の弾性機械的性質M大Aさん
2007.02.13922. レジンコンクリートの耐火温度建築材料九工大若林さん
2007.02.13921. 金属内の光吸収光物性T社Kさん
2007.02.13920. pnダイオードの抵抗制限電流領域半導体物性神奈川大遠藤さん
2007.02.13919. フォトダイオードについて光物性N社Kさん
2007.02.06918. 光と磁気第4章4.3についての質問磁気光学T大Yさん
2007.02.06917. 鋼より線の引っ張り強度金属工学D大Sさん
2007.02.06916. 光吸収とキャリア生成光物性K社Mさん
2007.02.06915. 銀の340nmに見られる反射率の低下光物性特許事務所Oさん
2007.02.06914. XPSのピークシフト光物性N大Kさん
2007.02.06913. RFマグネトロンスパッタ装置のプラズマ温度プラズマ物性FセンターIさん
2007.02.06912. bulk thermal conductivityの日本語訳熱物性K社井上さん
2007.02.06911. 深い不純物準位のある場合のアバランシェ現象半導体物性T大Sさん
2007.02.06910. 原子拡散をメモリ等に利用できるか統計物理学アリゾナ州立大小谷さん
2007.02.06909. ポーラス酸化亜鉛の発光光物性N大Kさん
2007.01.19908. PMMAの吸光係数光物性T社後藤さん
2007.01.19907. ラスティーボルトエフェクト電波工学S社Kさん
2007.01.19906. 「#896 ポリウレタンの変色防止」へのコメント化学D社Sさん
2007.01.19905. シリコンと石英ガラスの破壊靱性度機械的性質K大Mさん
2007.01.19904. 太陽電池の低温特性光物性S社Nさん
2007.01.11903. ラマン分光のベースライン光物性S社Hさん
2007.01.11902. 量子ドットにおける光学遷移光物性T大Tさん
2007.01.11901. 太陽電池作製に必要なシリコンの量光エレクトロニクスH高Tさん
2007.01.09900. ストークスパラメータS3の符号光学K社Mさん
2007.01.09899. プラスチックの比透磁率磁性会社員上村さん
2007.01.04898. ステンレスの低温特性金属工学K社Hさん
2007.01.04897. 屈折率測定の誤差光学Mさん
2007.01.04896. ポリウレタンの変色防止(コメント参照化学Sさん
2007.01.04895. 金属加工時の磁化磁性O社竹崎さん
2006.12.22894. GaNの放射率光物性W社Mさん
2006.12.22893. 遠赤外線の放射率光物性井上理恵さん
2006.12.22892. サファイア単結晶のX線回折結晶工学M社Mさん
2006.12.18891. 塩化ビニールの色移り化学K社広部さん
2006.12.18890. 琺瑯ステンレス金属工学O社神崎さん
2006.12.18889. 木粉と樹脂の複合材の処分法林産学M社Mさん
2006.12.18888. 光の散乱と回折光物性ITコンサルタント村上さん
2006.12.18887. アクリルの熱膨張係数熱物性九工大若林さん
2006.12.18886. 石英の蛍光について光物性T社Mさん
2006.12.18885. MOSのC-V特性におけるヒステリシス半導体工学S大Kさん
2006.12.18884. セナルモン法の数式による説明光物性K大Hさん
2006.12.08883. ぬれた砂が黒いわけ光物性長崎大長野さん
2006.12.08882. Siの誘電関数について光物性T社Mさん
2006.12.08881. 液化二酸化炭素の粘度流体物性D社倉地さん
2006.12.04880. ZnO薄膜の応用性結晶工学京大村中さん
2006.11.30879. スイッチ部材へのステンレスの導入金属工学K社Oさん
2006.11.30878. モスアイ(蛾の眼)構造による反射防止光物性S社Kさん
2006.11.28877. 水晶の剪断弾性係数機械的性質C社Hさん
2006.11.28876. 熱電効果の論文の式の意味熱物性K大Kさん
2006.11.21875. 18-8ステンレスの食品安全性食品安全学Sさん
2006.11.21874. ベーテ・スレータ曲線について磁性F社Yさん
2006.11.21873. 蒸着における母材と金属の密着メカニズム薄膜工学O社Tさん
2006.11.21872. 相図の見方結晶工学S社斎藤さん
2006.11.21871. pn接合の光電流光物性東工大照井さん
2006.11.21870. 近赤外線の路面反射光物性N大Sさん
2006.11.21869. 温度勾配のある導体の電位差熱物性M大Kさん
2006.11.21868. 磁性材料の相転移磁性O大Tさん
2006.11.21867. 熱サイクルによるハンダの物性変化金属工学O大Nさん
2006.11.21866. 熱交換器伝熱面積熱工学N社Tさん
2006.11.09865. 弾性係数測定の誤差機械的性質F大学Kさん
2006.11.09864. 白色で近赤外吸収のある酸化物光物性岐阜大杉浦さん
2006.11.01863. 塩化ビニールのヤング率とポワソン比機械的性質S社本田さん
2006.11.01862. 光学的異方性フィルムの屈折率測定光物性N大Oさん
2006.11.01861. 酸化チタンのバンドギャップ決定法光物性O大Hさん
2006.10.25860. 微粒子の消磁効果磁性T大Wさん
2006.10.25859. シリコンの純度結晶工学S社Oさん
2006.10.25858. ランダム偏光から円偏光光学S社S
2006.10.16857. 細線に大きな電流を流すと切れるわけ電気工学中央大西岡さん
2006.10.13856. シャボン玉の物理物理学一般理系高校生松井さん
2006.10.12855. 熱伝導と誘電率熱物性H大学Tさん
2006.10.12854. シリコンゴムの耐腐蝕性化学Sさん
2006.10.10853. 拡散反射の偏光性光物性T大Yさん
2006.10.10852. 光と磁気(改訂版第1刷)第4章の誤植訂正磁気光学T大Yさん
2006.10.10851. 半導体への励起光の侵入長光物性P社Iさん
2006.10.10850. TiCの格子定数結晶工学I大Sさん
2006.10.10849. フタロシアニンの昇華温度化学I高専Tさん
2006.10.10848. 弾性定数の数値計算機械物性H大Fさん
2006.10.10847. アルミニウムの熱伝導率測定熱物性Y大Hさん
2006.10.10846. MOD成膜したPMNZTの表面モルホロジー結晶工学H大Hさん
2006.10.10845. 中炭素鋼の熱膨張係数熱物性Y社金田さん
2006.10.10844. 入射角によるアルミニウムの反射率の変化光物性S社Tさん
2006.10.10843. フォノン閉じ込めモデルによるラマン散乱スペクトル光物性N大学Eさん
2006.10.10842. Q179「炭素のマイクロ波加熱」への質問電磁気学H社Oさん
2006.10.10841. CdTeの電析について電気化学K大学Aさん
2006.09.20840. 活性炭素繊維の光導電性は測定できるか光物性K大学Mさん
2006.09.06839. ストロンチウムフェライトの物性値磁性T社Tさん
2006.09.04838. アクリルの熱伝導率熱物性C社坂巻さん
2006.09.04837. 真空蒸着の最適蒸着速度真空工学D大学Sさん
2006.09.04836. スパッタ装置の電源の極性真空工学猪俣さん
2006.08.31835. 磁気異方性物質に旋光性が発現する理由について磁気光学T社Hさん
2006.08.31834. アモルファスシリコンpinダイオードにおける
大電流でのI-V特性
半導体デバイスG社上山さん
2006.08.31833. 負分散ミラー光物性A社Hさん
2006.08.18832. プラズマポテンシャルとセルフバイアスイオン工学R社Sさん
2006.08.17831. 線材の長さの見積もり方数学基礎E社中川さん
2006.08.17830. ステンレスSUS316の熱膨張熱物性E社中川さん
2006.08.17829. パンチスルー現象電子工学日大荻原さん
2006.08.11828. アルミニウム酸化被膜の耐食性化学S社Nさん
2006.08.11827. 真空中での水の凝固物性一般D社Tさん
2006.08.11826. 半導体中の空間電荷制限電流の温度依存性固体物性T大Sさん
2006.08.11825. Fe磁石の導電性、コイル内の磁束の不均一性電磁気学M社Tさん
2006.08.11824. DVD-RAM記録層はAFMで観察できるか結晶工学S社Yさん
2006.08.04823. Crのプラズマ周波数光物性A社Hさん
2006.08.03822. ボルタ電池でなぜ電子が移動するのか電磁気学R社Tさん
2006.08.01821. アルミ鋳造合金のポワソン比金属物性M社Kさん
2006.07.31820. 表面プラズモンの分散式光物性W大Sさん
2006.07.31819. マイクロ波領域の半波長板電磁気学M社Sさん
2006.07.31818. DVD-RAM材料の結晶工学光物性S社Yさん
2006.07.31817. 金属探針への電場変調による電磁波発生電磁気学T大Aさん
2006.07.31816. 残留応力付与による金属通過センサ出力の変化電磁気学T社Fさん
2006.07.24815. コイルの磁束漏れの計算法電磁気学電機メーカーTさん
2006.07.24814. ステンレスはなぜ磁石につかないか磁性I社Kさん
2006.07.11813. 金属の水素吸蔵メカニズム化学半導体メーカSさん
2006.07.05812. アロットプロットについて磁性O大Tさん
2006.07.05811. 窒化珪素の合成法化学K大Mさん
2006.07.05810. 誘電体の絶縁性誘電体物性T社Mさん
2006.07.05809. 標準白色板を参照試料とした分光反射率測定光物性N大Hさん
2006.07.03807. トランジスタの電流増幅の仕組み電子工学F大学Hさん
2006.06.30806. MnSi1.7の格子定数の決定法結晶工学K大学Nさん
2006.06.29805. メチルジフェニルイソシアネート合成
のための反応器の材質
化学H大学Hさん
2006.06.29804. アルミ線と銅フレームとのボンディング金属工学H社Wさん
2006.06.26803. アルミ板上でのネオジム磁石の運動電磁気学K大学Nさん
2006.06.22802. 豆電球の非線形性金属物性東京工科大Aさん
2006.06.23801C. #801へのコメント熱物性化学会社Sさん
2006.06.21801. シリコーンオイルのDSC曲線の解釈(コメント参照)熱物性大阪工大岡島さん
2006.06.20800. 金のX線吸収端X線物理姫路工大藤井さん
2006.06.20799. 原子吸光分析装置のデータのばらつき計測化学品メーカIさん
2006.06.19798. アモルファス太陽電池のpin構造半導体物性H大Oさん
2006.06.16797. 金属の複素屈折率光物性大阪工大林さん
2006.06.16796. フェライトガーネットについて磁性T大Tさん
2006.06.15795. 太陽電池材料に関する質問半導体物性H大Oさん
2006.06.14794. 塩化ビニールの弾性係数機械的性質T社田中さん
2006.06.14793. 豚レバーの赤外分光特性光物性原子力施設赤津さん
2006.06.14792. 干渉縞とスペクトル幅光物性K大学Yさん
2006.05.27791. 金属で可視光が透過する厚み光物性N大Mさん
2006.05.27790. ガラスの磁気複屈折光物性Kさん
2006.05.27789. LSC を用いた試料測定の際の減衰率放射線計測C大Hさん
2006.05.27788. Al薄膜の応力緩和速度金属工学H社Oさん
2006.05.27787. 光触媒について化学K大Wさん
2006.05.27786. Niメッキの酸化化学S社Nさん
2006.05.17785. 電気泳動法によるコロイド結晶の作製化学K高専Yさん
2006.05.15784. 2光子吸収の減衰率光物性U大Tさん
2006.05.11783. 熱伝導性のよいポリエステル糸有機材料DSさん
2006.05.10782. NiOの誘電率誘電性N社Mさん
2006.05.10781. 真空蒸着中の真空度低下結晶工学愛工大溝尻さん
2006.05.08780. ITOの熱処理と着色光物性阪大斎藤さん
2006.05.08779. アルミニウムの線膨張係数熱物性宇都宮大伊藤さん
2006.05.08778. 重ね合わせの理が非線形回路では成立しない理由電気回路F大Hさん
2006.05.08777. 3dx2-y2、3dz2軌道の名前の由来物性基礎K大Oさん
2006.04.26776. ステンレス材SUS404の物性値金属工学O社Mさん
2006.04.26775. 太陽光のコヒーレンス長光学M社Yさん
2006.04.20774. 水中の電波伝搬電磁気学S社Tさん
2006.04.07773. 金属材料のマイクロ波焼結結晶工学H社Oさん
2006.04.07772. 窒化珪素の硬度 機械物性K大Kさん
2006.04.07771. アルミの電気特性の面積による違い 計測N社Nさん
2006.04.07770. 鋼材の硬度測定 金属物性K社Nさん
2006.04.07769. なんでもQ&A#676.薄膜の多重干渉の式の修正光物性マクセル萬様
2006.03.31768. フラットパネルディスプレイと無機材料光デバイスY社Mさん
2006.03.30767. 電源電圧の作り方によるトランス出力の違い電気回路佐藤さん
2006.03.17766. レーザ高調波のスペクトル幅光物性S大Sさん
2006.03.17765. チタンの複素屈折率光物性A社Sさん
2006.03.11764. 削除  
2006.03.11763. 準定常電流近似と変位電流電磁気学C社Nさん
2006.03.11762. 異方性・吸収性媒質に入射した際の、異常光線の吸収係数光学O大Kさん
2006.03.11761. 金属の熱処理による物性変化金属工学田原金属、田原さん
2006.03.11760. アルミニウム棒加工後の変形金属物性F社Nさん
2006.03.11759. アルミニウムの見分け方金属物性K社Kさん
2006.03.11758. 薄層クロマトグラフについて化学D社Sさん
2006.03.11757. GaAlNの電子親和力半導体物性法政大佐藤さん
2006.02.20756. 分光光度計用石英セル光物性D社Sさん
2006.02.20755. フロロシリコンの耐溶剤性化学東京システム開発中村さん
2006.02.20754. 束縛励起子を束縛する力光物性N大学Eさん
2006.02.16753. BaFe12-2xCoxTixO19の磁気物性磁気物性I大学Wさん
2006.02.16752. 色素増感太陽電池の対極の役割光物性D大学Nさん
2006.02.16751. アモルファス半導体のキャリア濃度半導体物性R大学Tさん
2006.02.06750. 金より高い標準電極電位をもつ金属電気化学バブルタンク社藤里さん
2006.02.06749. 有機ELとプラズモン光物性K大Nさん
2006.02.06748. 強磁性体のヤング率Eの低下(凾d効果)磁性弘前大Hさん
2006.02.02747. GaNのヤング率半導体物性P社Tさん
2006.02.02746. Geの非放物線パラメータ半導体物性神戸大サムコンさん
2006.02.02745. 空気中に放置したアルミニウム塊の温度熱物性N社Yさん
2006.02.01744. モリブデンの光学定数光物性神戸大Tさん
2006.02.01743. 塩化ビニールの比透磁率磁気物性T社井上さん
2006.01.31742. クラマースクローニヒ解析光物性大産大柏木
2006.01.31741. 屈折率分散、粗表面を伴う多重干渉光物性H社Mさん
2006.01.31740. 誘電泳動現象誘電物性東工大伊藤さん
2006.01.30739. 溶解度ギャップと臨界温度結晶成長学K大Kさん
2006.01.30738. BaTiO3多結晶の比誘電率誘電物性Y大Tさん
2006.01.30737. HoFeO3の相転移温度磁気物性K大Oさん
2006.01.30736. 溶接影響部の靱性金属工学H社Mさん
2006.01.25735. 光弾性定数の単位光物性T社Yさん
2006.01.25734. PZTのエッチャントプロセスM社Aさん
2006.01.24733. シェラーの式について結晶学奈良先端大高橋さん
2006.01.24732. 電磁シールドにゴムは使えるか電磁気学自営業立岡さん
2006.01.24731. In2O3の誘電率セラミクスK大Kさん
2006.01.23730. 屈折率から干渉縞を求めるには光物性N大Wさん
2006.01.23729. P形半導体のショットキーダイオード半導体デバイスH社Oさん
2006.01.18728. 金属の種類とショットキー接合電子物性A高専Oさん
2006.01.18727. 「物性」とは一般翻訳者Mさん
2006.01.18726. ステンレス材SUS321溶接後の磁化金属物性K社Mさん
2006.01.18725. 酸化亜鉛[ZnO]の光化学反応成長のための基板について結晶成長N大Hさん
2006.01.17724. 完全導体と超伝導のちがい超伝導O大Mさん
2006.01.17723. ITO電極の導電率,誘電率,透磁率光物性K大Hさん
2006.01.17722. 亜鉛置換フェライトと亜鉛が混入しないフェライト
との磁束密度の差異
磁性N短大Oさん
2006.01.17721. 水、氷、雪の誘電率誘電特性笠井さん
2006.01.16720.放射線によるオーステナイト体積率測定金属工学I大Iさん
2006.01.13719. 誘電正接の大きな素材誘電体Y大学Kさん
2006.01.13718. 蛍光波長の励起波長依存性光物性D大Kさん
2006.01.13717. 高い誘電率の金属素材電磁気学O社Kさん
2006.01.11716. 鉄、アルミ、銅の複素屈折率光物性A社Sさん
2006.01.10715. 水滴接触角の表面モルフォロジー依存性流体物性京大六門さん
2006.01.10714. 屈折率による水晶の厚み測定光学D社Nさん
2006.01.10713. 鉛フリーハンダのヤング率金属工学学芸大李さん
2006.01.10712. Ta2O3のヤング率セラミクスN大Tさん
2006.01.07711. 半波長板について光学S大学Sさん
2006.01.07710. シリコンの屈折率と消光係数光物性A社Sさん
2006.01.06709. なぜZnOはn型で、NiOはp型か半導体物性R大Sさん
2006.01.05708. 吸光度測定のための至適濃度光物性城西大渋谷さん
2006.01.05707. 無酸素銅の機械的特性金属物性Y社Tさん
2005.12.26706. 物性値のナノ領域への適用限界材料物性会社員Mさん
2005.12.26705. ニッケルの降伏応力金属物性K大Kさん
2005.12.22704. 銀の固相接合金属物性O社Iさん
2005.12.22703. 軟X線と硬X線のちがいX線H大学Iさん
2005.12.22702. ステンレス鋼の焼け金属物性半導体製造装置メーカKさん
2005.12.22701. 密閉したプラスチック容器の空気圧による変形物性基礎N社Kさん
2005.12.19700. 液体ヘリウム温度における銅の抵抗率金属物性名大山口さん
2002.12-2005.12 Q&A(2)#300-699  
2000-2002.12 Q&A(1)#1-299  
2007.9- Q&A#1000-  


  • 700. 液体ヘリウム温度における銅の抵抗率


    Date: Thu, 15 Dec 2005 16:47:47 +0900
    Q: はじめまして。名古屋大学3年電気工学コース、山口竜太郎といいます。
    現在超伝導の実験を行っており、冷却にはLHeをメインに用いています。
    そこで質問なのですが、液体ヘリウム温度付近において銅の抵抗率は どのように振舞うのでしょうか?100Kあたりまでは直線的に減少してい くことはわかるのですが、そこからも直線的に減少すると考えると抵抗率は ゼロになることになってしまいます。どのように考えればよいか、教えてください。
    よろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 16 Dec 2005 01:21:54 +0900
    A: 山口君、佐藤勝昭です。
     一般に金属の電気抵抗率ρは、格子振動による散乱に基づく抵抗率をρL、残留抵抗 ρiとすると
      ρ=ρL+ρi
    と書けます。ρLは高温でTに比例します。従って、
      ρ=ρi+aT
    と書けます。これをマチーセンの法則と言います。
    温度を下げていくと抵抗率は温度とともに下がりますが、あるところで曲がって一定値 ρiになります。残留抵抗は不純物の量に関係します。
    図はカリウムの抵抗率の温度変化です。(佐藤・越田「応用電子物性工学」(コロナ社) p16)
    純度の高い銅試料では、残留抵抗率ρiは室温でのρの10^-6というわずかな値しかもち ませんが、20ppmの不純物を入れると室温のρの10^-3という値をとります。
    また鉄など遷移金属を含む場合、温度を下げていくとρはいったん極小値をとり、低温 側で急に立ち上がります。これは近藤効果という物理現象によって説明されています。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 16 Dec 2005 13:21:39 +0900
    AA: 回答ありがとうございました。これからの実験の考察に 役立てたいと思います。
    山口竜太郎
    -------------------------------------------------------------------------------
  • 701. 密閉したプラスチック容器の空気圧による変形


    Date: Mon, 19 Dec 2005 23:52:52 -0500
    Q: N社Kです。(匿名希望) 筐体設計を担当しています。初めての質問です。
    密閉したプラスチック容器(材料:0.7mmポリスチレンの真空成形品)の温度による内部空気圧の変化を知り 容器の膨れ又は収縮の程度を知りたい。

    知りたい計算式:
    1)マイナス40度とプラス60度の温度の時に内部空気の膨張または収縮の度合い(体積)
    2)上記での空気の膨張または収縮による内部空気圧力の度合い(圧力)
    3)上記での内部空気圧力による容器の変形量を導く(形状は弁当箱のようなもので4辺支持:W90mmxH35mmxT10mm)
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 19:01:56 +0900
    A: N社K様、佐藤勝昭です。
     私は、この方面の知識が乏しいので、本学機械システム専攻の桑原教 授、村田教授に教えていただきました。この手の問題は、簡単そうに見 えて結構手強いもののようです。解析解はないのではないでしょうか。
    -----------------------------------------------------------
     桑原先生、佐藤勝昭です。 
     まずは箱の体積一定としてボイルシャールで圧力変化を考え、
     この圧力によるプラスチックののびを考えればよいと思うのですが、
     4辺支持とするとのび方はどう考えればよいのでしょうか。
    --------------------------------------------------------------
     村田先生
     佐藤勝昭先生(というよりは学外の方)から問い合わせがありました.
     回答可能であれば返信を御願いします.(桑原)
    ----------------------------------------------------------------
    佐藤先生、村田です。
    変形量ですが,使用温度における当該材料の機械的性質(応力とひずみ の関係式)がデータとして必要です.
    私の手許にある弾性論の教科書には当該問題の解析解が記載されており ません(さらに上級の文献をチェックすれば解析解はあるかもしれ ませんが...).もしくは有限要素法による解析でもよいと思います. ただ,解析解を用いるにしても有限要素法を用いるにしても次の事項が 明らかである必要があります.
    1.当該の使用温度におけるプラスチックが金属的な弾性変形挙動を示 すと考えてよいのか?
    2.もし粘塑性的変形挙動を示すとすれば,計算で用いる当該プラスチ ックの材料モデル(特に多軸応力下での)はいかなるものか?

    結論:変形量の解析を行う前に,機械的性質に関する情報が必要です.
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 27 Dec 2005 22:02:48 -0500
    AA: N社のKです。
    連絡が遅れて申し訳ございませんでした。
    早速のご手配ありがとうございました。
    又こちらでも調べてみます、結果が出ましたらご連絡差し上げます。
    以上
    ありがとうございました。
    ---------------------------------------------------------------
  • 702. ステンレス鋼の焼け


    Date: Tue, 20 Dec 2005 15:47:17 +0900
    Q:Kと申します。39歳です。
    半導体製造装置の開発に従事しております。
    WebへUPする場合は、匿名にてお願い致します。

    質問です。

    ステンレス(SUS)が焼ける原理を教えてください。
    焼けるとは、表面が茶褐色に変色する様子のことです。
    私は、酸化しているのではないか?
    と思うのですが違うでしょうか?

    それから、金属の種類によって、 焼ける温度に差があるのでしょうか?
    もし、「焼け温度」の一覧などがあれば 頂けませんでしょうか?

    最後に、 SUS316とインコネルを比較すると 焼けにくいのはどちらでしょうか?

    いくつも質問してすいません。
    お時間の許す範囲で結構です。
    ご教授よろしくお願い致します。
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 21 Dec 2005 00:44:47 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
     本学の機械システム工学専攻の佐久間先生に尋ねましたところ、下記の回答を得まし た。参考にしてください。
    -----------------------------------------------------------------------------
    農工大機械の佐久間です.
     いつもお世話になっております.

    下記お問い合わせの件,ご指摘の通り皮膜形成によるもので, その厚さによって色彩が変わることが知られています.
    (皮膜が単純な酸化によるものだけかは,申し訳ないですが  充分に確認してはおりません.)

    この現象に関しては,新日鐵光(山口県光市)が詳細に研究しており, その成果(皮膜形成制御技術)によって多様な色つきステンレス板を 製品化しております.宜しければお問い合わせ下さい.

    またインコネルについては,当方も充分な情報を持ち合わせては おりません.悪しからずご了承下さい.

    以上,よろしくお願い致します.
    -----------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 08:34:37 +0900
    AA: お世話になっております。
    Kです。

    迅速な回答をいただき、ありがとうございます。
    是非、新日鐵光さんにも聞いてみます。
    広く情報を集め、それなりの答えがまとまりましたら またご報告させていただきます。
    -----------------------------------------------------------
  • 703. 軟X線と硬X線のちがい


    Date: 21 Dec 2005 14:54:21 +0900
    Q: はじめまして。H大学4年のIといいます。
    公開時のときは大学名、名前はイニシャル、匿名でお願いします。
    質問なんですが、私は現在、硬X線発光によるTiO2の電子構造の研究をやって います。結晶分光器をつかって発光実験をしました。試料はパウダー状のものです。
    硬X線だけしかやっていないので、軟X線のことがいまいちよくわからないのですが、 硬X線と軟X線の違いについてよければ教えていただけませんか?
    それとTiO2についてよろしければ教えてください。
    ------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 17:30:09 +0900
    A: I君、佐藤勝昭です。
     軟X線と硬X線のちがいについては理化学辞典に載っています。
    X線の波長が0.1nm(12.4keV)より長いものを軟X線、短いものを硬X線 と呼びます。Asより軽い元素のK吸収端(1s殻からフェルミ準位での遷 移)の波長は0.1nm以上なので、軟X線はこれらの物質中でよく吸収され ます。人体に関係する元素(炭素、カルシウム、など)は軽い元素が多 いので、軟X線が危険だと言われるのです。
     それから、TiO2について何が知りたいのですか?X線吸収のことです か?卒業研究で与えられたテーマについては指導教員に指導の責任があ ります。まずは、指導教員に教わってください。
    --------------------------------------------------------------
  • 704. 銀の固相接合


    Date: Thu, 22 Dec 2005 09:47:41 +0900
    Q: はじめまして。O社Iです。※Webにアップさせるようでしたら 匿名(O社/Iさん)でお願いします。 物性何でもQ&Aをいつも参考にさせていただいています。
    早速ですが上記HPを見て質問させていただこうと思います。
    金属の拡散現象についてです。
    材質は銀の素材同士を密着させ真空中に放置させた場合に拡散現象によって接合す るのでしょうか?
    その場合のメカニズムはどうなっているのでしょうか?(環境・時間的な条件な ど)
    条件としましては、密着している面積は1辺が0.1mmの正方形(平面)で 40gの力で相互は押し付けられています。
    また真空といっても酸素はありませんが、フッ素や硫黄はある程度含まれていま す。
    以上、情報が少ないかもしれませんがよろしくお願いします。
    *お客様からのご質問なのですが当方の知識不足で回答できなく苦慮しているしだ いです。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 16:58:47 +0900
    A: O社I様、佐藤勝昭です。
     すべての金属において清浄な金属表面同士が密着したときに固相接合 という現象が起きます。表面に酸化物など散障壁になるものがなければ、 自由電子が行き来することによって金属の原子間に金属結合が形成され ぴったりと接合すると考えられます。同種金属だけでなく、異種金属間 でも起きるので、工業的にも利用されます。たとえば山梨県工業技術セ ンターのHPに異種貴金属の固相接合法に関する研究が載っています。
    http://www.yitc.go.jp/Houkoku/data2/H14/H14-07.pdf
    また、特許庁のHPに「平成16年度特許出願技術動向調査報告書−非 鉄金属材料の溶接」http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku /16seizou_nonferrous_metals.pdf
    があり、固相接合について書かれています。
    「固相接合とは、固相状態で被溶接材料相互の表面を、原子レベルまで 近接させることで得られる接合である。近接させるために、通常は圧力 が最も重要な要素となるため、固相接合と呼ばれる。接合の完成には、 界面の異物の排除・消失過程、および材料間相互の原子配列整合過程 (相互拡散)が必要であり、このため材料は昇温される。原理上は、溶融 は必要条件ではない。異材溶接では、界面において脆弱金属間化合物を 形成する可能性があるが、温度と時間によって比較的制御しやすい。」 とあります。
     他のQ&Aにもこのような質問に対する回答が丁寧に載っているので 参考にしてください。http://oshiete.eibi.co.jp/kotaeru.php3?q=276217
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 17:21:44 +0900
    AA: 早速のご回答ありがとうございました。
    やはりこういった内容は 『物理的に金属は・・・』 といった内容になるのですね。
    拡散係数など学術的な事を言われてもよくわからないのが実態ではあるのですが。
    理論的なところは今回のご回答で理解したつもりです。
    『銀』という材質について限定しもう少し調べてみます。
    ありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------
  • 705. ニッケルの降伏応力


    Date: Thu, 22 Dec 2005 14:13:23 +0900
    Q: こんにちは。
    K大学4年のKと申します。
    ニッケルの降伏応力を知りたいのですが見つかりません。
    教えていただけないでしょうか。
    ------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 15:01:26 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     図書室に行きましたか。金属ハンドブックなどに載っているはずです。
    あなたは、機械科だから、金属材料の講義で学んだと思いますが、同じ 金属でも、純度、形状(ロッド、シート等)、焼鈍(アニール)や冷間 圧延(コールドワーク)で大きく変化します。
     純粋に近いニッケル200(99.6%)降伏応力は次の通りです。
    形状加工法降伏応力
    棒(ロッド)Hot finished 105-310 MPa
    棒(ロッド)Cold drawn 275-690 MPa
    板(プレート)Hot rolled140-550 MPa
    板(プレート)Hot rolled
    Annealed
    105-275MPa
    シートHard480-725 MPa
    シートAnnealed108-210 MPa
    Stress relieved275-620 MPa
    Annealed850-210 MPa
    Annealed105-345 MPa
    Spring temper725-930 MPa
    (http://www.specialmetals.com/documents/Nickel%20200%20&%20201.pdf による)
    -----------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Dec 2005 15:27:30 +0900
    AA: 迅速なご解答ありがとうございます。
    なかなか見つからず苦労していたので、よかったです。
    これからの研究に役立てたいと思います。
    ありがとうございました。
    ----------------------------------------------------------------------
  • 706. 物性値のナノ領域への適用限界


    Date: Sun, 25 Dec 2005 11:58:56 +0900
    Q: はじめまして、物性なんでもQ&Aのあることを知り、最近の疑問を おたずねしたいと思います。大阪の会社員のMです。匿名でお願いします。 昨今ナノテクがはやりで、素人の私も手にするような本にまでナノテクが 紹介されています。
    引っ張りや曲げなどの物性は大がかりな引っ張り試験器で検査を するものが通常であったのが私の時代だったのですが、ナノテクのような 非常に細かい材料であっても同じ材質であるならば、その試験結果は 同じになるのでしょうか。Young率などの物性値は材料が同じでも 嵩が極端に違うと変わってしまうものなのでしょうか。素人目には、 ナノテクであろうと物性値が変わるとは思わないのですが、適用範囲が あるのかどうか教えて下さい。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 25 Dec 2005 13:25:08 +0900
    A: M様、佐藤勝昭です。
     マクロな物性値がどれくらい小さな領域にまで適用できるかは、材料の具体的 な構造、さらには、電子状態によります。
     物質本来のもつ物性は純粋物質の単結晶を使ってはじめて正確に測定できる量 です。実際の材料では、多結晶体であったり、結晶内にも欠陥があったりして、 本来の性能を持っていない場合があります。実際、普通の金属は、多数の結晶粒 からなる多結晶体ですが、直径がマイクロメータ以下のウィスカー単結晶となる と通常の金属には考えられないような強靱性を示します。従って、ナノ領域の結 晶材料では、物質がもつ本来の物性値が得られるのです。降伏応力も構造敏感な 量です。同じ金属でも、焼鈍や冷間圧延などの加工によって大幅な変化を示しま す。これは加工により転位などの結晶欠陥の制御が行われることを示します。  カーボンナノチューブは、ナノサイズの特別の網目構造ゆえに非常な強度を示 します。この材料を混ぜ込むだけでセラミクスの強度が飛躍的に増大するという ことです。
     もっと小さな構造としてナノワイヤ、やナノドットなどになりますと、量子効 果によって電子構造がバルクとは異なるため、原子間の結合の性質にも影響を及 ぼします。格子振動もバルクとは異なる性質を持ちます。
     また、ナノ構造では表面が占める割合が増えることも、バルクと違った性質を もたらします。例えば、100ナノメートルの厚みの膜において表面に0.5ナノメー トルの酸化層があったとしても、機械的な物性値にはあまり大きな影響はありま せんが、2ナノメートルの厚みの膜だと裏表あわせて1ナノメートルの表面酸化物 層があると同程度の大きさなので、すっかり性質が異なるでしょう。
     このようにナノの世界の物性は、マクロの物性と本質的に異なると考えておい た方がよいと思います。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 25 Dec 2005 17:55:02 +0900
    AA: 佐藤先生

    ご丁寧なご返答を頂戴し、有り難うございます。
    材料の性質は材料の構造によるためにマクロとミクロ(ナノ)では 構造が異なる場合が多く、一般的に異なると考えた方がベターと のこと、理解できました。また勉強して疑問が出てきたら、お邪魔 させて頂きます。

    蛇足:yahooで検索をしていたら「物性なんでもQ&A」に行き着き、 東京農工大学の副学長先生が回答して下さるとは全く知らずに 本当に興味本位なことを尋ねてしまいました。素人の疑問にも 関わらずご丁寧な返答をいただき有り難うございます。それも、 30分足らずでご返事を下さったようで、貴重なお休みに時間を とって下さって、恐れ入ります。有り難うございました。
    ----------------------------------------------------------------------
  • 707. 無酸素銅の機械的特性


    Date: Mon, 26 Dec 2005 13:41:01 +0900
    Q: はじめまして。
    私は、液晶製造装置(スパッタリング装置)のカソードを製造しているY社のTです。
    このカソードには、ターゲット材という高純度の素材がインジウムなどによりロー付け され、そのターゲットは消耗すると新しいものに交換されます。
    今回、カソードの素材として最もよく使用されている無酸素銅に関する質問です。 私も学生時代は金属材料工学科に所属しておりましたので、基本的なことは 理解しています。
    そこで質問です。
    ・冷間圧延率の違いにより、0,1/4H,1/2H,Hという硬さに分類されていますが、
       圧延率と再結晶温度には相関があると記憶していましたが、如何でしょうか?
    ・すなわち、圧延率が高いほど、再結晶温度が低温側へ移行するのでは?
    ・仮に再結晶温度が200〜250度としますと、上記のロー付け温度が丁度その範
     囲ですので、繰り返しているうちに徐々に軟化してくるという現象が起きてくるので
     はないかと考えています。
    ・以前、三菱伸銅(三菱マテリアル)が開発した、OMCという銅材の特性を説明す
     る資料に掲載されていたと思います。かなり古い資料ですし、OMCという材料も
     最近は作っていないようですので、この資料は手に入らないのではないかと思って
     います。
    佐藤研究室殿で、上記に関するお答えをお持ちじゃないでしょうか?
    宜しくお願いします。
    --------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 27 Dec 2005 13:30:11 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     私は、金属材料工学の専門家ではありません。従って、ご質問に正確 にお答えできるかどうかわかりませんが、物理の立場でお答えします。
     [Q1]・冷間圧延率の違いにより、0,1/4H,1/2H,Hという硬さに分類さ
    れていますが、圧延率と再結晶温度には相関があると記憶していました
    が、如何でしょうか?すなわち、圧延率が高いほど、再結晶温度が低温
    側へ移行するのでは?
     [A1] 再結晶化とは「冷間加工された金属に熱処理を施すことによっ て、ひずみを受けた結晶粒がある時間内に新規のストレスのない結晶粒 に置き換わる過程」、また、再結晶温度とは、「冷間加工された金属を 熱処理したとき、ある処理時間内に完全に再結晶化するための最低の熱 処理温度」と定義されています。従って、再結晶化温度は、材料の加工 度と熱処理時間に依存します。
    一般論として、加工が進むほど(1/4H→1/2H→3/4H→H)、加熱温度が 低いほど、結晶粒のサイズが小さくなります。従って、結晶粒が小さく なれば、再結晶に要する時間、温度は小さくなります。  銅の再結晶温度は200-250℃とされています。(打越:機械材料p28) この温度幅は圧延度によるものと考えられ、圧延度の高いものでは200 ℃くらいになっているでしょう。

     [Q2]・仮に再結晶温度が200〜250度としますと、上記のロー付け温度
    が丁度その範囲ですので、繰り返しているうちに徐々に軟化してくると
    いう現象が起きてくるのではないかと考えています。
     [A2] ロウ付けに要する時間が関係すると思います。再結晶にはある 一定の時間が必要ですから、ロウ付けに要する時間が短ければ問題にな らないでしょう。しかし、繰り返していくうちに、トータルの熱処理時 間がその温度での再結晶化時間を超えると、軟化するでしょう。

    三菱マテリアルのHPによると、耐熱銅合金としてOMCのことが出ていま す。http://www.mmc.co.jp/nfac/hpm/okegawa/OHP/products/tainetu/ sei-goukin.html
    会社に直接おたずねになってはいかがでしょう。
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    Date: Tue, 27 Dec 2005 16:18:41 +0900
    AA: 佐藤先生
     早速のご回答、ありがとうございました。
     今後とも、よろしくご指導ください。
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  • 708. 吸光度測定のための至適濃度


    Date: Tue, 27 Dec 2005 10:41:41 +0900
    Q: 私は澁谷真紀といいます。城西大学薬学部薬学科2年生です。
    大学の機器分析学の授業の際に担当教授から演習問題として何題か問題を頂いたので すが、その中の2問がよく分からず、悩んでいます。佐藤先生のお力を貸していただ ければ光栄かと思います。年末の忙しい中本当に申し訳ありません。

    まず、1問目は吸光度を測定する時の至適濃度について説明せよ。
    2問目は1,3−ブタジエンはヘキサン中で吸収極大波長は219nmであった。溶媒 をエタノールに変えたら吸収極大波長の値はどう変わるか。

    以上2問です。

    2問目については私なりの考えで、ヘキサン中では1,3−ブタジエンはエタノール と比べて親和性が高いため分子間相互作用が働き、電子の遷移を起こすためにはまず 相互作用を切り離さなければならないのでその分だけ余計なエネルギーを要する。 よってエタノールと比べるとヘキサンの吸収極大波長は小さくなる。そのため、エタ ノール中では吸収極大波長の値はより長波長側にシフトすると考えたのですが、あっ ているのかよくわかりません。

    お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
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    Date: Wed, 28 Dec 2005 10:18:47 +0900
    A: 渋谷君、佐藤勝昭です。
     「なんでもQ&A」では大学で出された課題に直接お答えすることはいたしません。 ヒントだけ差し上げます。
    1問目:吸光度を測定する際の至適濃度
     私ども物理の用語には「至適濃度」という言葉はありません。化学便覧にも載っていま せん。おそらく薬学系の機器分析独特の用語であろうと思われます。
     一般に分光光度計で吸光度を測定するには、試料を透過してくる光の量がその測定器の 検出できる範囲にないと測定出来ません。一般にモル吸収係数をε、濃度c、試料の光路 長Lとすると吸光度Aは
     A=log_10(Io/I)=εcL
    と表されます。Ioは入射光強度、Iと透過光強度です。T=I/Ioを透過率といいます。
    普通分光光度計はTを測定して対数をとってAを求めています。最近の装置ではT=10^-5程 度測定出来るものもありますが、信頼性のあるのはT>0.01でしょう。すなわちAとしては2 程度となります。従って、εcLの積が2以下になるようcを決めるのがようと思われます。

    2問目:溶媒を変えたときの1,3-Butadieneの吸収極大波長の変化
    私は、有機物質についての知識がありません。219nmの吸収がどのような電子遷移で起き ているのか、溶媒との相互作用でどう変化するかを考えればよいでしょう。あなたの推論 が正しいかどうかは、判断出来ません。
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    Date: Wed, 28 Dec 2005 18:09:26 +0900
    AA: 返信ありがとうございました。
    先生のヒントを参考に頑張りたいと思います。
                                澁谷真紀
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  • 709. なぜZnOはn型で、NiOはp型か


    Date: Fri, 30 Dec 2005 21:07:57 +0900
    Q: はじめまして、R大学理工学部の三回のSです。
    半導体のZnOはn形でNiOはp形の伝導を示すのかをおしえてください。
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    Date: Sun, 01 Jan 2006 10:36:05 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
     CdTeをのぞく多くのII-VI族化合物半導体は、不純物の添加をしないときn形 の電気伝導を示します。その理由はかならずしも明確になっていません。
     ZnOの場合、(1)アクセプタ不純物の固溶性の低さ、(2)アクセプタのイオン化 エネルギーの大きさ、(3)アクセプタを導入すると同時にドナーが導入されるこ とによる自己補償機構などが原因であろうと考えられています。最近ではMOCVD により窒素添加で低抵抗のp形が実現しています。しかし、導入された窒素の濃 度(〜10^21cm^-3)に比べホール濃度が低い(<10^17)ということから、(3)のメカ ニズムが有力であろうと考えられています。
    X. Li, S.E. Asher, B.M. Keyes, H.R. Moutinho, J. Luther, and T.J. Coutts:
    p-Type ZnO Thin Films Grown by MOCVD; 31st IEEE Photovoltaics Specialists Conference and Exhibition, Lake Buena Vista, Florida, January 3-7, 2005
    が参考になるでしょう。
     NiOは反強磁性半導体で、バンドギャップはCharge-transfer型です。すなわ ち、伝導帯は3d軌道からなり、価電子帯はOの2p軌道からなっています。3d電子 帯は狭いバンドなので有効質量m*が大きいため移動度μ=eτ/m*が小さく電気伝導 に寄与しません。電気伝導は主として価電子帯のホールによります。リチウムLi を添加するとアクセプタになります。しかし伝導は普通の拡散型ではなく、ポー ラロンによるホッピングとされています。
     授業での宿題でしょうか?大学の学部3年生では難しいかも知れません。
    Webでは匿名にしますから、大学名、学科名を書いてください。
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  • 710. シリコンの屈折率と消光係数


    Date: Fri, 06 Jan 2006 15:42:17 +0900
    Q: はじめまして、表題の件について悩んでいたところ このホームページを見つけましたので質問させてください。
    1/4波長板のエリプソメーターにて測定しているのですが シリコンウェハーの屈折率と吸収係数がわかりません。
    お分かりになるようでしたら教えて頂きたいたいのですが 宜しくお願いいたします。
                   A社Sより
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    Date: Fri, 06 Jan 2006 23:59:37 +0900
    A: A社、S様、佐藤勝昭です。
    シリコンの屈折率nと消光係数は、
    「なんでもQ&A」の#279をご覧下さい。

    吸収係数α[cm^-1]は、消光係数κとつぎのような関係があります。
     α=4πκ/λ
    です。λはcm単位で考えてください。
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    Date: Sat, 07 Jan 2006 08:44:16 +0900
    AA: 佐藤勝昭様

    早速の返信誠に有難う御座いました。
    中身を確認させていただき大変役に立ちました。

    今後のご活躍を楽しみに拝見させていただきます。
    有難う御座いました。
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  • 711. 半波長板について


    Date: Sat, 07 Jan 2006 01:52:42 +0900
    Q: 佐藤先生

    はじめまして。
    S大学工学部3年のSといいます。
    HPを拝見しました。
    アップロードの時にはいづれも匿名でお願いします。
    お忙しいところ恐縮ですが下記の質問にアドバイス、回答を頂けないでしょうか。

    実験の授業で光学部品を扱うことがあって興味を持ち光学部品についてWEBで色々と調べています。
    そこで半波長板は結晶軸に対して入射電界の振動方向がθ傾いた状態で入射したら 出射電界は2θ回転して得られるという風に理解しました。
    ですがリターダンス、もしくはリタデーションという現象が上手く飲み込めません。
    意味は”入射してくる偏光の位相内での、角度シフトの度合い。”とあるのですが、 これが入力と出力の間ににどう影響するのだろうか想像できません。

    宜しくお願いします。
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    Date: Sat, 07 Jan 2006 09:47:15 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
     リターデーション(光学遅延)について説明します。
    いま、z方向に進む光を考えましょう。光の電界の振動方向はzに垂直の面内に あります。いま、電界がx方向とy方向の丁度あいだの45°の方向の振動である ような直線偏光を考えますと
    Ex=Eo exp{-i(ω(t-n1z/c))}、Ey=Eo exp{-i(ω(t-n2z/c))}と書けます。
    ここにn1はx方向の屈折率、n2はy方向の屈折率です。
    もし媒質が等方性でn1=n2ならどこまで進んでもExとEyは同位相で進むので45° 傾いた直線偏光のままです。
    ところが媒質が異方性をもち、n1-n2=Δnだけ異なっていたとしましょう。
    すると、ExとEyの間にはωΔn z/cだけの位相差が生じます。この位相差のことを リターデーションと呼びδで表します。δ=ωΔn z/c=2πΔn z/λです。
    すると、Ex=Ey exp(-iδ)=Ey exp(-i2πΔn z/λ)と書けます。
    半波長板というのはΔn z=λ/2であるような場合です。するとδ=πとなり、
     Ex=Ey exp(-iπ)=-Ey
    となって、合成した電界ベクトルはx方向から-45°傾いた偏光になるわけです。
    従って、入射光からみると偏光方向が90°回転したことになります。
    ちなみに1/4波長板では、Δn z=λ/4ですから、δ=π/2となり
     Ex=Ey exp(-iπ/2)
    となります。位相がπ/2すなわち90°異なるので、EyがsinならExはcosになりま す。すると合成した電界ベクトルの軌跡は円になります。これが円偏光です。
     リターデーションについては、光学の教科書ならどれにでも出ています。
    例えば、古い本ですが、共立全書の「光学」(石黒浩三著1953年刊、絶版)を図書館 に行って読んでください。
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    Date: Sat, 07 Jan 2006 12:52:24 +0900
    Q2: 佐藤先生

    早速教えていただいてありがとうございました。
    図書館から借りて読み始めました。

    太陽の光をプリズムに通すと7色に分かれて見えるように、
    波長によって屈折率は微妙に違うということは同じ波長板でも入射する波長によって

    リターデーションが異なるということなんですね。
    この調整法は結晶の厚みを変えて光路長を変えるだけなのでしょうか
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    Date: Sat, 7 Jan 2006 15:37:39 +0900

    A2: S君、佐藤勝昭です。
     君の言うとおり波長に応じた波長板を用意しなければなりません。た だ最近はΔnが波長に依存する性質を利用したアクロマティック(波長 依存性のない)波長板も市販されています。光学技研では
    広帯域波長板 として市販しています。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 07 Jan 2006 23:23:58 +0900
    AA: 佐藤先生

    ご回答ありがとうございました。
    もやもやが無くなりとてもすっきりしました。
    -----------------------------------------------------------------------
  • 712. Ta2O3のヤング率


    Date: Sat, 7 Jan 2006 16:47:12 +0900 (JST)
    Q: 佐藤先生
    はじめまして。N大学修士2回生のTといいます。
    HPを拝見させていただきました。Webにアップされるときは匿名でお願いします。
    Ta2O5のヤング率やポアソン比について教えてください。
    また、掲載されている図書等ございましたら、それもお教え願いたいです。
    よろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 8 Jan 2006 02:01:19 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     5酸化タンタルなど、タンタルの酸化物は粉末試料か薄膜試料しかないので、機械的性 質のデータがありません。Ta自身の体積弾性率が200GPaですから、酸化物はもっと大き いことが予想されます。TaONタンタルオキシナイトライドについて第1原理バンド計算か ら求めた体積弾性率が278GPaとされています。いずれにせよこのような遷移金属酸化物 セラミクスの弾性係数はほとんど入手できないと思います。
    ---------------------------------------------------------------------------
  • 713. 鉛フリーハンダのヤング率


    Date: Sun, 8 Jan 2006 18:41:34 +0900 (JST)
    Q:東京学芸大学技術教育専攻の李です、今鉛フリーはんだ材料Sn3Ag0.5Cuについて、
    125℃から−40℃までの温度サイクル負荷を受けて、塑性・クリープ解析を行っている。
     材料のヤング率と降伏応力の値が見つかれない、教えていただきたいです。よろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 09 Jan 2006 01:38:55 +0900
    A: Liさん、佐藤勝昭です。
    あなたの組成にピッタリのデータはありません。
    http://www.boulder.nist.gov/div853/lead%20free/props01.pdf にいろいろな鉛フリーハンダの機械的性質が出ています。
    (yard-pound系なので、SIに換算する必要があります。(1ksi==1000ポンド/平方インチ=0.703kgf/mm2 =6.89MPa)
    --------------------------------------------------------------
    Sn96.5/Ag3.5 Leadfree solder
    > 引っ張り (*tested per ASTM E-8)
    > UTS(ksi) 5.91
    > 降伏応力(ksi) 4.07
    > ヤング率 (ksi) 5740
    > % 伸び率 43.66
    >
    > 圧縮 (*tested per ASTM E-9)
    > 応力@25%歪 9.88
    > .2%歪降伏応力 (ksi)4.84
    > ヤング率(ksi) 16600
    >
    > 硬度 12.2 (per Rockwell Test, 15W Scale Hardness)
    ------------------------------------------------------------------
    Sn-2.5Ag-0.8Cu-0.5Sb (Castin^(TM))
    > 引っ張り
    > UTS(ksi) 5.73
    > 降伏応力(ksi) 4.86
    > ヤング率 (ksi) 7420
    > % 伸び率 50
    >
    > 圧縮
    > 応力@25%歪 8.54
    > .2%歪降伏応力 (ksi)4.33
    > 弾性率(ksi) 4260
    ------------------------------------------------------------------
  • 714. 屈折率による水晶の厚み測定


    Date: Fri, 6 Jan 2006 14:53:40 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤様
    (株)D技術部Nと申します。(恐縮ですがweb公開時は匿名でお願い致します。)
    水晶のATカット板の屈折率について調べていたところ、貴研究室のHPにたどり着きました。
    素人質問ですが、ご教示いただけると幸いです。

    水晶の厚みをレーザで測定する場合、屈折率による補正が必要になると思います。
    今回ATカット水晶板の厚み測定を考えておりますが、補正は常光線の屈折率だけで補正して 良いのでしょうか?それとも異常光線の屈折率も考慮すべきなのでしょうか?
    異常光線を考慮する必要がある場合、その屈折率はAT切断角度に依存する可能性があると 思うのですが、AT切断角度と屈折率はどのような関係式で表されるのでしょうか?

    御多忙中とは存じますが、御教示の程宜しくお願い申し上げます。
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 07 Jan 2006 22:34:27 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     常光線のみを使って測定しているのであれば、常光線屈折率のみを使えばよい と思います。
     異常光線の屈折率の方位角依存性は、光学軸からの傾角をθとして、
       1/n^2=(sinθ)^2/ε// + (cosθ)^2/ε⊥
    となります。ここにε⊥は光学軸方向の電界に対する誘電率、ε//は光学軸に垂直 な面内の誘電率で、ε⊥=no^2, ε//=ne^2 です。
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Jan 2006 09:10:46 +0900
    AA: 東京農工大学 佐藤様
    D社Nです。
    早急に御回答をいただき誠に恐れ入ります。
    今後の業務の役立てとさせていただきます。
    お忙しい中、本当にありがとうございました。
    --------------------------------------------------------------
  • 715. 水滴接触角の表面モルフォロジー依存性


    Date: Mon, 9 Jan 2006 13:55:50 +0900
    Q: 京都大学 工学部 物理工学科 材料科学コース機能構築学研究室 学部4回生の六門直哉と申します.
    休日に申し訳ございません.

    私はポリエチレンテレフタレートの表面をアミノ基修飾することによって 材料の機能化を行うといった研究を行っています.
    分析法の一つに水滴接触角測定を用いているのですが
    水滴接触角は表面エネルギーと表面のモルフォロジーに依存していると 聞きました.
    表面エネルギーが関わってくるというのは分かるんですが
    モルフォロジーに関しては実際にどういう計算になるのかというのがよ く分からないのです.
    ポリエチレンテレフタレートをアミノ基修飾すると実際どのような接触 角を示すのかという 計算方法のようなものがあったら教えて頂きたいです
    よろしくお願いします
    -------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 09 Jan 2006 20:58:24 +0900
    A: 六門直哉様、佐藤勝昭です。
     表面微細構造と撥水性の関係については、機械学会の流体工学部門のニューズ レターに、産総研の松本博士が解説しておられます。
    http://www.jsme-fed.org/newsletters/2001_10/2102.html
    これによれば、接触角に関して、Wenzelの理論、Cassieの理論があると書かれて います。Wenzelの式、Cassieの式については、
    森田 正道, 久保 元伸:最もよく水をはじく高分子材料は;高分子, 45, 566(1996)
    http://www.daikinchem.com.cn/pro/sinsozai/unidyne_org/lit/lit-t/topics2/topics2.html#Ref.1
    をお読み下さい。
    -----------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Jan 2006 10:32:46 +0900
    AA: ありごとうございました.
    もう一度勉強し直してみます
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  • 716. 鉄、アルミ、銅の複素屈折率


    Date: Tuesday, January 6, 2006 Q: 佐藤先生
    はじめまして。A社のSと申します。
    『鉄、アルミ、銅の3種類の単純金属について、波長1060nm 条件、あるいは、それ に> 近い波長レベルの光源(レーザー)に対する複素屈折率n=n+ki の物性値(n, k 値)』を教えて頂きたいと思いましてメール致しました。
    web上で、金属の光学定数データが明記してある本を紹介されているのは理解して いるのですが、できるならば上記3つの元素に対してのみで結構ですので教えて 頂きたいと思います。いろいろな入射角に対するS成分、及びP成分のエネルギー 反射率を計算する予定です。宜しくお願い申し上げます。 迫より
    -----------------------------------------------------------------------
    Date: Tuesday, January 10, 2006 4:38 PM
    A: S様、佐藤勝昭です。
     お返事が遅くなりました。
    1μm 付近の波長におけるFe, Al, Cuの複素屈折率は次の通りです。
    Fe (at 1.069μm) n=4.53, κ=4.30
    Al (at 1.078μm) n=1.25, κ=10.6
    Cu (at 0.827μm) n=0.26, κ=5.26
      (at 1.240μm) n=0.433, κ=8.46
    銅については0.827μmと1.240μmの内挿値を計算して使ってください。
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 11 Jan 2006 09:35:11 +0900
    Q2:佐藤先生、データを送っていただき感謝いたします。
    現在、レーザ切断という立場から偏光と入射角依存性を勉強している最中です。
    ありがとうございました。

    また、もし、可能でしたら、10.6μm近傍の Fe, Al及びCuの同様な数値を教えていただけないでしょうか?
    厚かましいお願いで申し訳ありません。 迫 宏より
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 11 Jan 2006 13:26:49 +0900
    A2: S様、佐藤勝昭です。
    10μm付近のデータは次の通りです。(Palikによる)
    > Fe (at 10.53μm) n=5.95, κ=32.0(Palik II, p.395)
    > Al (at 10.33μm) n=26.6, κ=92.2 (Palik I, p.401)
    > Cu (at 9.537μm) n=10.8, κ=47.5 (Palik I. p.286)
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 12 Jan 2006 12:58:50 +0900
    AA: 佐藤先生
    本当にありがとうございました。頂いたデータを基に、少し計算を実施致しましたのでご報告いたします。
    たとえば、鉄に対して、1μm帯と10μm帯の両者を『入射角に対してPS 成分の光の反射率』を求めますと、
    添付のような関係になりました。1μm帯の光は、入射角に対して偏光成分の影響を大きく受けることが 良くわかりました。今後の加工プロセス(レーザ切断)を実施する中で十分考慮していきたいと思います。
    重ねて御礼ま。Sより。
    ------------------------------------------------------------------------
  • 717. 高い誘電率の金属素材


    Date: Tue, 10 Jan 2006 16:28:05 +0900
    Q: O社のKと申します。
    突然のメールで失礼します。HPを拝見させて頂きました。
    WEB上には、匿名でお願いします。
    通信機器を中に入れる金属ケースを検討しています。一般の金属ですと誘電率が低くて 電波が外部に出ません。プラスティックやセラミック並の金属素材はないでしょうか?
    もしくは、比較しにくいですが、アルミ素材並の剛性強度を持つ、エンプラ素材はないでしょうか?
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Jan 2006 18:08:27 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
     金属が電磁波の透過を防いでいるのは、誘電率が低いせいではなく、 金属の自由電子による電界の遮蔽、従って抵抗率が小さいことが原因で すから金属である限り、透過しなくても仕方がありません。skin depth δより薄くなければ、電磁波は透過しません。
    なんでもQ&A#366に示し たようにδは
     δ=(2/ωσμo)1/2
    で与えられます。Crは比較的抵抗の高い金属ですが、FMの電波(約 100MHz)が通り抜けるには、1μm以下の薄さにしなければなりません。
    もちろん波長程度の穴をたくさんあければとおるでしょうが。
     FRPをはじめエンジニアリングプラスチックには、金属と同等の機械 強度をもった材料があります。たとえば、アルミ合金の弾性率は80- 100GPaの程度ですが、FRPには400GPaに達するものもあります。
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Jan 2006 18:34:51 +0900
    AA: 佐藤様
    O社のKです。
    早速のご回答ありがとうございました。
    参考にさせて頂きます。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
  • 718. 蛍光波長の励起波長依存性


    Date: Wed, 11 Jan 2006 16:34:32 +0900
    Q: HPをいつも興味深く拝見しています。Y大Hです。匿名でお願いします。
    前も御指示いただいて大変助かりました。本当にありがとうございました。
    高いエネルギー準位にある励起波長の変化で蛍光波長が変わることがあるんでしょうか?
    私が使っている装置は古い機械なので壊れているかもしれないから励起波長の変 化で輝度が変わるかもしれません。
    周りに専門にしている人もいないのでわかりません。どうか教えてもらえないでしょうか?
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 12 Jan 2006 02:18:41 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     私も、励起波長の変化にともなって発光波長が変化することを、しばしば、経験しま した。気をつけなければならないのは、実験的なミスによるものです。
     分光器の回折格子が高次光を出すことです。例えば、600nmに目盛りを合わせていて も、2次の回折光である300nmの光が出てきます。本当は試料が発光していなくても、励 起光を分光器がセレクトしてしまうのです。この場合は、励起波長と発光波長が正確に 比例します。この他にも、回折格子によるお化けが出ることがあります。これらの光は 試料の代わりに金属版を置いても検出されますから、容易に見つけることができます。
     次に、ラマン散乱を検出している場合があります。特に、バンドギャップより高いエ ネルギーで強く励起した場合に、共鳴ラマン効果などが見られます。ラマン散乱は、励 起エネルギーよりフォノンのエネルギーだけ低いエネルギーに現れますから、励起波長 を変化させると、散乱光の波長も変化します。
     上記の効果でなく、本当に、発光波長が励起波長とともに変化する場合があります。 発光中心のエネルギー準位に位置による分布がある場合に、励起波長を変えると、異 なった発光中心を励起するため、異なった波長に発光が現れます。
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    Date: Thu, 12 Jan 2006 12:50:07 +0900
    AA: ご指導ありがとうございました。どうやら機械が悪いわけではないみたいです。勉強不足でした。
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  • 719. 誘電正接の大きな素材


    Date: Thu, 12 Jan 2006 17:31:07 +0900 (JST)
    Q: 初めまして。D大学工学部4回生のKと申します。(恐縮ですが、もしHPに掲載されます場合は匿名でお願い致します。)
    佐藤先生のQ&AのHPは、お忙しい中の熱心なご回答に、いつも感謝の気持ちで拝見しております。

    さて、私は現在大学で、電波吸収板の解析・設計の研究を行っております。そこでなんですが、 ガラスエポキシ樹脂(tanδ=0.02)よりも誘電正接の大きい媒質(誘電体)を探しています。
    カーボンと発泡剤をポリエチレン樹脂とともに混合し加熱した 導電性発泡ポリエチレン のような感じです。 tanδが大きければ大きいほど望ましいです。またたくさん教えていただければ幸いです。 ご存知でしたらお教えください。宜しくお願い致します。
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    Date: Thu, 12 Jan 2006 20:32:24 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     通常は、損失の少ない(誘電正接の小さな)材料を探すことが多いのですが、電波吸収体だとたしかに逆ですね。
     一般にFRPなど複合材料で、炭素繊維や金属繊維を含むものの誘電正接が大きいと存じます。
     各社のカタログで調べて見てください。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 12:23:31 +0900 (JST)
    AA: 返信遅くなって申し訳ありません。先日佐藤先生に回答を頂いたD大学工学部4回生のKと申します。
    お忙しい中の熱心なご回答に感謝しています。ありがとうございました。
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  • 720.放射線によるオーステナイト体積率測定


    Date: Fri, 13 Jan 2006 15:20:41 +0900 (JST)
    Q: 初めまして、I大学大学院2年のIと申します。(掲載時は大学名とともに匿名希望)
    鉄の2相組織(フェライトとオーステナイト)の体積率測定をしたいのですが、今まで、力学的な分野を勉強してきたため、 放射線による体積率測定の方法がわかりません。
    フェライトの(211)とオーステナイト(220)のピークデータは測定しましたが、そこからの計算方法がわかりません。 突然で申し訳ありません、わかりましたら是非ご教授ください。
    よろしくお願いします。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 13:55:19 +0900
    A: I君、佐藤勝昭です。
     私は金属工学の専門ではないので体積率という言葉は初めて聞きまし た。いわゆるステンレスの「オーステナイト量」に相当するものでしょうか?
     同じ相であってもX線回折のピーク強度は、方位によって異なります。
    またピーク強度が各相の面積比に完全に比例するのか自明ではありませ ん。実用的には、100%フェライト相の場合の(211)ピーク強度、100%オ ーステナイト相の(220)ピーク強度を測定しておき、測定したフェライ トの(211)とオーステナイト(220)のピーク強度比を,100%相の対応 する比で割り算すれば求められると存じますが・・。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 15:52:50 +0900 (JST)
    AA: 専門外のご質問にもかかわらず、早急な返答ありがとうございます。
    先生のおっしゃったとおりのオーステナイト量の事ですが、 ピークの強度の割合だけでは、求められないものであるようです。

    調べたところ、ピーク強度と計算で求められる理想強度からの算出のようです。(まだ最終回答には至っていないのが、現状です。)

    お忙しいところ、お手数をおかけいたしまして申し訳ありませんでした。
    誠にありがとうございました。
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  • 721. 水、氷、雪の誘電率


    Date: Sat, 14 Jan 2006 10:02:55 +0900
    Q: お世話になります、笠井と申します。
    物性なんでもQ&Aを見まして、メールを書いております。
    仕事とは関係ないのですが、氷の厚さの変化を検出する手段に良い方法がないか、考えております。

    冬、北海道の糠平湖では穴を開けてワカサギ釣りを多くの方が楽しまれています。
    しかし、湖の中に温泉の沸いている場所やガスが発生する場所が あるそうで、通称"ガス穴"という穴がところどころにできています。
    毎年、そのガス穴に足を落としてケガをする人があり、 ガイドの方から、「ガス穴を探知するレーダー見たいなものが作れないでしょうか」と、相談されています。
    弊社内でもコンクリートレーダーなど、内部に金属のあるものは検出するものを作っている部署もあるのですが、私は無線機の設計が 仕事で物体の検出技術を検討したことがありません。
    ただ、発振回路の動作を考えると誘電率の変化を利用して測定できないだろうかと考えております。

    そこで質問なのですが、水−氷−雪の比誘電率はどのくらいの差があるか御存知ないでしょうか。ネットで検索しても うまく見つけることができませんでした。

    雪は空気の含有量によって変動は大きく一概には言えないことは予想しております。
    また、水も純水は不導体と記憶していますが、湖水はわずかな伝導性があると思います。

    何かヒントになるようなことを御存知でしたら、御教授ください。

    宜しく御願い致します。
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    Date: Sat, 14 Jan 2006 11:17:47 +0900
    笠井様、佐藤勝昭です。
     水の誘電率は約80、これに対し氷の誘電率は約100です。
    古い文献ですが、
    Marcus E. Hobbs, Mu Shik Jhon, and Henry Eyring:THE DIELECTRIC CONSTANT OF LIQUID WATER AND VARIOUS FORMS OF ICE ACCORDING TO SIGNIFICANT STRUCTURE THEORY;Proc Natl Acad Sci U S A. 1966 July; 56(1): 31−38.
    に詳しく載っています。
    直流での誘電率は、水と氷の差が小さいので区別を付けるのは難しいかも知れません。

    なお、マイクロ波を使った測定がM. Hallikainenらによって行われています。
    これによれば、マイクロ波領域での誘電率は3.2程度ということです。
    一方、マイクロ波領域での水の誘電率は70程度あります。
    http://www.lsbu.ac.uk/water/microwave.html

    従って、マイクロ波を用いれば、水と氷の区別はできるでしょう。
    なお、コロラド大のHPによれば、雪に関しては、空気と水と氷の混合物として取り扱うべきであるとされています。
    このサイトでは、氷についてマイクロ波での値を紹介しています。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 09:01:26 +0900
    AA: お世話になります、笠井と申します。
    佐藤先生、早速の御回答ありがとうございます。
    国内の文献で探そうとしたのが間違いで、海外に目を向けると、色々な情報が出てくるのですね。インターネットの便利さを如実に感じております。

    いただいた情報を活用して、うまく検出器にまとめたいと思います。ありがとうございました。

    今後とも宜しくお願い致します。
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  • 722. 亜鉛置換フェライトと亜鉛が混入しないフェライトとの磁束密度の差異


    Date: Sun, 15 Jan 2006 19:14:29 +0900 (JST)
    Q: N大学短期大学部応用化学科1年のOです。匿名でお願いします。
    質問なのですが、亜鉛置換型フェライトと亜鉛が混入しないフェライトとが磁束密度等にどの程度差異が生じるのもなのか、または違う理由について調べているのですが、なかなか回答が見つからなく、メール致しました。
    板違いかもしれませんが、もし何かわかることがあったら、返答お願いいたします。
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    A: O君、佐藤勝昭です。
    ニッケル亜鉛フェライトの磁化が亜鉛の組成と共に増加する理由については、 「物性なんでもQ&A」の
    306番に出ています。
    また、詳細は「磁性体ハンドブック」(朝倉書店、1975)のp.607-624あたりを読 んでください。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 18:48:52 +0900 (JST)
    Q2: 佐藤勝昭先生へ。
    N大学短期大学部応用化学科1年のOです。
    昨日の質問のお返事、どうもありがとうございました。
    佐藤先生のおかげで少しばかりですが理解出来ました。
    ですが、結局亜鉛置換型フェライトと亜鉛が入っていないフェライトでは、どちらの方が磁力が強いのでしょうか?
    Zn2+が4sと4pの軌道を使って、部分的なsp3共有結合をつくるため、4配位位置にあって6配位位置の磁気モーメントを打ち消しあっていたFe3+が減り6配位位置にはいるので、その差だけ磁気モーメントは増大する。またM2+のもっている磁気モーメントmμBもZn2+との置換分だけ減るのでモル分率XをZn2+で置換した場合の亜鉛置換型フェライトでは、差し引きX(10−m)μBの磁気モーメントだけ増大する。 っということまでわかったのです。
    これを読んで自分なりに理解したのですが、亜鉛が入っていないフェライトの方が磁気が大きくなると私は考えたのですが…
    でも正確な答えがわかりません。
    友達は、亜鉛置換型フェライトの方が磁力が大きくなると言っていました。
    それはpHの関係だったり、温度が関係してくると言っていました。
    でも上記に書いた文章を読むと、亜鉛が入っていないフェライトの方が磁力が大きいのではないかと思ったのです。
    もし何か手がかりになるようなことがあったらご返答お願いいたします。
    重ね重ね質問の失礼致します。
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    Date: Tue, 17 Jan 2006 17:22:54 +0900
    A2:O君、佐藤勝昭です。
    磁性体ハンドブックp.617にさまざまなフェライト(M1-xZnxFe2O4)のT=0Kにおける自発磁化pmのZn濃度依存性が載っています。(添付図参照) 絶対0度では、x=0.4付近でpmが最大となり、さらにxが増大すると減少します。しかし、Znの増加とともに、キュリー温度が低下するので、室 温での飽和磁化の値は、必ずしも増大しないのです。
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  • 723. ITO電極の導電率,誘電率,透磁率


    Date: Mon, 16 Jan 2006 14:40:38 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生へ
     はじめまして。突然のメールでお許し下さい。
    私はK大学大学院で電気電子工学を専攻しているHです(匿名でお願いします)。
    今回インターネットでITO電極について調べている際に佐藤先生のホームページを拝見させていただきメールを送らせていただきました。
     私は現在,FDTD法(有限差分時間領域法)を用いてIPS液晶ディスプレイについての光波伝播解析に関する研究を行っています。
    研究内容としてはIPS液晶においてのカラーシフト現象について数値的に解析を行っています。
    現在は特に,これまで設定していたIPS液晶内の完全導体電極を透明電極に変えることによって、 より実際の液晶モデルに近づけていきたいと考えています。
    そこでITO電極の波長が450[nm],650[nm]における導電率,誘電率,透磁率のそれぞれのパラメーターについて教えていただきたいのです。
    貴重なお時間を頂くことに恐縮いたします。
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    Date: Mon, 16 Jan 2006 18:57:25 +0900
    A:H君、佐藤勝昭です。
     ITOと一口にいいますが、これはIn2O3とSnO2の混晶ですから、組 成比によっても、導電率によっても光学定数は変化します。
     
    J. Bartella, J. Schroeder and K. Witting:Characterization of ITO - and TiOxNy films by spectroscopic ellipsometry, spectra- photometry and XPS; Appl. Surf. Sci. 179 [1-4] (2001) pp.182-191 のFig.2から読み取ったIn2O3 90%, SnO2 10% のITOの屈折率nと消 光係数κは次の通りです。また、ε'=n^2-κ^2によって誘電率の実数部 を、ε"=2nκによって誘電率の虚数部を計算しておきました。また光学 伝導率の実数部σ'をσ'=ωεoε"により計算しました。[単位はS/m]
    なお、比透磁率は1です。

    試料中心部
    波長κε'ε"σ'
    450nm1.920.0013.690.003846.9'
    650nm1.7002.8900
    試料周辺部
    450nm 1.720.0222.960.0758936
    650nm 1.420.0012.010.002834.6
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 16 Jan 2006 21:10:09 +0900
    Q2: 佐藤勝昭先生へ
    早速のご回答本当にありがとうございます。
    説明不足で申し訳ございませんでした。
    求めるITOのパラメータはできるだけ実際に使われているIPS液晶においてのパラメーターです。
    先生からのお返事では資料中心部と資料周辺部でわかれているのですが, これはITOの導体内部とITOの表面部分という意味でよろしいでしょうか。
    お忙しい中、本当にありがとうございました。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 16 Jan 2006 21:28:06 +0900
    A2:H君、佐藤勝昭です。
     これは、作製時に小さなターゲットを使ったため、周辺と中心でむら ができたためではないかと存じます。表面と内部という意味ではありま せん。試料中心部のデータをお使いください。
     なお、実際に使われているITOのIn2O3:SnO2比率はLCDを作っている会 社に聞かないとわかりません。
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    Date: Tue, 17 Jan 2006 13:56:12 +0900
    AA:佐藤勝昭先生へ
    お忙しいところ,申し訳ございませんでした。
    文献の方は確かに確認できました。
    わざわざお調べ頂き,本当にどうも有難う御座いました。
    これらのデータを研究に活かしたいと思います。
    大変参考になりました。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 724. 完全導体と超伝導のちがい


    Date: Mon, 16 Jan 2006 21:52:07 +0900
    Q:O大理物のMと申します。
    公開時は個人情報は匿名でお願いいたします。
    テキストに「超伝導体のマイスナー効果は、完全伝導性のみからでは説明できない」という記述があったのですが、どうも理解ができません。
    私なりには次のように考えました。
    完全伝導性つまりρ=0およびオームの法則E=ρ*JよりE=0
    マックスウェル方程式よりδB/δt=0
    よってB=定数
    よって、完全伝導性だけではB=0が説明できない
    ご教授のほどお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 17 Jan 2006 00:19:33 +0900
    A:M君、佐藤勝昭です。
    材料系物理工学 第6回 2003.12.01より
    「1933年Meissner, Ochsenfeldは、超伝導体の外側の磁界を調べて、磁界中で超 伝導体を冷却した場合にも、磁束は超伝導体から完全に排除されていることを見 出した。これを完全反磁性またはマイスナー効果という。
    完全導体だとすると、無磁界中で冷却して磁界をかけると磁束が排除され、始めに磁界を加えておいて冷却したときは磁束に変化はなく、 磁界を取り去ると内部の磁束が保持されるはずである。
    (第1種)超伝導体を、無磁界中で冷却し後から磁界を加えたときも、磁界中で冷却したときも、同じように超伝導体から磁束は排除される。 経過した過程によらない。
    このことにより、超伝導体は完全導体ではないことが確認された。」
    これを数式でどう表現できるか、自分で考えてみてください。
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  • 725. 酸化亜鉛[ZnO]の光化学反応成長のための基板について


    Date: Tue, 17 Jan 2006 18:22:12 +0900
    Q: N大学で半導体について学んでいる修士1年のHと申します。質問したい事がありま してメールさせていただきます。よろしくお願いします。
    お手数掛けますが、Webにアップする際は匿名でお願いします。

    私はZnO薄膜の作製について研究しています。作製法は溶液からの成長法です。しかし、一般に 知られている溶液成長法とは違い、溶液中に基板を浸し、基板に光を照射する事で成長を行うと いう珍しい方法です。
    溶液条件についてはある程度絞り込めたのですが、現在、私が悩んでいるのが基板に用いる材料 は何が良いか、ということです。
    当初、膜作製後に光学的・電気的な測定がしやすい、電気化学的な堆積によく用いられると 言う理由でITO基板の使用を試みたのですが、評価した結果からZnOの特性がはっきりと得られて いません。
    色々論文等を調べてみたのですが意外と何故その基板を用いたのかは明記されておらず、 格子定数の観点から考えて見たこともあるんですが良く分りませんでした。
    そこで、ZnO成長にITO基板を用いるのはどうなのか、だめだとしたらどのような基板が良いのか、 基板選択にはどのようなことに気をつけるべきなのか、ということについてご意見をいただきたいと考え、 メールさせていただきます。
    よろしくお願いします。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 17 Jan 2006 21:09:58 +0900
    H君、佐藤勝昭です。
     修士論文の研究であれば、本来、最初に指導教員に相談すべきです。
    私が、あなたの指導教員なら、私を差し置いて匿名で他人に相談するな んてもってのほかだと怒るでしょう。私の指導能力を否定されたような ものですから。指導教員に聞いたけれど納得いかない答えしかなかった ということだと理解して、考えるためのヒントをお答えしましょう。
     溶液中に基板を入れて、光を当てて結晶成長が起きるために、どのよ うなプロセスが関与しているかを考えてください。
     ITOをなぜ使うように教員から指示されたのでしょう。ITOの特徴は導 電性があること、透明であることです。ITOのバンドギャップは紫外光 領域にありますから、可視光線を受けても何ら励起が起きません。従っ て、光の効果は、溶液にあると存じます。溶液の種類はご質問からはわ かりませんが、基板付近に溶液の分子があり、光が当たると何らかの触 媒反応が起きて溶液の分子が分解して付着することを期待しているので しょう。この意味では光触媒作用の大きなTiO2を用いるのが良いかも知 れません。ITOは多結晶なので、エピ成長と違うので、格子定数から見 て選択するという話ではないでしょう。
     一方、きちんと溶液が分解してZnOが基板に付くのだけれど、温度が 低いために結晶化しないでアモルファス状態にとどまっていて、X線回 折で観測してもZnOになっていないというのであれば、アニールすれば 多結晶が表面に析出すると考えられます。
     あなたの質問では、肝心の情報がないため、適切なアドバイスをする ことができません。まずは、指導教員と話し合って、何が問題かをよく 詰めてください。その上で、誰かにアドバイスをもらった方がよいとい うことになれば、もっと詳細を私に教えてください。
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    Date: Wed, 18 Jan 2006 14:17:27 +0900
    Q2: Hです。ありがとうございます。
    まず、最初に私の言葉足らずな部分があり、申し訳ありませんでした。
    もちろん、指導教官とも研究室の先輩とも相談しました。しかし、納得いかない部分が あったので今回メールしたという次第です。
    基板にITOを用いた理由ですが、一つ目は可視光を吸収せず、電気抵抗が低いため、光的・電気 的な測定がしやすいから、というものです。二つ目は今まで別の電気化学堆積などの実験で使用 してきたから、というものです。一つ目の理由に関しては自分でも納得しています。二つ目の理 由に関しては、それでいいのか?もう少し深く考えた方がいいのではという気持ちがあります。
    ZnO形成反応についてですが、溶液中には亜鉛イオンの供給源(硫酸亜鉛)を溶かし、酸素の供給 源には溶存酸素が作用していると考えています。さらに亜硫酸ナトリウム、少量のチオ硫酸ナト リウムを溶液中に溶かします。この2つの薬品は溶液中で亜硫酸イオン及びチオ硫酸イオンにな り、この2つのイオンは紫外光を吸収し、別のイオンに変わりながら電子を放出するという物質 です。最終的なZnO形成反応としては、光エネルギーをhvとして
     2Zn2+ + 4e- + O2 + hv → 2ZnO
    もしくは
    O2 + hv →2O 
    Zn2+ + 2e- + O → ZnO
    というような反応が起きていると考えていますが、それが本当のことなのかどうかについては正 直な所まだ良く分っていません。さらに、基板上の成長についてですが、形成したZnOが基板上 に付着し、そのZnOに新たなZnOが付着しながら成長すると考えているのですが、そちらもまだ予 測の段階です。
    アニール処理については試みた事はあるのですが、まだ深く追求はしていないので今後色々な条 件で行いたいと思います。
    最後にですが、決して私は指導教官の力量を疑っているとかまったくそういうことはありません。
    ただ、今まで研究活動を行ってきて身内内の常識が世間では違うだとか、我々の実験をまったく 知らないの意見が非常に参考になったということがありました。そういった中で佐藤先生のホー ムページの存在を知り、どんな質問に対しても丁寧に回答されているので、もしかしたら自分の 視野を広げることにつながると思い、今回メールさせていただいたわけです。
    またご意見ありましたらお願いします。ありがとうございました。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 18 Jan 2006 15:26:20 +0900
    Q2':Hです。少し付け加えたい事がありまして、またメールさせていただきます。
    溶液に用いる薬品に亜硫酸ナトリウムとチオ硫酸ナトリウムを使用していると書きましたが、 これらの薬品の効果などについては、まだ未解明な部分が多いです。
    現段階では2つの薬品を併用する事で何かしらの膜成長反応が見られているという状況です。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 18 Jan 2006 20:14:56 +0900
    A2: H君、佐藤勝昭です。
     事情はわかりました。ITO基板は、この反応にあまり寄与していない ようですね。従って、ZnOとの相性のよい基板がよいでしょう。
    ただ、電気的測定などをすることからは、導電性のある基板が必要でしょうし、 光吸収の測定のためには、透明性が必要でしょう。
     良質かつ結晶配向性のよい薄膜と言うことから言えば、MgO、SrTiO3、 Al2O3(サファイア)などの単結晶基板を使った方がよいと思いますが、 値段も高いですし、付着するかどうかもわからない段階では、使えない ですね。透明性にこだわらないのであれば、シリコン基板に付けても良 いでしょう。
     まずは、結晶性などにこだわらず基板にZnOの多結晶が成長するかだ けを見るのであれば、ガラス基板などに堆積して見て、XRD, EDX, PLな どでZnOが付着しているかを確認することが大切でしょう。そして、光 化学反応の進みやすい波長を探したり、光強度を変えていったり、でき たものをアニールしたり、いろいろな工夫が必要でしょう。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 19 Jan 2006 18:48:45 +0900
    AA: Hです。指導教官とも話し合った結果、とりあえず今後はSi中心に 調べていこうという事になりました。ガラスについても検討してい きます。Al2O3等についてもいずれ調べてみる必要があるとは思う のですが、現時点ではSiに重点をおいて進めていこうと思います。
    佐藤先生のご意見非常に参考になりました。指導教官にも納得して もらえたようです。
    ありがとうございました。
    --------------------------------------------------------------------------------------
  • 726. ステンレス材SUS321溶接後の磁化


    Date: Wed, 18 Jan 2006 18:40:56 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生へ
    はじめまして。突然のメールでお許し下さい。
    私は某電機メーカK社に勤めているMです(匿名でお願いします)。
    佐藤先生のQ&AのHPを見て、いつも勉強させて頂いております。

    御質問なんですがステンレスの丸棒にネジ穴を開けて、ある寸法に 切断し、鉄板に溶接を行った所、磁石がステンレス材にくっつく現象が出ました。
    色々、文献を調べた所、ステンレス材を曲げたり、絞ったりの加工を加えると物性が 変化して磁化する事が有ると書かれていたのですが、今回の加工には その様な加工はしていないと思います。
    使用している材質はSUS304とSUS321ですが、SUS304で同じ作業をしても この様な事にはなりませんでした。
    もし、何かステンレス材が磁化する要因が有るのでしたら、教えて頂けませんでしょうか。
    宜しくお願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 19 Jan 2006 14:58:05 +0900
    A:K電機M様、佐藤勝昭です。
     私は、金属工学の専門家ではありませんので、おたずねの件について 自信をもってお答えできないのですが、一般論でお答えします。
     一般にステンレス鋼が磁化するのは、残留応力がある場合です。この 残留応力は、機械的な加工だけでなく溶接等による熱的な原因でも生じ ることがあります。そのあたりのことをお調べになってはいかがでしょ うか。牧井ステンレスのHPによれば、最も磁化しにくいのはSUS316だと いうことです。
    SUS304, SUS316, SUS321のNi,Cr組成比を見ると
    材料SUS304SUS316SUS321
    Ni8-1010-149-13
    Cr18-2016-1817-19
    とあり、SUS321のNi, Cr含有量は304より316に近く、これからは、なぜ 321が磁化を持ちやすいかわかりません。Tiを含有していることが何ら かの効果を持つのかも知れません。
     専門外のため、きちんとしたお答えにならず申しわけありません。
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    Date: Thu, 19 Jan 2006 15:24:05 +0900
    AA: 専門外のご質問にもかかわらず、早急な返答ありがとうございます。
    もう少し、物性の含有率と残留応力について調べてみます。
    お忙しいところ、お手数をおかけいたしまして申し訳ありませんでした。
    誠にありがとうございました。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 727. 「物性」とは


    Date: Thu, 19 Jan 2006 12:18:17 +0900
    Q:佐藤先生
    技術翻訳者のMと申します。生物学と有機化学が専門ですが、お恥ずかしいことに 「物性」という言葉の意味がよく分からず、検索していて先生のページに出会いまし た。この際、「物性」について意味と言葉の利用範囲を勉強してみたくなりました。
    仕事柄、専門用語に興味をもっております。
    よろしくお願い申し上げます.。

    「物性」という語を例えば岩波・理化学辞典(5版)で引いてもみつかりませんでし た。広辞苑には「物質の持っている性質」とあり、続けて「物性論」の英訳として 「chemical physics]とありました。ということは「物性」とは「物質の物理的並び に化学的性質」と理解してよろしいのでしょうか。「物性」とは本来どのような意味 で、どのような性質を対象にした概念でしょうか。また相当する英語は何が適当で しょうか。広辞苑の説明からphysico-chemical propertiesなどが頭に浮かびます が、正しい表現をお教えください。

    次ぎに「煙の物性」という言葉に出会いました。内容の説明はございませんでした。
    「煙の物性」とはどのような性質を指すのでしょうか。

    大変恐縮でございますが、ご教示宜しくお願い致します。
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    Date: Thu, 19 Jan 2006 15:36:43 +0900
    A: 三上様、佐藤勝昭です。
     拙著「応用物性」(オーム社)のはしがきに書いたことを引用してお きます。「はしがき  われわれは物性論とか物性学というふうに物性 という言葉をよく用いるが,「物性」は日本語特有の言い回しである.
    物性を文字どおりに英訳すれば  Material Properties(物質の性質) ということになるが,むしろ,Materials Science(材料科学)という ほうが意味をよく表している.しかし,東京大学物性研究所が訳語とし てInstitute for Solid State Physics(固体物理学研究所)を用いて いるように,今日では,物性といえば固体物理を指すことが多い.本書 の「応用物性」というタイトルは「固体物理学の応用」という意味であ ると理解していただきたい.」
     応用物理学関係者の間では、このような理解です。しかし、流体物性、 粉体物性、煙の物性など固体以外に使われることも多いようです。また、 光物性、磁気物性のように物質の光学的性質、磁気的性質のこと(ある いはこれらを研究する学問分野)をさすこともあります。
    おたずねの「煙の物性」ですが、煙の成り立ち(微粒子)を原子・分子 の立場から考察したり、煙の流れ方、広がり方を流体力学的立場から解 析したりする学問で、煙の物理的性質(physical properties of smoke) およびそれを研究する物理学分野(smoke physics)という意味です。
     従って、英訳の場合は、場合によって使い分けるべきではないでしょ うか。
    応用物性:applied solid state physics, applied materials science
    応用電子物性:applied physics of electronic materials
    流体物性:physical properties of fluid, fluid physics
    粉体物性:physics and chemistry of powdery materials
    煙の物性:physical properties of smoke, smoke physics
    光物性:optical properties of materials
    磁気物性:magnetic properties of materials
    電子物性:electronic properties of materials
    物性論:materials science, chemical physics
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 19 Jan 2006 20:10:05 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生
    お忙しい中、さっそくご教示いただきまして誠に有難うございます。
    お蔭様で、いろいろ例をあげてくださったので、「物性」の語義と概念およびその広 がりについて、イメージを描くことができました。今後は貴著をはじめ勉強し、さら に理解を深めたいと存じます。
    「物性」は日本語特有のいいまわしである、と申されました。ということは、「物性 学」は日本特有の概念を持った学問領域なのでしょうか。もしそうだとすれば、とて も素晴らしいことだと感じます。物性学の発展をお祈りいたします。
    三上洋一
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  • 728. 金属の種類とショットキー接合


    Date: Thu, 19 Jan 2006 12:34:36 +0900
    Q:佐藤勝昭 先生

     A高等専電子情報工学科5年のOと申します。
    公開時は申し訳ございませんが、匿名でよろしくお願い致します。
    半導体工学は、私の専門外なのですが(専門はネットワーク関連です。)、 以前より大変興味があり、先日、外部校の集中講義を受けてまいりました。
    そのときの疑問点が未だ解決できず困っている状況です。
     ショットキーダイオードの金属部分、つまり電極部分について ご教授いただきたくご連絡させていただきました。

    講義内で、半導体と金属のショットキーを形成する場合、 用いる金属材料(電極材料)は半導体、金属のそれぞれの
    仕事関数を考慮して、電極材料を選択しなくてはならない と聞きました。それにつきまして、半導体専門書で調べて みたのですが、私自身の専門知識がないため解明できない状況です。
    素人っぽくもうしますと、電極材料は金属であればなんでも
    いいのでは。。?と思ってしまいました。

    お忙しい中大変申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。
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    Date: Thu, 19 Jan 2006 16:30:11 +0900
    A: A高専O君、佐藤勝昭です。
     ショットキー接合については、佐藤勝昭編著「応用物性」(オーム社
    1991)の第2章(名古屋大竹田先生執筆部分)2.2節p.57をお読みくださ
    い。
    金属とn形半導体の接触を例にとります。金属と半導体の仕事関数をそ
    れぞれφm、φsとします。添付図(a)に、接触する前の金属と半導体の
    エネルギー帯構造を示します。φmとφsの大小によって接触後のエネル
    ギー帯構造が異なり、これが、整流性の有無につながります。
    (1)φm>φsの場合 接触前は図(a)のように半導体のフェルミ準位の報
    が金属のそれより高いため、接触によって半導体の電子が金属に流れ込
    み、フェルミ準位が一致します。その結果、図(b)のように半導体内部
    のエネルギー準位はφm-φsだけ下がり、系全体が平衡状態になります。
    半導体の中で金属に面した界面付近では、電子が金属に流れ出したため、
    +にイオン化したドナーが空間電荷として残り、電位の障壁ができます。
    これをショットキー障壁と言います。半導体側から見た障壁高さeVdは
    φm-φsに等しいけれど、金属側から見た障壁高さはφm-χsで表されま
    す。(ここにχsは電子親和力)この場合には、金属側と半導体側の障壁
    高さが異なるので整流性が生じます。
    (2)φm<φsの場合 接触前の半導体のフェルミ準位の方が金属のそれよ
    り低いため、接触によって、金属から半導体に電子が流れ込み、フェル
    ミ準位が一致します。この場合、図(c)のように半導体内部のエネルギ
    ー準位がφs-φmだけ上がり、半導体側に空間電荷は生じないので、整
    流性は生じません。つまり、オーム性接触となるのです。

    半絶縁性シリコンの仕事関数φsは4.4eV, アルミニウムAlの仕事関数
    φm=4.2eV、白金Ptの仕事関数φm=6.35。従って、Alではオーム性ですが、
    Ptでは整流性となります。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 13:54:34 +0900
    AA2;佐藤勝昭 先生

    お返事大変遅くなりまして申し訳ございません。
    先日はどうもありがとうございました。
    A高専電子情報工学科5年のOと申します。
    ショットキーダイオードについての疑問点を解決することができました。
    今後も勉学に励みますので、何かありましたらよろしくお願いします。
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  • 729. P形半導体のショットキーダイオード


    Date: Fri, 20 Jan 2006 00:49:35 +0900 (JST)
    Q:佐藤勝昭 先生
    H社のOと申します。申し訳ありませんが、公開時は会社名および名前は伏せていただきたく存じます。
    HPを拝見させてもらい、メールをさせていただきました。
    質問ですが、ショットキー接合ダイオードに関していろいろな参考書などを見ますと、 多くの場合n型半導体と金属の接合が取り上げられておりますが、これはn型のものが 主流であるからでしょうか?
    もしそうならばn型のほうが主流である理由はなんでしょうか?
    p型半導体では障壁ハイトが大きな金属の組み合わせが、n型のものより乏しいことや、 電子とホールの移動度の違い(電子>ホール)によるものが原因かと考えましたが、 専門知識がまだ浅い(化学科出身のため)ので、はっきりとした原因がわかりません。
    何か情報をいただけたら幸です。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 20 Jan 2006 13:15:31 +0900
    A1: O様、佐藤勝昭です。
     
    「なんでもQ&A」No.728の図において、 p形に対するショットキーは図(c)において、半導体の価電子帯の頂がフェルミ準位に近いような場 合になります。この場合、n形でオーム性接触だった金属のほとんどはショットキー接合を作る ことになります。教科書の例示は、考えやすいものについて示しているだけのことです。
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    Date: Fri, 20 Jan 2006 21:58:53 +0900 (JST)
    Q2: 佐藤勝昭 先生
     Oです。ご返答ありがとうございました。
     では、p形とn形のショットキーダイオードにおいてどちらが特性のよいショットキーダイオードを 作りやすいでしょうか?整流回路として用いる際にはどちらの方が適しているのでしょうか?p形の ものとn形のもののそれぞれの利点て有るのでしょうか?
     個人的には、電子の移動度のほうがホールよりも良いことや、調べた限りではバリアハイトが 大きい組み合わせはn形の方が作りやすい(実際は違うかもしれませんが・・・)ような印象が あるので、n形のショットキーダイオードを用いる方が良いのかと思いますが、何か情報を いただけたら幸です。
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    Date: Mon, 23 Jan 2006 00:45:10 +0900
    A2: O様、佐藤勝昭です。
     p形シリコンとAuとの接触はショットキー接合を作ることは有名です。
    ヒューレットパッカード社のWeb によれば、p形ダイオードは、n形と違ってバイアスを必要としないので、RF/IDシステムの高周波受信 素子として好都合だと書いてあります。
    また、メリーランド大学電子工学・応用物理研究所のHP によれば、p形の方がn形より高周波特性が悪いようです。(ホールの移動度のほうが電子の移動度よりも高いことによります。)
     申しわけありませんが、これ以上のことはわかりません。なにかの手がかりになれば幸いです。
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    Date: Mon, 23 Jan 2006 23:38:34 +0900 (JST)
    AA: 佐藤勝昭 先生
    こんばんは、Oです。
    ご連絡ありがとうございます。親切丁寧な対応をしてくださりいろいろ重要な情報を得ることができました。
    いろいろ参考にさせていただきます。ありがとうございました。
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  • 730. 屈折率から干渉縞を求めるには


    Date: Fri, 20 Jan 2006 16:52:32 +0900
    Q: こんにちは、N大学生産システム工学科4年 W(公開時匿名希望)
    と申します。
    以前にもこちらにてお世話になったのですが、研究を進める過程で再度不明な点が出 てきましたので質問させて頂きたいと思います。

    分光光度計による干渉縞の測定結果から膜の屈折率nを求める方法は分かっているの ですが、その逆・つまり、屈折率nを既知として干渉縞を表す曲線を算出することは 可能なのでしょうか?もし、存在するのであれば作成した薄膜と理想的な薄膜との比 較が目に見える形となるので、大変役立つものとなるのですが。
    また、膜厚がある程度厚くなると干渉縞が現れにくくなったのですが、これについて 「光路長が波長と同じオーダーである」という干渉が起こる条件によるものだと推測 しています。ここで初歩的な質問で申し訳ないのですが、なぜ「同じオーダー」でな ければならないのでしょうか?よろしければお教え頂けないでしょうか。

    参考程度に申し上げますと、ZnO薄膜(MSP法)を作成し、紫外・可視分光光度計を用い て測定しています。
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    Date: Sat, 21 Jan 2006 07:14:19 +0900
    A: W君、佐藤勝昭です。
     卒業研究ですか?それなら基本的には、指導教員に教わってください。
    光学薄膜の干渉縞を出す式は、どのような光学の教科書にも出ています。
     今日・明日は、大学入試センター試験のため、ゆっくり回答している 時間がありませんので後ほど詳細をお答えします。基本的には、
    なんでもQ&ANo.108番の質問と同じですので、そちらを参照してください。

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    Date: Mon, 23 Jan 2006 10:07:19 +0900
    AA1: 遅ればせながら、只今メールを確認させていただきました。
    お忙しい中のご返答、誠にありがとうございました。
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    Date: Tue, 24 Jan 2006 01:46:26 +0900
    A2: 先日は、センターテストの運営のため、時間が無く急いでいて、十分な答えをせ ずゴメンなさい。
     なんでもQ&Aの108によれば、振幅反射率rは、
      r=Er/E0={r0+r1exp(i2φ)}/{1+r1r0exp(i2φ)} ここにφ=2π(n+ik)d/λは薄膜の中をdだけ光が進むときの位相の変化です。
    ここにr0, r1はそれぞれ、空気と薄膜、薄膜と基板の界面での振幅反射率です。
      r0=(1-n-ik)/(1+n+ik),
      r1=(n+ik-ns)/(n+ik+ns)
    もし、吸収が無くk=0であれば、
      r0=(1-n)/(1+n),
      r1=(n-ns)/(n+ns)
    一例として、石英ガラス基板(ns=1.46 at 550nm)にZnO(n=2.1 at 550nm)を膜厚dだ け積んだ場合を考えます。
      r0=-0.46/1.46=0.315
      r1=(2.1-1.46)/(2.1+1.46)=0.64/3.56=0.179
    振幅反射率rがわかると、振幅透過率tは、
      t=1-r=1{r0+r1exp(i2φ)}/{1+r1r0exp(i2φ)}
      φ=2πnd/λ
    従って、
      t=1-{0.315+0.179exp(i8.4πd/λ)}/{1+0.0564exp(i8.4πd/λ)}
    光強度の透過率Tは
      T=|t|2
    この手続きは、エクセルでも計算できます。(ただし、分析ツールにチェックして ください)なんでもQ&AのNo.109参照。

    また、膜厚がある程度厚くなると干渉縞が現れにくくなるのは、上式の  exp(i8.4πd/λ) の振動周期が短くなり干渉縞が見えにくくなるのです。
    また、あまりにも膜厚dが薄いときは、干渉縞の周期が長くなって見えにくくなり ます。dが波長に近いときに干渉縞がよく見えるのです。
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    Date: Tue, 24 Jan 2006 13:10:04 +0900
    AA2:詳しい解説をして頂き、ありがとうございました。
    早速試してみたいと思います。
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  • 731. In2O3の誘電率


    Date: Mon, 23 Jan 2006 12:00:35 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生へ
    はじめまして、K大学工学部4回生Kと申します。
    (恐縮ですが、HP上では匿名でお願い致します)
    物性なんでもQ&Aのサイトを拝見し、メールさせて頂きました。

    現在、In2O3の誘電率を、文献、ネット上などで調べているのですが、なかなかみつかりません。
    よい文献等ございましたら、お教えいただけないでしょうか。
    よろしくお願い致します。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 23 Jan 2006 13:23:03 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     LTSという化学薬品の会社のHPによれば、In2O3の屈折率nは1.88となっています。
    In2O3の誘電率にイオン分極による寄与がなく、電子分極のみに由来するとしますと、 ε=n2と近似できますから、ほぼ3.5ではないかと存じます。
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    Date: Mon, 23 Jan 2006 14:56:58 +0900
    AA: K大学のKです。
    佐藤先生、お忙しい中、迅速かつ丁寧なご返答ありがとうございます。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 732. 電磁シールドにゴムは使えるか


    Date: Mon, 23 Jan 2006 14:36:08 +0900
    Q: 佐藤勝昭 先生へ
    はじめまして、突然のメールお許し下さい、佐藤先生のHPを拝見させて頂き、 大変難解な質問にも、明快なお答えを、出され、感動いたしました。
    私は、自営業の立岡と申します。個人的に、EMC(生体波)の遮蔽研究を行っております。
    素朴な疑問なのですが、通常、直流磁界には、何の意味もない、ゴム部材ですが、 交流電磁波は、電界→磁界と交互に発生致しますが、例えば、(1M幅、3000MHZ) の交流電磁波を遮蔽したい場合、不導体のゴム材(1.1Mの厚さの物)で発生源を囲った場合、 透過現象まで、達成できますでしようか?
      電磁波も電気の性質を兼ね備えておりますので、可能かと考えて見ました。佐藤先生、 ご多忙の中、大変申し訳御座いません、宜しければお答え頂ければ、幸いで御座います。
                                        机下
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    Date: Mon, 23 Jan 2006 17:49:49 +0900
    A: 立岡様、佐藤勝昭です。
     「1m幅3000MHzの交流電磁波」、「透過現象まで達成できますでしようか」という ご質問の意味がよくわからないのですが、
     要するに、「幅1mの隙間から出てくる3GHzの電磁波を1m10cmものぶ厚 さのゴムで覆ったら遮蔽できるか?」というご質問ではないかと存じます。
    結論は「誘電損失の少ないゴムであれば不可能であるが、クロロプレンゴムのように 誘電損失の大きいゴムなら可能」です。
     
    昭和電線のHP によれば、
    EPゴムの比誘電率εは4〜5、誘電正接tanδは1〜2%ですから、それぞれε=5, tanδ=2%とし て、複素比誘電率ε*はε*=5-0.1j(jは虚数単位)と書くことができます。
    これから、伝搬定数βを求めると、
    β=(ω/c)(ε*)^(1/2)=(2πf/c)(ε*)^(1/2)
      =(2π3×10^9/3×10^8)(3.162-0.022j)=(66.2-0.46j)[m^-1]
    となります。
     このゴムに入射する電磁波の電圧Ei、ゴムから出射電磁波の電圧Eo、 ゴムの厚さx=1.1[m]とすると、電圧の振幅透過率は、
     T=|Eo|/|Ei|=|exp(-jβx)|=|exp(-j66.2x)exp(-0.46x)|
     =exp(-0.506)=0.312
    となり、約4.dBの減衰ということになります。
    一方、クロロプレンゴムだと、比誘電率7-10, 誘電正接15%以下という ことなので、ε*=10-1.5jとすると、
     β=(2π3×10^9/3×10^8)(10-1.5j)^1/2=62.8(3.17-0.24j)
    =199.1-15.1j
    T=exp(-15.1×1.1)=exp(-16.61)=6.11×10^-8
    となり、134dBの減衰となります。
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    Date: Mon, 23 Jan 2006 19:12:32 +0900 Q2:佐藤勝昭先生、
    早々ご返答頂きまして、感謝に耐えません、有難う御座いました。
    自分の文章能力が欠けており、誤った御質問をしてしまい、 申し訳御座いません、反省しております。
    私は、個人的に、電波暗室を作成しておりまして、フェライトタイルや、 ウレタン、パーマロイ、等の部材を使い、遮蔽を試しましたが、如何しても 電暗室内部に交流磁界が入り込み、☆電波の2次発起現象が起きてしまい、 頭を悩まされておりました、特に3000MHZ帯の交流磁界波(電磁波) この度、尊敬致します、佐藤勝昭先生から、誘電損失式を頂きまして、 心強く感じております。
    製作に当たりまして、少々、心配ごとなのですが、
    クロロプレーン、ゴムの様な導電損失の大きいゴム部材で、(1Mの厚さ) 電波暗室を囲えば、空中放電率(200W)にて、 3000MHZの周波数は遮蔽で出来ますでしょうか?
    繰り返し、申し訳御座いません、お答え頂けましたら、幸いで御座います。
                                   机下
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 23 Jan 2006 20:50:26 +0900
    A2: 立岡様、佐藤勝昭です。
     前回お答えしたクロロプレンゴムの誘電損失は、どの周波数で測定し たものかわかりませんが、たぶんギガヘルツ帯ではもっと損失が増加す ると思いますので、少なくとも1mもの厚さがあれば、測定不可能なくら い減衰するのではないでしょうか。クロロプレンゴムにカーボンや研削 スラッジを加えた複合材料を使えば、もっと薄いゴムでも十分に遮蔽で きるのではないかと思います。
     実際、インターネットで調べたところ、「ギガヘルツ対応モバイル通 信機器用材料」(住ベ・筒中テクノの調査研究レポート;2004.10発行、 \99,750)という高い書物の「第6章 高周波電磁波シールド・吸収材料」 に、「研削スラッジ/クロロプレンゴム複合材料を用いた電波吸収体」 という項があるようです。私は持っておりませんが、東工大のような大 きな大学の図書館、国会図書館などに行けば閲覧できるのではないかと 思います。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 23 Jan 2006 22:08:19 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生
    大変、ご多忙の中、この度は、御質問に対し、懇切丁寧に、御助言、ご返答、を頂まして、 感謝の気持ちで一杯で御座います。有難う御座いました。
    半ば、諦め掛けておりました、電磁波遮蔽に活路が見出されたようでございます。
    僭越では御座いますが、尊敬いたします、佐藤勝昭先生の第11回の洋画個展の際は、 是非とも、襟を正して、お祝いに駆けつけたいと、考えております。
    有難う御座いました。
                                   机下
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  • 733. シェラーの式について


    Date: Mon, 23 Jan 2006 17:41:28 +0900
    Q: 奈良先端大、物質創成科学研究科M1の高橋です。
    X線構造解析について質問があります。僕の研究はナノ粒子を作製して発光特性を調 べる研究をしています。
    最近、X線構造解析を行いました。解析結果からシェラーの式を用いて粒子の大きさ をもとめようと思うのですが、いまいち計算方法が理解できません。お手数ですが、 X線構造解析の概要など教えていただきたいです。
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    Date: Tue, 24 Jan 2006 14:01:28 +0900
    AA: 奈良先端大高橋君、佐藤勝昭です。
     シェラーの式については、名古屋工業大学の井田先生の
    「機能解析特論」の講義録の中の「6 微小な結晶からの回折」にある 解説pdfがわかりやすいです。ぜひご参照ください。
    それでわからないときには、再度ご質問ください。
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    734. PZTのエッチャント


    Date: Wed, 25 Jan 2006 09:20:38 +0900
    Q:東京農工大 佐藤様
    突然のメールで失礼します.
    M電機のAと申します.
    ネットでQ&Aコーナーを知り,ご連絡をいたしました.
    【質問】
     PZTのウェットエッチング用のエッチャントを探しています.
    SiO2基板の上に,Pt(電極)・PZTの構成です.ここで,PZTをパターニングする際に 簡易的な方法としてウェットエッチングを予定しています.(RIEは使用しない.)
     PZTとPtで,選択性を持たせたいと考えています.(PZTだけ反応)
    ・今までに検討した薬液
      バッファードフッ酸(PZT,Pt反応)
      塩酸(PZT,Pt無反応)
      硝酸(PZT,Pt無反応)
      硝酸第二セシウムアンモニウム(PZT,Pt無反応)
    また,PZT(酸化物)の1次イオン化エネルギーは,Pb,Zr,Tiの1次イオン化エネルギーを 超えないのでしょうか? PZTのイオン化エネルギーはどれくらいなんでしょうか?(算出方法など)
    お忙しいと思いますが,宜しくお願いします.
    Webにアップする場合は,匿名でお願いします.
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 25 Jan 2006 15:34:11 +0900
    A: A様、佐藤勝昭です。
     たぶん既にご存じでしょうが、PZTの清浄化エッチングについては、
    http://scholar.lib.vt.edu/theses/available/etd-092099-110827/unrestricted/chapter3.PDF
    に詳しく出ています。
    これは、
    June Key Lee, Youngsoo Park, Ilsub Chung, Sang Jeong Oh, Dong Jin Jung, Yoon Jong Song, Bon Jae Koo, Sung Yung Lee, Kinam Kim, and Seshu B. Desu: Improvement in the electrical properties in Pt/Pb(Zr0.52Ti0.48)O3/Pt ferroelectric capacitors using a wet cleaning method: Journal of Applied Physics Volume 86, Issue 11, pp. 5927-6612と同じ内容です。
    それによれば、
    「湿式の清浄化の実験において、様々な溶液の混合物において最適な溶 液組成を決める実験を行った。はじめに、酸化チタン、酸化ジルコン、 酸化鉛などのPZTの成分に対する適切なエッチャントを決定した。PZTの エッチング速度は適切な溶媒を用いてエッチング液の濃度を変えること で調整できる。調査した溶液のうち、エタノール(EtOH), 酢酸(CH3COOH, AcOH),BOE (バッファードフッ酸, 6.6% HF) の体積比14.0/1.5/0.5の 溶液が清浄化には最も優れた特性を示した」とあります。

    これは、あくまで清浄化のためのエッチャントですから、そのままでは マイクロメータオーダの膜の加工には使えないでしょうが、これを参考 に探すしかないのではないでしょうか。

    なお、PZTのような化合物をイオン化するには、かなり高いエネルギー が必要と思われます。湿式エッチングの問題をイオン化の概念で扱う ことはできないでしょう。
    ----------------------------------------------------------------------------
  • 735. 光弾性定数の単位


    Date: Wed, 25 Jan 2006 14:12:37 +0900
    Q: 佐藤先生
    小生はT社に勤めるYというものです。私大の理工学部を卒業し入社して約20年となります。
    このたび、WEB上で先生のHPにたどり着き学問の深さと教育に対する厳しさと
    若年者に対する配慮さに感銘と怖れの混じり合った気持ちを抱いております。
    WEB上公開の際は恐れ入りますが匿名にてお願いいたします。

    質問は2件有ります。
    (1)当方で、鉛ガラスの歪みを測定しており、光弾性定数の大きさと単位につきご教示下さい。
    小生の知識では
    光路差(nm)=歪み応力(kgf/cm^2)×2.9×厚み(cm)
    という式を用い、光路差測定によって鉛ガラスの歪みの大きさを測定しております。
    2.9の出所ははっきりしませんが、いくつかの教科書等で書かれた数字かと思います。

    質問は、物理的特性ではなく単位の問題なので、はなはだ恐縮に思いますが、
    小生の解釈では、鉛ガラスの光弾性定数は、2.9(cm・nm/kgf)になると思うのですが、
    '99年度版ガラス工学ハンドブックでは、光弾性定数の単位が((nm/cm)/(kg/cm))---これは一見して疑問有り
    某ガラスメーカーの技術資料には、光弾性定数の単位が((nm/cm)/(kg/cm^2))
    同僚の持っている教科書には、「kg/mm^2の応力」という記述が有ります。
    (すいません、今現在彼と連絡が取れず、題名、著者等確認できません)
    社内的には通例kgf(kg重)で話すことが有り、文書に書く場合は9.8倍してNの単位 に置き換えますが、その点は、ここでは容赦していただきたく思います。
    応力は単位面積あたりの力だと思いますので、光弾性定数の単位はcm・nm/kgfで、そ の場合に鉛ガラスの値が2.9だと考えていますが、間違えていますでしょうか?

    (2)当方の製品の温度低減対策として工業用アルミ部材の使用を検討しております。
    伝熱工学については少し自分でも勉強したつもりなのですが、熱放射につき質問があります。
    従来、PBTなどで作っていた樹脂容器をアルミ容器に変更し、温度の高い部品の熱をシリコーン等で アルミ板に伝導拡散させ外気に逃がそうとしております。この場合、容器厚みは1mm程度と薄いので 熱貫通率差は小さいと見なし、外表面からの対流と熱放射の放熱を念頭に置いております。
    アルミは熱放射率が低いので、表面を酸化させアルマイト処理すると熱放射率が上がると 読んだ覚えが有りますが、酸化膜の厚みはどの程度必要となるのでしょうか?実際のアルミ板の 温度は100℃前後なので、プランクの式から、放射される赤外線の波長は概ね5〜20μmだと 考えています。酸化膜の厚みと放射される(あるいは放射できない)波長の関係につきご教示下さい。
    また酸化処理を施すより、塗装した方が放射率は上がるでしょうか?この場合も塗装厚みと 放射される赤外線の波長に関係が有ると考えるのでしょうか?

    以上、不躾で程度の低い質問かも知れませんが、宜しくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 25 Jan 2006 16:05:56 +0900
    A:Y様、佐藤勝昭です。
    (1) 光弾性の単位は、[圧力]^-1=[長さm]^2 /[力kgf]
    ですが、実用的に、[cm^2/kgf] とか、[nm・cm/kgf]などが使われています。
    石英ガラスは、3.4×10^-7[cm^2/kgf]=3.4[nm・cm/kgf]ですが、鉛ガラスは光弾性が小さく 4.5×10^-10[cm^2/kg]=4.5×10^-3[nm・cm/kgf]まで小さなものが得られると書かれています。
    [K.Kurosawa et al.:J.Lightwave Tech.13 (1995) 1378]
    お手持ちの鉛ガラスが2.9[nm・cm/kgf]だとしたら、大きすぎるような気がするのですが。

    (2) 「なんでもQ&A」475.YIGの放射率の項に書きましたが、放射率は物質定数ではなく、 技術者の用いるほとんどの物性と違って同じ物質でも、温度、表面のテクスチャー、材料の履歴 などに依存して大きく変化する量なのです。
    その結果、同じクラスやタイプの材料ですら、放射率と他の物性値との相関はほとんどありません。 一般的にいえることは、金属の放射率は金属の酸化物すなわちセラミクスより低いこと、金属の 放射率は温度とともに上昇するが、セラミクスの場合は逆の温度変化を示すという程度です。
     アルマイト処理による熱放射率の増大という事例について、厚みとの関係、波長範囲など詳細 については、実際のモノに即して、表面のポロシティなども考えないといけないと思います。
    一般論ではお答えできることではないと思います。
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    Date: Wed, 25 Jan 2006 18:41:31 +0900
    AA: 佐藤先生
    大変ありがとうございました。今後もHPを拝見させていただき、
    またご指導も賜りたく宜しくお願いします。
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  • 736. 溶接影響部の靱性


    Date: Thu, 26 Jan 2006 22:42:37 +0900
    Q: HP(物性Q&A)拝見いたしました。
    現在、某自動車メーカーで溶接に携わる業務を行っておりますMと申します。
    一般に、熱影響部は結晶粒が粗大化し、著しく靭性が低下する(脆化する)と言われています。
    また、材料学ではHall-Petch則によると、結晶粒が小さいほど強度(硬さ)が増加します。
    私には、「高硬度=低靭性」というイメージがあります。
     しかし、熱影響部に関しては「粗大化(軟化)しているにもかかわらず、靭性も低下する」 ということなので、全く矛盾しているような気がします。
     どのように考えれば、上手く話がつながるのでしょうか??
    Webにアップされる場合は匿名(H社Mさん)でお願いいたします。
    ご多忙とは存じますが、よろしくお願いいたします。
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    Date: Thu, 26 Jan 2006 23:57:24 +0900
    A: M様、佐藤勝昭です。
     私は、金属工学の専門家でないので間違っているかも知れませんが、結晶とい う観点からお応えします。
     あなたが「高硬度=低靱性」とイメージしておられるのは「物質固有の性質」 のことです。やわらかい金属は金属結合を通して延性、展性に富むため、応力に よって亀裂が広がることがなく、大きな靱性をもつのです。これに対してダイヤ モンドのような共有結合性の高い硬い物質は、応力により転位が生じ、破壊しや すいのです。
     一方、結晶粒の大きさと靱性の関係は、これとは別の概念です。加熱により結 晶粒が大きくなれば、単結晶に近くなり劈開(転位を介したスリップによる破 壊)に結びつきやすいので低靱性であるが、小さな粒子の集合体では、劈開しに くいため、高靱性なのではないでしょうか。
    ------------------------------------------------------------------------------------
  • 737. HoFeO3の相転移温度


    Date: Fri, 27 Jan 2006 07:56:45 +0900
    Q:佐藤先生はじめまして。K大学、物質工学科、4年のOと申します。現在、頭 を抱えている内容について調べているさいに佐藤先生のホームページを拝見させてい ただきお忙しい中、失礼かと思いましたがメールさせていただきました。もしWEBに 掲載されるさいには匿名でお願いします。
     私はペロブスカイト構造のHoFeO3の相転移温度(キューリー点やネール温度)を調べ ていたのですが、わからずに行きづまってしまいました。ご存知でしたら教えていた だけないでしょうか?お忙しいところ申し訳ありません。要件のみで失礼と思います が、どうかお返事よろしくお願いします。
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    Date: Fri, 27 Jan 2006 11:55:40 +0900
    A: O君、佐藤勝昭です。
     希土類オルソフェライトの磁気転移温度については、ずっと以前に研究がされています。 1960年に中性子散乱による研究があります。
    W.C.Koehler et al.: Phys. Rev. Vol.118 No.1 (1960) 58-70.
    これによると、2つの磁気転移温度があり、700Kと6.5Kとなっています。
    1967年にメスバウア効果による研究があります。
    M. Eibschuetz et al.: Phys. Rev. Vol.156 No.2 (1967) 562-577.
    これによると、Fe-Feの秩序によるネール温度は639K、これ以下で磁気 構造は本質的に反強磁性であるが8.2mradのスピンのcantingによる弱い 強磁性(Weak ferromagnetism)が生じています。

    最近の研究はフォローしていないのでわかりません。
    応用物理46 No.10 (1976)に
    対馬国郎:磁性体のスピン再配列とその応用
    という解説がありますので、それも参考にしてください。
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    Date: Sat, 28 Jan 2006 04:07:29 +0900
    Q2: 佐藤先生、K大学のOです。丁寧かつ迅速なお返事本当にありがとうございました。
    早速、明日からご紹介いただいた論文や書籍を探し、調べてこれからにつなげてゆきたいと思います。
    もう一つ、質問させていただいてもよろしいでしょうか?
    同物質(HoFeO3)の誘電率の転移温度についてなのですがこちらも見つけることが出来ませんでした。
    こちらも1960年代頃に研究されていたということなのでしょうか?
    もしこちらも、記載されている文献等をご存知であれば教えていただけないでしょうか?
    お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
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    Date: Sat, 28 Jan 2006 11:10:28 +0900
    A2: O君、佐藤勝昭です。
    BiFeO3-PZTシステムやRMnO3が強誘電性と強磁性を併せ持つという話は知っていたの ですが、HoFeO3が強誘電性を示すことは知りませんでした。
    手元にデータがありません。
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    Date: Sat, 28 Jan 2006 11:47:25 +0900
    AA: 佐藤先生、K大学のOです。丁寧にご対応頂き本当にありがとうございました。
    RMnO3が強誘電性と強磁性を併せ持つ物性を示すということでRFeO3も示すのでは? と思い調べてみたいと考えご質問させていただいたしだいで、まだ私の勉強量も足ら ず実際に示すのかどうかわかりません。
    RFeO3の誘電性を示すという論文も私が調べた限りでは発見できませんでしたので、 私が調べてもわからなかった磁気転移温度を教えていただいた佐藤先生ならもしかし てご存知かと思い、失礼かと思いながらもご質問させていただきました。
    このような私のぶしつけで失礼なメールに関しても丁寧にご回答頂き、本当にありが とうございました。
    下記の佐藤先生のホームページの磁気光学入門などを拝見させていただきながら勉強 していきたいと思います。
    このたびの質問とは全く関係ないのですがホームページの佐藤先生のギャラリーも拝 見させていただきました。
    私も絵が好きで自分で描いたりもしております。私が非常に好きなタッチの絵でした ので勝手ながらパワーポイントファイルをダウンロードし保存させていただきました。
    佐藤先生の絵の1ファンとしてですが、これからも絵をぜひ描き続けてくだいさい。
    お忙しいとは思いますが絵を描いた際にはギャラリーにアップしていただければうれ しいです。
    いろいろとこのたびは、ご紹介頂きお忙しい中、本当にありがとうございました。
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  • 738. BaTiO3多結晶の比誘電率


    Q: 初めまして、Y大学4年のTと申します。
    HPいつも拝見させていただいております。物性なんでもQ&Aを見て質問がありまして メールしました。
    私は強誘電体BaTiO3(BT)とリラクサー強誘電体Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)、 Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)を作製し、 比誘電率の周波数依存性を測定しているのですが、どの物質もどうも比誘電率が 大きな値になりません。周波数1KHz、電圧1VかけてBTでキュリー温度Tcで750くらい、 PMNで450、PMN-0.2PTで1500の値しか示しません。これは低すぎると思うのですが、 一般的に多結晶の場合、比誘電率はBT、PMN、PMN-PTはどのくらいの値になるのでしょうか?
    文献等にのっているのは単結晶ばかりで比較が難しい状態です。また、大きな比誘電率 を得られない原因として、試料の密度やパイロクロア相とよばれる不純物がX線に 見られるからだと考えているのですが、これは正しいのでしょうか?もっと重要な所 を見落としているのでしょうか?
    いきなりのメールで長々と申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。
    (お答えできない場合の(2)に該当しているのですが、私の研究室では今年から誘電 体を始めたのでデータもなく、先生も誘電体は専門ではないので、質問させていただ きました。)
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    Date: Fri, 27 Jan 2006 19:52:09 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     セラミクスであっても、比誘電率は1000以上の値をとるはずです。強誘電相における比誘電率は、 分域の境界(domain wall)の移動により決まります。多結晶体を構成している結晶粒が均一でないと、 分域がそこで引っかかって動かないということがあるのではないかと存じます。
     Dyなど添加物によって粒成長を抑えることで、高い比誘電率と耐圧を得るための試みが報告されています。
    http://www.scielo.br/pdf/ce/v51n319/26794.pdf
    をご参照ください。
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    Date: Fri, 27 Jan 2006 20:47:59 +0900
    AA: Y大学4年のTです。
    お忙しい中早速返事をいただきましてありがとうございます。
    やはりかなり比誘電率が低いと言うことがわかりました。教えていただいた事を早速 試してみようと思います。また、なにかありましたらよろしくお願いします。
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  • 739. 溶解度ギャップと臨界温度


    Q: 佐藤 勝昭 様
    はじめまして。いつもHPを楽しみに拝見しております。お忙しい中失礼いたします。
    K大学理工学研究科M1のKと申します。匿名でお願いいたします。
    混晶半導体、例えばGaAs/AlAsの組成不均一の原因の一つにmiscibility gapがあり、 その相分離の臨界温度を求めようと思っています。臨界温度の求め方についていくつか方法は あると思うのですが、デルタラティスパラメータモデル(DLP)を用いた臨界温度の求め方を いろいろな本を調べても見つかりません。教えていただけたら幸いです。どうかよろしくお願いいたします。
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    Date: Sat, 28 Jan 2006 22:33:47 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     私は固溶体における溶解度ギャップのことは研究したことがありません。デルタ ラティスパラメータモデルは、Stringfellow教授によって開発されたモデルで、原 著に戻って、きちんと勉強されることをお奨めします。
    G. B. Stringfellow: Calculation of ternary and quaternary III-V phase diagrams; Journal of Crystal Growth 27, 21 (1974).
    なお、混晶の溶解度ギャップは、東大(もとNEC基礎研)の尾鍋先生が専門です。
    K. Onabe: Jpn. J. Appl. Phys. 21, L323 (1982).
    K. Onabe: NEC Res. & Develop. 72, 1 (1984).
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  • 740. 誘電泳動現象


    Date: Mon, 30 Jan 2006 12:41:07 +0900
    Q: 東京工業大学修士2年の伊藤と申します。
    先生のページは様々な物性値を調べる仮定で発見し、Q&Aのタイトルや関連質問の回答などは全て読まさせていただきました。
    私は大学で精密機械系の専攻に所属しながら、誘電泳動現象を用いた液中の微粒子操作の研究をしています。

    尚、誘電泳動現象については、
    他大ですが分かりやすいページがあったので紹介しておきます。
    紹介したページの下部にあるように誘電泳動力の理論式には、微粒子や溶液の導電率・誘電率が関係してきます。

    研究するに当たって、粒子の挙動を予測する用途としては,それらの物質の導電率や 誘電率のオーダさえ合っていればそれほど問題が無かったのですが、論文を書く上では あまりいい加減なデータを使うわけにいかなかったので、しばらくの間、物質の導電率や誘電率を調べていました。

    そこで、以下の物質の値が、(紹介したページの式におけるσやεに入れる値として)妥当かどうかを先生に見て頂きたいと思ってメールします。

    ・「水の比誘電率」
    理科年表にある近似式では温度(℃)をtとして、
    88.15-0.141t+0.131*10^{-2}t^2-0.046*10^{-4}t^3
    とあるので、20℃のときの値を計算すると85.8となりますが
    水の誘電率を紹介しているサイトなどでは概ね80前後の値が採用されているので自信がありません。
    ちなみに水の純度が悪くなればなるほど誘電率が下がるという記述もどこかで見たのですが、今回の研究では純水〜飽和食塩水まで大きく純度が変わるので、それに対する判断も頂けるとありがたいです。

    ・「ポリスチレンの導電率・比誘電率」
    実験で用いたポリスチレンビーズは結晶とアモルファスの混合比などの詳細が分からないため、誘電率や導電率はそれぞれの製品を直接測定する方法しか無いのは分かっているのですが、研究段階では目安として導電率1e-4(S/m)、比誘電率2.6 を採用していました。
    (http://www.mogami-wire.co.jp/paper/physical-constants.html←ここを見て目安を決めました)
    先生が過去に紹介されていたhttp://www.sdplastics.com/などではポリエチレンの物性は出ているものの、ポリスチレンは無かったので判断出来ませんでした。
    妥当かどうかの判断をお願いします。

    ・「活性炭素粒子(グラファイト)の導電率・比誘電率」
    グラファイトの導電率は、紹介されているところによって大きく値が異なっていたのですが、(2e4〜10e4 S/m)、素材メーカの(株)ニラコが出している物性データより7.2e4(S/m)を採用しました。http://www.espimetals.com/metals/graphite.pdfでも高純度なもののはほぼ同じ値でした。
    炭素の誘電率が一番の問題で、Drudeの式で求められるなどの記述も見ましたが、今の自分では手におえないと判断し、式中の(周波数による補正前の)εに入れる上での妥当な値がどのくらいなのか?ということを伺いたいを思っています。
    また、http://www.astro.spbu.ru/JPDOC/2-carbon.html のページも見たのですが、畑違いの分野なために見方が良く分かりませんでした。
    よろしくお願いします。

    ・「ゲルマニウムの比誘電率」
    純ゲルマニウム粉末の比誘電率の値も必要になったのですが(導電率は購入したニラコ社のデータシートの値を使用しました)
    このページにあるように、何処で調べても半導体の比誘電率は測定した周波数とセットで記述されているのですが、理論式のεに入れるべき値は何なのか? ε* = ε−σ/jω という補正式はそもそも成り立つのか?
    ということを含めて回答をお願いします。

    以上、長々とたくさんの質問をしてしまいましたが、是非お願いします。
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    Date: Mon, 30 Jan 2006 14:57:39 +0900
    A: 伊藤君、佐藤勝昭です。
     私のHPをご利用いただきありがとうございます。
    さて、電気泳動現象ですが、極性分子からなる物質の配向分極による誘 電率はデバイ周波数前後で大きく変化するので、注意が必要です。
    (1)水の比誘電率
    理科年表の式は、出典が示してないのでなんとも評価のしようがありま せん。TransTechという会社のHPにあるTechnical Note0301によれば、 εw=78.54(1-0.004579(t-25))+0.0000119(t-25)^2
    となっており、t=20とするとεw=80.34となります。
     さまざまな報告もこの値に近いものを出しています。
    純度との関係はあるでしょうが、極性の不純物かどうかで違ってくるの で一概に小さくなるとはいえないと存じます。

    (2)ポリスチレンの導電率・誘電率
    ポリスチレンの比誘電率は、2.5-2.7のあいだでばらついているので、2. 6とするのはよいと思いますが、誘電損失による導電率を10^-4とするの は大きすぎると思います。コンデンサの誘電体として用いられる位なの で、10^-8Ω^-1cm^-1=10^-6[S/m]程度あるのではないでしょうか。

    (3)グラファイトの導電率・誘電率
    グラファイトは導体ですから、クラウジウス・モソッティの式の前提が 崩れており、誘電体としての式を適用するのはよくないと存じます。

    (4)ゲルマニウムの誘電率
    Geは極性を持たないので配向分極によるデバイの式は適用できず、お そらく9GHzで測定した16.6という値は、もっと低周波まで使えると存じ ます。周波数とセットで書かれているのは、単に測定した周波数を示し ただけと考えてよいでしょう。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 30 Jan 2006 16:45:48 +0900
    Q2: 東工大の伊藤です。
    早速の回答ありがとうございます。

    > さて、電気泳動現象ですが、極性分子からなる物質の配向分極による誘 > 電率はデバイ周波数前後で大きく変化するので、注意が必要です。

    デバイ周波数について理解が足りていないのですが
    http://atom11.phys.ocha.ac.jp/ftp/pub/tdr/sansouken2002-01/slide1.pdf
    の2ページ目にある誘電緩和の模式図にあるような
    logω=10 あたりの実部・虚部の乱れのことを指すのでしょうか?

    誘電泳動の実験自体は 10kHz〜500MHz くらいの範囲で行ったのですが
    500MHz(ω=3e9程度)まで来ると、このグラフの条件の場合には理論式が正しく成り立ってこない という指摘だと仮定して話を続けると、
    自分の研究では力の大きさではなく、向きだけ分かれば問題ないものだったのですが それでも油断ならない(力の正負をも揺るがす)でしょうか?判断をお願いします。

    さらに
    http://www.nda.ac.jp/cc/mse/_development/Abe/DR.pdf
    の6ページを見ながら考えたのですが、
    自分は誘電泳動現象に用いる周波数を変えることによって、誘電泳動の正負(力の向き)を変えて粒子の挙動を変えることを行っていたのですが、そもそもそれがデバイ周波数前後の大きな変化を利用していたようにも感じます。
    この理解は間違っているでしょうか?
    --------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 31 Jan 2006 10:02:53 +0900
    A2:伊藤君、佐藤勝昭です。
     デバイ型の緩和の場合は、
    http://atom11.phys.ocha.ac.jp/ftp/pub/tdr/sansouken2002-01/ slide1.pdf のスライド13にあるようにω=1/τ(デバイ周波数)で ε'の単純な減少とε"の山が見られます。
     周波数による電気泳動現象の正負の変化はまさにこのデバイ周波数の 前後で起きるわけです。

    > 自分の研究では力の大きさではなく、向きだけ分かれば問題ないものだったのですが
    > それでも油断ならない(力の正負をも揺るがす)でしょうか?判断をお願いします。

    実際にデバイ型緩和の式に具体的な数値をいれて、どうなるかを自分で チェックしてください。
    >
    > さらに
    > http://www.nda.ac.jp/cc/mse/_development/Abe/DR.pdf
    > の6ページを見ながら考えたのですが、
    > 自分は誘電泳動現象に用いる周波数を変えることによって、誘電泳動の正負(力の向
    き)を変えて粒子の挙動を変えることを行っていたのですが、そもそも
    それがデバイ周波数前後の大きな変化を利用していたようにも感じます。
    > この理解は間違っているでしょうか?

    その通りです。あなたが最初に紹介した東北大のWEB
    http://www.che.tohoku.ac.jp/~bioinfo/theme/suzuki/DEP_top/DEP_theory/right. にもそういう記述があります。
    > -----------------------------------------------------------
  • 741. 屈折率分散、粗表面を伴う多重干渉


    Date: Mon, 30 Jan 2006 16:06:31 -0500
    佐藤先生

    はじめまして、H社で光学フィルムの研究をしておりますMと申します。
    HPを拝見させていただきメールさせていただきました。
    このような献身的な取り組みをされていらっしゃることに頭が下がる思いです。

    さて、大変恐縮なのですが、応用製品を申し上げることはできませんので、一般的な形に して質問させていただきます。

    現在、数ミクロン程度の有機フィルムを光学的に均一にするために、どうすればよいか検 討しているのですが、なかなか良い案が浮かばず困っています。
    具体的にはレーザーを限界まで絞っても、その反射率や透過率が、場所によらず同じにな るようにする必要があります。

    光学的に均一にするためには、フィルム膜厚、屈折率、表面粗さを均一にすればよいのは わかりますが、現実的にはさまざまな制限が発生してしまい、すべてを均一にするというのは困難です。
    そこで、少し理論的な解析を行い、どこから攻めるべきか考えようと思っております。

    理想的な反射面をもち、極めて均一な多層薄膜の多重干渉計算の方法は良く知られていますが、 表面が多重干渉に影響を与えるくらいの凹凸を有するくらいに粗く、また、屈折率分散を 伴うような場合のモデリングは今までなされておりますでしょうか?

    もし、情報をお持ちでしたらご教授お願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 31 Jan 2006 09:40:50 +0900
    A:M様、佐藤勝昭です。
     レーザーを回折限界まで絞ったときには、数100nmの直径になります よね。試料の凹凸や屈折率の空間揺らぎの平均周期や凹凸の高さやがこ れより十分に小さければその反射率や透過率が、場所によらず同じにな るはずです。
     不均一で凹凸のある系をシミュレーションでやるには、平均的な屈折 率を扱う多重干渉の理論では不可能で、FDTD法を使うとよいと思います。
     この方法に関しては、多くの解説が出ているので、そちらに譲りたい と存じます。
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    Date: Mon, 30 Jan 2006 21:26:17 -0500
    Q2: 佐藤先生
    早速のお返事ありがとうございます。
    ご指摘のように、FDTDでやればそれなりの結果が出てきそうですが、 複雑すぎて、プログラミングだけでも大変そうです。

    そこで、先生の知見を拝借したいのですが、たとえば、数十ミクロンのフィルムでは干渉 縞は見えませんが数ミクロン程度の厚さになると、干渉縞が見えてきます。
    要因は、1)屈折率の空間的な揺らぎ、2)膜厚分布、3)表面粗さの3点だと思います。 どれも膜厚が厚くなると、干渉を起こさせないような効果があると思うのですが、一般的 には何が主因なのでしょうか?
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 12:47:11 +0900
    A2: M様、佐藤勝昭です。
     白色光で見た場合に膜厚が数十ミクロンになると干渉縞は見えなくな ります。膜厚が大きいと、ご指摘の屈折率の揺らぎ、膜厚分布、表面荒 さの効果、吸収の増加の効果もあるのですが、それよりも、干渉縞の波 長間隔が細かくなりすぎて見えなくなる効果の方が大きいと思います。
     しかし、レーザのような指向性の強い単色光の場合には、厚くても干 渉はきちんと起きて、ちょっとした膜厚の揺らぎ、屈折率の揺らぎ等に よって、局所的に強め合うところと弱め合うところが出てしまいます。
     私も経験したことがあるのですが、0.5mm厚のスライドガラスを移動 ステージにおいてステージを動かすと、反射光は強くなったり弱くなっ たりして変動し、困ったことがあります。スライドグラスの場合は裏を サンドブラストで荒らして干渉を防ぐことができました。
     干渉を防ぐには、有機フィルムの裏面を如何に荒らしてあげるかがポ イントではないかと思います。どの位の膜厚が最適かは、やってみるし かないでしょう。干渉を防ぐもう一つの解決法は、裏面での反射を防ぐ ことです。屈折率が等しい別の物質を貼り合わせなどで付け、その物質 の中での吸収が強くなるようにすれば、光は戻ってきませんから干渉に よる反射率の変動はなくなり、最表面での均一性のみに依存するように なります。これでは、もちろん光は透過しなくなるのですから、反射光 を均一にできても、透過の用途には適用できませんが・・。
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    Date: Mon, 30 Jan 2006 23:31:04 -0500
    AA: 佐藤先生
    お忙しいと存じますが、貴重な時間を割いていただきありがとうございました。
    0.5mm厚のスライドガラスでも干渉縞が発生するというのは大変参考になりました。
    先生のご意見を参考にして、もう少し検討したいと思います。
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  • 742. クラマースクローニヒ解析


    Date: Tue, 31 Jan 2006 00:04:49 +0900
    Q: はじめまして。
    大阪産業大学レーザ工学研究室の柏木と申します。
    HPにて物性なんでもQ&Aというコーナーがあることを知り、メールさせていただきました。
    私は卒論で「Si単結晶の遠赤外線反射スペクトルのクラマースクローニッヒ解析」というテーマをしてます。
    ただ 恥ずかしい話なんですが、反射スペクトルの反射率を用いてクラマースクローニッヒの関係式を解くのですが いまいち クラマースコローニッヒの関係式がよくわかりません。
    佐藤先生の専門違いかもしれませんがもし何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 01:20:02 +0900
    A: 柏木君、佐藤勝昭です。
     Kramers-Kronigの何がわからないのでしょうか?
    導き方がわからないのでしょうか。それとも使い方がわからないのでしょうか?
     私の教科書「光と磁気(改訂版)」第3章の3.7節の説明、および導き方は問題3.10にあります。
    原稿のpdfは
    http://homepage2.nifty.com/bussei_katsuaki/el/HikaritoJikiChap3-5to7.pdf をダウンロードしてお読みください。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 11:07:33 +0900
    AA: メール届きました。
    お忙しいなかわざわざありがとうございます。
    卒論の参考にさせていただきます。
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  • 743. 塩化ビニールの比透磁率


    Date: Mon, 30 Jan 2006 15:46:11 +0900
    Q: 突然の勝手な質問で申し訳有りません。
    面倒をお掛けしますが宜しくお願いします。
    質問 
    塩化ビニールの比透磁率を教えて頂けませんか?

    電磁石を作るのに巻き線コイルを塩化ビニールをボビンにする事で空芯の電磁石 を作っているのですが、巻線数と電流との計算式で比透磁率を1にして計算する と磁束の計算が実測の値と大きく違った値が出ます。
    (実測の方が約5〜7倍位大きく出ます。)
    よって、塩化ビニールの比透磁率の値をお聞きしたいのです。

    塩化ビニールの資料を調べても比透磁率が乗って無い為に申し訳有りません。
    お手数をお掛けしますが宜しくお願いを致します。
    T社井上
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 10:07:51 +0900
    A: 井上様、佐藤勝昭です。
     塩化ビニールの比透磁率は限りなく1に近い数字です。
    「実測の方が約5〜7倍位大きく出ます」は、全く別の要因によるもの でしょう。ソレノイドの磁束の計算式にどのような式をお使いでしょうか。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 11:02:10 +0900
    AA:先生、有難う御座いました。
    再度私の方で再確認をしてみます。
    お手数をお掛けしました。
    今後とも解からない所が有りましたら宜しくご指導の程をお願い致します。
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    Date: Wed, 1 Feb 2006 12:10:57 +0900
    A2: 井上様、佐藤勝昭です。
     前回、正確な数字を示しませんでしたが、
    http://www.kayelaby.npl.co.uk/general_physics/2_6/2_6_6.html
    によれば、ポリ塩化ビニール(PVC)は反磁性で、その磁化率χは
    χ=-0.75×10^-8[kg^-1]=-5.97×10^-7[emu/g]
    です。1kgのPVCの比透磁率は、
    μ=1+4πχ=1-0.0000000075=0.9999999925
    ということになります。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
     
  • 744. モリブデンの光学定数


    Date: Mon, 30 Jan 2006 16:31:47 +0900
    Q1: 佐藤先生、はじめまして。
    僕は神戸大学で物性の研究をしているTと言います。
    反射測定のためにモリブデンの屈折率と消衰係数を色々と 調べており、屈折率は見つけられたのですが消衰係数 がなかなか見つけられませんでした。そんな時に先生のHPで
    「Handbook of optical constants of solids」
    にモリブデンの消衰係数が載っていると書かれていたので 早速図書館に行ったのですが残念ながら貸出中でした。
    先生ならば自分でちゃんと調べなさいと仰られるのでしょうが、本がいつ返却 されるのかもわからず、データを提出する期日も迫っております。 そこであつかましいお願いなのですが、よろしければモリブデンの 消衰係数を教えてはいただけないでしょうか?
    よろしくお願いいたします。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 15:58:06 +0900
    Q2:佐藤先生、昨日質問メールを送りました神戸大学のTです。
    昨日「Handbook of optical constants of solids」が貸出中という 内容でメールを書いていたのですが、そうではなく研究室の本だったようです。 本日改めて予約申し込みをしてきたのですが、早くても一週間。ひょっとしたら 貸し出し不可ということもあり得るということでした。
    そこで改めてのお願いなのですが、「Handbook of optical constants of solids」 に掲載されているモリブデンの消衰係数を教えていただけないでしょうか?
    よろしくお願いいたします。
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    Date: Tue, 31 Jan 2006 17:19:03 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
    (Webでは匿名にしますから、きちんと所属と氏名を書いてください)
     英国の大学長との交流協定の調印や、研究室ゼミのため、返事が遅く なりました。
    Moの光学定数(屈折率nと消光係数κ)ですが、どのあたりの光子エネ ルギーのデータが欲しいかわからないので、近赤外・可視光・近紫外に 限らせていただきます。
    hν(eV)nκ
    0.51.3713.5
    0.71.488.38
    0.9 1.746.48
    1.0 2.165.58
    1.1 2.164.85
    1.2 2.444.22
    1.3 2.773.74
    1.4 3.153.40
    1.5 3.533.30
    1.6 3.773.41
    1.7 3.843.51
    1.8 3.813.51
    1.9 3.743.58
    2.0 3.683.52
    2.2 3.763.41
    2.4 3.593.78
    2.6 3.223.61
    2.8 3.083.42
    3.0 3.043.27
    3.2 3.053.18
    3.4 3.063.19
    3.6 3.053.24
    3.8 3.043.31
    4.0 3.013.51
    このコーナーをハンドブック代わりに使うのはこれっきりにしてくださいね。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 31 Jan 2006 17:50:09 +0900
    AA: 失礼なメールを送ってしまい、また佐藤先生の当コーナーをハンドブック代わりにしてしまい申し訳ありませんでした。
    神戸大学 *学部 **工学科の***といいます。
    おかげさまで無事反射測定を完成することができました。深く感謝いたします。
    今後疑問に思うこと(学術的なことに限り)が再び出てきましたら、また質問させていただきたく思います。
    この度は本当にありがとうございました。
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  • 745. 空気中に放置したアルミニウム塊の温度


    Date: Wed, 1 Feb 2006 16:21:18 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤教授殿、

    HPを拝見し質問させていただきます。
    N社(ベアリングメーカー)に勤務しており研究・開発を担当しております。Yと 申します。匿名希望です。
    アルミニウムの物性についてですが、例えばアルミニウムを25℃の空気中に放置 し、十分時間が経過したときにアルミニウムはいったい何度になるのでしょう か?25℃でしょうか?それともつりあうべき何がしかの温度があるのでしょうか?ア ルミニウムの大きさは2.4mx2.4mx7.5cmの大きさを想定しており、空気中とい うのは実際にはチャンバーと呼ばれ、温度を一定に保った部屋を指します。
    これを考えた時に物性の問題ではないかと考えました。つまり、水を30℃の空気中に 触れさせておいて十分時間が経過したときには30℃になるのでしょうか?
    何を考えているのかと言いますと、上記のような大きな部材の温度測定を考えたと きにけっして一様な温度になっていない(これは角部は冷えやすく温まりにくいと いうことが考えられます)温度測定をするときに初期の温度値が異なるのは局所的 な冷却によるものなのか?それとも物性によるものなのか?金属にはある温度の時 に水と同じように平衡状態となるような物性値が存在するものか?それとも外気温 と常に同じ温度になるものなのか?お聞きいたしたくメールを差し上げました。よ ろしくお願いいたします。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: 01/02/2006 20:45
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     ある温度の物体を25℃の空気中に放置したらどうなるかの問題ですね。 基本的には、大きかろうが小さかろうが、熱浴(今の場合空気)の温度が 変化を受けない限り、最終的には熱浴の温度に近づきます。
     しかし、時間的な問題を考えますと、物体が熱浴に触れたとき、界面 を通って熱が流入し、温度差に応じて内部に向かう熱の移動が起き、温 度差がなくなるまで続きます。最後は、全体の温度差がない均一な状態 になります。これが、物体と熱浴が平衡状態です。
     伝熱の問題を扱うには、有限要素法などのコンピュータ・シミュレー ションを使います。
    機械系技術リンク集
    http://www.englink21.com/2k/2kr033.htm
    の伝熱解析の項をご参照ください。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 2 Feb 2006 19:24:16 +0900
    Q2: 佐藤教授殿、
    N精工のYと申します。回答拝見いたしました、ありがとうございました。
    申し訳ございません、さらに質問させていただいてよろしいでしょうか?
    機械系のサイトも参考になりました。
    30℃空気中に放置された水についても同じことが言えるのでしょうか?液体と熱浴と は異なりますか?この場合も水は30℃になろうとしているのでしょうか?かなり時間 のたった後には水も30℃になるのでしょうか?直感的にはなかなかそうとは信じられ ないのですが・・・でもその前に界面からどんどん蒸発してしまいますよね。水が そう簡単に30℃にならないのはどういう理由からでしょうか?
    よろしくお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 2 Feb 2006 20:26:05 +0900
    A2:Y様、佐藤勝昭です。
     空気中に放置した水が気温より低いのはご指摘のように蒸発により潜 熱が奪われるからです。
     もし、アルミ缶のような熱伝導のよい容器に水を満たして密閉し、蒸 発を防いだとしたら、アルミ缶の内部は、十分時間が経てば周辺の温度 と一致するはずです。ミネラルウォータのボトルを冷蔵庫に入れておく と、十分時間が経てば、ボトルの中の水の温度は冷蔵庫内の温度と一致 していますよね。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 3 Feb 2006 11:06:52 +0900
    AA: 佐藤教授殿、

    N精工のYと申します。お世話になります。
    考えてみると稚拙な質問で、お恥ずかしく思います。中学生レベルでした。
    御丁寧にお答えいただきありがとうございました。
    今後も先生の書かれたHP拝見させていただきます。失礼いたします。
    ---------------------------------------------------------------------------
  • 746. Geの非放物線パラメータ


    Date: Tue, 31 Jan 2006 20:45:55 +0900
    Q: こんにちは!はじめまして!!
    調べていてわからないことがあり、ネットサーフィンをしていたところ、 先生のホームページに行き着きました。
    私は神戸大学大学院 自然科学研究科で電子デバイスを専攻しております 修士2年の***(匿名サムコンでお願いいたします)というものです。

    実は、ゲルマニウムの電子輸送シミュレーターの作製をしているのですが、 プログラムに必要なパラメーターのうち、「非放物線係数」の値がはっきり しなくて困っています。ゲルマニウムのL谷の非放物線係数は0.3であること がわかったのですが、Γ谷、X谷については非放物線係数が思い当たる関連の 文献を調べても見つかりませんでした。

    この2つの値について心当たりがありましたら、ぜひお教えいただけないでしょうか?
    お忙しいなかまことに図々しい依頼かとは思いますが、どうかお力添えいただけたらと思います。

    よろしくお願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 1 Feb 2006 13:06:08 +0900
    A: サムコン君、佐藤勝昭です。
     Bandにおけるnonparabolicityの取り入れ方にはいろいろあるようで すが、サムコン君のいうnonparabolic parameter aは
    (hbar^2/2m)k^2=(E+aE^2)
    と置いたときのa[単位eV^-1]のことではないかと存じます。
    通常、伝導帯の底のnonparabolicityのみでよいのでL-valleyの値しか 使わないのではないかと思います。X-valleyやΓ-valleyについては、 データがないので、バンドダイヤグラムから、上の式にフィットしては いかがでしょうか。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 01 Feb 2006 14:03:39 +0900
    AA: サムコンです。
    さっそくの御返事、まことにありがとうございます!
    nonparabolic parameter の定義式はたしかに佐藤先生のご指摘の通りのものです。
    伝導帯の底のnonpalabolicityのみでよい、道理でいくら文献を探してもX-valleyやΓ-valley についての記述がなかったんですね。大変恐縮です。
    Geの場合、L-valley、X-valley、Γ-valleyの間のバンドギャップが小さいのでXやΓのnonparabolicity についても導入した方がよりよいのではないかと思っていました。
    まずはL-valleyのみのnonpalabolicityを考慮したプログラムを作成したうえで、 バンドダイヤグラムからのフィッティング、やってみたいと思います。

    お忙しいなか、迅速なご回答を頂き、本当に感謝いたします!ありがとうございました。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 747. GaNのヤング率


    Date: Wed, 01 Feb 2006 14:45:46 +0900
    佐藤先生
    はじめまして。
    P社のTと申します。
    GaNのヤング率を調べていますがそれを書いた文献が見当たりません。
    薄膜であり、測定されたデータが無いのかも知れませんが ご存知でしたらご教示お願いいたします。

    なお、Web上では匿名にてお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 2 Feb 2006 10:35:04 +0900
    T様、佐藤勝昭です。
     GaNのヤング率についてはWebに載っており(信用するかどうかはご自 分でご判断ください。)
    http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/GaN/mechanic.html
    に [100] Young's modulus;Y0= 181 GPa
    となっています。
    また、理論的な計算値があり、
    Analysis of physical properties of III-nitride thin films by nanoindentation
    Journal of Electronic Materials, Jun 2003
    by Jian, Sheng-Rui, Fang, Te-Hua, Chuu, Der-San
    これによれば、
    The Young's modulus and hardness of GaN, GaN:Si, and Al^sub 0.12 ^Ga^sub 0.88^N were calculated under loads of 1-3 mN (Fig. 1).
    The Young's modulus of GaN, GaN:Si, and Al^sub 0.12^Ga^sub 0.88^ N are 274.35-355.5 GPa, 232.27-262.06 GPa, and 272.14-358.33 GPa, respectively.
    となっています。

    従って、GaNのヤング率は200 GPa前後の値ではないかと思います。
    ----------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 02 Feb 2006 09:13:09 +0900
    AA: 佐藤先生
    P社 Tです。
    貴重なお時間を割いて頂き、早速ご回答くださいまして有難うございました。
    私の調査不足だったようで申し訳ございませんでした。
    ------------------------------------------------------------------------
  • 748. 強磁性体のヤング率Eの低下(凾d効果)


    Date: Sat, 04 Feb 2006 15:22:41 +0000
    Q: はじめまして佐藤勝昭先生
    Web上で検索中、「物性なんでもQ&A」を偶然見つけました。
    私、H大学 知能機械システム科 3年 Hと申します。
    (Webにアップされる場合は、恥ずかしいので匿名でお願いします。)
    私、専門は機械ですが自分の興味で磁性体について勉強しているのですが 勉強不足でわからなく質問させていただきます。

    質問内容

    引張りに対する伸びの関係で、 非磁性材料のヤング率Eは応力とひずみの比例関係であるのに、 強磁性体の場合は、正磁歪、負磁歪関係なくヤング率Eが実際より低下する (近角聰信,強磁性体の物理(下p144),裳華房) とあるるのですが そのメカニズムが、いまいちよくわかりません。
    また、この凾d効果とは、磁場中でも正磁歪、負磁歪、関係なくヤング率Eは 低下するのでしょうか?

    よろしければ返答お願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 05 Feb 2006 18:41:34 +0900
    A: H君、佐藤勝昭です。
     Elinvar効果やΔE効果などmagnetomechanical effectは、かなり昔に発見され た現象ですが、必ずしも理論的な解明が進んでいないと存じます。私も近角先生 の本以上の知識はありません。磁歪定数をλとすると、ΔE効果は
     ΔE/E=-(3λ^2/(5Ku))E0
    という現象論的な式で書けます。λ^2に比例するので、正磁歪でも、負磁歪でも ヤング率は常に低下します。
     最近では、1980年代に融解金属の急冷によって得られたアモルファス FeSiB および FeNiMoB のリボン状薄帯において、Elinvar効果やΔE効果が議論されまし た。そこでも応用技術を中心とした議論が中心で、メカニズムについては現象論 的な説明にとどまっていたような気がします。
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 05 Feb 2006 10:50:55 +0000
    Q2: 佐藤先生、速い返信ありがとうございます。

    そうですか。理論的な解明が進んでなく残念です。
    応用分野では豊橋技術科学大学の井上先生のSAWデバイスなど で使われているの知っていたのですが凾dについての説明なかったので 質問させていただきました。

    重ねての質問なのですが
    ΔE/E=-(3λ^2/(5Ku))E0
    E0は飽和磁化状態でのヤング率でしょうか?
    Kuはなんでしょうか?
    勉強不足で申し訳ありません。
    この理論式はどのような文献に載っていたでしょうか?
    よろしければ、紹介してください
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 6 Feb 2006 00:06:50 +0900
    A2: H君、佐藤勝昭です。
     紹介した式は、近角先生の教科書からとったものです。
    上下巻に分かれる前の旧版が手元にありますのでそれによりました。
    旧版のp.310の(19.38)式です。多分新版の下巻にも載っているのではないかと思う のですが・・・。Kuは磁気異方性定数、E0は非磁性体のヤング率です。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 05 Feb 2006 16:46:03 +0000
    AA: 佐藤先生
    お忙しい中重ね重ねの質問に対し親切な返答ありがとうございます。
    おそらく私の見落としだと思います。すみません

    今後も「物性なんでもQ&A」で勉強していくのでよろしくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------
  • 749. 有機ELとプラズモン


    Date: Sun, 5 Feb 2006 15:31:04 +0900
    Q: はじめまして、K大学理工学部3年のNです。(大学、名前などを伏せてWebにアップして下さい) 私は、有機ELの研究をしたいと思い、参考書を読みながら勉強しています。
    授業で物性関係の授業があったので伝導メカニズムまではわかるのですが、 光が放出されるところでわからない箇所があり質問する次第です。

    EL発光の際に発光層が電極に近いとプラズモンが生成され、消光すると記述されているのですが、 なぜ消光してしまうのかが全く記されていません。プラズモンとは何なのか、どのように生成し 消光の原因になるのか教えて下さい。お願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 05 Feb 2006 18:19:36 +0900
    A: N君、佐藤勝昭です。
     3年生なのに、背伸びして、最新のELの研究を理解しようとしているのは、立 派なことです。しかし、内容のすべてを3年生の知識で理解しようとするには、 そのベースになっている基礎知識をきちんと身につける必要があると思います。 君の自主研究が、基礎となる物理学を学習しようという動機付けになれば、素晴 らしいと思います。
     「プラズモン」とは、プラズマ振動を第2量子化した「素励起」です。それで は、プラズマとは何でしょう。
     プラズマとは、電子と正イオンが分離した状態のことを言います。宇宙にあっ てはオーロラ、通電時の蛍光灯の中の気体において生じています。固体にあって は、金属の自由電子が電磁波(光を含む)の高周波電界を受けて集団的に運動す る状態を指しています。金属の自由電子は、原子核の正電荷の束縛を受けない で、あたかもプラズマのようにふるまうからです。
     光との相互作用を考えるために「誘電率」を導入します。自由電子プラズマ状 態にある金属の比誘電率εの周波数依存性は、
     ε(ω)=ε(∞)-ωp^2/ω(ω+iγ)  (1)
    と近似することができます。ここにε(∞)は、バンド間遷移などに基づく電子分極 からの誘電率の寄与を表します。またωpは「プラズマ振動数」と呼ばれるもの で、ωp=(Ne^2/mε0)^2と表されます。ダンピング項γを無視すると、 ω=ωp'={ωp^2/ε(∞)}^(1/2)でε(ω)=0となります。このωp'のことをハイブリッド プラズマ振動数といいます。銀では、ωp'は4eV付近にあります。
    (ω<ωp'では、式(1)は負になります。「負の誘電率」とは、光が中に入り込め ない状態を指しています。)プラズモンというのは(h/2π)ωp'というエネルギー をもった量子を指しています。

     
    なんでもQ&ANo.133 に書きましたように、一方、金属薄膜が誘電率εmの誘電体と接しているとき、界 面に電荷の揺らぎが生じる(界面上に正電荷の分布と負電荷の分布が波状に生じ る)と、それによる表面プラズマ振動が存在しますが、この波は界面から離れる に従って指数関数的に減衰するエバネセント波です。表面プラズマ周波数ωsp は、ωsp=ωp/√(1+εm)で与えられます。 同様に誘電率εmの媒質中に分散した誘電 率ε(ω)の金属微粒子でも表面プラズマが考えられます。
     
     さて、私は、ご質問の「EL発光の際に発光層が電極に近いとプラズモンが生成 される」という現象を知りませんでした。

     調べてみると、2002年に米国の応用物理速報誌Applied Physics Lettersに下 記の論文が出ていることがわかりました。
    Dawn K. Gifford, Dennis G. Hall: Emission through one of two metal electrodes of an organic light-emitting diode via surface-plasmon cross coupling; Applied Physics Letters Vol. 81, Issue 23, pp. 4315-4317
    これによると、
    「2つのほとんど不透明な金属電極に発光材料がはさまれている有機EL(英語で は有機発光ダイオードと書いてあります。念のため)からの強い表面発光を報告 する。実験結果および理論解析結果によると、金属の陰極層の反対側にある表面 プラズモンの間の相互作用によって、実質的に不透明な金属層をEL発光が透過す ることがわかった。これにより、有機ELの可能なデバイス構造の範囲を広げ る。」と書かれています。図書館でコピーしてください。
     香港科学技術大学ディスプレイ研究センターのHPに
    "Optical Simulation of Top-emitting Organic Light Emitting Diodes"
    という論文が載っています。これでは、多層膜の構造設計によって、表面発光形 有機EL(TOLED)の効率的な光取り出しのことが出ています。
     N君が、これらの論文をすらすら読めるようになったら、御諮問の件も理解 できるのではないかと思います。最先端技術を無理に背伸びして理解しようとす るのではなく、学部学生時代は、できるだけ基礎になる物理を一つづつ身につけ て行かれてはいかがでしょうか。
    ----------------------------------------------------------------------------
  • 750. 金より高い標準電極電位をもつ金属


    Date: Sun, 5 Feb 2006 21:00:15 +0900
    A: 東京農工大学 佐藤先生

    はじめまして。マイクロバブル発生器及び装置を製造し、各大学及び各研究機関に販売していますバブルタンクの藤里哲彦と申します。
    先生のHPを拝見させていただき、物性なんでもQ&Aのほうに質問させていただきたくメールさせていただいています。

    金属の標準単極電位に関する質問ですが、金(Au)+1.49より高い電位の金属類また半金属物質類などの物質を探しています。
    希望としては+2.5前後の値を示す物であれば、合金製やセラミック焼結製でも良いと思っています。
    ご教授いただければ幸いです。
    お忙しい中、大変恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 06 Feb 2006 01:51:28 +0900
    A: 藤里哲彦様、佐藤勝昭です。
     
    Hyperphysicsのホームページ
    に標準電位の一覧表がありますが、+1.5Vより高いのは、
     H2O2(aq) + 2H+(aq) + 2e- -> 2H2O(l) +1.78V
     Co3+(aq) + e- -> Co2+(aq) +1.82V
     S2O82-(aq) + 2e- -> 2SO42-(aq) +2.01V
     O3(g) + 2H+(aq) + 2e- -> O2(g) + H2O(l) +2.07V
     F2(g) + 2e- -> 2F-(aq) +2.87V
    となっています。Coの価数変化をともなう反応が、Auより少し高いようです。気 体を電極にすれば2.87Vにもなるようですが・・。
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  • 751. アモルファス半導体のキャリア濃度


    Date: Fri, 10 Feb 2006 13:00:13 +0900
    Q:はじめまして。私はR大学大学院で物質化学を専攻している修士1回生Tと申します。(匿名でよろしくお願いします)
     半導体のキャリア濃度について調べているのですが、どうしてもわからないこ とがあり、御質問させて頂きました。同一物質の半導体において、アモルファス 材料のように構造に欠陥を有する場合、欠陥を持たないものに比べてキャリア濃 度が変化することは起こるのでしょうか?
     お忙しい中、まことに申し訳ありませんが、ご教授していただけると幸いで す。よろしくお願いします。
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    Date: Fri, 10 Feb 2006 14:55:14 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     半導体においては、結晶相と非晶質(アモルファス)相とでは、単結 晶に「欠陥」が入ったものというより、別物質と考えた方がよいでしょう。
    結晶相では、キャリア濃度は(活性化した場合)ドープした不純物 の濃度と同程度です。それに対し、アモルファスでは、伝導帯の底がエ ネルギー的に大きく揺らいでおり状態密度はバンドギャップの中程まで 広がっています。電子が、ポテンシャルの底に捕まると局在してしまい ます。つまりキャリアとして働かないのです。
    その上、ダングリング・ボンドによる電子の捕捉も加わり、一般にアモルファス半導体ではドー プした原子のせいぜい1%位しか活性化しないのです。
    また、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)は、もはやシリコン結晶とは違った物質で、 珪素と水素の合金だと考えることができるくらいです。
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    Date: Fri, 10 Feb 2006 21:40:26 +0900
    AA:佐藤勝昭先生へ
     R大学大学院のTです。メールいただきました。とて も参考になりました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
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  • 752. 色素増感太陽電池の対極の役割


    Date: Mon, 13 Feb 2006 15:24:27 +0900
    Q: 佐藤勝昭 様
    はじめまして、D大学、電気電子専攻、大学院2先生のNと申します。
    先生のホームページを見てメールいたしました。

    色素増感太陽電池に関する質問ですが、一般的に使われている発電メカニズムの 図で分からないことがあります。
    対極の部分でよく見かける図が、[電解質溶液-白金-透明導電膜-ガラス]の順に 層ができていて、負荷(太陽電池外部)を通る電子の流れ道の線が透明導電膜か ら出ています。電子の流れ道として電極をとるなら白金からでもいいのではない かと思いました。

    その理由としてエネルギーレベル(NHE)が違うのではないかと考えました。
    一般的なヨウ素を含む電解質溶液の酸化還元電位はNHEに比べて0.4Vとなってい ます。
    それに比べて白金よりも透明導電膜の方がNHEが若干値が低いのではないかと考 えています。

    ここで質問内容を簡潔に整理します。
    @色素増感太陽電池の発電メカニズムの図で対極の部分の負荷(外部)への道筋 が白金ではなくて透明導電膜からなのはなぜなのか。
    A白金と透明導電膜(仮にITOとします)のNHEの値がいくつなのか。

    箕浦先生のHPにもお邪魔し、いくつかの書籍も参考にしましたが、対極について は詳しく書かれていませんでした。
    御願いいたします。
    (ホームページに掲載するときは匿名で御願いいたします)
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    Date: Wed, 15 Feb 2006 12:40:43 +0900
    A: N君、佐藤勝昭です。
     私は、色素増感太陽電池についての研究の経験がありません。私は、 対極も透明電極が使われていると思っていましたから、君の質問で初め て、対極が白金-透明導電膜-ガラスとなっていることを知りました。
     推察しますに、白金を使うとエネルギー準位的に得をするのでしょう。
    しかし、白金は高価なので、薄いもの(たとえば100nm)を使っているの ではないかと存じます。白金の抵抗率ρは10μΩ・cm程度なので、膜厚 100nmの膜の幅1cm、長さ1cmの長手方向の抵抗はR=ρL/S=10×10^-6Ωcm ×1cm/(1cm×10^-5cm)=1Ωとなります。ITOは厚いものが使われるので その抵抗はおそらく1桁以上小さいでしょう。従って透明電極から電流 が流れていると考えてよいのでしょう。
     Pt, ITOのポテンシャルの対NHE値は、電気化学関係のハンドブックに 載っていると思いますので、図書館で調べてください。
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    Date: Wed, 15 Feb 2006 17:04:02 +0900
    AA: 佐藤勝昭 様

    こんにちは、D大学のNです。
    返信ありがとうございます。
    先生のおっしゃるとおり、導電性が関係している可能性が高いですね。
    白金がエネルギー準位の関係で用いられているかどうかは、 NHEを調べてから判断したいと思います。
    どうもありがとうございました!
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  • 753. BaFe12-2xCoxTixO19の磁気物性


    Date: Sun, 12 Feb 2006 20:25:20 +0900
    Q: I大学 情報電子工学科4学年 W 匿名でお願いします
    1.. 磁化曲線のカーブの形は記憶媒体と記憶ヘッドの電磁変換特性にそれぞれどの ように影響するか。硬質磁性材料、軟質磁性材料の観点について
    2.. BaFe12O19と、Feの一部をCo-Tiで置換したBaFe12-2xCoxTixO19の磁気特性を比 較してどのようなことがいえるのか。
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    Date: Sun, 12 Feb 2006 23:44:13 +0900
    A: W君、佐藤勝昭です。
     4年生ということは、卒業研究でのテーマでしょうか?卒業研究でのわからな いことは、基本的には指導教員に聞いて下さい。ここでは、基本的なことのみ教 えます。
    (1)磁気ヒステリシス曲線については、添付図を参照して下さい。磁気記録に おいては、磁気ヘッドから磁気記録媒体に磁界を加え、媒体が磁気飽和(図のC) したのち、磁界を取り去り「残留磁化」(図のD)状態にします。これが、「1」 に相当するとすると、「0」を記録するには、保磁力Hc(図のE)より大きな逆向 きの磁界を加え、逆むきに飽和(図のF)した後、残留磁化状態(図のG)にします。 このように記録媒体では、磁界を取り去った後磁化状態が残る必要があるので 「硬質磁性材料」を使います。一方、磁気ヘッドでは、信号電流に応じた磁界を 生じる必要があるので、Hcが小さく、N-H曲線の傾斜が大きい「軟質磁性材料」 が使われます。
    (2)マグネトプランバイトBaFe12O19は、1980年代に垂直磁気記録材料として 研究されました。たとえば、
    Chou, Fucheng; Feng, Xiaofeng; Li, Jun; Liu, Yin: Magnetic properties of BaFe12-2xCoxTixO19 fine particles prepared by coprecipitation tempering; Journal of Applied Physics, Volume 61, Issue 8, April 15, 1987,
    pp.3881-3882 には、「共沈法で作製したBaFe12-2xCoxTixO19微粒子の磁性を研 究した。実験結果によると、Co-Ti置換量xを増加したとき、飽和磁化Msはあまり 大きく減少しなかったが、磁気異方性定数K1ははっきりと減少した。・・」と書 かれています。(図書館に行って原論文を調べなさい)
    なお、マグネトプランバイト構造については、韓国結晶学会の論文誌に載っている
    http://koreacrystal.or.kr/pdf/11(3)176-181.pdf が参考になります。
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    Date: Mon, 13 Feb 2006 19:01:38 +0900
    AA: ありがとうございます。
    この質問は、どうしてもわからなくて単位を落とした学生実験の考察の設問の2つです。
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  • 754. 束縛励起子を束縛する力


    Date: Wed, 15 Feb 2006 17:17:21 +0900
    Q: お忙しいところ失礼します。
    質問
    「ドナー及びアクセプターに束縛された励起子は何の力(例えば、クーロン力 など)でどのように束縛されているのでしょうか?」
    N**大学、物質創成科学研究科M1のE**です。Webにアップする場合に匿名希望でお願いします。
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    - Date: Fri, 17 Feb 2006 11:57:30 +0900
    A: E君、佐藤勝昭です。
     質問メールありがとうございました。私もクーロン相互作用だと思う のですが、自信がないので、窒化物系半導体の光物性の専門家である秩 父重英先生(筑波大学)にお伺いしました。
    「秩父先生、佐藤勝昭です。
     なんでもQ&Aの質問にきちんと答えられる書物があれば、ご紹介い ただきたいのですが。と申しますのは、中性ドナーにとらえられた励起 子の場合、双極子・双極子相互作用なのか、それとも波動関数のオーバ ラップを考えなければならないのかよくわかりません。秩父先生はお詳 しいので、きちんとお答えされるとは思うのですが。」
    ======================================
    これに対して、次のような回答を得ました。
    =======================================
    『佐藤先生: ご無沙汰しております。
     PankovおよびBebbらの書物に従えば、「励起子そのものは双極子電界 で結びついており、その片側の電子が、イオン化した正電荷を持つドナ に束縛され、中性ドナを形成する電子よりも大きな軌道半径になりなが らも、ドナ不純物のクーロンポテンシャルを受けて束縛されている」の が「イオン化ドナに束縛された励起子」です。

     言い換えると、伝導帯と価電子帯の波動関数は励起子の対称性にのみ 反映されていて、不純物への束縛はクーロン力と言って良いかもしれま せん。⇒「イオン化ドナに捕らえられた励起子」のエネルギーは、自由 励起子の束縛エネルギーと、さらに伝道帯近傍に形成される不純物のイ オン化エネルギーよりも少し小さい局在エネルギーの分、Egよりもエネ ルギーが下がっていますから、イオン化ドナ束縛励起子では双極子と、 不純物の波動関数の影響を受けます。
     わかりやすい絵としては、伝導帯近傍に電子を離していない「中性 ドナ」の電子の軌道半径を大きく描き、この電子と価電子帯に居る 正孔の間で形成されるているのが「イオン化ドナ束縛励起子」、すなわ ち「イオン化ドナと結合して正に帯電した励起子イオン」という事にな ります。
     彼の記述をそのまま写せば、「自由正孔が中性ドナと結合して正 に帯電した励起子イオンを作る。この場合、その励起子の片側である 電子はドナに束縛されながら、なおドナの周りを大きな軌道半径で 回る。そしてこれらにともなって正孔は、電子の各瞬間の位置によって 決まる、固定された双極子の静電界中を動きドナの周りを回る」 となっています。

     一方、中性ドナ束縛励起子は、(D+,e-)と(e-,h+) の結合状態です。
    励起子そのものは殆ど双極子であるのは同じで、それが中性ドナの持つ ポテンシャル場に束縛されていると見て良いので、双極子的になります。
    中性ドナ束縛励起子を自由励起子として解き放つエネルギーは、Hynes 則で求められるようにおおよそ、不純物のイオン化エネルギーの1/10 程度です。これに対し、イオン化ドナ束縛励起子から自由励起子として 取り出すには、後に+の電荷を持ったイオン化不純物を残さなければ ならないので、大きくなります。
     「中性ドナ束縛励起子」において、ドナ密度が希薄でdiscreteな束縛 励起子線がしっかり見える間は、伝導帯と不純物の波動関数の重なりを 考える必要は無いと思います。

    なお、参考書としては、
    J.I. Pankov: Optical Processes in Semiconductors (Dover Publ., New York 1971)
    H.B.Bebb and E. Williams: Semiconductors and Semimetals, vol.8 (Academic, New York, 1972)
    がよいようです。』
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  • 755. フロロシリコンの耐溶剤性


    Date: Thu, 16 Feb 2006 17:27:24 +0900
    Q: 拝啓 フロロシリコンを調べていたら佐藤研究室のHPに出会いました。
    NMP(N-メチル-2-ピロリドン)に対する耐溶剤性を教えていただけませんか
    @フロロシリコン
    Aポリエステル
    NMPに対して@Aが使用できるかどうかです。溶剤メーカー(林純薬、三菱化学)ははっきりしたことを行ってくれません。フロロシリコンはNOKのOリングの材質です。色は青です。NOK以外のメーカーがなぜフロロシリコンを使わないのか(使えないのか)知りませんか?
    宜しくおねがい申しあげます。
    東京システム開発葛Z術顧問
    中村誠一
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    Date: Thu, 16 Feb 2006 19:13:36 +0900
    A: 中村様、佐藤勝昭です。
     フロロシリコンとポリエステルがNMPに溶けるかどうかの質問でし ょうか? 申しわけありませんが、私は化学の専門家ではないので、自 信がありませんが・・。
    Hercules BulldogのHP によると、FluorosiliconのOリングについて
    Fluorosiliconは次の場合に推奨できる:
    . 石油系オイルおよび燃料
    . ディースター系潤滑油 (MIL-L-7808)
    . シリコーン液体およびグリース
    Fluorosiliconは次の場合にはおすすめできない:
    . ブレーキオイル
    . ヒドラジン
    . 極性の溶剤 (アセトン, MEK)
    とあります。
    NMPについて見ると、「極性が大きく溶解性に優れるだけでなく安全性 にも優れた溶剤です。 」(http://www.m-kagaku.co.jp/business/ library/nmp.htm)と書かれていますから、推奨できないのではないか と存じます。

    先ほどのHP にはfluid compatibility tableが載っていて、
    N-Methyl-2-Pyrrolidone はfluorosilicon の欄に×が付いています。
    ポリエステルは載っていませんが、たぶん×だと思います。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Feb 2006 19:00:55 +0900
    Q2: 拝啓先日はNMP、フロロシリコンについてご回答いただきありがとうございました。
    厚かましくもNMPについて再びお願いを致します。
    添付資料はベロメタルの耐食性一覧です。NMPに対して 耐食性があるかどうかですが、一覧表にはNMPが記載されていません。
    この表からNMPに対してOKかどうかが判断できるでしょうか?
    あるいはどのようなところへ問い合わせたらよろしいでしょうか?
    再度のお願いで誠に申し訳ありませんが、宜しくお願い申し上げます。
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    Date: Mon, 20 Feb 2006 09:41:46 +0900
    A2: 中村様、佐藤勝昭です。
     表を見る限り、アセトンに×が付いていますから、同じく極性溶媒で あるNMPには適応しないのではないかと推察しますが、特定の商品に ついて間違ったことをお教えすると営業妨害になりかねませんので、お 答えを差し控えさせてください。
     詳細は、ベロメタルジャパン株式会社
      大阪市北区鶴野町4-11-1513
      TEL 06-6374-3031 FAX 06-6375-3450
      durmetal@apricot.ocn.ne.jp
    におたずねください。
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  • 756. 分光光度計用石英セル


    Date: Fri, 17 Feb 2006 10:04:35 +0900
    Q: D社のSといいます。
     突然ですが、分光光度計の測定で用いる石英セルは、 マッチングしたペアーのセルを使ったほうがよいとは 知ってるのですが、具体的にはどんな利点があるのでしょうか?
    分光光度計は、日立製作所です。

    片方が破損してしまった場合、
    マッチングされていないセルを使う問題点について 教えてください。

    精度の問題かと思いますが、
    上記のような使用をした場合、マッチングされたセルとの 誤差はどの程度でしょうか?
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    Date: Fri, 17 Feb 2006 12:51:54 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     分光光度計では、光ビームを試料側ビームと参照側ビームの2つに分 け、両者の光強度の比をとることで透過率を評価します。
    試料がセルに入っているとき、参照側に同じ特性のセルを使わないと完 全にはセルの補正ができません。
     マッチングペアでないセルを購入した場合は、カラのセルを試料側に 入れ、参照側にもとのセルを入れて、セルの特性を測定しておきます。 このデータを使って、あとで補正すればよいのです。また、この作業で ほとんどフラットな特性であれば、補償は要らないでしょう。
     問題になるのは、石英に含まれる水分のちがいによって、1.25μm、1. 38μm付近の近赤外の吸収に試料側・参照側の透過にちがいがでて、十 分なさっ引きができないための誤差だろうと思います。また、紫外でも 吸収の微妙なちがいが出てくるでしょう。可視域で使っている分には、 セルの石英の肉厚が同じであればほとんど問題ないと存じます。
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    Date: Fri, 17 Feb 2006 13:42:17 +0900
    AA: 早々のご回答、ありがとうございます。
    紫外域で使用することがほとんどですので、 マッチングさせたセルを使用する運用としたいと思います。
    ということは、一つ割れたら、もう一つも使いものにならないという ことですね。

    弊社では、現在4個入りのマッチングキットを購入しておりましたので、 最後の1個になったら、廃棄ということで、ロスは抑えられそうです。
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  • 757. GaAlNの電子親和力


    Date: Fri, 24 Feb 2006 13:13:57 +0900
    Q: 法政大学大学院修士1年 佐藤 光と申します。
    AlGaNの電子親和力の数値が知りたいのですが。
    よろしくお願いします。Al=0.25です。
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    Date: Mon, 27 Feb 2006 20:26:52 +0900
    A: 佐藤光君、佐藤勝昭です。
    http://www.stsci.edu/stsci/meetings/space_detectors/leopold1.htm
    によりますと、
    D.J. Leopold, J. Buckley, W.R. Binns, P. Hink and M.H. Israel:
    Development of Epitaxial AlN/GaN/GaInN Photocathode Heterostructures for UV/Blue Scintillation and Cherenkov Radiation Detection
    によれば、
    Since AlN and GaAlN with high Al concentration have an intrinsic negative electron affinity surface we are examining the possibility of ending the epitaxial layers with a Si-doped GaAlN layer in order to achieve an NEA surface without the need for post-growth CsO activation.
    と書かれており、GaAlNではAl組成が大きくなると負の電子親和力にな るようです。出先からお答えしているので、詳しい値は手元にありません。
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 20:03:20 +0900
    佐藤光君、佐藤勝昭です。
    GaAlNの電子親和力については、古い論文ですが、
    V. M. Bermudez, T. M. Jung, K. Doverspike, and A. E. Wickenden: The growth and properties of Al and AlN films on GaN(0001)?(1×1) Journal of Applied Physics 79 [1] (1996) pp. 110-119
    に掲載されています。これによれば、電子親和力はAlNの0.6 eVからGaN の2.7 eVまで変化すると書かれています。
     図書館で文献を探してください。
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  • 758. 薄層クロマトグラフについて


    Date: Fri, 24 Feb 2006 15:41:11 +0900
    Q: 佐藤様
    先日、石英セルで質問させていただいたSです。
    今回は、TLC法について、教えてください。
    TLC法は日本薬局方の一般試験法に規定されております。
    この中で、展開溶媒の距離ですが、 医薬品各条には”約”(約10cmなど)という記載があります。
    日局の通則では、定量の秤量では”約”は”±10%の範囲”と ありますが、TLCのような場合の約はどこまでが許容範囲でしょうか?
    結果を算出するのには実際の展開距離で除すので、そんなに気にしなくても よいのでしょうか?
    その他の試験で約(例えば、HPLCの溶出時間の”約”)も悩みます。
    全て、各自で基準を決めて管理すればよいということでしょうか?
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 21:11:45 +0900
    A: 杉野様、佐藤勝昭です。
     出張等のためお返事が遅くなって申しわけありません。
    私は薬学の専門家ではないので、薄層クロマトグラフについて知識があ りません。しかし、一般にクロマトのような拡散を利用した計測法では 絶対値にそれほど精度がないので±10%の範囲で考えてよいのではな いでしょうか。要は、実験するたびに基準が違っていると、相対的な比 較もできませんから、ご指摘のように自分で基準を決めて、いつもそれ に従っていればよいのではないでしょうか?
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  • 759. アルミニウムの見分け方


    Date: Mon, 6 Mar 2006 17:28:53 +0900
    質問者氏名:K(Web上匿名希望)所属:K
    《質問1》
    素人が比較的簡単にアルミニウムを同定する方法がございましたらご教示願えません でしょうか。我家では健康上の理由からアルミニウムの食器は使わないことにしてい ます。先日ステンレス製と表示された食器を購入したのですが、どう見てもアルミニ ウムに見えるのです。素人なりに金属の種類を判断できる方法があればと思い、メー ルさせていただきました。
    《質問2》
    上記同様の目的で、ある物質が少なくともアルミニウムでないことがわかる方法がご ざいましたらご教示いただけませんでしょうか。

    お忙しいところ恐縮ですが、以上2点についてお返事いただけましたら幸いに存じま す。
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    Date: Mon, 6 Mar 2006 18:00:07 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
     素人が金属容器の材質を特定するのは容易ではありません。
    しかし、ステンレスかアルミかを区別するのであれば、密度を 測定すればよいのです。密度は重さ÷体積です。重さは通常の 秤で測れます。体積ですが、メモリのある透明容器に水を張り、 容器を完全に沈めたときどれだけ水位が上がるかから計算します。
     アルミの密度は2.70[g/cm^3]
     ステンレス(Fe74Cr18Ni8)の密度は7.91[g/cm^3]
    ですから、十分違いが見られるでしょう。
     また、ふつうのIHクッキングヒータに水を入れた容器を乗せて、 加熱されればステンレス、加熱されなければアルミです。
    (もっとも、松下電器から出た最新型のIHヒータはアルミでも 加熱されますので、要注意です。)

     2番目の質問ですが、
    「少なくともアルミでない」ことを証明するには、アルミにしか起きな い現象を使うべきですが、その現象が他の金属や合金では決して起きな いということでないと、アルミだと断定できないので、簡単ではありま せん。
     また、純粋のアルミを使っている場合はほとんどなく、マグネシウム など他の金属との合金になっているため、純粋のアルミの性質を持って いるかどうかでは判定できないのです。
     Alが含まれるかどうかはEDX分析装置やEPMA分析装置などの元素分析 可能な装置を使うしか決め手はないでしょう。一般の方にはむずかしい と思います。
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    Date: Tue, 7 Mar 2006 00:26:14 +0900 AA: お忙しいところ本当にありがとうございました。大変参考になりました。益々のご活 躍をお祈りいたします。 ----------------------------------------------------------------------------
  • 760. アルミニウム棒加工後の変形


    Date: Mon, 6 Mar 2006 19:08:06 +0900
    Q: 佐藤先生様。
    前略 初めてメールをさせて頂きます。
    (株)F社のNと申します。
    (公開時は匿名でお願い致します)
    私は自動車部品の開発に携わっております。
    物性何でもQ&Aを拝見させて頂き、明解にご教示されておられるのを見させて頂き、
    私もご教示頂ければ幸いと思い、メールをさせて頂きました。

    (質問内容)
      Φ10程度の棒状のアルミバー材を旋盤加工して
     部分的にΦ5程度まで切削しておりますが、2〜3μm
     程度の同軸不良が発生致します。原因はバー材
     の内部応力が、径が細くなることで少し解放されて
     変形につながっていると推定しております。(バー材
     自体は、T6処理されています)
      しかし、調査していく中で、数日経った後で同軸
     測定をすると同軸がさらに1〜2μm悪化している
     傾向が見られます。
     
      そこでお教えを請いたいのですが、「まず変形は
     本当に内部応力の解放で発生しているのか、もし
     そうであれば内部応力の解放は時間によって影響
     するものなのか」ということを教えて頂けないでしょうか。

      以上につきまして、お教え頂ければ幸いです。
     よろしくお願い致します。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 6 Mar 2006 19:53:30 +0900
    A1:N様、佐藤勝昭です。
     旋盤加工の際の試料のセンターの支持の仕方によってはたわみが生じ 5mmφに対して中心軸のずれが2-3μm程度(1/000位の誤差)の可能性が あると思いますが、私は金属加工学の専門家ではないので、正確な判断 はできません。機械工学の関係者に尋ねますので、しばらくお時間を頂 きたく存じます。
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    Date: Thu, 9 Mar 2006 11:00:18 +0900
    Q2:前略 早々にご連絡頂きありがとうございます。
    何卒よろしくお願い致します。
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 21:21:09 +0900
    A2: N様、佐藤勝昭です。
     機械材料工学の桑原先生に聞きましたが、
    「棒材ではありませんが,アルミの板製品の形状が,倉庫に保管中にわ ずかですが変化したという話は,以前聞いたことがあります.
    自分で研究したことがないのでメカニズムはよくわかりませんが(転位 が動くのでしょうが...),お問い合せのような現象は,少なくとも アルミニウム合金には存在するようです.」
    との回答でした。
     実際の問題解決のためには、農工大TLOを通じて技術相談をされては 如何でしょうか?
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  • 761. 金属の熱処理による物性変化


    Date: Tue, 7 Mar 2006 11:38:17 +0900
    Q:こんにちは、返信のほうよろしくお願いします。
    質問はいくらかございますが、説明できる範囲で結構ですのでよろしくお願いします。

    @鋼材の熱処理の文献でよくオーステナイトは非磁性で、マルテンサイトは磁性がある。とありますがどうしてでしょうか? 出来るだけ簡単に(サルでも分かる説明で)お願いします。

    A鋼材(たとえばSKD11)に熱処理をすると硬化する(HRC20からHRC60に変化)にもかかわらずヤング率はあがるどころか、むしろ少し下がると聞きました。 (結果としてはほとんど変わらない?)なぜでしょうか?

    参考サイトでもご紹介いただけると助かります。
    よろしくお願いします。
    田原金属工業所 田原基広
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    Date: Wed, 08 Mar 2006 13:54:51 +0900
    A: 田原様、佐藤勝昭@京都です。
     出張中で手元に文献がありません。出張から戻ってからお答えします。
    @については結晶構造の違いによるものと考えられます。
    A熱処理による硬化のメカニズムによりますが、一般には硬さとヤング率は直接関係ありません。
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 22:22:16 +0900
    A1: 田原様、佐藤勝昭です。
     先日は、出張中で十分なお返事ができず失礼しました。
    @「オーステナイトは非磁性で、マルテンサイトは磁性がある。とあり ますがどうしてでしょうか?」という質問ですが、猿でもわかるように やさしく答えるのはむずかしいです。
     鉄はたくさんの結晶粒からなる多結晶構造をしています。各結晶粒の 結晶構造(結晶の単位格子を構成している原子の並び方)は、低温では α相(体心立方構造)ですが、高温ではγ相(面心立方構造)となって います。α相は磁性をもちますが、γ相では原子間距離の関係から室温 で強磁性にならないのです。
    オーステナイトという炭素鋼は高温相のγ相を安定化したものですから、 磁性がありませんが、熱処理をしてマルテンサイト変態が起きると、α 相の鉄が析出して磁性をもつようになるのです。

    A「鋼材に熱処理をすると硬化するにもかかわらずヤング率はあがるど ころかむしろ少し下がる」のはなぜかというご質問ですが、
     鋼の熱処理では、一般には鋼材を軟化させる効果があります。これは、 結晶粒が熱処理によって成長して粒径の大きな結晶粒になるからです。 しかし熱処理によっては、結晶粒の析出による微細化、あるいは結晶 粒の融合による粗大化が起き、組織が複雑になるため、硬化する場合が あります。このような場合、熱処理後の鋼の物性は構成する結晶そのも のの物性ではなく金属組織のもつ物性となり、単純ではないのです。析 出相を含む組織は複雑化したため全体として硬さは高いが、ヤング率に は構成している結晶粒のうちヤング率の小さな相が効いているのではな いでしょうか。
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    Date: Mon, 13 Mar 2006 11:06:10 +0900
    Q2: お世話になります。
    田原でございます。
    多忙のことと思いますが、新たな疑問点がありますので、前の質問と合わせてご返信のほうよろしくお願いします。
    Aについて硬さの定義が良く分からなくなってきました。
    当初の私の考えでは、「硬さ」は分子間の結合力ににより左右されると思っていました。
    硬ければ硬いほど分子間の結合力は強くなり、応力も増加し、ひずみ量が減少し(硬ければ硬いほどもろい、欠けやすい?)ヤング率は増加する。よって、ヤング率が高ければ高いほど硬く、たたくと高い音がする。
    私自信の考えはどこから間違っているのでしょうか?
    よろしくお願いします。
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    Date: Mon, 13 Mar 2006 12:38:28 +0900
    A2: 田原様、佐藤勝昭です。
     単結晶においては、「硬ければ硬いほど分子間の結合力は強くなり、応力も増 加し、ひずみ量が減少し(硬ければ硬いほどもろい、欠けやすい?)ヤング率は 増加する。」といってもよいと思います。しかし、多数の結晶粒からなる多結晶 試料や、異相の析出した混相の多結晶では、それほど単純ではありません。ま た、単結晶であっても、転位が多数入って、転位線同士が絡み合うと、非常に硬 くなりますが、ヤング率には結晶そのものの性質を反映してあまり変化がないと いうこともおこりうる訳です。
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    Date: Wed, 15 Mar 2006 09:42:10 +0900
    Q3: お世話になります。田原です。
    早速のご返答ありがとうございます。
    私自身かなり知識が整理されてきましたので大変感謝しております。
    これでこの質問は最後にしたいと思っていますので、確認を含めてあと少しの質問をさせてください。

    @ヤング率は熱処理をしても組織自体が変わるわけではないので、基本的には変化しない。
    考察:一般的な鋼材(たとえばSKD11には炭素1%ほど含まれる)は多結晶であるがゆえに、
    熱処理をすると複雑化しそれが結果として硬化という現象を引き起こす。

    A磁性に関して
    考察:鋼の熱処理に関して変態の変化を考えると常温では体心立方晶であるが、高温にする
    とオーステナイト(面心立方晶)に変化(非磁性)し、その状態から急冷すると
    マルテンサイト(磁性)に変化する。
       磁石に吸着のしやすさから考えると、初めはある程度極性モーメントがそろっている
    ためよく吸着するが、鋼材(たとえSKD11)を焼きいれ(1200度)をすると極性モーメ
    ントがばらばらの状態で急冷するため磁石には吸着しにくくなる。
       この処理の後、焼き戻し(520度、2時間した後空冷)をすることによって、組織の安
    定化をするため磁石によく吸着するようになる。(応力削除、極性モーメントの正常化)

    質問:@このときのマルテンサイトは面心立方晶なのでしょうか?それとも体心立方晶なのでしょうか?
        (調べてみましたが、見当たりませんでした)
       Aホームページのご説明の中で高温時における面心立方晶の非磁性の理由としては、 原子間距離の問題とあります。
        これは簡単に言うとどういうことなのでしょうか?(高温時に電子の磁性モーメント
    がばらばらになり非磁性になるとのかな?とは思うのですが、面心立方晶が理由で
    非磁性というのがよく分かりません。)
       B後、初歩的なことなのですが、金属を磁石にするときよくそこに別の磁石をくっつけ
    て極性モーメントの方向を同じにして磁石を作ると思いますが、後そのほかに方法は
    あるのでしょうか?(電磁石以外で)
        どうしてこのような質問をするかといいますと、弊社ではプレス金型の設計製作をして
    いますが、機械で鋼材(鋳物)を加工した時(おそらく加工熱が原因で)、磁力が発生
    したことがあるのででこのような質問になりました。
       C最後に今までの話と全然関係ない質問なのですが、銅とアルミは非磁性のため磁石に
    くっつかないことは分かったのですが、どうして銅は電流を良く流し、アルミは電流
    を流さないのかがよく説明できません。(初歩的な質問でお恥ずかしい限りです。)
    何か質問がかなり多くなりましたが、よろしくお願いします。
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    Date: Wed, 15 Mar 2006 13:56:58 +0900
    A3: 田原様、佐藤勝昭です。
    メールありがとうございます。説明不足で申しわけありません。
    確認事項とご質問にお答えします。
    [確認事項]
    @ 一般的な鋼材は多結晶であるがゆえに、熱処理をすると複雑化しそ れが結果として硬化という現象を引き起こす。ヤング率は各結晶粒の結 晶自体の性質で決まるので、大きな変化はない。
    A 鋼の熱処理に関して変態の変化を考えると常温では体心立方晶が安 定であるが、1184K(=911℃)以上に昇温するとオーステナイト(面心立 方晶)に変化(非磁性)する。この状態で急冷すると、Ms点(炭素量に 依存するマルテンサイト変態開始温度)で体心正方晶(bct)であるマル テンサイト相に相変態が始まり、Mf点(マルテンサイト変態終了温度) で変態が完成する。結晶構造の変化は10^-7sという短時間で終了する。
    このとき4.3%の膨張変化がおき、大きな内部応力を生じる。
     焼き入れ後「極性モーメントがばらばらの状態で急冷するため磁石に は吸着しにくくなる」のではなく、「自発磁気モーメントの大きさが小 さいので磁石に付く力が弱い」のではないでしょうかす。焼き入れをす ると体心立方構造のフェライト(αFe)に炭化物の混じった構造になり ます。これにより磁気モーメントが回復するのではないでしょうか。
    (なお、磁気モーメントは、数学的には軸性ベクトルであり、極性ベク トルではないので、「磁気モーメント」と書くべきでしょう。)

    [質問]
    @「このときのマルテンサイトは面心立方晶なのでしょうか?それとも 体心立方晶なのでしょうか?」
    A: 体心正方晶です。
    A「ホームページのご説明の中で高温時における面心立方晶の非磁性の 理由としては、原子間距離の問題とあります。これは簡単に言うとどう いうことなのでしょうか?」
    A: 金属磁性体の磁気については、エネルギーバンドに立脚した説明が 必要になります。面心立方(fcc)構造と体心立方(bcc)構造の磁性の理論 的な比較については、Bagayoko, Callawayのバンド計算によると、磁気 モーメントの大きさをウィグナーサイツセルの半径rsに対してプロット したとき、fccでは、rsが2.5原子単位以下で急激にゼロに近づくが、 bccではゼロにならないという計算結果となっております。(詳しくは、 Physical Review Vol.28(1993)p.5419をお読みください。従って、正し くは、金属の磁性は結晶構造と原子間距離に依存すると言うべきでしょ う。バルクのfcc-Feは非磁性ですが、銅にエピタキシャル成長した2-3 原子層のfcc-Fe超薄膜はTc=390Kの強磁性です。これは、エピ成長のた め、Fe基板に格子定数を合わせようとして、原子間距離が変化したこと によると考えられています。
    B 「金属を磁石にするときよくそこに別の磁石をくっつけて極性モー メントの方向を同じにして磁石を作ると思いますが、後そのほかに方法 はあるのでしょうか?」
    A: 強磁性金属が永久磁石になるためには、残留磁化状態を作る必要が あります。そのためには、磁気異方性の高い強磁性体でなければなりま せん。しかし、磁気異方性が強いということは保磁力も高いということ になり、そんじょそこいらの磁界では磁気飽和状態にすることができな くなります。従って、永久磁石を着磁するときには、電磁石にパルス的 に大電流をながして磁気飽和し、磁界を取り去って残留磁化状態にする のです。従って、通常の場合に、磁界以外の方法で着磁することはでき ません。(ただし、磁気トンネル接合のようなナノ領域のスピンエレク トロニクスにおいては、最近ではスピン偏極した電子を注入して、磁化 反転させる技術が開発されました。これをスピン注入磁化反転といいま すが、この世界では、磁性体に電流を流して磁化することができるので す。
    C 「銅は電流を良く流し、アルミは電流を流さないのかがよく説明で きません。」
    A: CuもAlも電気抵抗率は低い方です。Alはρ=2.5μΩcm、Cuはρ=1.55 μΩcmで、そんなに違いはありません。Alでは[Ne]の閉殻の外に3s^2 3p^1の3個の外殻電子がありますが、Cuでは[Ar]の閉殻の外に3d^10 4s^ 1と11個の外殻電子があります。3d電子は局在性が高いので全部が電 流に寄与するわけではありませんが、Cuの方がAlより電流に関与する電 子の数が多いというのが、1つの理由です。もう一つはAl原子はCu原子 に比して軽いので格子振動が起きやすいため電子の散乱が強くその結果 電子が動きにくいということもあげられるでしょう。Alでは格子振動と 相互作用しやすいので、極低温では電子同士が格子振動の量子(フォノ ン)で結びついてクーパー対を作りやすく、超伝導になるのです。Cuは 超伝導になりませんから、フォノンとの相互作用が小さいといえるでし ょう。
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  • 762. 異方性・吸収性媒質に入射した際の、異常光線の吸収係数


    Date: Wed, 8 Mar 2006 14:36:58 +0900
    Q:はじめまして、O大学4回生のKと申します(webでアップされる 際は匿名でお願い致します)。突然の質問をお許し下さい。

    質問内容は、異方性・吸収性媒質に入射した際の、異常光線の吸収係数についてで す。
    最近、異方性(主にuniaxial)・吸収性の両方を兼ね備えた媒質中における光の伝播・ 入射や屈折について勉強を始めました。
    そして、光の伝播については適当な教科書・論文に出会うことができ、勉強すること ができました。
    光の入射や屈折に関しては、常光線に関する論文には出会うことができ(一応ファイ ルを添付しておきます)、
    L. P. MOSTELLER, JR.t AND F. WOOTEN:
    Optical Properties and Reflectance of Uniaxial Absorbing Crystals*
    JOURNAL OF THE OPTICAL SOCIETY OF AMERICA 58 61 (1968)
    それによると屈折波はいかなる入射角に対しても等振幅面が媒質平面に平行となり、 光の減衰はzのみの関数で表されることや、吸収係数も分かりました。
    しかし、異常光線の屈折波に関する論文は私が検索した限りではみつかりませんでした。
    異常光線の場合でも等振幅面は媒質平面と平行になり、減衰はzのみの関数で表され、 吸収係数はbを異常光線の場合の値で書き換えれば良いのでしょうか??
    詳しく書かれている論文でも結構ですので、お忙しいと思いますが、ご指導のほどよ ろしくお願い致します。
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    Date: Wed, 08 Mar 2006 22:39:38 +0900
    A: K君、佐藤勝昭@京都です。
     出張先なので、手元に文献がありません。extraordinary rayのPoynting vector は ordinary rayと別の角度をもっているのでエネルギーの伝搬方向は傾いています。
    従って、エネルギーの減衰は、Poyinting vectorの方向に沿って考える必要がある のではないかと思うのですが、・・
    R Echarri et al. Behaviour of the Poynting vector in uniaxial absorbent media 1994 Pure Appl. Opt. 3 931-941
    を読んでみて考えてください。
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    Date: Wed, 8 Mar 2006 23:40:15 +0900
    Q2: 先ほど物性なんでもQ&Aに質問させて頂いたKです。
    出張中にも関わらず非常に素早いご返事、本当にありがとうございます。
    この論文は検索でも引っかかっていたのですが、私の大学ではこの雑誌をネットで見 ることができず、また図書館にも置かれていないため(1999年〜しかありません)、見ることができま せんでした。
     もしこの論文のファイルをお持ちの場合、出張から帰られた際にe-mailで送って頂 くことはできませんでしょうか?
    誠に不躾なのですが、もしよろしかったらお願い致します。
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 20:27:48 +0900
    A2:K君、佐藤勝昭です。
     本学の図書館にもないようです。
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    Date: Sat, 11 Mar 2006 21:03:21 +0900
    A3: K君、佐藤勝昭です。
     君が添付してくれたファイルにおいて、(68)式を導くのにポインチン グベクトルを計算していますね。異常光線に対してもポインチングベク トルを見積もって(64)式の形に持って行けばよいのでしょう。おそらく bだけでなくaも入った複雑な式になると思います。
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  • 763. 準定常電流近似と変位電流


    Date: Thu, 9 Mar 2006 22:09:10 +0900 (JST)
    Q: 東京農工大学 佐藤勝昭先生
    C社のNと申します。お世話になります。
    (HP掲載時には、恐れ入りますが会社名、氏名ともに匿名でお願い致します)
    電気伝導度が0の誘電体内に、2本の離れた平行導体板A,Bがあるとします。
    導体板Aに角周波数ωの交流電流を流すとき、準定常電流近似のもとでは 導体板AからBへ流れる電流は伝導電流、変位電流ともに0です。
    従って、Bには電流は駆動されないはずです。
    しかし実際は、Bにも電流が駆動するようです。
    誘電体中を電流が流れないのに、なにがBの電流を駆動させるのでしょうか。
    どこか誤った理解をしているはずなのですが、それがどこなのか見当がつきません。
    また、A内の電荷の運動により、B内の電荷がLorentz力を受けて電流が 駆動するのかとも思ったのですが、そもそも電界の時間変化を無視するのが 準定常電流近似なので、これもおかしい考えだと思います。
    乱文で申し訳ないのですが、お力添えの方、よろしくお願い致します。
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    Date: Thu, 09 Mar 2006 22:41:14 +0900
    A: N様、佐藤勝昭@京都出張中です。
     状況が良く飲み込めないのですが、
    添付図のようなものをお考えでしょうか?
    準定常状態といっても、交流ですから、誘電体内には局所的な電荷の移動が起きています。
    Aの導体版間の電界分布は理想的にはAの導体に垂直になるはずですが、実際には 電気力線はふくらんでおり、この電気力線に沿って局所的な電荷の移動が起きます。従って、 わずかながらBの領域にも影響があるはずです。
     このほか、高周波になると、Aの電極間での電界の振動がアンテナになってBの 極板間に振動電界が誘起される効果が考えられます。これは、誘電体を無くして考えても よいでしょう。
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    Date: Fri, 10 Mar 2006 16:21:08 +0900 (JST)
    Q2: 佐藤様
     非常に迅速な返信ありがとうございました。考えている系は送って頂いた添付図のようなものです。
     この質問は、私が準定常電流近似を理解していなかったことが原因でした。
    準定常電流近似は導体内で変位電流を無視する近似ですが、 これを誘電体内でも無視するものだと誤解していました。

     つまり、誘電体内で電界の時間変化は一切許されないと思っていたわけです。
    先生のご説明と合わせて、理解させて頂きました。
    ありがとうございました。

     ただそう考えると次の疑問が湧きます。
     変位電流を無視するのは導体内だけで、誘電体では無視できないわけですよね?
    そうすると、導体から空間に向けて電磁波の放射が起こるはずです。
     しかし、電磁界シミュレータで準定常電流モードでは放射を無視するために 計算が高速になる、という記述を見かけます。
    この矛盾はどこから来るのでしょうか?

     出張中でお忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。
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    Date: Sun, 12 Mar 2006 07:43:07 +0900
    A2:N様、佐藤勝昭です。
     電磁界解析は、その道のプロの分野なので奥が深く、私の出る幕はあ りません。計算手法には時間短縮のため様々な工夫がされておりますが、 それぞれの計算条件はある仮定のもとで成立するので、現実の課題にそ の条件が適用できるかをよく検討する必要があります。
     お手持ちの解析ソフトの会社によくお問い合わせください。
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    Date: Sun, 12 Mar 2006 09:59:41 +0900 (JST)
    AA: 佐藤先生
    Nです。お世話になっております。
    本件は電磁界ソフトの会社に問い合わせることに致します。
    お手数をおかけして申し訳ございませんでした。
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  • 764. この項目は質問者の希望により削除しました


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  • 765. チタンの複素屈折率


    Date: Wed, 15 Mar 2006 16:04:30 +0900
    Q: A社のSと申します。
    以前、Fe, Al などの特定波長に対する複素屈折率を教えていただいたのですが,
    今回は、耐食材料として有名なチタン(Ti)に関して、1μm帯と10μm帯の複素屈折率
    を教えていただきたいと思います。宜しくお願い申し上げます。A社Sより 
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    Date: Thu, 16 Mar 2006 13:21:56 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     メール拝受。手元の資料(Landolt-Boernstein)によると、Tiの光学定数については、 0.64eV(λ=2μm)より高い光子エネルギーについてのデータしかありません。
    1μm付近のデータとしては、
    1.26eV(0.98μm)の値が出ています。
     n=3.35, κ=3.97
    となります。
    10μmのデータは出ていません。(ドルーデ項のためn、κとも大きな値になりはずです。)
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    Date: Thu, 16 Mar 2006 13:33:56 +0900
    AA: 佐藤先生
    早急な回答ありがとうございました。頂いた数値をベースに計算します。感謝。Sより
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    Date: Fri, 17 Mar 2006 14:18:14 +0900
    A2:S様、佐藤勝昭です。
     LandoltにTiのDrude parameterが載っていましたので それをもとに、10μmでのn,κを見積もりましたところ、 n=7.8, κ=9.5という値が出ました。参考にして下さい。
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    Date: Wed, 22 Mar 2006 06:16:42 +0900
    AA2: 佐藤先生
    主題の10μm帯のデータ諦めておりました。感謝いたします。
    A社Sより
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  • 766. レーザ高調波のスペクトル幅


    Date: Thu, 16 Mar 2006 12:56:31 +0900
    Q: 佐藤先生
    再度、お世話になります。
    S大工学部3年のSです。前回同様アップロードの時には匿名でお願いします。
    SHGやTHG等の高調波発生に関する質問にお答えいただけないでしょうか。
    Nd:YAGのSHGやTHGについて分極を考慮した波動方程式を導いて SHG、THG変換後の強度を説明する部分は良く分かったのですが、 レーザーのスペクトルがSHG,THG変換後にどう変化するのか良く分かりません。
    k(波長)を波数として1/k(532nm) = 1/k(1064nm)+1/k(1064nm)から
    1064nmが0.6nmのスペクトルなららSHG、THG変換後のスペクトルは 1/2倍、1/3倍になるのかなとイメージしていますが、 何を根拠にて正しいのか間違っているのか良いのか教えていただけないでしょうか。
    宜しくお願いします。
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    Date: Fri, 17 Mar 2006 10:14:38 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
    レーザ物理の専門家に聞きましたところ、
    「SHGにおいては、パルス光の時間幅はガウス関数の2乗で効いてくるので、時間幅は√2分の1になります。 一方、周波数領域での幅は、エンベロープの積でなくコンボリューションになるので、ルート2倍に広がります。 時間幅が狭まって周波数幅が広がるので、これで不確定性を満たします。
    「2関数のコンボリューションのフーリエ変換はそれぞれの関数のフーリエ変換の単純な積になる」という数学の 定理の物理バージョンになっています。」との回答でした。
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    Date: Sat, 18 Mar 2006 23:08:35 +0900
    AA: 佐藤先生
    ありがとうございました。
    コンボリューションになるという点は、
    時間軸では基本波の強度の2乗にSHGの時間波形が比例するのに対応して 周波数軸ではコンボリューションになるという風に理解しました。
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  • 767. 電源電圧の作り方によるトランス出力の違い


    Date: Sat, 25 Mar 2006 11:47:31 +0900
    Q1: 突然のメール失礼します。
    物性なんでもQ&Aを拝見しどうしても、早急に知りたいことがありメールいたしました。
    よろしくお願いいたします。
    電源をコンデンサ分圧により作り出している5Vの電源(以下Aパターン)と
    商用電源から絶縁トランスで5Vを作り出している電源(以下Bパターン)があります。
    周波数は50Hzです。
    この電源をそれぞれ低電圧トランス(5V:3V)のP側に接続した際、 以下の事象が発生しました。
    @ Aパターン
      P側の電圧*****4.9V
      S側の電圧が*****3.0V
      励磁電流*****60μA
    ABパターン
      P側の電圧*****2.7V
      S側の電圧が*****1.5V
      励磁電流*****?
    同じ定格の新品を測定すると いずれの場合も定格とおり5Vの入力に対し、3Vを出力しました。励磁電流 10μAでした。
    一般にレアショーによる不具合と感じるのですが、二次巻線は問題ありませんでした。
    仮に、一次巻線と二次巻線の静電シールドがうまくいてないとこのようか現象がおきるのでしょうか?
    電源パワーの違いが影響しているとは推測できますが、電気理論的に数式で説明することは可能でしょうか?
    可能な限り早く、論理的に解釈できればと思いますのでご教示いただければ、大変助かります。
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    Date: Sat, 25 Mar 2006 21:25:18 +0900
    A1:佐藤様、佐藤勝昭です.
    新品をつないだとき正常に動作するということは、A電源もB電源も問題がないということですね。
    トランスをつないだとき、2次側が開放であれば、Bにおいて1次側の電圧が2.7Vになることは普通は考えられません。
    Aの場合を考えると、2次側に負荷が接続されているとしか考えられません。1次側が4.9V、60μAであれば、 2次側の電流は97.8μmであり、2次電圧3Vとすると、負荷のインピーダンスは30.6kΩということになります。
    しかし、この負荷の付いたトランスをB電源につないでも、電圧が2.7Vに落ちるとは考えられません。 失礼ですが、A電源とB電源が逆ではないでしょうか。
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    Date: Sun, 26 Mar 2006 14:32:50 +0900
    Q2:佐藤勝昭さま
    早速のメールありがとうございました。
    原因ががわかりました。
    静電シールドのためのど銅テープが微妙にショートターンになり3次巻線が形成されたことが原因でした。 製造上の問題でした。きわめてレアーケースで高インピーダンス(コンデンサ分圧)では電源供給が足らなかったと 判断しました。
    低インピーダンス電源では、パワーで補ってしまいました。ありがとうございました。
    今後とも宜しくお願いいたします。
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    Date: Mon, 27 Mar 2006 19:47:59 +0900
    A2:佐藤様、佐藤勝昭です。
     原因がわかってよかったですね。ところで、確認したいのですが、Aの場合(コンデンサ分圧) のほうが電圧が低下したのですね。(質問はB(トランス)の方が低下したとありましたが、・・
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    Date: Mon, 27 Mar 2006 23:57:43 +0900
    Q3:佐藤さま
    そのとおりです。
    > 電源をコンデンサ分圧により作り出している5Vの電源(以下A→Bパターン)と
    > 商用電源から絶縁トランスで5Vを作り出している電源(以下B→Aパターン)があります。
    の間違えでした!!!(笑)
    パワーがない、コンデンサ分圧は、静電シールドショートターンやわずかなレアショートには、敏感のようです。
    うまく数式で表現できるだけの知識がなく情けないんですが、おそらくコンデンサ分圧でも静電容量の大きなものであれば いけたんだと思います。
    今後とも宜しくお願いいたします。
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    Date: Fri, 31 Mar 2006 13:59:53 +0900
    A3:佐藤様、佐藤勝昭です。
     数値的な説明をいたします。
    添付ファイルのような回路計算をしまし た結果、コンデンサ分圧回路が
    C1=0.684 (nF)
    C2=19C1=13.00(nF)
    であれば、見かけのインピーダンス81.6kΩのトランスをつないだとき
    の電圧が2.68Vになることが示されます。
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  • 768. フラットパネルディスプレイと無機材料


    Date: Mon, 27 Mar 2006 13:07:55 +0900
    Q: 東京農工大学
    佐藤勝昭研究室 御中
    はじめまして、Y社のM(公開時匿名希望)と申します。
    この度は貴研究室のホームページを拝見し、弊社の調査課題についてご質問をさ せて頂きたく、メールを差し上げた次第でございます。

    弊社では現在、無機材料の利用価値について検討しております。なかでも、FD P(フラットパネルディスプレイ)の部材(例えば、透明導電膜や反射防止パネル など)における無機材料の利用可能性について探索しています。そこで、以下の ことについてご教示頂けると幸いです。

    FDP部材について
    1.今後、無機材料がより使われる可能性はあるでしょうか?
    2.使われるとすれば、どのような部分でしょうか?
    3.有機材料から無機材料に代替できるものはあるでしょうか?

    何卒、ご教示の程を宜しくお願い申し上げます。
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    Date: Mon, 27 Mar 2006 18:48:31 +0900
    A: M様、佐藤勝昭です。
    メールありがとうございます。
    ・フラットパネルにもいろいろな種類のものがあるので、その種類ごと に使われる部材が異なります。
    ・無機物が中心的役割を果たすのは、プラズマディスプレイ(PDP)と無 機ELディスプレイ(ELD)、電界放出型ディスプレイ(FED)です。CANON のSEDもFEDの一種です。
     PDPでは、パネル本体はガラスですし、電子放出源、蛍光体ともに無 機材料が使われます。有機材料の出番はありません。真空プロセスなの で有機材料は不向きです。
     無機ELDは、ガラス上に無機の絶縁物質で半導体発光材料をサンドイ ッチした二重絶縁構造をとりますが、高温プロセスが必要なので、有機 物質は使えません。
     FEDも真空装置なのでパネル材料はガラスです。蛍光物質も電子線励 起なので有機材料は劣化のおそれあり、無機材料でないとだめでしょう。 電子放出源には金属が使われますが、最近はカーボンナノチューブも使 われるようになりました。
    ・有機物が中心的役割を果たすのは液晶ディスプレイ(LCD)と有機EL ディスプレイ(OLED)です。LCDについては、液晶および配向剤は有機物 ですが、パネル剤は無機のガラスですし、透明電極、薄膜トランジスタ (TFT)などは、無機材料が使われています。カラーフィルタは、有機の フィルムが使われるようですが、無機材料で置き換え可能です。
     一方、OLEDはまだ、小型のものしか普及段階にありませんが、プラス チックフィルムの上に作成可能なので、曲げられるディスプレイとして 期待されますが、透明導電膜は無機材料が使われると思います。
    ・透明導電膜に関しては、有機材料に置き換わることはまずないと断言 できるでしょう。なぜなら、透明な導電性有機材料は一般に高抵抗で、 導電率の高いものは金属光沢をもち不透明だからです。また、透明導電 膜の製膜後プロセスにかけることが多く、有機物質では熱耐性がないか らです。
    ・反射防止膜は、薄膜の干渉を利用しますから、透明でかつある程度屈 折率の大きなものであれば有機・無機を問わないと思います。堅牢さを 考えると無機材料の方がよいかも知れません。
    ・このように、FPDは無機材料が現在のところ主流なので、あなたの ご質問とは逆に「無機材料から有機材料に代替できるもの」を探してい るのが現状でしょう。
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    Date: Wed, 29 Mar 2006 10:46:21 +0900
    AA: 東京農工大学
    佐藤勝昭 先生
     この度は、私の稚拙な質問にもかかわらず、親切にご回答を頂きまして、誠に 有難うございます。先生にご教示頂きましたことで、FDP部材の現状について、 とてもよく理解することができました。先生の御恩に報いるよう、今後も調査研 究に精進して参る所存でございます。
     本来であれば、お伺いして御礼申し上げなければならないところでございます が、所在が大阪ということもあり、本メールにて御礼のご挨拶と代えさせて頂き ます。
     今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 06 Apr 2006 16:26:43 +0900
    Q2: 東京農工大学
    佐藤勝昭 先生
     先日、無機材料の利用価値についてご質問させて頂き、3月27日にご回答を頂 戴しました、Y研究所のM(同じく公開時匿名希望とさせて頂きます) でございます。先般はご親切に回答を頂き、誠に有難うございました。先生から ご教示頂いたことで、以後の調査研究の方向性が明確になりました。
     お忙しいところ、恐縮ではございますが、本日は新たにご質問をさせて頂きた く、ご連絡を差し上げた次第でございます。先生のおっしゃる通り、無機材料を 有機材料に代替するケースが、この間にも見受けられました。なかでも、GE- Plastics社が3月28日、有機ELパネル向けのプラスチック基板を開発したことに、 弊社では注目致しております。そこで、ご質問なのですが、プラスチック基板を 使うことで、技術的に基板の安定性は確保されるのでしょうか?
     また、大枠的なご質問になるのですが、無機材料から有機材料へ代替しようと する理由について、弊社では「材料部材が枯渇する危険があるため」「工程の中 に真空プロセス等があり煩雑な工程となるため」「煩雑な工程等から通常コスト 高になるため」、以上の3点と認識しておりますが、この見解は妥当なものでし ょうか?ご教示頂けますと幸いです。
    何卒、宜しくお願い申し上げます。
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    Date: Fri, 07 Apr 2006 00:49:16 +0900
    A2: M様、佐藤勝昭です。
     GE-Plastics社が3月28日、有機ELパネル向けのプラスチック基板を開発したこ とを存じませんでした。詳細が分かりませんので、安定性についてのコメントは 差し控えたいと存じます。
     有機材料(プラスチックスを含む)を使うメリットは、(1)無機材料に比べ て加工性がよい、(2)ものによってはフレキシブルで、巻いたり折り曲げたり できる、(3)透明なものが多いので光を取り出しやすい、(4)安価である。  というようなことではないかと存じます。
     なお、失礼ながらM様の材料についての科学知識がかなり乏しいすぎる ようにお見受けします(ひょっとして文科系?)ので、もう少し基礎から勉強 されることをお勧めします。あるいは、科学技術の調査をクライアントから 依頼された場合には、しかるべき大学・研究機関等に受託研究に出された方が よいのではないかと愚考します。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 07 Apr 2006 10:57:24 +0900
    AA: 東京農工大学
    佐藤勝昭 先生
     この度も、私の稚拙な質問にもかかわりませず、親切にご回答を頂きまして、 誠に有難うございます。先生のご指摘どおり、私は文系のMBA取得者でござい まして、本件につきましては、経営管理の面で係わっております。また、このよ うな化学の案件につきましては、初めての試行となります。書籍などで知識を得 ようとしているのですが、私の文系的な質問に直接回答してもらえる書籍に出会 えず、先生の過去の丁寧なご回答をネットで拝見し、おすがりした次第でござい ます。
     今後は、よりこの分野について基本的な知識を蓄えて参る所存でございます。
     この度の件につきまして、先生の貴重なお時間を頂戴いたしました。
     深く感謝申し上げます。
    ----------------------------------------------------------------------------
  • 769. なんでもQ&A#676.薄膜の多重干渉の式の修正


    Date: Fri, 31 Mar 2006 16:47:56 +0900
    Q:マクセルの萬です。
    「物性なんでもQ&Q」の
    676. 吸収性物質における多重干渉で、先生の 式の中で、φ=k0・N・d はk0・d+k0・N・dになるべきのような気がします。
    先生もご存知のように多重反射は電場・磁場の界面での接線成分の連続性からも算 出できますが、透過光の界面での連続性から上記の項が加わるはずと考えます。 つまらないこと書いて申し訳ありません。
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    Date: Fri, 31 Mar 2006 17:52:42 +0900
    A:萬様、佐藤勝昭です。
     ご指摘のφですが、これは、両界面の間を光が伝搬した際に受 ける位相の変化なので私の式であっているはずです。光学薄膜の書物も そうなっています。
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    Date: Tue, 4 Apr 2006 16:06:42 +0900
    佐藤勝昭先生:
    おっしゃるように位相差であることはそのとおりなんですが、要は屈折率N=n+iκ を有する膜の原点をどこにとるかによって入射波側か透過波側の振幅にexp[±ik0 ・d]がかかります。膜の厚み方向の原点を透過側の界面にとる場合は、先生のおっ しゃるように透過波の振幅にexp[ik0・d]はかからなくなりますが、反射波の振幅 にexp[ik0・d]か exp[−ik0・d](進行方向のどちらを正にとるかによって変わる)がかかります。 逆に膜の原点を光の進入側にとりますと反射波振幅にはこの項はかからなくなり、 透過波振幅にexp[ik0・d]かexp[−ik0・d]がかかります。ただしこのちがいが現れ るのは、いわゆる進入波と透過波の振幅比の場合のみでして、反射率や透過率であ る(絶対値)2乗比にすると当然ながらexp[i.....]の項は1になり関係なくなり ます。
    釈迦に説法で失礼ですが、下記に式で表します。簡単のため垂直入射の条件で計算 しますと入射側の界面での境界条件は、
    電場の接線成分の連続性:
        E0・exp[ik0・z]+E0r・exp[−ik0・z]=E1・exp[ik1・z]+E1r・exp[−ik1・z]・・・・・・・・・@
    磁場の接線成分の連続性:
       (k0/(m0w))・(E0・exp[ik0・z]−E0r・exp[−ik1・z])
    =(k1/(m1w))・(E1・exp[ik1・z]−E1r・exp[−ik1・z])  ・・・A
    入射側の界面の位置をz=0にとると@、Aはそれぞれ、
    E0+E0r=E1+E1r・・・・・・・・・・・B
    (k0/(m0w))・(E0−E0r)=(k1/(m1w))・(E1−E1r)・・・・・・・・・・・・・・・・C
    となります。ここでEの添え字のゼロは空気(真空)中の入射光、添え字の0rは空 気中の反射波であることを意味します。
    またEの添え字の1は、屈折率N=n+iκの膜中での入射光と同じ進行方向の波である ことを意味し、添え字の1rは逆方向に進行する波(膜の裏側からの反射)の成分を 意味します。m0、m1は真空および膜中の透磁率、ωは光の振動数を表します。ωは空気中から膜中に進 入しても変化はしません。k0、k1は真空中および膜中の波数であり、k1とk0の間には k1・n0=k0・(n+iκ)=k0・N の関係が成り立ち ます。

    膜の導電率σ、透磁率m、誘電率εを使って、膜物質中でのMaxwellの方程式、
    ∂E/∂z=−m∂H/∂t ∂H/∂z=−ε∂E/∂t−σE
    から導かれる二次微分方程式、
    (∂^2/∂z^2−εm・∂^2/∂t^2−σm・∂/∂t)E=0
    において、E、Hがexp[i(k1z-ωt)]の解を有するとして上式に代入すると
    k1^2−εmω^2−iσmω=0
    となります。その解 α+iβ、
    α=ω・Sqrt(εm・(1+Sqrt(1+(σ/(εω))^2)))
    β=ω・Sqrt(εm・(−1+Sqrt(1+(σ/(εω))^2)))
    において k1/ω=α/ω+i・β/ω=n+iκ
    から基本的にn、κは定義されます。
    n0は空気中の屈折率で1、強磁性体以外ではm0=m1(=1)とおいても差し支えありませんので、したがってCは、 E0−E0r=N・(E1−E1r)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・D
    次に入射面の裏側、すなわち透過側での界面では同様に、
    電場の接線成分の連続性:   
    E1・exp[ik1・z]+E1r・exp[−ik1・z]=E2・exp[ik0・z] ・・・・・・・・E
    磁場の接線成分の連続性:   
    (k1/(m1w))・(E1・exp[ik1・z]−E1r・exp[−ik1・z])
    =(k0/(m0w))・E2・exp[ik0・z]     ・・・・F
    ここでz=dを代入し、k1、k0の関係を使って変形しますと、
    E1・exp[ik1・d]+E1r・exp[−ik1・d]=E2・exp[ik0・d]・・・・・・・・G
    E1・exp[ik1・d]−E1r・exp[−ik1・d]=(1/N)・E2・exp[ik0・d]・・・・・・・・・H
    BとDから、
    E0=1/2・((1+N)・E1+(1-N)・E1r) ・・・・・・・・・・・I
    E0r=1/2・((1-N)・E1+(1+N)・E1r) ・・・・・・・・・・J
    GとHから、
    E1=1/(2N)・(1+N)・E2・exp[i(k0-k1)・d]   ・・・・・・・・・・・K
    E1r=1/(2N)・(N-1)・E2・exp[i(k0+k1)・d]   ・・・・・・・・・・L
    KとLをIに代入し、
    E0=1/(4N)・((1+N)^2・exp[-ik1・d]-(1-N)^2・exp[ik1・d])・exp[ik0・d]・E2
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・M
    つまり、
    E2/E0=4N・exp[i(k1−k0)・d]/(1−(1-N)^2/(1+N)^2・exp[i2k1・d])
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・N
    このようにexp[-ik0・d]が付加されます。これは下側(z=d)の界面で空気中と の電磁場成分との連続性に由来するものです。
    ちなみにKとLをJに代入しますと、
    E0r=1/(4N)・(1-N^2)(exp[-ik1・d]-exp[ik1・d])・exp[ik0・d]・E2
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・O
    MとOから、
    E0r/E0=(1-N)/(1+N)・(1-exp[i2k1・d])/(1−(1-N)^2/(1+N)^2・exp[i2k1・d]) 
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
    となります。ここでも膜界面と空気中との電磁場成分の連続性に由来する境界条件 は変わりませんが、exp[±ik0・d]のdがゼロですので表面上式には現れません。
    反射率や透過率として定義されるものは、NやPの2乗比のことを言いますので、 Nは2乗すると明らかにexp[i(k1−k0)・d]の項は消えます。
    以上

    追伸:先生の記事面白く読ませていただきました。特に最近のネットに頼る云々は 耳が痛いです。私のように独学でやっていると、実は本で調べて丹念に知識を積み 重ねるだけでは袋小路に入ってしまいます。そんな時、やはり人に会ってディスカ スすることの有用性が身にしみて感じられます。(できてませんが、、、) ただ 、時間かかっても自分が理解できるまでしつこくやることだけは捨ててはダメです ね。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 4 Apr 2006 20:57:23 +0900
    萬様、佐藤勝昭です。
     ご指摘ありがとうございました。反射の際の位相変化の項に入るので すね。絶対値の二乗で考えていたので、気づきませんでした。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 6 Apr 2006 09:57:05 +0900
    AA: 出張で返事が遅れて申し訳ございませんでした。私も書いたものをチェックしまし たら一部不備ありましたので下記に訂正して再度送付させていただきます。
    なお、Jacksonの電磁気の演習問題にもこの位相の項が省かれており、近似の過程 にでも消えるのかと思ったのですが、そうでない気がして正直あまり釈然としてま せん。
    先生の今後のご活躍をお祈りいたします。

    電場の接線成分の連続性: 
    E0・exp[ik0・z]+E0r・exp[−ik0・z]=E1・exp[ik1・z]+E1r・exp[−ik1・z] ・・・・・・@
    磁場の接線成分の連続性: 
    (k0/(m0w))・(E0・exp[ik0・z]−E0r・exp[−ik1・z])
    =(k1/(m1w))・(E1・exp[ik1・z]−E1r・exp[−ik1・z])  ・・・A
    入射側の界面の位置をz=0にとると@、Aはそれぞれ、
    E0+E0r=E1+E1r ・・・・・・・・・・B
    (k0/(m0w))・(E0−E0r)=(k1/(m1w))・(E1−E1r) ・・・・C

    となります。ここでEの添え字のゼロは空気(真空)中の入射光、添え字の0rは空 気中の反射波であることを意味します。
    またEの添え字の1は、屈折率N=n+iκの膜中での入射光と同じ進行方向の波である ことを意味し、添え字の1rは逆方向に進行する波(膜の裏側からの反射)の成分を 意味します。m0、m1は真空および膜中の透磁率、ωは光の振動数を表します。ωは空気中から膜中に進 入しても変化はしません。k0、k1は真空中および膜中の波数であり、k1とk0の間には k1・n0=k0・(n+iκ)=k0・N の関係が成り立ち ます。

    膜の導電率σ、透磁率m、誘電率εを使って、膜物質中でのMaxwellの方程式、
    ∂E/∂z=−m∂H/∂t ∂H/∂z=−ε∂E/∂t−σE
    から導かれる二次微分方程式、
    (∂^2/∂z^2−εm・∂^2/∂t^2−σm・∂/∂t)E=0
    において、E、Hがexp[i(k1z-ωt)]の解を有するとして上式に代入すると
    k1^2−εmω^2−iσmω=0
    となります。その解 α+iβ、
    α=ω・Sqrt(εm・(1+Sqrt(1+(σ/(εω))^2)))
    β=ω・Sqrt(εm・(−1+Sqrt(1+(σ/(εω))^2)))
    において k1・(c/ω)=k1/k0=α・(c/ω)+i・β・(c/ω)=n+iκ
    から基本的にn、κは定義されます。
    n0は空気中の屈折率で1、強磁性体以外ではm0=m1(=1)とおいても差し支えありませんので、したがってCは、
    E0−E0r=N・(E1−E1r)  ・・・・・・・・・・D
    次に入射面の裏側、すなわち透過側での界面では同様に、
    電場の接線成分の連続性: 
    E1・exp[ik1・z]+E1r・exp[−ik1・z]=E2・exp[ik0・z]  ・・・・・・・E
    磁場の接線成分の連続性: 
    (k1/(m1w))・(E1・exp[ik1・z]−E1r・exp[−ik1・z])
    =(k0/(m0w))・E2・exp[ik0・z]     ・・・・F
    ここでz=dを代入し、k1、k0の関係を使って変形しますと、
    E1・exp[ik1・d]+E1r・exp[−ik1・d]=E2・exp[ik0・d] ・・・・・・G
    E1・exp[ik1・d]−E1r・exp[−ik1・d]=(1/N)・E2・exp[ik0・d]  ・・・・・・H
    BとDから、
    E0=1/2・((1+N)・E1+(1-N)・E1r) ・・・・・・・・・I
    E0r=1/2・((1-N)・E1+(1+N)・E1r) ・・・・・・・・J
    GとHから、
    E1=1/(2N)・(1+N)・E2・exp[i(k0-k1)・d]  ・・・・・・・K
    E1r=1/(2N)・(N-1)・E2・exp[i(k0+k1)・d]  ・・・・・・L
    KとLをIに代入し、
    E0=1/(4N)・((1+N)^2・exp[-ik1・d]-(1-N)^2・exp[ik1・d])・exp[ik0・d]・E2
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・M
    つまり、
    E2/E0=4N/(1+N)^2・exp[i(k1−k0)・d]/(1−(1-N)^2/(1+N)^2・exp[i2k1・d])
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・N

    このようにexp[-ik0・d]が付加されます。これは下側(z=d)の界面で空気中と の電磁場成分との連続性に由来するものです。
    ちなみにKとLをJに代入しますと、
    E0r=(1-N^2)/(4N)・(exp[-ik1・d]-exp[ik1・d])・exp[ik0・d]・E2
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・O
    MとOから、
    E0r/E0=(1-N)/(1+N)・(1-exp[i2k1・d])/(1−(1-N)^2/(1+N)^2・exp[i2k1・d]) 
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P
    となります。ここでも膜界面と空気中との電磁場成分の連続性に由来する境界条件 は変わりませんが、exp[±ik0・d]のdがゼロですので表面上式には現れません。
    反射率や透過率として定義されるものは、NやPの2乗比のことを言いますので、 Nは2乗すると明らかにexp[i(-k0)・d]の項は消えます。
    以上
    -------------------------------------------------------------------------------
  • 770. 鋼材の硬度測定


    Q: はじめまして。
    メーカーにて品質管理を行っているものです。(個人名は匿名でお願い致します。)
    鋼材の硬度測定についてお教えください。
    材料の品質保証として材料硬度を用いることを検討しています。
    材料に合った硬度計を用いて測定できればベターなのですが、
    下記の鋼材をロックウエル硬さ(B・Cスケール)で測定した場合どのような影響が考 えられるのでしょうか?
    ・線材(SWCH)
    ・平鋼(SS400)
    ・ねずみ鋳鉄(FC)
    宜しくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 3 Apr 2006 13:04:26 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     私は、金属材料の専門家ではありませんが、一般的に見て「硬度」の みで鋼材の品質保証ができるとは思えません。鋼材の品質保証はJISに 材料ごとに決められているので、それに従って検査するべきかと思いま す。
     なお、ご質問は、他の試験方法で測るよう指定された硬さをロックウ ェル硬さで代替できないかというご質問でしょうか?試験方法間での硬 さの値の間には厳密な対応関係がないと言われています。
    ------------------------------------------------------------------------------
  • 771. アルミの電気特性の面積による違い


    Date: Wed, 5 Apr 2006 13:50:38 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生
    初めましてNと申します。(匿名希望)
    HPを見て質問をさせていただきます。
    ガラス基板上のアルミ薄膜の特性についてお聞きしたいのですが・・・
    質問内容
    ガラス基板サイズ>50cm角上のアルミ薄膜と10cm角サイズ上のアルミ薄膜 とでは帯電の影響により電気的特性や、それぞれの表面状態(ガラス、アルミ、アル ミ酸化膜との関連)
    の接触電位差の変化や影響が基板サイズにより出てくるものなのでしょうか?
    また、以下の状況について電流が流れない原因となるものを探っています。
    状況
    4探針法により上記それぞれのシート抵抗の計測をおこなったところ 10cm角のサンプルは測定ができて、>50cmのサンプル については電流が流れない現象がでてしまいました。
    また、>50cmのものについてステージ上から面積の半分を浮かした 状態にすると電流が流れる状態となります。
    サンプルは黒アルマイトのステージ上に載せています。
    以上よろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 5 Apr 2006 14:47:50 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。
    面積の違いによる電気特性の違いは、製膜装置の問題に起因します。
    真空蒸着の場合、蒸発源に近い中心部と蒸着源から離れた周辺とでは膜 厚や膜のモルフォロジーにむらが生じます。それで、基板を遊星のよう に回して均一性を保つように作ります。一方、小面積のものでは、基板 を回転しなくてもほぼ均一になります。従って、同じ膜厚の大面積のア ルミ膜を蒸着する場合、小面積に比べてかなり時間がかかります。 
     ご存じのようにアルミは大変酸化しやすく、真空中といっても10^- 5Torr程度の真空では、蒸着中に酸化が進みますから、時間がかかれば かかるだけ表面は厚い酸化膜で覆われているといってもよいでしょう。
     おたずねのケースですが、探針が表面の酸化膜を突き抜ければ金属・ 金属の接触の問題が生じますが、探針の押さえつける力が弱ければ、探 針/Al2O3/アルミのトンネル接合になっていると思われます。このため、 酸化膜の厚い50cm角の試料ではトンネル電流が流れなかったのでしょう。 10cm角では酸化膜がサブナノメートルで十分にトンネルしたのか、探針 が酸化膜を突き破って電流が流れたのでしょう。
     大きなものも斜めに浮かすとき、酸化膜が破れたか、あるいは探針の 接触面積が増え、トンネル電流が増加したかが原因でしょう。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 5 Apr 2006 15:36:40 +0900
    Q2: 佐藤勝昭 様
    とてもクイックなご回答をいただきありがとうございます。
    ご指摘の通り、アルミの酸化膜についての影響は多々あり、電極の接触条件を変える ことによりコンタクト性を良好にするようにしています。
    こちらの質問内容が不十分であったので一部補足させていただきます。
    補足
    それぞれのガラス基板は1メートル角サンプルから切り出した同一ものとなります。
    >50cm角サンプルでも、となりにあるテフロン製のテーブル上では問題なく計測でき ます。
    浮かした状態の測定とは、測定する側をステージの平面上で行なっています。
    アルミ膜部分とステージのアースとをショートさせると電流が流れる。
    以上の点より予測できることがありましたらご教授願います。
    お手数おかけしてすみません。
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    Date: Wed, 5 Apr 2006 19:18:42 +0900
    A2: N様、佐藤勝昭です。
     事情が飲み込めずとんちんかんな返事をしたようですね。
    テフロンのテーブルでは問題がなく測定できるのであれば テーブルが金属であることに原因を求めるべきでしょう。
     確認したいのですが、4端子測定に高周波を使っていないでしょうか。 その場合は50cm角の金属膜つきガラス基板が金属テーブルに接触してい るとだと相当な静電容量になるので、電流は膜を流れずにそちらを流れ てしまい、測定できないでしょう。
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    Date: Thu, 6 Apr 2006 09:24:32 +0900
    AA: 佐藤勝昭 様 N@Nです。
    ご回答いただきありがとうございます。
    測定には直流4探針法を使用しています。
    テーブルと試料の断面は次の通りです。
    アルミ(試料台)→黒アルマイト→ガラス+アルミスパッタ膜
    やはりテーブルと何か(静電容量等)が関係しているようですね
    そのあたりの影響がアルミ酸化膜のトンネル接合 を阻害させているのでしょうか?
    このあたりを突詰めて研究してみたいと思います。
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  • 772. 窒化珪素の硬度


    Date: Fri, 7 Apr 2006 12:09:57 +0900
    Q: はじめまして.私はK大学院K研究科の者です.今,シリコンナイトライド(窒化膜,Si3N4)の文献を調査しているのですが,硬度(ヌープ,ビッカース等)関連の文献が見当たりません.ですのでナイトライドの物性を教えていただけないでしょうか?
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    Date: Fri, 7 Apr 2006 21:10:37 +0900
    A:K君、佐藤勝昭です。
    京セラの繊維機械セラミック
    技術情報 によれば、Si3N4の
    ビッカース硬さ HV1(荷重=9.807N)は14.0(GPa)となっています。
    薄膜ではどうなるかわかりませんが。
    なお、質問者は、氏名所属をきちんと名乗ってください。
    その上で「匿名希望」と書いてください。
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  • 773. 金属材料のマイクロ波焼結


    Date: Fri, 7 Apr 2006 16:31:38 +0900
    Q:東京農工大学 佐藤勝昭様
    はじめまして、H社のOと申します。(公開時匿名希望)
    この度は貴研究室のホームページを拝見し、弊社の調査課題についてご質問をさせて頂きたく、メールを差し上げた次第でございます。
    私は現在、金属材料のマイクロ波焼結(2.45GHz)について検討しております。
    なかでも、還元ガス雰囲気(水素ガス)や不活性ガス雰囲気(窒素、アルゴンガス) もしくはその混合ガス雰囲気での焼結の検討を進めております。
    そこで、以下のことについてご教示頂けると幸いです。
    ・マイクロ波を炉内に照射した際、炉内の雰囲気によっては何か危険性があるの でしょうか?
    何卒、ご教示の程を宜しくお願い申し上げます。
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    Date: Fri, 7 Apr 2006 20:52:47 +0900
    A: O様、佐藤勝昭です。
     私は、存じ上げなかったのですが、
     
    Prof. Dinesh Agrawal: Materials World, Vol. 7 no. 11 pp. 672-73 November 1999.
    によると、マイクロ波で焼結すると機械的強度の優れた金属ができるよ うですね。まだ理由は解明されていないようですが。
    粉末金属に空気中でマイクロ波を照射すると、パチパチと音がしてたち まち酸化するので危険ですが、大気圧の水素や不活性ガス中なら問題な いと存じます。ただし、ガスを減圧すると放電してプラズマが生じるの で、別の問題がでてくると思います。
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    Date: Tue, 11 Apr 2006 08:51:45 +0900
    AA: 佐藤様
    Oです。迅速なご回答をいただきありがとうございます。
    とても助かりました。
    ご指摘の通り、我々の検討の中でもマイクロ波焼結すると、従来焼結よりも 機械的強度の優れた金属ができるという結果が得られております。
    今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
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  • 774. 水中の電波伝搬


    Date: Wed, 19 Apr 2006 11:07:39 +0900
    Q:初めてメール致します、私、携帯電話の修理業務を経て 今、水中での電波伝搬を調べている、S社のTと申します 上記の事を調査中、佐藤先生のHPにヒットしました。
    現在、電磁誘導式RFID用ループアンテナ(f=134.2KHz)を用い 水中―空中の伝搬損失の測定を行ってますが、測定データが理論(水中では 周波数が低い程、伝搬損失は良く、高い程悪い)通りにならず苦慮してます
    基本的チェック(ケーブルロス、インピーダンスの整合等)はOKでした、周波数別による 水中での伝搬距離の計算法や測定法等ご助言頂ければ、幸いです。

    参考に当方が行っている
    測定方法
    防水ケース(縦27.5cmХ横37.5cmХ深さ13cm)にいれたループアンテナ(縦20cmХ横20cm、自己インダクタンス27μH)を 水槽(縦40cmХ横55cmХ深さ31cm)に入れ間隔57cm、107cmで測定した
    調査周波数:80KHz、100KHz、132KHz、200KHz、1MHz,10MHz,13.56MHz,20MHz
    出力10dBm、0dBm、-10dBm、-20dBm、-30dBm、-40dBm
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    Date: Wed, 19 Apr 2006 12:32:42 +0900
    A:T様、佐藤勝昭です。
     添付図を拝見しますと、発信側のループアンテナの背面はオープンの ようですね。これだと電磁波は後ろからも回り込むので、正確なデータ はとれないと思います。
     それから、なんでもQ&Aの625のA2に書きましたように水の誘電 損失のピークは100GHz付近にあり、調査周波数:80KHz、100KHz、 132KHz、200KHz、1MHz,10MHz,13.56MHz,20MHzという低い周波数では、 損失が小さいので、数10mの水深ならともかく、数10cmの水の厚みでは 減衰は少なく、周波数分散も無視できるのではないでしょうか。
     あと、確認ですが、はじめにループアンテナ(f=134.2KHz)と書い てあってインピーダンスの整合OKとありますが、調査周波数のすべて についてインピーダンス整合しているのでしょうか。
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    Date: Mon, 24 Apr 2006 12:04:17 +0900
    Q2: 佐藤先生
     返事遅くなり、申し訳御座いません
     この間の"水中での伝搬伝搬について”質問を致しました。
     S社のTと申します、この間はご多忙中、即急の回答を頂き  有り難う御座います、今まで、この内容について調べても  参考になる解説が得られず苦慮してましたので、先生の回答は  非常に参考になりました、インピーダンスの整合については、その  調査周波数で整合を取るようにしてます。
     さて、基本的質問で恐縮ですが、デバイ周波数とはどう言うものでしょうか  色々とHPや書物を調べていますが、なかなか載ってません、当方、無線系の 専門学校卒の為、ここらへんの事が不明でした。
    ご多忙中、基本的内容の質問で大変申し訳ないのですが、ご助言頂けませんでしょうか。
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    Date: Tue, 25 Apr 2006 20:06:17 +0900
    A2: T様、佐藤勝昭です。
    デバイ周波数について説明します。
     (佐藤勝昭編著「応用物性」p172-p174参照)
    水のような極性の分子は電気双極子モーメントμを持っています。その 単位体積あたりの総和が電気分極Pです。実際には、各双極子の方位は 熱的に揺らいでいますから、Pはその統計平均です。電気双極子を電界 Eの中に置くとそのポテンシャルエネルギーはμEとなりますが、これ が熱揺らぎのエネルギーkT(ここにkはボルツマン定数、Tは絶対温度) より十分小さいとすると、電界Eを加えて双極子μが配向するときの分 極Pの時間変化は、次の運動方程式で与えられます。
     τ(dP/dt)+P=(Nμ^2/kT)E
    ここにτは温度Tにおける揺らぎの緩和時間です。
    ここでE,Pにexp(jωt)型の時間変化を考えると
     (1+jωτ)P(ω)=(Nμ^2/kT)E(ω)
    従って、P(ω)=(Nμ^2/kT)(1/(1+jωτ))E(ω)
    電束密度DはD=ε0E+Pで与えられるので、
    誘電率は
    ε(ω)=1+ΔE/(1+iωτ)
    実際には、他の原因による分極のもたらす誘電率も加わるので
    ε(ω)=ε_in+ΔE/(1+iωτ)
    と書くことができます。これをデバイ関数といいます。
    誘電率の実数部ε'はω→0ではε_in+ΔEですが、ωτ=1の付近で急激 に減少しω→∞ではε_inに近づきます。
    一方、ε"はωτ=1の付近にピークを持ちます。
    スペクトルは添付図のようになります。 このときのωがデバイ周波数です。
    -------------------------------------------------------------------
  • 775. 太陽光のコヒーレンス長


    Date: Mon, 24 Apr 2006 13:21:03 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤勝昭教授
    M社のYと申します。(匿名でお願いします。)
    HPの『物性何でもQ&A』を拝見致しました。
    下記の件で先生にご教示頂けないかと思い、メールさせて頂きました。

    お伺いしたいのは、太陽光の(時間的)コヒーレント長です。 フォトニック結晶や誘電体多層膜などでQ値の高い共振器を構成した ところに太陽光を入射させた場合、どのような挙動を示すのかを 考察しているのですが、そのためには太陽光のコヒーレント長が、 共振器長×Q値と比べて大きいのか小さいのかを見積もる必要が あります。そこでいろいろな文献を調べてみたのですが適当な記述が 見つからず、困っております。

    「コヒーレント長は帯域幅の逆数に比例する」という関係が いくつかの文献に書かれているのですが、これを太陽光に適用すると、 コヒーレント長はせいぜい1μmと非常に短くなります。
    しかしこれは、太陽光のスペクトルすべてを考慮した場合の コヒーレント長であり、プリズムとスリットで帯域幅を限定すれば、 理想的にはどこまでも長くできることになります。

    でも実際には、太陽光の起源は熱励起された電子が放出した光の集まり なので、Hgのe線の可干渉距離を測定したA.A.Michelsonの実験結果から 考察すると、せいぜい50万波長(30cm弱)程度が上限となることが 考えられます。さらに、太陽光は宇宙空間や大気圏を進んでくる間に 様々な散乱を受けますので、地表面での太陽光のコヒーレント長は、 Michelsonの実験結果よりもさらに短くなると予想されます。

    実際はどの程度の値なのか、参考となる文献や実験結果などを もしご存知でしたら、ご教示頂ければ幸いです。
    よろしくお願い致します。
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    Date: Mon, 24 Apr 2006 15:52:43 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     OSAのサイトに載っている
    Optics Lettersの刊行予定論文 によりますと、
    Thus for example, when illuminated with sunlight (~70 microns spatial coherence length), fraxicons with groove sizes of few hundred microns can be adequately described by geometrical optics.
    と書かれています。
    -------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 24 Apr 2006 19:10:36 +0900
    Q2: 東京農工大学 佐藤勝昭教授
    M社のYです。
    早速のご返答、誠に有難うございます。
    こんなに早く見つかるとは思いもしませんでした。
    私が想像していたよりもかなり小さな値でした。

    この部分に引用文献が記されていないということは、 70μmという値は過去に実験か何かで証明されていて、 この分野の研究者たちの間では一般的に認められている値だと いうことですね。根拠となる論文は自分で探してみます。

    ちなみに、この70μmは奥行きの(時間的)コヒーレンス長と 私は解釈しましたが、それで間違いなかったでしょうか。
    太陽上の1点から出た光は、地表面ではほぼ平面波なので、 横方向のコヒーレンス長は非常に長いものと私は考えております。
    (横方向も70μmしかなかったら、レンズで太陽光を 集光することができないですよね。)
    私の理解が間違っているようでしたら、ご指摘頂けると有難いです。

    今回は本当に有難うございました。今後ともよろしくお願い致します。
    ---------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 25 Apr 2006 19:25:44 +0900
    A2: Y様、佐藤勝昭です。
     70μmは奥行きの空間的なコヒーレンス長です。
    ---------------------------------------------------------------------
  • 776. SUS404の物性値


    Date: Tue, 25 Apr 2006 10:14:42 +0900
    Q: 佐藤先生
    O社Mと申します
    HPを見ての質問です。
    ステンレスSUS404の物性値をお教えください。
    項目は、以下の内容です。
    @ヤング率 A熱膨張率 B密度 C熱伝導率 D比熱 Eポアソン比 インターネットでいろいろ探しましたがSUS404のデーター解かりませんでした。
    シュミレーションの入力データーとして活用予定です。
    以上宜しくお願いします。
    ------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 25 Apr 2006 15:30:21 +0900
    A: M様、佐藤勝昭です。
    EfundaというサイトにあるAISI Type 404というステンレスの規格表によると

    成分組成比(%)
    C 0.05
    Mn 1.00
    Si 0.50
    Cr 11.0-12.5
    Ni 1.25-2.00
    P 0.03
    S 0.03
    機械的性質
    密度 (×1000 kg/m3)7.7-8.03 (T=25℃)
    ポワソン比0.27-0.30 (T=25℃)
    弾性率 (GPa)190-210 (T=25℃)
    引っ張り強さ(Mpa)1120 (T=25℃)
    降伏点(Mpa)910
    伸び(%)15
    面積減少率(%)50
    硬さ(HRC)35 (T=25℃)
    熱伝導率・熱膨張率は不明です。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 25 Apr 2006 16:24:42 +0900
    AA: 佐藤先生
    O社Mです。

    早々の御回答有難うございました。
    戴きました資料を使わせて戴きます。
    これからも宜しくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 777. 3dx2-y2、3dz2軌道の名前の由来


    Date: Sun, 30 Apr 2006 16:51:46 +0900
    Q: K大学Oです。
    3dx2-y2、3dz2軌道の名前の由来を教えてください。よろしくお願いします。
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    Date: Tue, 02 May 2006 00:31:23 +0900
    A: O君、佐藤勝昭です。 
    3dx2-y2、3dz2軌道の名前の由来ですが、
    3d波動関数の空間的な広がりを表しています。
    3d軌道というのは、中心力の場に置かれた電子の固有関数の中で、
    主量子数nが3で、軌道角運動量量子数l(エル)が2の場合の電子軌道です。
    l=0,1,2,3に対応してs,p,d,fと呼ぶことになっています。
    これには、3重縮退のdε軌道と2重縮退のdγ軌道とがあります。
    このうち、3dε軌道は、xy, yz, zxで表され、x,y,z各軸と45度傾いた方向に広が る波動関数を表します。一方、3dγ軌道はx^2-y^2、3z^2-r^2の2つの波動関数が 対応します(r^2=x^2+y^2+z^2)。前者はxy面内にあって、x軸,y軸の方向に広がっ ています。後者はz軸に平行な方向にのびた形をしています。
    これが名前の由来です。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 4 May 2006 09:53:06 +0900
    AA: 質問の回答ありがとうございます。おかげさまでわかりました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
  • 778. 重ね合わせの理が非線形回路では成立しない理由


    Date: Mon, 1 May 2006 16:59:58 +0900
    Q: はじめまして、F大学情報通信工学科の2年生のHと申します。
    直流回路のことなのですが、「重ね合わせの理は非線形回路では成立しない理由を考察せよ。」 という問題が出たのですがさっぱりわかりません。
    もしよろしければ、簡単に教えてください。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 02 May 2006 00:12:27 +0900
    A: H君、佐藤勝昭です。
    重ね合わせの法則について
    添付pdfに説明しましたので読んでください。
    重ねあわせの法則とは、複数個の電源をもつ電気回路の計算をするときの手法です。
    電源には電圧源と電流源がありますが、ここでは、電圧源の場合について書きます。
    「回路網中に多数の電圧源が同時に存在するときの電流分布は、それらの電圧源が一つずつ別々に存在するときの電流分布を重ねたものに等しい」

    いま、2電源の回路を考えます。
    1つの電源のみとし、もう1つの電源を短絡して計算した回路の電流と、もう1つの電源のみとし、はじめの電源を短絡して計算した回路の電流を計算し、その和を計算すれば2電源の回路の電流が計算できるというものです。
    もちろん、2電源の回路について回路式を立てて直接求めても同じ結果が得られます。しかし、分けて解くほうがシンプルになるので、重ね合わせの法則がつかわれるのです。
    このような重ね合わせが成り立つには、その回路網に使われるすべての電気抵抗が電流の大きさに依存しないことが前提となっています。もし、Rが非線形(流す電流の大きさによって変化する)とすれば、Rに電流(i01+i02)を流したときの両端の電圧は、Rに電流i01を流したときの電圧+電流i02を流したときの電圧の和と同じになりません。
    たとえば、タングステンの豆電球を考えてください。電流が増加するとともに、Rの値は大きくなっていくので、i01を流したときとi01+i02を流したときの抵抗値として違う値を使わなくてはならないはずです。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 2 May 2006 18:47:45 +0900
    AA: こんばんは。先日メールしたHです。
    ありがとうございました。
    分かりやすくて、とても役に立ちました。
    またよろしくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
  • 779. アルミニウムの線膨張係数


    Date: Sun, 7 May 2006 01:39:43 +0900
    Q: はじめまして。HPを拝見いたしました。
    宇都宮大2年伊藤というものです。
    早速質問です。
    アルミニウムの線膨張係数を教えてください。
    また、工作物(アルミニウム)の温度が全体に10℃上昇すると、2点間距離はどれだけ伸びますか?
    よろしくお願いします。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 07 May 2006 09:19:26 +0900
    A: 伊藤君、佐藤勝昭です。
    線膨張係数は理科年表に載っていますよ。理工系の学生なら1冊手元に置くと良 いですよ。アマゾンで簡単に買えます。
    私の手元の理科年表(1990年版)によると20℃において、
    Alの線膨張率はα=23.1×10^-6です。
    線膨張率の定義は、
     α=(1/L0)(dL/dT)
    ここにL0は0℃における長さ、LはT℃における長さです。
    αは温度変化が小さいので一定と見なせば、T℃における長さLは
     L=L0(1+αT)
    と書けます。
    従って、T℃におけるのびΔLは
     ΔL=L-L0=αTL0
    と書けます。0℃における2点間の距離L0がわかれば、のびはこの式で計算できます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 7 May 2006 10:19:47 +0900 (JST)
    AA: 早速のお返事ありがとうございます。とても参考になりました。
    また機会がありましたらよろしくお願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 780. ITOの熱処理と着色


    Date: Sat, 22 Apr 2006 09:01:26 +0900 (JST)
    Q: 佐藤先生
     大阪大学M1化学専攻の斎藤というものです。
     先生のQ&A活動感動しました。大学はどうしても内々や学会 活動に熱心なイメージはありましたが、どうも一般の人に対し ての活動に対して熱心なイメージがなかったので、これからも がんばってください。
     ところでご質問なのですが、私は化学の学生でバンド理論に はあまり詳しくないので、ずれた質問をするかもしれませんが よろしくお願いします。いま太陽電池の研究をしているのです が、そこで透明電極ITOを使っているのですが、ITO上の材料と の密着性の変化を見ようとITOを加熱すると若干黄色っぽい色 が強まった気がしました。ITOはSnOの酸素欠陥で伝導性を保っ ているので黄色というのは欠陥準位による発色と考えていたの ですが加熱を行うと酸素欠陥は埋まるので発色は薄くなるよう 気がしてたのですが・・・ITOの発色はどういった現象なので しょうか?
     あともう一点ITO上に材料を乗せて、加熱しているのですが 材料がのってないときとのっているとき、また材料がのってて も材料の種類で抵抗が変わります。これはITOと材料間で酸素 の受け渡しが起こっているのですか?
     以上2点ですがよろしくお願いします。  斎藤
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 22 Apr 2006 12:42:35 +0900
    A: 斎藤君、佐藤勝昭です。
     励ましありがとう。
    (1) ITOの色ですが、Ceracという会社のWebによれば、
    ITOの色について
    "Light yellow to gray, depending on degree of oxidation"
    と書いてあります。
    Wikipediaでは、
    "Pale yellow to greenish yellow, depending on SnO2 concentration"
    と書かれています。
     酸素欠陥によるcolor centerが着色の原因であれば、blueの領域に 酸素空孔による吸収帯が生じるためと思われます。酸素空孔は+に 帯電し電子をトラップして中性ドナーとなります。室温では、トラップされた 電子が束縛から解放されて、電気伝導に寄与します。おそらく価電子帯 からこのドナー準位に励起されるときに青い光を吸収するのでしょう。  「ITOを加熱すると若干黄色っぽい色が強まった」というのは、加熱に よって欠陥が増加したのではなくて、トラップされた電子が熱的に解放 されて、空いたドナーが増加したことによるのではないでしょうか。

    (2) ITOの上の材料によって抵抗率が変わる原因の一つとして、 ITOの上の材料の電気伝導のために見かけ上変化することがあり ますので注意が必要です。もちろん、加熱によって界面付近の状態が 変化し、欠陥が増加したり、減少したりすることもあるでしょう。
    case-by-caseで考えるべきでしょう。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 23 Apr 2006 14:56:42 +0900 (JST)
    Q2: 佐藤先生
    斎藤です。ありがとうございます。
    一点ご返事いただいた中で分らない点があったので質問よろし いですか?
    >  「ITOを加熱すると若干黄色っぽい色が強まった」という のは、加熱に> よって欠陥が増加したのではなくて、トラップされた電子が 熱的に解放されて、空いたドナーが増加したことによるのではないでし ょうか。

     というところで空いたドナーが増加することによってITOの 導電性は上がるような気がするのですが、導電性とは別の問題 ですか?
    私が実験したときは導電性が逆に低下しました(ITO抵抗が増 加)。
     お忙しいところ申し訳ないのですがよろしくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 25 Apr 2006 19:35:13 +0900
    A2: 斎藤様、佐藤勝昭です。
     私の誤解でした。たしかに、私の推論通りだとキャリア濃度が増えて然るべきですね。
    やはり、何らかのITOの変質があったと見るべきでしょうね。
     熱処理によって生じる欠陥は、酸素空孔とは限りません。たとえば、 酸素空孔ドナーとアクセプタとがペアを作るというようなことは、しば しば起きることです。このときには、キャリア濃度は変化しないが、 color centerとしての働きは起きるということも考えられなくはありま せん。欠陥物理はシンプルではなく、いろいろな場合が考えられるので 単純な議論はできないようです。 
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    Date: Thu, 27 Apr 2006 01:00:35 +0900 (JST)
    AA: 佐藤先生
    斎藤です。ありがとうございます。なかなか着色というのはマ クロな現象で原因がいろいろあって難しいですね。色々と参考 になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお 願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 781. 真空蒸着中の真空度低下


    Date: Mon, 08 May 2006 15:26:10 +0900
    Q: 物理実験にて、真空蒸着法による薄膜の作成をしました。なぜ、加熱蒸発をする際に真空度がなぜ劣化するのでしょうか?
    愛知工業大学 電気工学科 溝尻 智之
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    Date: Tue, 9 May 2006 17:22:23 +0900
    A: 溝尻君、佐藤勝昭です。
     真空蒸着において、物質を蒸発させますと気体になります。その気体 が基板に付着することによって薄膜が基板上に堆積するのです。
     従って、蒸着の際にチェンバー内には蒸着したい物質の気体が存在す るので真空度が悪くなるのです。言い換えれば、真空度が悪くならなけ れば、蒸着できないのです。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 782. NiOの誘電率


    Date: Tue, 9 May 2006 16:43:50 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤教授様
    佐藤研究室のHPを見て、質問させて頂きます。
    N社に所属しておりますMと申します。
    Webでは匿名でお願い致します。
    NiOxの比誘電率を知りたいのですが、なかなか探しきれません。
    単結晶が作成し辛いせいでしょうか?
    NiO,NiO2,Ni2O3など、どの比誘電率でも良いので教えて頂けると幸いです。
    初歩的な物性値で恥ずかしいのですが、 何卒よろしくお願い致します。
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    Date: Tue, 9 May 2006 17:16:23 +0900
    A:M様、佐藤勝昭です。
     NiOの誘電率については1965年にMITのRaoさんらの仕事があります。
    K. V. Rao and A. Smakula:
    Dielectric Properties of Cobalt Oxide, Nickel Oxide, and Their Mixed Crystals
    Journal of Applied Physics 36 [6] (1965) 2031-2038
    「CoO, NiO単結晶とCoONiO混晶の誘電率κ',誘電損失κ", および導電率σを, 温度 -193°C to 400°C において102〜1010cpsの 周波数範囲で測定した。CoOにおいて誘電率は全周波数範囲で一定(12.9 at 25°C)であった。
    NiO and CoONiO混晶では周波数とともに誘電率は減少した。NiOでは105cpsで 一定値(11.9 at 25°C)に達した。一方、CoO・NiOでは1010で一定値(12.3 at 25°C)となった。 絶対温度0Kに外挿した誘電率は CoO, CoO・NiO, and NiOに対して、それぞれ10.9, 10.0, and 9.1であった。」
    と書かれています。
     詳細は原著をお読みください。
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    Date: Wed, 10 May 2006 09:25:22 +0900
    AA: 東京農工大学 佐藤教授様
    M@N社です。早速のご回答をありがとうございました。
    文献を取り出して、これから検討させて頂きます。
    実は私は農工大出身で、3年のときに佐藤先生の授業を聞いて、 半導体に興味を持ち、現在の職に至っています。
    まずは御礼まで。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 783. 熱伝導性のよいポリエステル糸


    Date: Thu, 11 May 2006 11:45:54 +0900
    Q: 佐藤様
    はじめまして、***社の**と申します。
    ポリエステル糸 で構成された(織物)のコンベアを取扱っております。
    現在の製品も高温多湿下で使用できるものですが、 ポリエステルで且つ熱伝達性の良い素材があれば 教えて頂きたいと考えた次第です。
    質問が曖昧で申し訳ございませんが、おわかりになる範囲で 宜しくお願い致します。
    匿名:DSでお願い致します。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 11 May 2006 12:22:57 +0900
    A: DS様、佐藤勝昭です。
     ポリエステル糸自体では、製品によってそれほど熱特性の違いはない と思います。カーボンや金属との複合材料で、熱伝導率が大幅に改善さ れるという記事を読んだ覚えがあります。複合材料の熱伝導率について はWest Virginia大の学位論文を参照して見てください。
    http://kitkat.wvu.edu:8080/files/4468/Mutnuri_B_thesis.pdf
    なお、私は、有機材料の専門家ではないので、今、本学の有機材料化学 科の教授に問い合わせているところです。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 11 May 2006 13:41:47 +0900
    Q2: 佐藤様
    どうも有難うございました。
    もし、情報がございましたらば教えていただけますと大変助かります。
    どうぞ宜しくお願い申し上げます。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 11 May 2006 13:59:27 +0900
    A2:DS様、佐藤勝昭です。
    本学有機材料化学科の豊田教授に問い合わせましたら、下記の回答を得 ました。参考にしてください。
    -------------------------------------------------------------
    >佐藤勝昭 先生
    >豊田です。
    >先生もご指摘されていますように、一般に、ポリマーの熱伝導率は低く、
    >金属やカーボンブラックをはじめとする各種フィラーを大量に添加する
    >方法により熱伝導率の向上が試みられています。
    >ただし、糸へのフィラーの添加は難しいと思います。
    >(参考文献: F.Rodriguez, et al., Principles of Polymer >Systems Fifth Ed.
    >P417-418,Taylor&Francis, New York/London(2003)
    -------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 11 May 2006 18:03:10 +0900
    AA: 佐藤先生
    度々のご教授につきまして誠に有難うございました。
    ポリエステルモノフィラメントレベルで考えるのは難しいということがよくわかりました。
    重ねて御礼申し上げます。
    -----------------------------------------------------------------
  • 784. 2光子吸収の減衰率


    Date: Thu, 11 May 2006 13:27:48 +0900
    Q: U大学工学研究科 M1のTと申します。
    申しわけありませんが匿名でお願い致します。
    佐藤勝昭先生のホームページを拝見致しました。

    私はプラズマを用いた研究を行っています。一般的にプラズマの媒質はガスを 用いるのですが、近年、半導体にレーザーを入射することにより生成される電 子-正孔プラズマが注目されていて、私もこの半導体プラズマを用いて研究活 動を行っています。

    一光子吸収プロセスでは、物質中の位置xにおける光の強度の減衰率はその位 置での光の強度と吸収係数で表されるのに対して、二光子吸収プロセスの場合、 光の強度の減衰率はどのように表されるのかをお聞きしたく質問した次第です。 私は物性専門ではないので、質問のニュアンスがおかしい部分もあるかと思い ますがよろしくお願いします。
    -----------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 15 May 2006 10:15:27 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     お返事が遅れてごめんなさい。2光子吸収は専門でないので、専門家 である本学物理システム工学科の三沢助教授に伺いました。以下は、三 沢先生の回答です。参考にしてください。
    ----------------------------------------------------------
    >一光子吸収プロセスでの光の強度減衰率は、気体や液体など分子があ >る濃度cで分散している試料の場合、
    > I'=I×exp(-σcd)
    >というランベルト・ベールの法則が成り立っています。σ(cm2) が
    >吸収断面積と呼ばれる係数、c(1/cm3)が試料濃度、試料濃度d(cm)が
    >試料厚で、試料厚に対して指数関数的に光強度が減衰していく様子を
    >表しています。ここで、吸収断面積σが大きい物質ほど、同じ濃度、
    >同じ試料厚でも吸収が強いことになります。

    >この法則を吸収される光量が小さいとして近似すると、
    > I'=I×exp(-σcd)〜I(1-σcd)=I-(σcd)I
    >と書き換えられ、出射光I'は、入射光Iに対して吸収量σcdIだけ減衰
    >したものだとわかります。

    >さて、二光子吸収プロセスでも、上と同様な減衰過程を考えることが
    >できます。この時には二光子吸収断面積σ2(cm^4・s/photon )という
    >物理量がその物質の二光子吸収の強さを表します。
    >これは、上のランベルト・ベールの法則における吸収断面積σ自体が
    >入射光強度Iに比例しているものと考え、σ=σ2 Iと置いたものに
    >相当します。これを代入して同様に展開すると、
    > I'=I×exp(-(σ2 I)cd)〜I-(σ2 cd)I×I

    >吸収量はIの2乗に比例しており、これが二光子吸収プロセスを表して
    >いると言えます。
    ---------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 15 May 2006 16:13:36 +0900
    AA: U大学 Tです。

    非常にわかりやすい回答誠にありがとうございました。
    専門外であるとは知らずお手数をお掛け致しました。

    二光子吸収プロセスは文献が少ないことから、長い間プラズマ生成の理論の勉強 が停滞していましたので、これでようやく先に進むことができます。

    本当にありがとうございました。
    またわからない事があったら質問させて頂きますので、その時はよろしく お願い致します。
    --------------------------------------------------------------------------
  • 785. 電気泳動法によるコロイド結晶の作製


    Date: Sun, 14 May 2006 12:41:25 +0900
    Q: はじめまして、K高専5学年のYです。(匿名をお願いします)
    物性なんでもQ&Aを拝見し、メールを送らせていただきます。

    私は講義中に移流集積法によるcmオーダーの良質な単結晶コロイド結晶薄膜というものが紹介されました。
    調べるとこの移流集積は大量の粒子を1度に並べるのに適しているということがわかりました。
    またこの他の粒子集積技術として電気泳動法が挙げられていました。
    そこで質問なのですが、この電気泳動法を用いて簡便で良質なcmオーダーの単結晶コロイド結晶薄膜を作ることは可能なのでしょうか?

    御多忙中とのことだと存じますが、よろしく御教示お願いいたします。
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    Date: Mon, 15 May 2006 18:55:02 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     コロイド結晶については専門外です。
    電気泳動法によるコロイド結晶の作製法については、
    「超微細パターニング技術 − 次世代のナノ・マイクロパターニングプロセス −」
    の第27章 電気泳動法を用いたマイクロパターニング技術 に記載されているようですが、高い書物(60,900円)なので 私の手元にはありません。

    私見ですが、電気泳動法は微細パターンの作製にはよいでしょうが、cm サイズの結晶を作るのには向いていないように思います。
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    Date: Tue, 16 May 2006 20:57:41 +0900
    AA: 佐藤勝昭様
    返信遅くなって申し訳ありません。
    電気泳動法は大面積の結晶ではなく マイクロレベルの結晶を作るのに適しているんですね。
    紹介してくださった本は本校在籍の教授が所持していたので それを借りたいと思います。
    とても参考になりました。
    ありがとうございました。
    --------------------------------------------------------------------------
  • 786. Niメッキの酸化


    Date: Fri, 19 May 2006 19:25:11 +0900
    Q: 東京農工大学
    佐藤 勝昭 教授殿
    はじめまして。私はS**(株)勤務の Nと申します。(社名を含め匿名でお願いします。) 先生のHPは、ことあるごとに拝見させて頂いており、大変ありがたく拝見させて頂いてます。
    現在、ニッケルメッキの酸化について、知識が無く苦慮しておりますので、ご教授して いただけないでしょうか。
    ニッケルメッキ(銅合金表面のメッキ:0.5〜1.0μm)なのですが、ニッケルは酸化が早いと 聞くのですが、酸化の促進と、要因と思われる温度,湿度,時間の関係が解りません。
    また、酸化度合いについても、時間が経過すればするほど進行していくものなのか、 一定期間で緩やかになるのか見当も付かない状態です。
    また、酸化の進行度合いについて、加速試験が可能なのか、可能で有れば条件も解ると 非常にありがたいです。
    上記の内容について、お忙しい中恐縮ですが、ご教授又は参考文献でもかまいませんので、 よろしくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 20 May 2006 16:15:12 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     ニッケルの無電解メッキ(Kanigen法)では、次亜リン酸が触媒に触れてできる 水素がニッケルイオンを還元してニッケルを堆積させ、そのニッケルが触媒と なって水素を発生し、還元反応でニッケルを堆積・・という進み方をするので、 めっきプロセス自体での酸化は少ないと思われます。
     ご質問は得られたメッキ膜の酸化の進行についてですが、NiはCrと違って不動 態を作らないので、ある時間で酸化が止まるということはないでしょう。私は、 メッキについて専門ではありませんので、酸化の進行と温度、湿度などとの関係 は、全くわかりません。酸化の進行は平坦性や表面のモルホロジーにも依存する ので、一概に論じられないと思います。
     なお、Kanigen法ではニッケルにリンが含まれますが、ホウ素をわずか0.25%加 えたニッケル無電解メッキでは高温酸化が抑えられるとされています。高温酸化 性はNi−Pは350℃、30分で酸化するが、Ni−Bは500℃、30分まで酸化しな い。(膜厚2μの場合)と書かれています。
    (株式会社 コダマ)
    ------------------------------------------------------------------------------
  • 787. 光触媒について


    Date: Sun, 21 May 2006 11:41:59 +0900
    Q: 私は、K**大学一年生、W**です。
    学科とは関係ないく、個人でとある研究をしています。そこで、光触媒について の詳しい情報を求めています。化学は一応勉強しているので、ご回答よろしくお 願いします。
    名前と所属などは匿名でお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 21 May 2006 20:34:50 +0900
    A: W様、佐藤勝昭です。
     光触媒は最近よく研究されている分野で、解説論文や書物もたくさん出ていま す。光触媒の例としてTiの酸化物(ルチル構造、あるいは、アナターゼ構造を持 つTiO2)がよく研究されています。水中においたTiO2に光を照射すると水の分解 反応が進行し、水素と酸素に分解される反応が起きます。この反応が起きるため には、光のエネルギーがTiO2のバンドギャップを超える必要があります。
    TiO2に光を当てると強い酸化作用が起きるので、殺菌にも効果があります。ま た、超親水作用といって、水をはじかなくなるのでガラスの曇り止めにも使われ ます。
    --------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 21 May 2006 20:42:05 +0900
    Q2: 佐藤様、返答ありがとうございます。
    つまり、光触媒とは一言で言うと、光をあてると周囲の反応を促進させる効果のある 物質のことですか?
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 22 May 2006 01:45:47 +0900
    A2: W様、佐藤勝昭です。
     あなたの理解のしかたでよいでしょう。詳しくは、図書館で論文や書物を探し てください。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 22 May 2006 13:10:00 +0900
    AA: 佐藤様  Wです。
    忙しいなか、すばやい返答ありがとうございます。
    言われた通り、自分でいろいろと調べていきます。
    質問に答えていただいてありがとうございました。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 788. Al薄膜の応力緩和速度


    Date: Mon, 22 May 2006 10:10:35 +0900
    Q: H***社 O**と申します。企業研究所の研究者です。
     申しわけありませんが匿名でお願い致します。
    佐藤勝昭先生のホームページを拝見致しました。
     光学デバイスの開発に従事しておりますが、特性の変動で苦労しております。
    現時点で傍証から、デバイスの製造プロセスでの熱履歴、基板との熱膨張率差に起因するAl薄膜 の残留応力が原因と推定しております。応力緩和熱処理を検討していますが、条件検討のベース となるAl薄膜の応力緩和速度が分かりません。お教えいただけないでしょうか。よろしくお願い します。なお、材料はAi-Siです
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 22 May 2006 18:17:39 +0900
    A: O様、佐藤勝昭です。
     私は、金属加工学の専門家ではないので、正しい答えが出来るか不安ですが、 そもそも、薄膜の残留応力の原因が基板との熱膨張差によるとすれば、熱処理に よって緩和することはむずかしいのではないでしょうか。下手をすると、緩和し たため基板との剥離が起きるだけということもあり得ます。
    おそらく応力の原因によって緩和の仕方が変わりますから、「Al薄膜の応力緩和 速度」は物質定数ではなく、case-by-caseで違った値をとるのではないでしょ うか。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 23 May 2006 08:08:54 +0900
    AA: 佐藤先生
     早々にご返事ありがとうございます。
     今の課題は、デバイス特性の経年変化です。推測でしかない のですが、最終段階でデバイスに応力が残り、徐々に緩和して 特性の経年変化を引き起こしているのではないかと考えており ます。
     そこで、プロセスの各段階で応力を実測する予定です。応力 緩和のスピードが分かれば、上記推測の妥当性を検討できると 考えておりました。
     もう少し調べたのち、改めて相談させていただきます。ありが とうございました
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 789. LSC を用いた試料測定の際の減衰率


    Date: Fri, 26 May 2006 06:09:23 +0900 (JST)
    Q:C大学の大学院生(4年)のHと申します。物理は専門外の故、ご返答いただけると大変助かります。
    生物試料におけるS35の測定を行っていますが、液体シンチレーションバイアル に35Sを液状で入れた場合と、ゲルやメンブランに入った35S試料を液シンに淹 れた場合とで、高エネルギー領域での減衰率が変わるのです。(後者の場合で 、減衰率が高く、計数効率が下がります。)ピークを与えるエネルギーは両者 で一致しているので、その領域で計測していますが、以上の現象はどう説明で きるのでしょうか?

    ご返答いただけると大変助かります。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 26 May 2006 18:21:44 +0900
    A:H君、佐藤勝昭です。
     わたしは、生物の放射線計測の専門家ではありませんので、本学農学 府で放射線を使って研究しておられる応用生命化学専攻の蓮見惠司教授 にお伺いしましたところ、先生も放射線の専門家ではありませんが、経 験にもとづいて下記のような回答を頂きました。ご参考になれば幸いで す。
    -------------------------------------------------------
    お問い合わせの件、私も同様なことを経験しました。
    35Sのベータ線エネルギーはあまり強くないため(14C とほぼ同じで、 1H より強いものの 32P よりもはるかに弱い)、このようなことが顕著 になります。液体試料をシンチレーションカクテル(これはおそらくエ マルジョン系を使っていると思います)と混合すれば均一にシンチレー ターと混合できるため、比較的計数効率が高い測定ができます。一方、 ゲルや膜に保持された試料の場合、ベータ線がゲルや膜に吸収されてシ ンチレーターを励起する効率が低下し、その結果計数効率が低下します。
    このような場合、ゲルを溶解して均一にして(あるいは、膜から目的物 質を溶解して)、それをシンチレーションカクテルと混合することによ り、より正確な測定が可能となります。(蓮見惠司)
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 27 May 2006 02:48:36 +0900 (JST)
    AA: 佐藤先生、蓮見先生、大変参考になりました。早速のご回答、ありがとうござ いました。
    ------------------------------------------------------------------------------------
  • 790. ガラスの磁気複屈折


    Date: Tue, 23 May 2006 22:04:38 +0900
    Q: 東京農工大 佐藤 勝昭 教授殿
    はじめまして、突然のメールにて失礼いたします。
    私は去年まで某精密機器メーカーに勤務しており、現在無職のK**と申します。
    (すみませんが名前は匿名にてお願いします。)
    磁気光学効果を調べると、必ず佐藤研のWeb siteに入りますが、こういったQ&Aがあることはしばらく知りませんでした。
    また、回答される佐藤先生はもちろんですが、質問者の学生方々の内容にも大変感服させられております。
    今後ともがんばってください。

    さて、質問ですが、光学設計の勉強として、磁気光学効果を利用した装置を考える様になり、 現在行き詰っております。大変ご多忙とは存じますが、ご教示願います。

    質問は二つあります。
    Q1.クラウンガラスもしくは石英ガラスのεxx(B)関数をご存知でしたら、お教えください。
     佐藤先生著書”光と磁気”中、(4.10)式より、
     誘電率テンソル対角成分 εxxにおける磁束密度B(ωc)の影響は極小ということですが、
     定量的にどの程度か検討したいと考えております。
     ここで、式中の係数n、q、γを一般的にファラデー配置やフォークト配置をした場合
     どのように考えれば良いか分からないのです。

    Q2.量子論の考えでも、誘電率テンソルεxy変化は磁界に対して連続でしょうか?
     著書を読んでいると、量子論の方が本命のような印象を受けます。
     言い訳ですが、専門が機械工学なのと、大学を卒業して10年以上経ち、残念ながら、
     現段階では量子論の内容についていけてません。
     (忘れてしまった部分がたくさんあり、学生時代とは勝手が違う自分にがっかりです)
     4.3.4節 物理的解釈によれば、摂動により、部分的に基底状態に取り込まれると
     ありますので、線形でないにしろ、連続的な変化と見てよろしいのでしょうか?
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 26 May 2006 19:30:25 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
    (1)ガラスの磁気複屈折は、私も以前ガーネット膜の磁気複屈折を測 定するときに基板の評価として測定したのですが、磁場による有意な差 が見られませんでした。
     気体のコットンムートン効果をやっている研究者や、シリカガラスフ ァイバーを使って複屈折測定をしている研究者にも聞いたのですが、デ ータをお持ちではありませんでした。調べておくと言うことですが、と にかく、かなり小さい値ではないかと推察します。
    [Web up 時追記:なお、式(4.10)はあくまで古典論の範囲での話です。ガラスの磁気光学効果は 古典論では説明できません。また、量子論でも、強磁性体の磁気光学効果とは異なり、 許容電気双極子遷移ではなく、磁気双極子遷移が関与しているのではないかと 存じます。ガラスは非晶質であるため、電子準位が広く分布しており、理論的に第1原理から 導くのはむずかしいと思います。]
    (2)磁場印加によって、磁気光学スペクトルのエネルギー位置がとび とびになることはあっても、値がとびとびになることはありません。
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    Date: Fri, 26 May 2006 21:20:36 +0900
    AA: 東京農工大 佐藤教授殿
    毎度お世話になっております。
    Kです。ご多忙の中、早々の回答、誠にありがとうございます。
    下記検討のとっかかりはレーザー測定器を検討していてのことでしたが、 今ぼんやり考えている適用装置は、別分野をイメージしております。
    1ppm程度のε変化があれば有効となる分野はいくつかあるのでは?
    と思われます。課題も山積ですが。
    本件かなり長いこと悩んでおりましたが、この期間の検討を無駄にしないために、 結果がよくも悪くもある程度まとめたく、このたび先生のお知恵を拝借したいと考えた次第です。
    ありがとうございました。
    追加で分かることが御座いましたら、HP上でお知らせいただければ幸甚です。
    最後に、このQ&Aが末永く続くことをお祈りしております。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
  • 791. 金属で可視光が透過する厚み


    Date: Fri, 26 May 2006 22:44:15 +0900 (JST)
    Q: はじめまして、N**大学大学院M1のM**と申します。(学校名、名前ともに匿名希望) HPを見ての質問です。 普段は合成を中心に研究しておりますが、訳あって次のことを教えて頂きたいです。
    金属によって異なると思うのですが、どれくらいの厚みから可視光を透過するようになるのでしょうか? 厚みを求める式などがありましたら教えて頂きたいです。特に知りたいのはシリコン、モリブデン、チタン、 クロムです。よろしくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 27 May 2006 00:24:18 +0900
    A: M君、佐藤勝昭です。
     ある厚さtで光が透過するかどうかの目安は、次のように考えます。
    反射を無視した場合、強さIiの入射光が厚さtだけ進んだときの光の強度I(t)は
     I(t)=Ii exp(-αt)
    で表されます。ここにαは、吸収係数と呼ばれる物理量で、吸収の強さを表しま す。αt=1のときI(t)は入射光強度の1/eになります。もっと減衰しても光が透 過したと思いますが、t=1/αが目安であると考えてください。
    従って、α=105[cm-1]であれば、d=1/α=10-5[cm]=0.1[μm]くらいの厚みなら透 過すると考えて良いでしょう。
    シリコン、モリブデン、チタン、クロムのうち、シリコンのみは半導体で、その 他は金属です。
    シリコンはバンドギャップを1.1eVにもつ半導体なので、1.1eV以 下の光子エネルギーの赤外線は透過します。シリコンの吸収係数は、1.1eV付近 で立ち上がり、3eV付近では106[cm-1]に達します。従って光子エネルギーを指 定しないと透過する厚みも推定できません。なお、波長λと光子エネルギーEの関 係はE[eV]=1240/λ[nm]です。
     さて、金属のαが顕わに記載されているデータは少なく、大抵は消光係数κが記 載されています。αとκの関係はα=4πκ/λです。κも波長に依存します。
    モリブデンの消光係数は
    「なんでもQ&A」の744に示してあります。
     2eV(=620nm:赤色)におけるκは3.52です。
     従ってα=4π×3.52/620nm。d=1/α=620/(4π×3.52)=14[nm]
    チタンの消光係数は「なんでもQ&A」の464にあります。
     650nmにおけるκは3.65。従って、d=1/α=650/(4π×3.65)=14[nm]
    クロムの吸収係数は「なんでもQ&A」の287にあります。
     波長500nmにおいてα=2.86×10^5[cm-1]なので、d=1/αは35[nm]です。
    シリコンの消光係数は「なんでもQ&A」の279にあります。
     波長646nm(赤)においてκ=0.017と小さく、
      d=1/α=646/(4π×0.017)=3025[nm](かなり厚くても透過します)
     波長449nm(青)においてκ=0.149で
      d=1/α=449/(4π×0.149)=240[nm](金属よりは1桁厚いものでも通ります)
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 27 May 2006 10:20:35 +0900 (JST)
    AA:東京農工大学 佐藤勝昭 様
    N大学大学院のMです。
    早速のご返答、誠に有難うございます。
    とてもわかりやすく解説してもらい、大変助かりました。
    --------------------------------------------------------------------------------------
  • 792. 干渉縞とスペクトル幅


    Date: Mon, 29 May 2006 23:24:18 +0900 (JST)
    Q: 佐藤先生、
    始めまして、K大学のYといいます。光干渉の件について質問があります。
    (公開時は匿名でお願いします。)

    光学の教科書に平行平板の2枚の鏡で作られたファブリーペローエタロンという干渉計に 単一モードのパルスレーザーと多モードのパルスレーザーの それぞれを入射させた時、その透過した光の画像が載っていました。

    単一モードの時は綺麗な同心円状の図、多モードの時はぼやけた図が載っていて 「30ショットの重ね合わせ、半値幅はおよそ100MHz」と書いてありました。
    想像すると、単一モードの同心円の図から計算したと思うのですが
    どのように計算したら半値幅が得られるのか教えていただけないでしょうか
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    Date: Thu, 1 Jun 2006 15:08:12 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     私は、専門ではないので、光学の専門家に伺いましたところ
    「リングから次のリングまでの間隔が1スペクトラルレンジ=c/(2L)なのでこれを目盛にすればよいです。」
    という答えが返ってきました。参考になれば幸いです。
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  • 793. 豚レバーの赤外分光特性


    Date: Mon, 12 Jun 2006 14:22:35 +0900
    Q: お世話になります。
    原子力研究施設で勤務しております赤津と申します。
    HPを拝見の上質問させていただきます。
    現在Nd:YAGレーザー(波長1064nm)を用いて対象物(豚レバー)への照射試験を実施 しており、照射中の温度分布を実験結果(サーモ映像)とシミュレーション結果を比較しており ます。
    しかし、実験結果とシミュレーション結果では大きく異なってきます。
    この違いは対象物表面でのレーザーの反射率が影響していると考えております。
    そこで、文献から分光反射率曲線を調査したのですが可視光(波長380〜700nm)での データしかありません。
    波長1064nmでの分光反射率はあるのでしょうか?
    お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。
    以上。
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    Date: Mon, 12 Jun 2006 20:09:46 +0900
    A: 赤津様、佐藤勝昭です。
     申しわけありませんが、豚レバーの分光透過率のデータは可視光域も 含め手元にありません。反射率を問題にしておられますが、むしろ、吸 収係数の方が重要でしょう。
    豚のレバーの近赤外吸収スペクトルは見つかりませんでしたが、生体を 構成する要素;水、ヘモグロビン、脂肪、チトクロムオキシダーゼの近 赤外吸収スペクトルは
    University College London医療物理学科のホームページのpdf
    に載っています。
    水、ヘモグロビン、脂肪は1μm付近に吸収のピークがありますが微妙に違います。
    シミュレーションはおそらく一様な媒体を考えておられるのでしょうが、何が光を吸収して熱に変えているかに よって、サーモグラフィとの違いが出ているのではないでしょうか。
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    Date: Tue, 13 Jun 2006 09:17:32 +0900
    AA: 佐藤勝昭様
    早速のご返答ありがとうございます。
    原子力施設の赤津です。
    反射率ではなく吸収係数を視点に調査していきたいと思います。
    また、実験によりサンプル数を増やすことでサーモグラフィとシミュレーション との差から吸収係数を見積もることも考えております。
    先日はお忙しい中ありがとうございました。
    以上、宜しくお願い致します。
    --------------------------------------------------------------------------------------
  • 794. 塩化ビニールの弾性係数


    Date: Wed, 14 Jun 2006 10:43:18 +0900
     T社田中です。
     塩ビの弾性係数を知りたいのですが.
    よろしくお願い申し上げます.
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    Date: Wed, 14 Jun 2006 18:10:49 +0900
    A: T社田中様、佐藤勝昭です。
     一概に塩ビ(正式名ポリ塩化ビニルPVC)と言ってもいろいろあり、ヤング率はかなり幅の範囲でばらつくようです。
    TexWire Wire and Cable社のHP
    によれば3.5〜10×10^5psi(ポンド/平方インチ)とあり、SI単位系に換算すると2.4〜6.9GPaとなります。(ASTMのD638)
    一方、Wikipediaでは、2.9-3.4GPaとなっています。
    また、MITの授業のデータ(pdf)
    によりますと、1.5GPaとなっています。
    おそらく重合度の違いによるばらつきではないかと思いますが、よくわかりません。
    --------------------------------------------------------------------------------------
  • 795. 太陽電池材料に関する質問


    Q: Date: Wed, 14 Jun 2006 22:58:01 +0900 (JST)
    突然のメール申し訳ありません。H大のOです。ある大学院に行くために研究室訪問したのですが、 専門用語がいっぱいで全然内容が分かりませんでした。
    それで、分からないことを調べたのですが、分かりませんでした。それで、教えていただかないかと思ってメールしました。
    私は、スパッタ法で薄膜を作ってるのですが、ある大学院は、CVD法でi型、n型、p型を作って 太陽電池を作ってるそうです。それで、単結晶と多結晶の太陽電池の違いが分かりませんでした。
    欠点とかは分かったのですが、どうやったら単結晶の太陽電池ができて、どうやったら多結晶の
    太陽電池ができるのか分かりません。教えてください。お願いします。
    それと、SIH4ガスでCVD法を使ってガラスに成膜してるらしいのですが、
    分からないので詳しく教えてください。お願いします。
    ラマン散乱分光を用いて結晶性の評価をしているといっていましたが、何のことかさっぱり分かりませんでした。
    教えてください。お願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 15 Jun 2006 01:16:18 +0900
    A: O君、佐藤勝昭です。
     Webにアップするときは匿名にしますから、大学名・学科名・氏名を名乗って ください。最低限のエチケットです。
     ご質問の件ですが、「単結晶と多結晶の違い」、「CVD法」、「ラマン散乱」 というような言葉は、大抵の材料物性工学関係の教科書には書かれている キーワードです。図書館に行って、それを自分で調べる力がない人が大学院 に進んでも、よい研究ができないと思います。

     ------------------------------------------------------------
    「単結晶」と「多結晶」の違いは、私のホームページに出ている農工大物理シス テム工学科3年次の
    「物性工学概論」の講義の 「第7回半導体[3]光を電気に変 える」のパワポの30番目のスライドを見てください。
     単結晶シリコンの写真は31番目のスライドにあります。大きな結晶全部が一 定の結晶方位に揃っています。これを得るには、CZ法(チョクラルスキー法)に よって結晶成長します。CZ法については、 「第4回半導体[1]半導体の色」の 17番目のスライドを見てください。
     多結晶シリコンは、さまざまな方位の結晶のグレイン(結晶粒)の集合体なの で、トタン板のようにキラキラとモザイク模様が見られます。第7回講義の32番 目のスライドをご覧下さい。多結晶シリコンは、単結晶シリコンのくずを溶かし て固めたもので、いわば、シリコンの鋳物です。
     CVD法とは、chemical vapor depositionのことで、通常はSiH4(モノシラン) またはSi2H6(ジシラン)という水素化珪素ガスに高周波電界をかけてプラズマに して分解し、Siと水素を分離して基板上にSiのみを堆積します。
     ラマン散乱は、試料にレーザ光を照射し、跳ね返ってきた光を分光すると、 レーザ光の波長の少し長波長側(すなわち高エネルギー側)に散乱光のピークが いくつか見られる現象です。試料の中で格子振動が起きて、そのエネルギーだけ 低いエネルギーの光が出てくるのです。格子振動のスペクトルにおいて、スペク トル線の幅が広ければ結晶性が悪いというような解析をするのです。
     太陽電池についての勉強をするなら、下記の参考書を読んではいかがですか。
    桑野幸徳著「太陽電池を使いこなす」(講談社ブルーバックス)
    浜川圭弘・桑野幸徳編「太陽エネルギー工学」(培風館)
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    Date: Thu, 15 Jun 2006 15:02:52 +0900 (JST)
    AA: 名前と大学名と学科名を書かないですいません。
    H***大学の工学部K****です。匿名でお願いします。
    分からないことが分かりました。ありがとうございました。
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  • 796. フェライトガーネットについて


    Date: Thu, 15 Jun 2006 11:28:22 +0900
    Q: 佐藤先生
     はじめまして。
     T大学のTと申します。
     「光と磁気」や「ホームページ」のほうを拝見させていただき、 先生に質問することを決心いたしました。
     お忙しいと思いますが宜しくお願いします。また、掲載のほうは、匿名でお願いします。

     フェライトガーネット系材料(以下、FG)について質問があります。

     始めに、簡単に質問への経緯を説明させていただきます。
     私たちの研究室では中性原子の磁気トラップの実験などを行なっております。
     最近、チップ(*注1)上で行おう磁気光学トラップ(*注2)を考えており、
     光学磁性体を使ったチップの作製を計画中です。

     そこで、実験上の幾つかの理由から、
     800nm の付近と長波長領域で透過しやすい傾向の磁性体を探していたところ、
     FG系の材料がそうであることが分かりました。
     確かに、これは我々が作りたいチップの材料として都合で 実際、参考にしている文献でも、
     (BiYTmGd)3(FeGa)5O12というFG材料を使っているようでした。

     *そこで質問なのですが、*

     *@*FG材料に、どのように置換を施してあげればより*800nmでの吸収を抑制*してあげることができ、
     *磁性の大きい*ものを作ることが出来るのでしょうか?
     表面での飽和磁化(μ0M)20 mTくらいあればいいと思います。
     
     *A*また、FG材料以外でもかまわないので上記のような材料はないでしょうか?

     *注1
     いわゆる、アトムチップというものです。
     外部からレーザーを使い、材料を温めることで 自由に磁気ポテンシャルを作る(制御?)したいと考えています。

     *注2
     原子を真空中でトラップする手段です。
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    Date: Thu, 15 Jun 2006 12:44:00 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
    (1)800nmでの吸収を抑制でき、磁性の大きいものを作るFG組成。
    A: そもそも、800nm付近のディップは、光と磁気(改訂版)第7章の図 7.24および説明文(p182 3行目)にありますように、八面体(Oh)サイト のFe3+の2つの配位子場遷移の吸収の重なりによって生じているもので す。遷移をシャープにすればよいとお考えでしょうが、この吸収帯はお そらくフォノンサイドバンドなので、狭くすることができません。
    従って、八面体サイトのFeをGaなどで置換していけば、吸収は低下する と思います。しかし、その分磁化が減少します。表面での必要な磁化が でるぎりぎりまで、Ga置換するという方法しかないでしょう。
    (2)FG以外の材料
    A: アトムチップの原理がわからないので、適切なアドバイスができ ません。光誘起磁化をお考えなのでしょうか。またどのような波長のレ ーザを照射するのでしょうか。実際問題として、800nm付近で透明な室 温で磁化を持つ強磁性体はありません。強磁性体でなければ、CdMnTeの ような磁性半導体がありますが、光で誘起できる磁化は大変小さなもの です。
    [これ以上詳細にわたるご質問については、なんでもQ&Aの趣旨であ る一般性を失いますので、直接ご討論申し上げた方がよいでしょう。]
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 15 Jun 2006 13:26:32 +0900
    AA: 佐藤先生
    素早いご返答ありがとうございます。
    >> 表面での必要な磁化がでるぎりぎりまで、
    >> Ga置換するという方法しかないでしょう
    >> 800nm付近で透明な室温で磁化を持つ強磁性体はありません
    了解しました。もう少し検討してみます。
    追伸
    直接の討論となると、
    学生が勝手に…というわけにもいかないような気がするので
    スタッフを通しての、ご連絡になるかもしれません。
    とにかく、大変助かりました。ありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 797. 金属の複素屈折率


    Date: Thu, 15 Jun 2006 16:17:57 +0900 (JST)
    Q: はじめまして、私は、大阪工業大学工学部電気電子システム工学科4年のの林と申します。
    佐藤先生のHPを拝見いたし質問したいことがあります。
    最新(2000年以降)の金属(金、銀、銅、アルミ)の複素誘電率または屈折率をしるには
    どのような文献がありますか?お忙しいとは思いますが、教えていただきますようお願いします。
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    Date: Thu, 15 Jun 2006 22:32:17 +0900
    A: 林君、佐藤勝昭です。
     このことは「なんでもQ&A」に以前に何度も書いています。たとえば、
    (なんでもQ&A#646. 金、銀、Ni、Al、Cuの反射率)に書きましたように、金属の反射率については、 Palik:Handbook of Optical Constants of Solids I,II(Akademic) という書物を見てください。
    Auについては、Palikの第1巻p286, Agについてはp.350、Cuについてはp.280、Alについてはp.369に出ています。 この書物に引用されているデータは、1960-1970年代に測定された古いものですが、ほとんど確立しており、 2000年以降に値が改訂されるということはないと思います。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 16 Jun 2006 18:21:46 +0900 (JST)
    AA: 佐藤勝昭先生。大阪工業大学工学部電気電子システム工学科4年の林です。
    早く返信いただきありがとうございます。早速調べてみます。
    今後も分からないことを質問するかもしれませんが、そのときはよろしくお願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
  • 798. アモルファス太陽電池のpin構造


    Date: Fri, 16 Jun 2006 22:55:29 +0900 (JST)
    Q1:匿名にお願いします。H大学のOです。
    太陽電池の話なんですが、アモルファス太陽電池はpin構造なんですが、単結晶も多結晶もpin 構造なんですか?それともpn構造なんですか? 
    SiGeの多結晶の太陽電池も今までの多結晶構造の太陽電池の仕組みと同じなんですか?
    最近の研究なので本にのってません。教えてください。お願いします。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 17 Jun 2006 00:56:53 +0900
    A1:O君、佐藤勝昭です。
     pin構造はアモルファス太陽電池のみです。通常の結晶系のものはpn接合です。
    SiGe多結晶太陽電池については私もよく分かりません。
    下記の原著論文をお読み下さい。
    Noritaka Usami, Wugen Pan, Kozo Fujiwara, Toru Ujihara, Gen Sazaki and Kazuo Nakajima:
    Relationship between Device Performance and Grain Boundary Structural Configuration in a Solar Cell Based on Multicrystalline SiGe;
    Japanese Journal of Applied Physics Vol. 43, No. 2B, 2004, pp. L250-L252
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 17 Jun 2006 09:47:01 +0900 (JST)
    AA:分かりました。ありがとうございました。 
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 17 Jun 2006 11:35:14 +0900 (JST)
    Q2:太陽電池のpin構造とpn構造はどっちがいいのですか?二つの構造の長所と欠点を教えてく ださい。pn構造のsi内部で電子と正孔ができると本に書いてあったのですが、よく分かりませ ん。教えてください。お願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 17 Jun 2006 12:40:15 +0900
    A2:O君、佐藤勝昭です。
     卒業研究で分からないことがある場合、まず、本や文献で勉強しなさい。
    それでも分からなければ、研究室の先輩の大学院生や指導教員に聞きなさい。
    彼らが答えられないときに、外部の人に聞きなさい。
     この件については、前回紹介した「太陽エネルギー工学」138ページに出てい る説明に沿って説明(一部表現を変えています)しておきましょう。
    ======================================================================
    アモルファス太陽電池の基本的構造は、pinであり、一般的には、p層の厚さは5 -20nm程度、i層の厚さは400-600nm程度、またn層の厚さは10-30nm程度と設定さ れています。
     現在の太陽電池級のアモルファスシリコンにおける少数キャリアの拡散長は、 最大でも100nmのオーダーですから、もしキャリアの拡散のみで光生成キャリア の収集を行うとすれば、セルの厚さを100nmの薄さにする必要があります。
     しかし、これでは、(太陽光が十分吸収されず透過してしまうので)太陽光ス ペクトルを有効に利用できません。内蔵電界を利用しないと効率を上げることが できません。しかし(n層とかp層のように)ドープしたアモルファスシリコンは 構造欠陥が大きいため、内蔵電界が存在する領域(空乏層とか空間電荷領域と呼 ばれる領域)の幅がノンドープ(i層)に比べてはるかに小さくなってしまい、 pn接合だけでは、光キャリア生成・輸送層として用いることが難しいのです。
     pin接合構造は、これらの点を考慮して、アモルファス太陽電池に採用された のです。すなわち、光キャリア生成・輸送は(欠陥の少ない)i層で行い、p層お よびn層はi層にキャリアドリフトを促進する内蔵電位差を作り出し、光キャリア 収集のための電極層としての役割を果たすのです。
    ========================================================================
    (ここに出てくる空乏層、内蔵電界などの用語も、私の物性工学概論の授業スラ イドで学ぶことができますので、これ以上細かいことを質問しないでください。)
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 18 Jun 2006 00:15:12 +0900 (JST)
    AA2: わかりました。ありがとうございました。この学校は太陽電池の研究をしておらず、しかも太陽 電池の本が少ししかありません。だから、聞いたのです。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 799. 原子吸光分析装置のデータのばらつき


    Date: 20 Jun 2006 12:01:00 +0900
    Q: 化学品メーカーに 高専から今年入社しましたIと申します。
    学生の頃からこのサイトにはお世話になりました。
    まさか学生じゃなく社会人になってから利用するとは思いませんでしたが…
    早速ですが、現在会社で原子吸光を使用しているのですが、 波長が安定せずに濃度にバラつきが見られるのですが、 (確かに旧式ですが)
    そこで平均を取るか、何かメンテナンスをするか迷っているのですが どうすればいいか助言お願いします
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 20 Jun 2006 12:24:44 +0900
    A: Iさん、佐藤勝昭です。
     ネットでは匿名にしますから、きちんと所属と氏名を名乗って下さい。 ご質問の内容だけでは、あまりに情報が少ないので、原子吸光で波長が 安定しないということが理解出来ません。本来、光源のランプからは原 子レベルで安定した波長の光が出ているはずです。「波長が安定しない」 のは分光器の波長駆動機構とかの問題ではないでしょうか。濃度のばら つきは、溶液の均一性(溶け方が一様でなく、未溶解の物質が残る)と か、バーナーでの燃焼機構の不安定とかも考えられます。原子吸光分析 装置を作っている会社に問い合わせるべきです。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 20 Jun 2006 12:34:00 +0900
    Q2: すみませんでした
    株式会社**のI**と申します。
    原子吸光で、測定しているときにベースラインと一緒にもう1つのラインがあり、 ゼロセットしているのですが、あまり安定しません。
    試薬を測定する前に純水を流しているときから ぶれているので、純水に不純物が入っているのか 許容範囲内ということなのでしょうか?
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 20 Jun 2006 12:58:12 +0900
    A2: Iさん、佐藤勝昭です。
     原子吸光装置は、製造元によって、ゼロのセットの仕方も変わります し、第一私は装置のサービスマンではありませんから、特定の装置の不 具合を聞かれてもお答え出来ません。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: 20 Jun 2006 13:06:00 +0900
    AA: そうですね、
    すみませんでした。
    自分でもっと調べてみることにします
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 800. 金のX線吸収端


    Date: Tue, 20 Jun 2006 16:15:41 +0900
    Q: 佐藤先生
    姫路工業大学理学部物質科学学科4年の藤井隆と申します。
    突然のメールで失礼します。
    X線の反射率についてわからない事があり、質問させて頂く次第です。

    金について、入射X線を100〜30000eVに変化させて反射率を測定しました。横軸に入射X線エ ネルギー、縦軸に反射率をとったグラフを作成したところ、2000eVのあたりと12000eVのあた りにちょこんと変な変化がありました。調べた結果、吸収端ではないかと思うのですが、どんな種類の 吸収端なのか、なぜ現れたのかよくわかりません。
    私の調査不足だと思いますが、お答え頂ければ幸です!よろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 20 Jun 2006 16:52:50 +0900
    A: 藤井君、佐藤勝昭です。
     X線吸収端については、J.A.Bearden: Review of Modern Physics Vol.39 (1967) p.78に出ていますが、X線関係のたいていのハンドブックに 載っていますから、図書館で調べなさい。
    Auの吸収端のうち、
     M5吸収端は0.5584nm すなわち11921eVにあります。
     L3吸収端は0.104nm すなわち2220eVにあります。
    あなたが観測したのは、これらの吸収端であると思います。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 20 Jun 2006 17:05:57 +0900
    AA: 早い返答有難う御座いました!
    早速調べに入ります。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • 801. シリコーンオイルのDSC曲線の解釈


    Date: Wed, 21 Jun 2006 03:13:17 +0900
    Q: 大阪工業大学 工学部 応用化学科岡島衣梨と申します。
    シリコーンのDSC曲線についてお聞きいたします。
    ガラス転移温度で分子運動が大きくなり、自由体積が増えるのは分かるんですが、その後また結晶化し、また分子間が広がっている・・・。
    なぜ結晶状態の変化がこのように頻繁に起こるのか分かりません。
    一度Tgで結晶間が離れたら、結晶化温度の後にまた結晶化する工程は無くてもいいと思うのですが、なぜ起こっているのか分かりません。
    教えていただけますか。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 21 Jun 2006 10:52:15 +0900
    下記解釈は間違っているようです。米国の化学会社Sさんからコメントありました。
    A: 岡島様、佐藤勝昭です。
     添付されているDSC曲線と同じものが、 ニッテクリサーチ社のHPに 示差走査熱量計の測定例(シリコンオイルのDSC曲線)として載っていました。
    一般に、シリコンオイルは、いくつかの物質がブレンドされていますの で、複数のガラス転移温度が見られるのだと思います。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Jun 2006 01:58:40 +0900
    AA: 佐藤勝昭 様
    回答ありがとうございます。
    単一のモノマーに対してのDSC曲線だと思っていましたが、理解できました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • #801へのコメント


    Date: Thu, 22 Jun 2006 14:00:38 -0400
    C: 米国の化学会社のSと申します。掲載の際は匿名でお願いします。
    801番のQ/Aについて、佐藤先生の解説とは違う解釈をさせていただきます。
    問題となっているDSCのカーブは、液体窒素温度まで急冷した後、徐々に温度を上げていったときのものだ と思われます。また、このシリコーンはポリジメチルシロキサンだと思われます。
    この際、ガラス転移温度を越えて、主鎖の束縛が緩むと、側鎖のメチル基の影響による結晶化 (cold-crystallization)が起こります。これは、急冷したことによって、冷却の際には結晶化 ができなかったのが、加熱サイクルで(あとづけで)結晶しているためです。さらに温度を上げて 結晶の融点に近づくと、今度は結晶の融解が起きるわけです。

    マイナス40C付近で複数の融点のピークが見られるのは、分子量のばらつきによるものではないかと思われますが、 資料のアイデンティティがないので、はっきりとはわかりません。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 23 Jun 2006 10:08:13 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
    有り難うございました。さっそくHPを訂正します。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 802. 豆電球の非線形性


    Date: Thu, 22 Jun 2006 17:33:12 +0900
    Q: 東京工科大学1年のAです。
    お尋ねしたいのですが、なぜ豆電球の抵抗のグラフは非線型になるのですか??
    ----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Jun 2006 17:58:25 +0900
    A: A君、佐藤勝昭です。
    豆電球は、ガラスの中にタングステンでできたフィラメントがあって、 電流を流すと温度が上がり「黒体放射」によって光が放射されます。
     タングステンは金属です。金属は温度が高くなるにつれて電気抵抗が 高くなる性質を持っています。それは、温度が高くなると原子の振動が 強くなり、金属中を動いている電子が原子の振動によって散乱されるた めです。このため、豆電球に加える電圧を増やしていくと、はじめは電 流は電圧に比例して増加しますが、温度が高くなるにつれて抵抗値が高 くなるため、電流の増加の仕方が緩やかになるのです。これが、「非線 形」である理由です。
    ----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 22 Jun 2006 18:24:06 +0900
    AA: ご返答ありがとうございました。実験の課題でいろいろ調べたのですが わからなくて質問させていただきました!!
    またわからないことがあったらお尋ねすると思いますが よろしくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • 803. アルミ板上でのネオジム磁石の運動


    Date: Thu, 22 Jun 2006 21:47:05 +0900
    Q: こんばんわ、いきなりのメール失礼します。
    私はK大学の1回生で、N****と申します。(掲載時は匿名を希望します。)
    大学の講義で、
    1. 円形のネオジム磁石をアルミ板の斜面上で転がす(滑らせる)と、ストンとは進まずに、ゆっくりと進む。
    2. 円形のネオジム磁石を近くに鉄などがない水平な台の上で、真っ直ぐに転がそうとしても、曲線を描いて倒れてしまう。
    この現象を説明せよ。 との課題が出されたのですが、「1」の現象については、「アルミパイプの中を磁石が回りながら落ちる」の質問項目への回答で説明しても良いのでしょうか?
    また、「2」の現象はどのように説明すれば良いのでしょうか?
    勉強不足で恥ずかしいのですが、どうかお力を貸してください。よろしくお願いいたします。
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    Date: Thu, 22 Jun 2006 23:51:11 +0900
    A: N君、佐藤勝昭です。
     大学で出された課題には、直接お答えできません。考えるためのヒントをあげます。
    1も2もアルミの反磁性によります。円形磁石は面に垂直か、面に平行のどちら の方向に磁化されているのですか確認してください。
    次に、磁石が動こうとすると磁束の変化を妨げる方向に反磁性磁化をもたらす渦 電流がアルミ内に流れますが、どちら向きにどのような力が働くかを考えてください。
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    Date: Fri, 23 Jun 2006 21:16:56 +0900
    AA: 早速の返信、並びにヒントを与えてくれたことに感謝します。
    大学の課題には答えられないと言う注意書きを読んでいなかったので、このようなメールを送ってしまい、大変失礼いたしました。
    与えていただいたヒントを元に、自分で解決いたします。
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  • 804. アルミ線と銅フレームとのボンディング


    Date: Wed, 28 Jun 2006 12:06:22 +0900
    Q: 初めてメールさせていただきます。H****(株)W**と申します。(掲載時は社名、名前は伏せてください) 
    早速なのですが、アルミ線の超音波ワイヤーボンダーについてなのですが、アルミ線と銅フレームの接合がうまくいきません、装置条件(POWER、FORCE、TIME)を変更し、試すのですが接合しません。銅とアルミの接合は難しいと聞いたことはあるのですがどうなのでしょうか? 
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    Date: Wed, 28 Jun 2006 13:47:29 +0900
    A: W様、佐藤勝昭です。
     わたしは、ワイヤボンディングの専門家ではありませんが、 下記の論文が参考になると思われますので、ご紹介します。
    Journal of ELECTRONIC MATERIALS, Vol. 35, No. 3, 2006
    I. LUM, M. MAYER and Y. ZHOU: Footprint Study of Ultrasonic Wedge-Bonding with Aluminum Wire on Copper Substrate
    手元にはabstractしかありません。Abstractによれば、
    In ultrasonic wedge-bonding onto copper substrates, the ultrasonic energy is essential in forming bonding by creating relative interfacial motion, which removes the surface oxides.
    と書かれており、超音波ボンディングでは、超音波のエネルギーは表面 の酸化物を除去するような界面での相対運動を作り出すことによりボン ディングに効いているということです。
     論文の全文は本学の図書館にはないので取り寄せになりますので、御 社の方で、お近くの大学にでもお問い合わせて入手してください。
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    Date: Wed, 28 Jun 2006 14:37:30 +0900
    Q2: 早速の返信ありがとうございます。返信いただいた内容の超音波ボンディングの原理はわかるのですが、
    例えば銅ではなく、表面がニッケルメッキや銀メッキだと超音波の条件をふっても接合するのですが、
    金属の相性みたいなものが存在するのでしょうか?   W
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    Date: Thu, 29 Jun 2006 13:27:22 +0900
    A2: W様、佐藤勝昭です。
     金属同士の相性はもちろん重要でしょう。
    http://extra.ivf.se/ngl/A-WireBonding/ChapterA2.htm
    によれば、
    接合される材料は、強い結合を持つとともに予想される寿命の間に過剰 な金属間化合物が形成されることを妨げるような適度の相互拡散係数を もつ必要がある。
    ・Au-Cuボンドは、高温での応用には使うべきでない
    ・AuにワイヤボンドされたAuは非常に安定である
    ・AgにボンドされたAuは高温で長時間の使用に対し安定である
    ・Ag-Alボンド系は注意して使う必要がある
    ・ボンド系においてAgは非常に注意深く使う必要がある
    ・Ni-コートにボンドされたAl線はさまざまな環境において安定である
    ・Al-メッキにボンドされたAl線は非常に安定である
    ・・・
    などと書かれています。
    なお、Cu-Alのボンドについては、以下のように記述されています。
    ・Cu-Al系ではCu-rich側に5つの金属間化合物相がある。このために、
    Au-Al系に見られるような金属間化合物による接合不良が生じる。
    ・しかし、Cu-Alの金属間化合物の成長はAu-Alに比べると進行が遅い。
    ・Cu-Alボンドはカーケンダルボイドは生じないが脆いCuAl2相の成長に
    より150-200℃でのせん断強さを低下する。300-500℃では、金属間相の
    厚みが増加するに従い結合強度がかなり低下する。
    ・金属間化合物の形成は動作環境の雰囲気に依存する。たとえば、パッ
    ケージ内に酸素が残存する限りCu-Alボンドは安定である。なぜなら、
    酸化銅はボンド直下のボイド状の溝の成長を抑制または阻害するからあ
    る。一方、Clと水分の汚染があるとCu-Al金属間化合物を含むAl金属の
    腐食をもたらす。
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    Date: Fri, 30 Jun 2006 02:14:02 +0900
    AA: 返信ありがとうございます。非常に気になっていた内容です。
    中途半端な接合での接触不良が大変心配でいろいろ調べていました。
    基本的には同材質どうしの接合が強度が出るらしいのですが、、、。
    今回の内容を参考にし色々実験してみます。ありがとうございました。
      またご相談するかと思いますがその時はよろしくお願いします  W
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  • 805. メチルジフェニルイソシアネート合成のための反応器の材質


    Date: Wed, 28 Jun 2006 16:10:05 +0900
    Q: こんにちは。私はH大学工学部(化学系)に通う4年生で、Hと申します。
    HPを見て、メールしました。以下の反応器に適した材料 (ex:SUS316,ハステロイC,SUS304など)を教えていただきたいです。
    反応器は、溶媒であるMCB(モノクロロベンゼン)にホスゲンを 溶かしたものと、MDAを反応させて、MDIを得るというものです。
    反応は二段階で行われ、まずは低温反応(40℃)、その後 高温反応(120℃)です。溶媒であるMCBが他の物質に比べて かなり過剰な状態で行います。
    できれば、なぜその材料がふさわしいのかも教えていただきたいです。
    よろしくお願いします。
    なお、HPに掲載の際は匿名でお願いします。
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    Date: Thu, 29 Jun 2006 10:14:56 +0900
    A: Hさん、佐藤勝昭です。
     私は、化学の研究者ではないので、本学の応用分子化学科の教授にお 尋ねしました。その先生も、このことの専門家ではないのですが、以下 のようなヒントをいただきました。
     ご質問は、卒論の研究でしょうか?あなたのやろうとしている実験は、 かなりの危険性を伴うことなので、下のヒントを参考にされ、指導教員 の方や、化学実験用品を扱っている業者の専門家の方とよく話し合って、 十分に安全な反応器を設計されることをおすすめします。
    =======================================================
     ご質問の反応は、ホスゲンという気体をハロゲン系の溶媒に溶解し、 MDI(メチルジフェニルイソシアネート)と呼ばれる化合物 O=C=N- C6H4-CH2-C6H4-N=C=O を合成する反応であり、反応自体に新規性はあり ません。このMDIは主にウレタン樹脂の原料に使用されているため、工 業的にも大量に生産されています。
     ここで問題になるのは、ホスゲンが致死性の毒物(第一次世界大戦で は毒ガスとして使用されました)であるとともに、ハロゲン系溶媒中で は腐食性があることです。アルミニウムなどはすぐに劣化します。
     一般にホスゲンは溶媒や空気中の水で加水分解され、二酸化炭素と塩 化水素に分解されますが、この塩化水素が金属を腐食するのが金属の劣 化の主な原因であると考えられます。
     通常のステンレスSUS188などは、水に対して耐腐食性は十分にありま すが、塩化水素に接触するとすぐに腐食されてしまいます。耐腐食性の 鋼材としては、モリブデンを添加したSUS316や、ニッケルおよびモリブ デンを添加したハステロイが主に用いられており、後者の方が一般的に は酸性ガスの腐食に強いようです。
     しかし、一般的に酸性雰囲気下で耐腐食性を要求される反応では、反 応容器の内側をガラスライナーで保護し、直接反応試薬が接触しないよ うにすることが多いと思います.
    ==============================================================
    Date: Thu, 29 Jun 2006 22:02:44 +0900
    AA: 東京農工大学 佐藤先生
    こんにちは。H大学のHです。
    質問に丁寧に答えていただき、ありがとうございました。
    現在、H大学のK課程の生徒は、工程設計という授業のようなグループワークを行っております。
    そのような中で、材料について疑問が涌き、調べていたらたまたまインターネットで先生の サイトを発見し、お尋ねしました。
    ほんとうにありがとうございました。
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  • 806. MnSi1.7の格子定数の決定法


    Date: Fri, 30 Jun 2006 16:37:55 +0900
    Q: K***大学N***です。匿名でお願いします。
    MnSi1.7のX線回折角から格子定数aとcを求める方法を教えてください。
    このシリサイドの構造がわからないと求められませんか。
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    Date: Fri, 30 Jun 2006 17:28:35 +0900
    A: N君、佐藤勝昭です。
     Mnシリサイドは、静岡大学電子工学研究所の立岡先生が熱心に研究し ておられます。ホームページをみると
    http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~tehtats/mnsi17.htm
    Mn-Siの相図がでており、MnSi1.7の相には、
    Mn4Si7, Mn11Si19, Mn15Si26, Mn27Si47が属しています。
    いずれも正方晶で、それぞれc軸長は
    c=1.746, 4.82, 6.531, 11.79nmとなっています。
    それぞれの格子定数にもとづいてX線回折パターンを理論的に計算し、
    実験と比べればよいのですが、最近のX線装置では、そのような機能が
    ついていることが多いと思います。
    M.Kohira, T.Matsuyama, H.Tatsuoka and H.Kuwabara:
    Structural Property of MnSi1.7 Layers Grown in the Presence of
    an Sb Flux; International Union of Materials Research Societies
    - International Conference of Advanced Materials (IUMRS-ICAM2003)
    [C7-11-P40]
    に掲載されているようですので、立岡先生に直接お問い合わせになって は如何でしょうか。
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    Date: Fri, 30 Jun 2006 17:38:15 +0900
    AA: ありがとうございました。
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  • 807. トランジスタの電流増幅の仕組み


    Date: Sun, 2 Jul 2006 21:21:06 +0900
    Q: F*工大2回生のH**と申します。
    質問です。トランジスタのことなんですが、エミッタ共通回路の場合、電流増幅率が どのようにして増幅されるのか、簡単に教えていただけないでしょうか。
    追記:匿名希望です。
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    Date: Mon, 03 Jul 2006 00:34:29 +0900
    A: H君、佐藤勝昭です。
     エミッタ接地のトランジスタ回路の電流増幅の仕組みはどのような電子回路の 教科書にも書いてあります。工業系の大学2年生とのことですが、むしろ工業高 校か工業高専の教科書を読むとわかりやすいでしょう。一応説明しておきます.
    ========================================================
     ここでは、npnトランジスタの例で説明します。
    n-p-nというのはエミッタがn型、ベースがp型、コレクタがn型のトランジスタで す。エミッタを接地し、ベース・エミッタ間に順バイアス(ベース電位をプラ ス)にするとn-pの接合の障壁が小さくなり、エミッタからベースに向けて電子 が流れます。(電流は、ベースからエミッタに流れます。これがエミッタ電流Ie です。)さらに、コレクタ・ベース間を逆バイアス(コレクタ電位をベース電位 よりプラス)にしておくと、さきにエミッタからベースに注入された電子の大部 分はベースを通り抜けてコレクタのプラス電位に引き寄せられます。これがコレ クタ電流Icです。エミッタからベースに注入された電子のうち一部はベース電流 Ibとなります。従って、Ie=Ic+Ibです。エミッタ電流Ieのうちコレクタ電流Icに なる割合をαとすると、Ic=αIeと書けますから、Ib=(1-α)Ieとなります。
     電流増幅率βはコレクタ電流Icをベース電流Ibで割ったものですからβ=Ic/Ibと なり、αで表すと、β=α/(1-α)となります。αを0.98とすると、βは49となります。
    ----------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 5 Jul 2006 20:17:53 +0900
    AA: ありがとうございました。
    なんとか理解できました。
    今後もよろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------
  • 809. 標準白色板を参照試料とした分光反射率測定


    Date: Mon, 3 Jul 2006 15:56:17 +0900
    Q: はじめまして,私,N**大学の院生のH**と申します。HP掲載の際には匿名にしていただけるとありがたいです。
    佐藤先生のHPはよく拝見させていただいております。
    突然ですが,いくつか質問があります。ご回答いただければ光栄です。

    私の研究において薄膜の分光反射率測定を行うことになったのですが,最適な測定条件がよくわかりません。
    ちなみに,測定装置は
    オーシャンオプティクス社のものです。
    薄膜はガラス基板上にゾル‐ゲル法によって成膜した着色膜で,色の評価を行うことが目的です。
    色の評価を行うので,リファレンスには標準白色板を用いております。 その上でリファレンス測定時と同条件(プローブと測定表面の高さ,周囲の暗さ)で測定を行いますと, 薄膜表面に光沢があるためか反射率が100%を超えてしまいます。
    他にも,薄膜が光を透過するためにガラス基板底面の反射も影響していると思われます。
    このような測定でスペクトルを示す場合,得られたデータに小数をかけるなどして 100%に収める必要があるのでしょうか?
    もしそうであればその方法を教えていただけませんか?よろしくお願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 4 Jul 2006 13:02:32 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     色の評価に分光反射率をお使いになるということですが、一般に反射 率を測定するには、分光反射率が既知のものをレファレンスとして測定 し、測定した結果にレファレンス用いたた物質の反射率をかけてもとめ ます。おそらく、お持ちの標準白色板には反射スペクトルの校正表がつ いていると思いますので、測定データが100%を超えていても、補正によ り、正しい値になるはずです。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 4 Jul 2006 17:15:43 +0900
    Q2: 佐藤先生
    ご回答ありがとうございます。
    ご指摘のとおり,標準白色板の反射率が示されておりましたが,250-2000nmで98%以上としか記載されておりませんでした。
    また,測定データは300%を超えているところがあり,標準白色板の反射率(98%)をかけても100%以下にはなりません。
    色紙などの光沢のない試料は100%以内のスペクトルが得られているので,やはり薄膜試料の光沢が原因であると考えられるのです。
    この問題についてインターネットでいろいろ検索していましたら,次のようなHPを見つけました。
    http://www.asahi-spectra.co.jp/kiki/bunkouki/HSU-100S/PDF/HSU-100Sref.pdf
    ここのP16には「サンプルには光沢があるため白色基準板よりも高い反射率となっています」とあります。
    このようなデータはデータとしてあり得るのでしょうか?
    繰り返し質問してしまい真に恐縮ですが,よろしくお願いします。
    N大学 H
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 4 Jul 2006 17:59:50 +0900
    A2: H様、佐藤勝昭です。
     標準白色板の「反射率」というのは、散乱光の積分反射率です。一方、 あなたが測定されているのは薄膜の鏡面反射率です。
    「白い」というのは、散乱があるから白いのです。もともと無色透明の 物質を適度の粒径の粉末にして固めると、光が散乱して白く見えます。
    一例が砂糖・塩です。これらの物質のバルクは、それぞれ、氷砂糖、岩 塩ですが、ご存じのとおり無色透明です。これらを粉末にすると「白く」 見えるのです。
    標準反射板はBaSO4のセラミクスですが、反射光は拡散 反射光と鏡面反射光から成り立ちます。通常の反射率測定は、鏡面反射 のみを測定します。拡散反射は、名前の通り全立体角に向けて反射され ますから、その反射率を測定するには、「積分球」という球を使ってそ の中心に物体をおいてそこから散乱してくる光を全部捕まえるのです。
    標準白色板の98%の反射率は、拡散反射率と鏡面反射率を合わせたも のです。BaSO4自身の鏡面反射率は、屈折率は1.6程度でしょうから、垂 直入射の鏡面反射率はR=(n-1)^2/(n+1)^2=0.053すなわち5%程度なので す。従って、その値をレファレンスとして割り算すれば何百%になるの です。
     従って、標準白色板との比較で物質の反射率を求めるには、積分球を 使って積分反射率を求めなければならないのです。
     一方、薄膜試料が鏡面をもち透明であったときには、その鏡面反射ス ペクトルには、表面からの反射、界面からの反射、裏面からの反射、さ らにはこれらの反射光同士の干渉も入ってきます。
    鏡面反射率の絶対値 を知りたければ、蒸着したばかりの銀薄膜(透けて見えないほど十分厚 いもの)をレファレンスに測定すればよいのです。校正のための銀の反 射率は、Palik, Landolt-Boernsteinなどに載っている数値が使えます。
     積分球は結構高いものなので、簡易的には鏡面反射率を使うとよいで しょう。しかし、今後測色学をずっと研究されるのであれば、積分球を 用意されるべきでしょう。
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    Date: Wed, 5 Jul 2006 11:26:58 +0900
    AA: 佐藤先生
    大変丁寧なご説明にとても感謝しております。
    当研究室に積分球があることが分かりましたので,この方法で測定を行ってみたいと思います。
    この度はどうもありがとうございました。
    N大学 H
    ------------------------------------------------------------------------------
  • 810. 誘電体の絶縁性


    Date: Tue, 4 Jul 2006 10:37:38 +0900
    Q: 佐藤先生
    はじめてメールさせていただきます。
    小生、T**株式会社で薄膜を用いた電子デバイスの開発に従事しておりますMと申します。
    申し訳ございませんが、匿名でお願いします。

    最近になり、誘電薄膜の開発を担当することになりましたが、先日別部門のエンジ ニアから、キャパシタ構造にした場合、同じ誘電材料なのに薄膜になると薄くても 電気的絶縁がとれるのは何故?と問われました。
    例えば、焼結体で作製されたコンデンサなどは、せいぜい誘電体の厚みは薄くても 数μm程度にしか薄くできないと記憶しておりますが(一般的には、数十μmですか ね?)、同様の構造を薄膜の誘電材料で作製すれば、数百Å程度にまで薄くしても 絶縁はとれます。
    その時は、バルク材(焼結体)だと粒界があるため、どうしてもそこから絶縁がや ぶられるから、と答えましたが、あとになって考えるとそれだけではないようなき がしてきました。
    薄膜の場合、あくまで個人的経験からすると、どうしてもStoichiometryにはなり ずらく、アモルファスライクな構造になることが多いのですが、それも絶縁性には 影響があるのでしょうか。
    まったくの素人的な発想で恐縮ですが、ご教授いただけましたら幸いです。 また、参考書等でお勧めの本がございましたら、併せて教えていただきたいと存じ ます。
    宜しくお願い致します。
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    Date: Tue, 4 Jul 2006 14:44:09 +0900
    A: M様、佐藤勝昭です。
     焼結体と薄膜の絶縁性の違いはいろいろ考えられます。
    (1)粒径、粒子間のすきまの違い
     焼結体セラミクスの場合、一般に結晶粒径が数μm〜数十μmと大き く、結晶粒と結晶粒の間には比較的大きな(数μmの)隙間があります。 この部分に、水分やさまざまな不純物が付着して電流の通路になります。
    一方、数百Åの薄膜であれば、粒径も数百Åの程度ですし、粒間距離も 数Åとかなり密なので少なくとも水分子が隙間に入り込むようなことは ありません。従って、粒界を通して電流の通路ができることが少ないと 考えられます。
    (2)製造過程の清浄度、原料の純度の違い
     一般に焼結体セラミクスは通常の非清浄環境で大気中で作成されるの がふつうです。原料もせいぜい3nine程度のものが使われると思います。
    これに対して薄膜は、主として真空雰囲気で、酸素も純度の高いものを 制御して導入されます。原料も5nineの純度のものを使うことが多いと 思います。従って、不純物濃度は焼結体の方が薄膜より1桁以上高いと 思います。
    不純物は、結晶粒中の原子を置換してドナーやアクセプタに なり、その粒子の導電性を高くします。あるいは、焼結の過程で不純物 が拡散して粒界に集まり、電流の通路になることも考えられます。
    (3)結晶性の違い
     酸化物のストイキオメトリからのずれは、主として酸素欠損によって もたらされます。大気中で作成されるセラミクスに比べ、真空中で作成 される薄膜は酸素欠損が形成されやすいので、薄膜ではストイキオメト リからのずれが起きやすいのです。しかし、このことが直ちにアモルフ ァスの形成に結びつくとは思えません。
    むしろ、薄膜では焼結体に比べ 低温で製膜されるため、アモルファスになりやすく、アモルファスの海 に結晶粒が浮かんでいるような形状で、そのため、粒界に隙間がないと いう可能性があります。隙間がないので、電流の通路ができにくいのは (2)と同じです。結晶粒の部分はストイキオメトリになっているが、 アモルファスの部分はストイキオメトリからずれているのではないでし ょうか。しかし酸素欠損は導電性のもとになりますので、この効果はあ まり大きくないのではないでしょうか。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 4 Jul 2006 15:09:06 +0900
    AA: 佐藤先生
    早々のご回答に感謝いたします。
    粒経サイズの違いや不純物により絶縁性が異なることが理解できました。
    これからも、宜しくお願い致します。
    どうもありがとうございました。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 811. 窒化珪素の合成法


    Date: Tue, 4 Jul 2006 14:00:04 +0900 (JST)
    Q: はじめまして、私はK*****大学物質工学科3回のM**と申します。HPを拝見しまして連絡させていただきました。
    ファインセラミックスの原料である窒化珪素の合成方法について教えていただきたいのですが、よろしければ返信お願いいたします。
    web上では申し訳ありませんが、匿名でお願いします。
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    Date: Tue, 4 Jul 2006 15:29:52 +0900
    A: M君、佐藤勝昭です。
     私は、窒化珪素については専門ではありません。
    日本では、宇部興産という会社が、窒化珪素粉末の製法に関してUbe methodと呼ばれる製法特許をもっています。
    同社のHPによると、 「UBEの窒化珪素は独自の化学合成プラントで高純度四塩化珪素とアン モニアを原料として製造される高品位粉末です。」と書かれています。
     なお、NASA Technical Memorandumによれば超臨界アンモニアを用い た窒化珪素の合成法が記載されています。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 812. アロットプロットについて


    Date: Wed, 5 Jul 2006 12:29:01 +0900
    Q:佐藤先生
      強磁性体の物理(上)を用いて勉強しています。
    アロット・プロットを用いるメリットとは何なのでしょうか?
    ランジュバン関数を用いるやり方とどの変が違うのか、概念的な部分を教えて いただけると幸いです。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    O大学大学院T 
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 5 Jul 2006 13:22:52 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     アロットプロットというのは、さまざまな温度で測定した磁化曲線か らキュリー温度を求める計算手法です。
     詳細は、原著論文(A.Arrott:Phys.Rev.108(1957)p.1394)をお読みください。
    Arrottが指摘している ように、測定は有限の磁場のもとで行われるので、正確なキュリー温度 を求めるためにはゼロ磁場に外挿しなくてはならない。その手法が Arrottの提唱するプロットです。
     ランジェバン関数を使って、測定したM-T曲線にフィットしてTcを決 めることも行われますが、M-Tデータは磁場を印加して測定されるので、 ゼロ磁場でのキュリー温度の正確な値を求めるには、Arrott plotが有 効です。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 5 Jul 2006 13:38:17 +0900
    AA: 佐藤先生
      返信ありがとうございます。 アロットプロットに関してはネットや周りの参考 書を見渡してもなかなか詳細な説明がなかったので手をやいていました。
     教えていただいた論文をじっくり読んでみようと思います。
     希土類窒化物の合成と磁性材料としての評価に関する研究を行っているのですが、
    また何かありましたら質問させてください。
     ちなみに学部時代は農工大学に所属していた者です。
     ありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 813. 金属の水素吸蔵メカニズム


    Date: Mon, 10 Jul 2006 10:56:26 +0900
    Q: 佐藤様、はじめまして、メーカーで半導体の開発に携わっているSと申します。
    HPを拝見し、質問しております。掲載時は匿名希望です。
    Ti、Pdなどの遷移金属が水素吸蔵合金の材料として優れているといわれています。
    その吸蔵メカニズムについてご教授願います。

    金属表面で水素の分子結合が切れ、原子状の化学吸着水素が解離し、
    金属や合金の格子間サイトに固溶体を形成(金属水素化物)するという流れは
    書籍等に記載があります。
    そこで、Ti、Pdなどの遷移金属がなぜ常温でより多くの金属水素化物を
    作りやすく、Fe、Cu等は高温高圧下でないと金属水素化物を作れないのか。
    どのような物性によってこの差が生じているのか、ご教授願います。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 10 Jul 2006 20:56:04 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     金属水素化物の形成のしやすさを第1原理のバンド計算から見積もる という仕事がMITのグループによって発表されています。
     H. Smithson, C. A. Marianetti, D. Morgan, A. Van der Ven, A. Predith, and G. Ceder:First-principles study of the stability and electronic structure of metal hydrides;PHYSICAL REVIEW B 66, 144107 (2002)
    詳しくは、この論文を読んでいただくとして、Abstractを紹介しておき ます。
    「アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属の水素化物の生成エ ネルギーに関する詳細な解析を行った。さまざまな結晶構造について、 密度汎関数法を用いて水素化のエネルギーを計算した。
    周期表の左端の遷移金属は非常に水素化物を生成しやすい傾向にあるが、 周期表を右に行くに従って生成しにくくなる。水素化物を形成したとき のバンド構造と状態密度の変化を詳しく解析すると、水素化のエネルギ ーは以下の3つの寄与があることを理解することができる。1番目は金 属の結晶構造を水素化物中の金属イオンによる構造(ほとんどfcc)に 変えるためのエネルギーである。このことは、特に、bcc構造をとりや すい金属(たとえばバナジウムやクロム)においては、水素化物形成の 駆動力を下げる原因になっている。2番目は、いくつかの材料でよく成 り立つことであるが、金属の構造が水素化によって膨張する時に凝集エ ネルギーを失うことである。これによって周期表の真ん中から後ろの方 の遷移金属の金属のもともと高かった凝集エネルギーが下がることによ って安定な水素化物の形成が妨げられる。水素化形成エネルギーへの最 後の寄与は、に水素が金属間に挿入されたときに金属−水素間の化学結 合である。これは、唯一の負の寄与で、水素化物形成に有利に働く。」 と書かれています。
    従って、これらの3つの寄与のバランスで水素化物形成のしやすさが決 まっているので、シンプルな説明はむずかしそうです。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 11 Jul 2006 08:53:04 +0900
    AA: 佐藤様、早速のご返答ありがとうございます。
    Sです。
    社内で調べたところ、以下のコメントを入手しました。

    水素原子が電子を出してH+になった状態(金属結合状態)が安定か、ならない 状態(非結合状態)が安定かは、母体の金属のd軌道の状態によって異なります。
    具体的には、Tiを含む3A〜5A族では結合状態のほうが内部エネルギーが低く(安定)、 Wを含む6A〜8族では非結合状態のほうが内部エネルギーが低いことになります。
    (Pdなどの例外はあります)

    教えていただいた文献とリファレンスを読み込んで、理解を深めます。
    ありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 814. ステンレスはなぜ磁石につかないか


    Date: Fri, 14 Jul 2006 11:48:28 +0900
    Q: はじめまして。
    私は、I社のKと申します。
    できることなら匿名にてお願いしたいと存じます。
    小生は海外工場の工場長や、技術関係の部署を経て、現在は社員教育を仕事の一つとして行 っております。
    人に教える為には経験だけでなく、基礎知識が必要と感じ、機械等の基 礎知識をつけようと、45歳を越えた今から細々とサイト等を拝見しなが ら勉強しております。
    先生のサイトを拝見させて頂き、質問させていただきます。
    現在行っている研修の中に、食品の異物除去用のマグネットの話があり、 授業の最終の質問時に、現場従事の方から、ステンレスは何故磁石に付 かないのですかという質問を頂き、非常に困っております。
    質問された方は、恐らく高卒か中卒の方だと思います。
    専門的な物理の知識を有しない方に、わかりやすく回答してあげるには どのように説明すれば宜しいでしょうか?
    また、一歩進んで、大卒、院卒の社員にはどう説明すれば宜しいでしょ うか?
    当社は製品の特性上、大卒者も工学系ではなく、農学系がほとんどです。 何か良いアドバイスがあれば宜しくお願いします。
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    Date: Fri, 14 Jul 2006 19:57:10 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
     遷移金属の磁性は同じ元素であっても結晶構造によって異なります。
    結晶構造が体心立方格子(bcc)をもつ鉄は強磁性ですが、台所のシンク に使うようなふつうのステンレスはオーステナイト構造を示し、面心立 方格子(fcc)なので磁性が出ないのです。ステンレスでも工具に使うよ うなマルテンサイト構造のものは磁性を示します。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 18 Jul 2006 11:29:51 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生
    質問させていただきました河野です。
    早速のご回答ありがとう御座いました。
    私は工学部の天然物応用化学の出身ですので、自分自身、面心立方格子 と体心立方格子の違いを理解するのに時間を要しそうです。
    それを従業員に伝えるとなると至難の業ですね。
    頑張ります。
    ご教授ありがとう御座いました。
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    Date: Mon, 24 Jul 2006 17:13:47 +0900
    A2: 河野 淳様、佐藤勝昭です。
     ちょっと仕事が立て込んでいてお返事が遅くなり申しわけありません。
    確かに、教育歴にバラエティのある従業員の方々に、異分野の話を説明 するのはむずかしいですね。高卒の方や、物性系以外の教育を受けた方 に鉄合金の結晶構造の違いを説明するのはその背景にある物質の成り立 ちについて説明しないといけないでしょう。
     一方、理系の院卒の方であれば、なぜfccでは強磁性にならずbccなら 出るのかについて説明を求められるでしょうね。金属磁性体の磁性は、 遷移金属間の距離に依存します。ベーテ・スレーター曲線(添付)とい って、原子磁気モーメントをそろえ合う相互作用(交換相互作用)Jeffは 原子間の距離とともに振動します。+だと強磁性、−だと反強磁性です。
    Rは原子間距離、dは原子半径です。面心立方(fcc)の鉄(γ-Fe)はR/d が3.0付近にあり、Jeffは負の小さい値をとりますが、体心立方(bcc)の 鉄(α-Fe)では、R/dは3.25付近にあり、正の大きな値をとります。こ のことが、bccでは磁性を示すがfccでは示さない原因と考えられます。  参考にしてください。
    図は佐藤勝昭編著「応用物性」p197から引用したものです。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 815. コイルの磁束漏れの計算法


    Date: Sun, 16 Jul 2006 23:51:53 +0900
    Q: 佐藤様
    初めまして。電機メーカーで勤務しておりますTと申します。
    HPを拝見し、質問させて頂きました。掲載時は匿名希望です。

    現在、ガウスメータにて、コイルに直流電流を印加したときの漏れ磁束を測定しております。
    測定結果に加えて、理論値でも磁束漏れの値を算出しようとしてますが、 どのように計算したらよいのかが、分からず悩んでおります。
    使用している測定プローブは1軸のプローブで、プローブに対して垂直成分のみの値を 測定してますので、その垂直成分の値を計算で求めたいと思ってます。
    求めようとしている磁束漏れはコイルの上面から例えば1mm上方です。
    コイルは材質はNi系のフェライトで、いわゆるドラムコアに巻き線を施し、 ドラムコアの周りにはリングコアを被せております。
    なお、ドラムコアとリングコアの間にはGAPがあります。
    質問が曖昧で分かりにくい部分もあるかと思いますが、アドバイス頂けたら幸いです。
    お忙しいところ、申し訳御座いませんが、宜しくお願い致します。
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    Date: Mon, 17 Jul 2006 11:12:56 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     ご質問の件は、表面実装型DC-DCコンバーターに使うコイルの漏れ磁束の問題 ではないかと存じます。TDKのホームページに
    「携帯機器の高効率化に残された 重要課題小型軽量SMDパワーコイル」という論文が載っていますが、これによる と、有限要素法を使った電磁界解析で計算することが行われているようです。
    この論文によれば、
    「従来のドラム構造では、ドラム型フェライトコアの中脚部分に巻線した後、リ ング状コアを被せた構造となっています。このため巻線を端子に引き出すための ドラムコアとリングコアとの隙間はどうしても必要になります。しかも、この隙 間は磁気飽和を防ぐため定格電流の大きなコイルほど大きくなり、これにより上 下方向に大きく漏れ磁束が発生する結果となります。漏洩磁束のシュミレーショ ンとしてコンピュータを用いた有限要素法により解析してみると、隙間部分から の漏洩磁束量とその箇所の違いが明らかになります。」と書かれています。
     おそらく、有限要素法のソフトを購入し、実際の構造パラメータを入れて計算 すれば、漏洩磁束量を計算出来ると思いますが、これは私の専門ではないので正 しくお答えできる自信がありません。その道の専門家にお訪ね下さい。
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    Date: Tue, 18 Jul 2006 22:37:10 +0900
    AA: 佐藤様
    早速のご返信有難う御座います。
    有限要素法の解析ソフトで検討したいと思います。
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  • 816. 残留応力付与による金属通過センサ出力の変化


    Date: Sat, 29 Jul 2006 14:46:57 +0900
    Q: はじめまして。HPでは何時もお世話になっております。
    私、株式会社T製作所に勤めるFと申します。
    機械設計者の為、磁気・電気関係の知識が皆無に等しく先生のお知恵を借りたくメールいたしました。
    掲載時は申し訳ございませんが匿名でお願いします。

    質問ですが金属の物体を金属通過センサ(アンプはデジタル出力)へ通過させた場合 高周波磁界中へ金属があるため渦電流が発生しアンプへはその電流の発生値が表示されます。
    この時金属体の大小によって発生する電流値が異なると思うのですがその現象が 物理的法則で参考になる資料はないでしょうか?

    また、その金属体に残留応力が付与された場合に金属の量、表面積が一緒にも かかわらず発生する渦電流の値が異なるのはなぜでしょうか?
    これまた物理的法則等でで参考になる資料があると助かります。

    質問が分かりにくかったら申し訳ございません。
    分かる範囲で結構ですので先生のお知恵を貸してください。
    よろしくお願いします。
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    Date: Sat, 29 Jul 2006 20:31:26 +0900
    A: F様、佐藤勝昭です。
     金属通過センサは、コイルの中を金属片が通過したときに金属の反磁性磁化率 のために、コイルのインダクタンスが変化することを利用して、高周波を使って 検出するものです。コイルに渦電流と書いておられますが、渦電流は磁界の変化 を押さえようとして金属の中を流れるのです。これが反磁性磁化率の原因です。 金属に残留応力が付与された場合に反磁性磁化率に違いがでるのは、残留応力に よって金属内に欠陥が生じ、電気抵抗が増大し、渦電流を阻害するのでしょう。 残留応力によってどのような欠陥が生じるのかは、case-by-caseで考えなければ ならないでしょう。金属は多結晶体なので応力によって結晶粒界に電子障壁がで きると、多少電気抵抗が増大すると思いますが、金属通過センサで検出できるほ ど大きく変わるとは思えないのですが。
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    Date: Mon, 31 Jul 2006 09:10:52 +0900
    Q2: 佐藤勝昭様
    何時もお世話になっております。
    お返事ありがとうございました。参考になりました。
    使用内容・目的をもう少し詳しくご説明させていただきますと
    金属通過センサへデジタルアンプを接続し、金属が通過したときの電流値をアンプへ取り込み 製品の大小比較する為に使用しております。
    ご指摘にあった電流値の件ですが確かに通常時、電流値は1.93±0.05A程度しか変化 はありません。
    対象製品形状は線径2mm、外径20mm、自由長45mm、巻数9巻 質量18.2g 工程処理条 件は同一、また寸法上下限品では電流値の差異はありません。
    比較するばねはセンサで確認前にホットセッチング(200〜400℃で押しばねを 圧縮方向へ負荷をかけ材料表面に残留応力を付与する処理)を行っております。 通常同一製品では1.93±0.05Aで推移するはずなのですがまれに1.80A程度の製品が発 生し処理条件上不具合を起こすのです。
    異常品サンプルと正常品の形状・質量を比較しても同一にもかかわらず電流値のみ 異なります。特別、磁気をおびてもいませんでした。
    トリガーをかける手立てはある程度めどが立ったのですがなぜそれが発生するのか 原理を品質上問われておりまして先生のお知恵をお借りしたくメールしました。
    お手数ですが上記内容でもし何か追加でアドバイスいただけるようでしたら助かり ます。
    どうもありがとうございました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 12:16:47 +0900
    A2:F様、佐藤勝昭です。
     要するに、貴社では、金属製品(バネ)の大きさの品質管理にキーエ ンス社の金属通過センサを利用されているが、ホットセッチングをした 製品において(大きさが同じでも)センサ出力にわずかな違いが出るた め、品質管理上お困りであるということですね。
     残留応力をかける際に200〜400℃で熱処理されているそうです が、熱処理雰囲気は空気中でしょうか、それとも不活性ガス(たとえば アルゴン)中でしょうか。
    もし空気中で熱処理すれば、当然のことに鉄 は酸化が起きます。酸化は結晶粒界で進みます。酸化層の厚みがナノメ ータ以下なら金属内を流れる渦電流に障害はないでしょうが、たまたま 厚い酸化膜ができれば、抵抗値が高くなり渦電流が流れにくく、反磁性 磁化率が低くなるのでしょう。その場合は不活性ガス雰囲気で熱処理す れば解決するでしょう。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 16:43:10 +0900
    Q3: 佐藤勝昭様
    分かりにくい質問にかかわらず迅速かつ丁寧なお返事ありがとうございました。
    確かに先生のおっしゃるとおり大気中で熱処理しております。
    酸化膜の可能性も考え酸化膜を落とす為にワークへショットブラストを施して再測 定を実施したのですが500/10000個⇒50/10000個と数は減るものの0にはなりませんでした。
    そう考えると先生が最初におっしゃっていた金属は多結晶体なので応力によって 結晶粒界に電子障壁ができると、多少電気抵抗が増大すると言う説の方が有力なのでしょうか?
    それとも酸化膜がショットブラストで落とせるほど薄くないのか・・・・。
    先生のご意見を参考に今後も調査を進めて意向と思います。
    お忙しい中適切・丁寧なご返答ありがとうございました。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 16:52:38 +0900
    A3: F様、佐藤勝昭です。
     おそらく、結晶粒界にできた酸化層が原因でしょうから、ショットブラストでは落とせないと存じます。
    なお、これ以上の議論はなんでもQ&Aの趣旨を越えていますのでご遠慮願います。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 17:01:44 +0900
    AA: 佐藤勝昭様
    大変ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした。
    ありがとうございました。
    先生のご意見を参考に調査を続けていこうと思います。
    先生の今後のご活躍を祈っています。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • 817. 金属探針への電場変調による電磁波発生


    Date: Sat, 29 Jul 2006 22:55:40 +0900
    Q: 佐藤先生、
    ホームページを拝見させていただきメイルさせていただきました。
    T**大学で研究員をしておりますAと申します。現在、プローブ顕微鏡(STM, AFM) 用いた表面の原子分解能観察等の研究を行っております。
    匿名にておねがいできますでしょうか。
    質問させていただきたい事項を以下に示します。教えていただけますと大変ありがたいです。
    現在、プローブ顕微鏡の探針(金属)と試料間にバイアス電圧を印加した状態で、
    (1)、電圧を例えば V=V0+Vsinwt と高周波変調した際、
    (2)、探針-試料間距離ZをZ=Z0+Zsinwt、と高周波変調した際、
    電磁波が探針-試料間に発生するかどうか検討しておりますが、勉強不足故確信が持てません。
    電磁波が発生するとすれば双極子放射によるかと思いますが、現在使用している探針は タングステンの金属探針を想定しております。誘電体ではなくても、、金属先端の原子にも 双極子は生じるのではと考えておりますが、確証が持てないため悩んでおります。探針−試料間 という場合でなく、シンプルに金属並行平板の例などで定量的にも計算ができればと考えている のですが、佐藤先生のホームページを拝見させていただきまして、ご教授頂ければ大変ありがたく メイルさせていただきました。
    よろしくお願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 30 Jul 2006 10:47:42 +0900
    A: A様、佐藤勝昭です。
     ご質問の趣旨は、「プローブ顕微鏡のプローブと試料表面の間に高周波電界が加 えられた場合にダイポールアンテナとなって高周波が放射するのではないか」とい うことだと思います。プローブ先端と対向する試料表面に正負の電荷があり振動 すれば、電磁波が放射されるのは当然です。しかし、問題はその強度が観測でき る程度であるかどうかでしょう。
     私見ですが、アンテナの大きさが波長と同程度のときに、最も大きな電磁界放 射強度が得られます。数十〜数百ナノの距離しかないプローブ顕微鏡の場合、紫 外から赤外光の領域の電磁波の放射が大きく、通常の高周波電磁界にはマッチン グが悪いのではないかと存じます。実際、最近では近接場光用のボウタイ型プラ ズモンアンテナの研究が進んでいますが、そのサイズが20nmのオーダーです。
     FDTD法のような電磁界解析の手法を用いれば、アンテナからある距離離れた場 所でどの程度の強度の電磁波が観測されるかは計算できるはずです。プローブと 試料とが作る双極子モーメントの大きさは、電荷と距離の積です。どれだけの電 荷が誘起されているかは高周波電流の大きさを半周期の時間にわたって積分する ことにより求められます。系のインピーダンスがわかればどれくらいの高周波電 流が流れるかを見積もることが出来るでしょう。
     あまりお答えになっていないかもしれません。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 30 Jul 2006 16:26:50 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生、
    休日にもかかわらず、お返事いただきまして大変ありがとうございます。
    電磁波の発生する可能性のあること、ただし、距離と波長が同程度が良いとのこと、 教えていただきまして、理解が進み、すっきりしました。私の想定している 探針-試料間距離は1nm以下ですので、確かに真空紫外域であること確認しました。
    残念ながら、発生させたい電磁波は数百MHz−数GHzの電磁波ですので難しいのか とも感じています。代替案として、電磁コイルを近傍に置くことや、プローブ 顕微鏡自身を空洞共振器に入れてしまうことなども考えてみたいと思います。

    今後も分からないことがありましたらお聞きしたく思いますのでよろしくお願いいたします。
    ありがとうございました。
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 1 Aug 2006 15:41:47 +0900
    A2: A様、佐藤勝昭です。
     先日は、手元に教科書がなく、定性的なお話しをしたのですが、 砂川重信「電磁気学の考え方」(岩波書店)の10章に「電磁波の放射」 が書かれています。これの巻末問題に、「電荷eの粒子が原点Oを中心と して、z軸上で振幅z0、角振動数ωで振動しているとき、O点から十分 離れた場所rに作られた電場と磁場を求めよ。このとき単位時間に放射 される電磁波の1周期あたりの平均エネルギーを求めよ」というのがあ ります。
     解答では、
    P=e^2z0^2ω^4/12πε0c^3
    となっています。ω=2πc/λなので
    P=(4π^3 e^2 c/3ε0)(z0^2/λ^4)
    となります。(z0^2/λ^4)の因子があるので、電荷の移動距離z0に比べ て波長λが十分長い数百MHz−数GHzの電磁波では放射強度が弱いのです。
    ご参考まで。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 2 Aug 2006 04:29:46 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生、
    具体的な式までわざわざ教えていただき本当にありがとうございます。電磁気学の基本的な理解に欠けていること痛感いたしました。今回の私の研究に関してどのくらいの電磁波の強度が必要かよく検討してみたいと思います。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
  • 818. DVD-RAM材料の結晶工学


    Date: Mon, 31 Jul 2006 14:08:48 +0900
    Q: 佐藤 勝昭 様
    お世話になります。
    S**社のY**と申します。
    私ども、DVD-RAMの記録層の観察を試みているのですが、 なかなかわからないことだらけであり、検索中に佐藤先生の ホームページを拝見させていただきました。
    結晶工学も学ばれたということで、こちらの勝手で申し訳ありませんが 失礼を承知で下記の3点をお教えいただきたく、ご連絡いたしました。

    第一に、DVD-RAMの記録層はGe:Sn:Te=2:2:5の割合なのですが、 この割合での格子定数など観測されましたでしょうか。
    もし知っておられましたら、教えていただけないでしょうか。
    第二に、DVD-RAMの記録層の特性はどのくらい小さくしたらなくなってしまうのか、 また、変化してしまうのでしょうか。
    第三に、相変化の様子(結晶⇔アモルファス)は顕微鏡で見てすぐにわかるのもでしょうか。
    以上です。
    ご多忙中、ご迷惑をおかけいたしますが、 よろしくお願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 17:16:53 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
    (1)通常DVD-RAMはGe2Sb2Te5を使っていて、結晶化速度を上げるため Snを添加している(たとえばJpn. J. Appl. Phys. Vol. 40 (2001) pp. 5930-5937)ので、Ge2Sn2Te5についてはデータを持ち合わせません。
    コンセプトとしては、Snは同じIV属であるGeのサイトを置換するので、 (Ge2-xSnx)Sb2Te5となるのではないかと存じます。
    Ge2Sb2Te5の格子定数の温度変化に関しては、
    SPring-8のサイト に精密な測定結果が出ています。
    また、産総研のHPによると、Ge2SbT2e5にはNaCl型のものと変形した型のものが あり、この間の相変化があることを述べています。(Nature Materials 3, 703?708 (2004))
    参考にしてください。
    (2)DVD-RAMの記録層を「どのくらい小さく」したら特性がなくなる かというご質問ですが、膜厚を薄くしたらという意味でしょうか?
    多層DVD-RAMにおいては、奥の層に光が到達し反射光の減衰を最小限に する必要性があるため、浅い層の層厚は極端に薄くなっています。どこ まで薄くして記録できるか、再生できるかは、各社のノウハウ的な部分 でもありますので、御社内で担当部署の方に聞いてください。
    (3)相変化の様子(結晶⇔アモルファス)は顕微鏡で見てすぐにわか るかという質問ですが、本来相変化ディスクでは結晶とアモルファスの 光学定数の違いを利用して情報を読み取っているのですから、顕微鏡で 観測できないはずはないのですが、実際にやってみるとコントラストが とれないですね。DVDでは保護層と相変化膜との多層になっており、ト ータルでコントラストが高くなるようになっていますから、裸の膜では 観測がむずかしいのです。また、DVD構造になっていた場合にも、相変 化した部分の大きさは直径0.5μm程度しかありませんから、油浸レンズ などNAの大きな光学系を使って観測しないと分解しないかも知れません。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 17:36:27 +0900
    AA: 佐藤 勝昭 様
    お世話になります。
    お手数をおかけしますが、「なんでもQ&A」への公開は匿名希望でお願いいたします。
    早急な対応、ありがとうございました。
    とても参考になりました。
    これからもお手数をかけることがあると思いますが そのときはよろしくお願いいたします。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 819. マイクロ波領域の半波長板


    Date: Mon, 31 Jul 2006 15:08:57 +0900
    Q: 佐藤様
     HPを見て、メールさせて頂きました。M**社のS***と申します。
    公開されますときは、匿名でM社のSでお願いします。

    教えて頂きたいのは、半波長板についてですが光学に関しての説明は多々ありますが マイクロ波に対する半波長板の影響について記述したものが無く、御教授をお願いした次第です。
    例えば、吉田 孝 レーダ技術 電子情報学会発行の書籍P142に、以下の記述があります。

     誘電体の厚さが波長の半分の場合、入射した電波は殆どが透過する。この性質を利用したのが半波長板レドームである。

    (ここからが質問です)
    何故、半波長だと殆どが透過するのでしょうか?その原理がわかりません。
    また、入射角度にも関係しないのでしょうか?
    例えば、入射角30°の場合、半波長板だと透過減衰や角度の変化もしないのでしょうか?
    ちなみに現在24GHzを用いた製品を開発しております。
    よろしくお願い致します。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 18:12:58 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     誘電体はマイクロ波に対し本来透明です。しかし、反射があると透過 率は低下してしまいます。しかし、誘電体の厚みが波長の厚みであれば、 後ろの面で反射した波が前の面で再び反射し後ろの面に来たときに透過 光と反射波が干渉して強め合い透過率が高くなります。この現象が多重 反射で何度も起きるため、入射した電磁波がほとんど透過するのです。 数式で書くと電圧の透過率は
       T=texp(iφ)/(1-r^2 exp(i2φ))
    ここにφ=2π√ε d/λ(半波長板ではφ=π)、tは前面での振幅透過率 でt, rは前面での振幅反射率でr=1-t=(√ε-1)/(√ε+1)
    ここでφ=πを代入すると、T=-t/(1-r^2)=-1/(1+r)=-(√ε+1)/2√ε
    よく使われるポリスチレンではε=2なので、振幅透過率は85%というこ とになります。
    因みに四分の一波長板ではφ=π/2なのでT=0となります。

     斜め入射でも、多重干渉は面に垂直な成分に対してのみ生じますから、 成立するのでしょう。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 31 Jul 2006 19:25:50 +0900
    AA: 佐藤様
       早急な御回答並びに御親切な内容感謝致します。
      どうもありがとう御座いました。
    --------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 01 Aug 2006 18:02:08 +0900
    Q2: 佐藤様
      M社Sです。 お世話様です。
      お手数ですが、下記

      T=texp(iφ)/(1-r^2 exp(i2φ))式

      の導き方を御教授頂けませんでしょうか。
      よろしくお願い致します。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 1 Aug 2006 18:31:24 +0900 A2: S様、佐藤勝昭です。  
    なんでもQ&Aの#108にある多重反射の式を透過光に対して適用したものです。ご自分でやってみては如何でしょう。
    --------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 02 Aug 2006 08:37:13 +0900
    AA2: 佐藤様
     M社Sです。
    ありがとうございました。お陰さまで疑問が解けました。
    これからも、愚問をさせて頂くと思いますが
    御教授よろしくお願い致します。
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  • 820. 表面プラズモンの分散式


    Date: Mon, 31 Jul 2006 17:22:30 +0900
    Q: 佐藤先生
     はじめまして。
     W**大学4年のS****と申します。
     「ホームページ」のほうを拝見させていただき、先生に質問することを決心いたしました。
     お忙しいと思いますが宜しくお願いします。
    また、掲載のほうは、匿名でお願いします。

    早速質問なのですが、
    私は表面プラズモン共鳴を用いた研究をしているのですが、光と表面プラズモンの分 散関係について勉強してたところ、
    光と表面プラズモンの分散関係が
    K1(ω)=(ω/c)・√ε1
    (光の分散関係、ε1:金属に接する媒質の誘電率)
    K2(ω)=(ω/c)・√{ε2ε1/(ε1+ε2)} 
    (表面プラズモンの分散関係、ε1:金属に接する媒質の誘電率ε2:金属の複素誘電 率)
    に表されるのですが、
    その導出過程がよくわかりません。多くの文献を調べたのですが、省略されている文 献が多く理解が出来ませんでした。
    ご説明お願いいたします。
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    Date: Mon, 31 Jul 2006 18:44:48 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
     4年生の卒業研究ですか?本来、分からないことは指導教員に聞くべきです。
     ご質問の式の誘導について簡単に解説しておきますと、
    媒体1において、k^2=kx^2+kz1^2=ε1(ω/c)^2 (1)
    媒体2において、k^2=kx^2+kz2^2=ε2(ω/c)^2 (2)
    界面での電界・磁界の連続性から
    kz1/ε1+kz2/ε2=0 (3)
    (2)に(3)を適用して
    媒体2において、Kx^2=ε2(ω/c)^2-(ε2/ε1)^2kz1^2 (4)
    (1)と(4)からkz1を消去すると
    (ε1^2-ε2^2)kx^2=ε1ε2(ε1-ε2)(ω/c)^2 (5)
    が得られるので、両辺をε1-ε2で割り√をとれば得られます。
    kx=(ω/c)・√{ε2ε1/(ε1+ε2)}
    なお、
    京都大学の山本先生のサイトが参考になります。
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    Date: Mon, 31 Jul 2006 19:23:34 +0900
    AA: 佐藤先生
    Sです。
    お早いお返事ありがとうございます。
    卒業研究および今後研究していくに当たって式の導出することによって その本質を理解するということが重要だと感じたので この度質問させていただきました。
    なお参考のサイトまで紹介頂きありがとうございます。
    今後も佐藤先生のホームページを拝見し勉強させていただきます。
    どうもありがとうございました。
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  • 821. アルミ鋳造合金のポワソン比


    Date: Mon, 31 Jul 2006 20:26:56 +0900
    Q: 佐藤勝昭様
    HPを見て、メールさせて頂きました。私、(株)M**の技術部K**と申します。
    弊社は監視カメラの設計・製造を行なっております。
    部内で初めて解析ソフトが納入され難題が多数でてきました。
    その一部ですが、お答えいただけると幸いです。
    公開されますときは、匿名でM社のKでお願いします。
    質問は下記以降
      ===================================================================
    現在、部品やアセンブリの解析を行なうために材料特性資料を収集しているのです が、疑問点があり質問させていただきました。

    某協会のデータベースよりアルミニウム合金鋳物
    ・AC4B
    ・AC7A
    のデータを入手しました。
    縦弾性係数とせん断弾性係数がそれぞれ明記されてました。

    AC4B…縦弾性係数  76.0kN/mm^2
       せん断弾性係数  25.0kN/mm^2

    AC7A…縦弾性係数  67.6kN/mm^2
       せん断弾性係数  20.6kN/mm^2

    それぞれのデータから公式に則り、ポアソン比を求めました。
    G=E/2(1+γ)
    G:せん断弾性係数
    E:縦弾性係数(ヤング率)
    γ:ポアソン比

    それぞれ求めると
    AC4Bが0.52
    AC7Aが0.64…となりました。

    ポアソン比は、固体や金属が約0.3、液体やゴムが約0.5。
    色々調査をすると地球上にポアソン比0.5を超えるものは存在しないとまで言ってい る記述もありました。
    (ポアソン比0.5で体積不変。0.5を超えると「引っ張ると体積が減る」、 「圧縮すると体積が増える」つまり体積弾性係数が負になってしまう。)

    上記を踏まえ、鋳物(AC4B,AC7A)のデータは信憑性がなく、使用できないと考えてお りました。
    しかし、一説によるとアルミ合金、銅合金などは弾性体ではないため、ポアソン比の 式を当てはめるのは無理があることや、解析ではアルミ合金のポアソン比は、成分な ど関係無く0.33ぐらいに設定している場合などある。など調べているうちに分かって きました。

    現状、解析を行なう場合、材料データがすべてそろうものは皆無に等しいと考えてお ります。材料メーカーに相談したり、回答を求めても必要なデータが存在しない場合やカタロ グや便覧等で確認くださいで終ってしまいます。
    現状では、ある程度概略値での解析を行なうしかないのでしょうか?
    またその概略値のどの程度までの数値にすればよいのか判断できません。

    解析できる範囲の鋳物(AC4B、AC7A)データがあるようなら教えていただきたく考え ております。金属材料便覧や工業書は調べましたが出てきませんでした。
    それにこのような解析は設計業務で日常茶飯事に行なわれているものです。
    材料物性データが無い材質での解析は行なえません。しかし現状データもありませ ん。
    先生は解析での材料特性値不足について、どのようにお考えですか?
    また改善するために具体策等はございますでしょうか?

    検討違いな質問をしてしまったら申し訳ありません。
    長文となりましたが、以上よろしくお願いいたします。
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    Date: Tue, 01 Aug 2006 01:10:40 +0900
    A: K様、佐藤勝昭です。
     私は、金属工学の専門家ではありません。解析ソフトを使ったこともありません。
    一般論でしか言えませんが、多くの多結晶体のポワソン比は1/3程度の値をとります。
    ポワソン比と弾性係数の関係は、あくまで等方性の均質な弾性体であることの仮定があります。
    鋳物の場合、ご指摘のように必ずしもG=E/2(1+γ)の関係が成立しない可能性があります。
    私の手元にはデータがありませんが、米国のデータベースを丁寧に調べれば、ポワソン比も載っているかも知れません。
    ちなみにJISのAC4BはANSIのAA 328に、AC7AはAA 514に対応します。
     お役に立てず申しわけありません。
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    Date: Tue, 1 Aug 2006 11:21:35 +0900
    AA: 佐藤様
    迅速な対応ありがとうございました。
    解析に対し、素人であることで縋る思いで質問させていただきました。
    誠意ある回答をいただき、大変満足しております。
    米国の方も探してみようかと思います。
    ありがとうございました。
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  • 822. ボルタ電池でなぜ電子が移動するのか


    Date: Wed, 02 Aug 2006 01:30:11 +0900
    Q: 佐藤先生
    はじめまして。R***社に勤務しているT***と申します。
    WEBにアップされる場合がありましたら、匿名でR社のTでお願い致します。
    LSI設計用のCADソフトの開発や導入をしております。社会人17年目です。
    先生のホームページを見せて頂き、質問メールをさせて頂いた次第です。
    長文での質問、大変申し訳ありませんが、アドバイスを頂ければ幸いです。

    質問内容は、「ボルタの電池において、なぜ電子は移動するのか?」です。
    何年も悩んでいます。ボルタの電池では、亜鉛版から銅版へ電子が移動する ということなのですが何の力が働いて電子は銅版へ移動するのでしょうか?

    よくある教科書では、亜鉛がイオン化し、残された電子が銅板に向かって 移動する。その結果、豆電球は光るといった解説がされています。しかし ここで理解できないのは、電子が何の力によって銅板へと移動している のかということです。銅板が正に帯電でもしているのなら、亜鉛板からの電子の 移動も納得です。しかし、銅板が正に帯電しているとは思えません。

    私なりに以下のことを考えてみました。
    仮説1.電子の移動は拡散によるものである。しかしこれでは電流の伝わる速度     (この表現は正確ではないかもしれませんが・・・)は光速と同じである     という事項に対し説明がつきません。
    仮説2.亜鉛板に残された電子による電界により、銅板付近の電線の電子が     銅板へ移動する。この現象が徐々に豆電球まで達する。つまり、電子は     亜鉛板から移動しているのではない。ただし、亜鉛板に残された     電子はいつかは銅板に達するかもしれない。いずれにせよ、豆電球を     光らせているのは、亜鉛板から出てきた電子ではない。

    いずれの仮説もすっきりしません。

    そもそもなぜこんな疑問に出会ったかと申しますと、会社の後輩に 「消費電力とは?」を説明しようとしたことがきっかけです。
    電池がエネルギーを消費するとは、具体的にどういうことかを 教えようとしたら、うまく説明できなくなってしまいました。説明 できない原因は、上記の「電子を動かす力」が何かわからないからです。

    以上、お忙しいところまことに恐縮ではございますが よろしくお願い致します。
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    Date: Wed, 2 Aug 2006 12:19:53 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     電池に限らず、一般の電気伝導について誤解があるようなので、ご説 明させていただきます。電池において電極のイオン化が起きますと、亜 鉛電極が負に帯電します。同時に対抗する銅電極は正に帯電します。こ れに伴って銅板と亜鉛板の間に電位差が生じます。これは瞬時に(光速 で)起きます。(銅板がイオン化しなくても、亜鉛板に電荷が置かれた ときに、ガウスの定理に従う電気力線が発生します。)この電位差に駆 動されて電子は導線の中を移動します。電子の伝わる早さは決して光速 ではなく、導線材料の移動度μ[m^2/Vs]と電界E[V/m]の積である速度v= μEをもって移動します。1つの電子が瞬時に亜鉛から銅に動くのではな く、銅板の近くの導線のなかにある電子が銅板に移り、その穴を埋める ように別の電子が玉突きのように動くのです。
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    Date: Wed, 02 Aug 2006 23:51:16 +0900
    Q2: 佐藤先生
    Tです。
    早速の回等ありがとうございます。
    レスポンスのあまりの速さに感激しております。
    まだ疑問が残っていますので、質問させて頂きます。

    > 電池に限らず、一般の電気伝導について誤解があるようなので、ご説
    >明させていただきます。電池において電極のイオン化が起きますと、亜
    >鉛電極が負に帯電します。同時に対抗する銅電極は正に帯電します。

    なぜ、銅電極は正に帯電するのでしょうか?

    私のボルタ電池に関する質問は、結局「金属棒の片方の端に電子を外から供給した場合(負に帯電させた場合)に 何が起こるか」という話と同じことになるのでしょうか?

    >これに伴って銅板と亜鉛板の間に電位差が生じます。これは瞬時に(光速
    >で)起きます。(銅板がイオン化しなくても、亜鉛板に電荷が置かれた
    >ときに、ガウスの定理に従う電気力線が発生します。)この電位差に駆
    >動されて電子は導線の中を移動します。電子の伝わる早さは決して光速
    >ではなく、導線材料の移動度μ[m^2/Vs]と電界E[V/m]の積である速度v=
    >μEをもって移動します。

    はい、それは理解してます(できているつもりかも知れませんが・・・) 金属中の自由電子ひとつひとつは非常に高速で様々な方向に動いており 原子にぶつかってまた移動といったことを繰り返し、全体としてはどの 方向にも移動していないことになり、電気的な中性を保っていると理解していおります。
    金属に電界がかかると、全体からみると電子の移動方向に偏りが でき、電子が一定方向に移動(ドリフト)する。しかしこのドリフトの 速度は非常に低速である、と理解しております。

    銅電極がなぜ正に帯電するのかがわかれば、少し前に進めそうな気がしています。

    学生時代にしっかり勉強しておくべきだったと反省するしだいです。

    以上、貴重な時間を割いて頂くことになり申し訳ありませんが お助け頂ければ幸いです。
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    Date: Thu, 03 Aug 2006 01:49:59 +0900
    A2: T様、佐藤勝昭です。
     「銅電極は正に帯電」と書きましたが、電磁気学の簡単な問題で、「導体の板 から距離dだけ離れたところに負の電荷を置いたとすると、あたかも板の奥の距 離dのところに正の電荷があったかのように電気力線が走る」という話はご存じ であると思います。それと同じであると考えて差し支えないでしょう。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • 823. Crのプラズマ周波数


    Date: Wed, 02 Aug 2006 22:32:40 +0900
    Q: 佐藤勝昭様
    ***株式会社技術部の**と申します。
    公開されます時は、匿名で、A社のHでお願いいたします。

    クロムCr(波長200nm程度)のプラズマ周波数と緩和時間(或いは緩和時間の逆数である衝突係数)について調べて いますが、信用度の高い情報が得られず、メールさせていただきました。
    プラズマ周波数と緩和時間の値(実測値)そのものも知りたいのですが、 様々な金属のプラズマ周波数と緩和時間の実測値が200nmから600nm程度の波長領域で記載されている文献、書籍を探しております。

    @クロムCr(波長200nm程度)のプラズマ周波数と緩和時間
    A様々な金属のプラズマ周波数と緩和時間の実測値が200nmから600nm程度の波長領域で記載されている文献
    に関して、お知恵を拝借できればと願っております。

    お忙しい中恐縮ですが、何卒ご教示ください。
    よろしくお願いいたします。
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    Date: Thu, 3 Aug 2006 11:54:19 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     Landolt Boernstein:New series III-15b (Springer)の
    4 Optical properties of pure metals and binary alloys
    4.1 Introduction for pure metals
    4.1.1 General rekarks(p.210)にDrudeの式が出ています。
    4.2 Drude parameters of pure metals (p.212以降)に次の金属のデー タが載っています。
    Ag, Al, Au, Ba, Be, Cd, Co, Cr, Cs, Cu, Er, Fe, Ga, Gd, Hf, In, K, Li, Mg, Mn, Mo, Na, Nb, Ni, Pb, Pd, Pt, Rb, Re, Rh, Sn, Sr, Ta, Te, Ti, Tm, V, W, Yb, Zn, Zr
    Drudeの式において、どの測定光子エネルギーの光学定数にフィットす るかで同じ金属なのにずいぶん幅のあるパラメータが載っています。

    お尋ねのCrですが、
    プラズマ周波数に相当するエネルギーは、幅のあるデータが載っていま す。対応して散乱の緩和時間も幅があります。
    h'ωp=3.89eV τ=0.73×10^-14s (E=0.062eVでフィット)
    h'ωp=3.89eV τ=0.63×10^-14s (E=0.083eVでフィット)
    h'ωp=4.55eV τ=0.45×10^-14s (E=0.124eVでフィット)
    h'ωp=5.25eV τ=0.24×10^-14s (E=0.248eVでフィット)

    となっています。フィットする波長(光子エネルギー)でパラメータが 異なるのは、短波長になると光学定数にはバンド間遷移による寄与が重 畳するのに無理にDrudeの式を適用したことによると思われます。
    200nmや600nmで無理にフィットさせても意味がないと思います。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 03 Aug 2006 23:01:40 +0900
    Q2: 佐藤勝昭 先生
    大変有用なデータを送っていただき有難うございました。
    回答に対して3点確認させていただきたいのですが

    @200nm程度の波長に対しては、バンド間遷移による寄与が重畳するので Drudeの式を適用するのは、正確ではないということですが バンド間遷移による寄与が重畳の重畳とは、エネルギー準位の縮退といった意味で しょうか?

    Aデータを見て、オーダーの議論ならば 200nm程度の波長に対しても Drude分散で十分と考えたのですが良いでしょうか?

    Bh'ωp[eV]のωpに掛かった係数はプランク定数かプランク定数を2πで割ったもの どちらでしょうか?

    以上よろしくお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 03 Aug 2006 23:57:21 +0900
    A2: H様、佐藤勝昭です。
    @ なんでもQ&A
    #212#401に書きましたように、物質の誘電率はDrudeの式と Lorentzの式の足しあわせ(重畳)で表すことができます。エネルギーの縮退という意味ではあ りません。
    Aオーダーの議論でもband間遷移の強い光子エネルギー範囲ではDrudeの式では 表せません。
    Bh'は(h/2π)の意味です。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 824. DVD-RAM記録層はAFMで観察できるか


    Date: Fri, 4 Aug 2006 15:24:35 +0900
    Q:佐藤 勝昭 様
    お世話になります。
    S**社技術開発本部Y***と申します。
    お手数をおかけしますが、「なんでもQ&A」への公開は匿名希望でお願いいたします。

    先日もお尋ねした
    DVD-RAMの記録層の観察の件です。
    DVD-RAMの記録層はTEM(透過型顕微鏡)での観察記録が
    さまざまな文献に記載されておりますが、原子の挙動がわかるNMRやX線では観察不可なのでしょうか?
    今までの記録層の観察ではNMRやX線で観察されていた為にアンブレラ構造とわからなかったときいたことがあります。
    また、記録層はAFM(原子間力顕微鏡)では観察できるのでしょうか?
    AFMは原子間力で測定をするようなのですが、記録層は分極して構造が変化しているのに、原子間力で 観察してしまっては表面の電荷が変化してしまい、構造が変わってしまうと思うのです。

    教えていただきたいのでよろしくお願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 04 Aug 2006 23:21:22 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     NMRは膜全体を調べるのには適していますが、微小な記録ピットのNMRの 観測や、NMRを使った顕微鏡観察は難しいと思います。
     X線についても、通常のX線回折では膜全体の情報しか見ることが出来ませ ん。最近では放射光を用いて顕微観測したり、微小部分の回折像を得る方法もあ りますが、どこでも出来ることではありません。
     記録層は分極して構造が変化しているという説は、本当に確立しているので しょうか?分極があったとしても電荷が表面に出ているのでしょうか。通常の強 誘電体には自発分極がありますが、空間電荷のために表面に電荷は出ていませ ん。AFMには影響がないと思います。しかし、AFMでは凹凸しか見られませ ん。記録された部分はその他の部分に比べフラットだと思いますが・・。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 7 Aug 2006 09:23:29 +0900
    Q2: 佐藤 勝昭 様
    S(株)のYです。
    夜分遅くに時間を割いていただいてありがとうございました。

    強誘電体の空間電極とは複数集まった段階で電荷が見られるということでしょうか?
    表面に電荷が見られないとゆうところがいまいちわからないのですが・・・
    申し訳ありません。教えていただけないでしょうか。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 7 Aug 2006 12:22:23 +0900
    A2: Y様、佐藤勝昭です。
     強誘電体、たとえばチタン酸バリウムは、自発分極をもちます。とい うことは、チタン酸バリウム内部には+−の電荷の対が並んでいて、試 料の両端には+および−の電荷が現れるはずです。もしそうであれば、 チタン酸バリウムのコンデンサ(チタコン)の両端には何もしないでも 電圧がでていなければなりません。なぜなら電荷総量Q、コンデンサの 容量Cとすると、V=Q/Cだけの電圧がかかっているはずだからです。しか しコンデンサの両端をさわっても平気ですし、ショートしてもバチッと 火花が飛ぶことはありません。分極があっても、表面にはそれに見合う 異符号の空間電荷が付着して、打ち消してしまっているのです。もし、 温度を上げたり、応力を加えたりすると、自発分極の大きさが変わりま すが、空間電荷の蓄積はすぐに応答できないので、一時的に正味の電荷 が現れ、従って電圧がでます。熱によるものが焦電効果であり、応力に よるものが圧電効果です。パチンとハンマーで強誘電体素子を叩き、圧 電効果によって高い電圧を発生させる装置は、昔の瞬間湯沸かし器の点 火機構に使われていました。このように、自発分極をもつからといって 直ちに表面に電荷があるとは結論づけられないのです。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 7 Aug 2006 13:19:57 +0900
    Q3: 佐藤 勝昭 様
    S(株)のYです。
    AFMで記録マークを目視しようと考えているわけではなく、AFMは試料表面と探針との原子間力を検出するものなので、 もし、記録層で書かれたものと書かれていないもので分極の違いがあるのならば、当然原子間力に差がでると思うので 「この部分は構造が変わっている」と確認できるかと思っていたのですが・・・
    しかし、先生のおっしゃるとおり表面に電荷がなければ変化は見られないということになりますでしょうか?
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 12:53:47 +0900
    A3: Y様、佐藤勝昭です。
     プローブと試料の間にはさまざまな相互作用が働きます。
    MFMでは磁気的な相互作用+ファンデアワールス相互作用(原子間力) とが働くので、2度掃引して、最初の掃引で検出した原子間力をキャン セルして磁気力を取り出します。分極があれば、おっしゃるとおり何ら かの静電的相互作用が働くでしょうから、原子間力をキャンセルできれ ば分極のみの効果を観測できると思います。ただし、ファンデアワール ス相互作用も双極子・双極子相互作用なので広い意味での静電相互作用 ですので、区別がむずかしいでしょうね。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 13:52:59 +0900
    AA:佐藤 勝昭 様
    S(株)のYです。
    色々とご意見をいただき、ありがとうございました。
    長々とお時間を割いていただき、御礼申し上げます。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 22 Aug 2006 07:24:56 +0900
    A4: Y様、佐藤勝昭です。
     なんでもQ&Aを読んだSIIナノテクノロジーのY様より、下記のメールをいただきましたので、
    転載させていただきます。
    ============================================================================
     本日、佐藤先生の物性なんでもQ&Aで勉強させていただいておりましたが、
     興味ある話題がありましたので、ご連絡いたします。
     824番のDVD-RAM記録層はAFMで観察できるか?
     というご質問ですが、私自身、何度か測定を経験しており、当然のことながら、
     AFMでは全く観察できませんでしたが、表面電位顕微鏡や電流同時AFMなどではうまくいっており、
     実際には企業の方も評価ツールとして使っていただきはじめております。
     誘電率顕微鏡(SNDM)では、まだ試しておりませんが、いつか行なってみたいと考えております。
     参考まで、ご連絡させていただきました。
    ============================================================================
    ということですのでSIIにお問い合わせになっては如何でしょうか。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 22 Aug 2006 09:16:30 +0900
    AA": 佐藤 勝昭 様
    S社Yです。
    貴重な情報を送っていただきましてありがとうございます。
    参考にさせていただきます。
    今後またお聞きすることもあろうかと思いますが その際はご指導をよろしくお願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------
  • 825. Fe磁石の導電性、コイル内の磁束の不均一性


    Date: Tue, 8 Aug 2006 13:21:33 +0900
    Q: M社のTと言います。
    物性なんでもQ&A を見て、前から疑問だったことを質問させてください。
    レベルの低い質問かもしれませんが、よろしくお願いします。

    @鉄は電気を通すのに、Fe磁石はなぜ絶縁体になってしまうのでしょうか?
     酸化鉄になると導電性がなくなるのでしょうか?
     Fe磁石を高電圧や高周波環境に長時間さらされていても、導電性が出てくる
     ことはないでしょうか?

    Aコイルの中の磁界は一定と学校で習った覚えがあるのですが
     交流電流によるコイル中の磁界も一定でしょうか?
     コイルの中の交流磁界(交番磁界?)に導体、誘電体が存在しても
     一定でしょうか?
     実験すると、コイルに交流電流を流したコイル中に誘電体を置くと
     場所によって過熱が違うような結果でした。
     交流磁界中に導体/誘電体があると、磁界は一定にならないのではないでしょうか?
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 8 Aug 2006 13:55:07 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
    @Fe磁石といっても、Feそのものの磁石はなく、多くはフェライトとい う酸化物です。フェライトの仲間にも導電性のマグネタイトFe3O4もあ れば、半導体〜絶縁体のスピネルフェライト(MgFe2O4など)、磁性ガー ネット(Y3Fe5O12)、オーソフェライト(YFeO3)もあります。
    通常磁石にするフェライトは、スピネル型フェライトです。高電圧にさ らしても導電性は生じませんが、絶縁破壊を起こすほどの高電圧であれ ば、電気の通路ができて導電性を生じることがあります。高周波にさら しても導電性が生じることはありません。
    A無限に長いソレノイドコイルの中の磁界は均一なのですが、 実際には有限の大きさなので、コイルの両端では磁束は広がって行くた め、均一ではありません。これは交流であろうが直流であろうが同じで す。誘電体を置く場所によって加熱が違ったと言うことですが、もし、 ソレノイドコイルの長さに比べ十分小さな誘電体をソレノイドの中央付 近に置くならば、磁界は均一であることが確認出来るでしょう。通常の 誘電体によって磁界が乱されることはありませんが、導体の場合は反磁 性のため磁界の変化を妨げるように渦電流が流れるので交流磁界を乱す ことになります。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 8 Aug 2006 14:31:52 +0900
    Q2: 早速の回答ありがとうございました。
    半分ぐらいスッキリしました。
    お手数ですが、残り半分!
    @「絶縁破壊を起こすほどの高電圧」とは大体どの程度の  電圧(耐圧)でしょうか?
     メーカーの持っている一般的なマグネットに、AC数千ボルト
     を掛けていると、問題となるようなレベルでしょうか?
    A□0.75のリード線でφ200mmぐらいの10ターン(長さ数mm)  のコイルに数MHz〜数十MHzの交流を掛けた状態で実験しています。
     コイルを平らな台に起き、その中心とリード線近傍(外周近傍)に
     10?大の食塩水(人体擬似負荷)を置くと、コイル中心より
     リード線近傍の方が明らかに温まります。
     コイルの長さに対しかなり大きな誘電体と思いますが、なぜこうなるのでしょうか?
     自論ですが、直流磁界中に導体があっても、電界が引き寄せられても
     磁界は別行動なので、変化しない。
     しかし、交流は電界と磁界がセットで動いているので、導体に電界が引き
     寄せられた結果、磁界も引き寄せられると言う事はないのでしょうか?
     (今回の結果とは話は別かもしれませんが・・)
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    Date: Tue, 8 Aug 2006 19:10:00 +0900
    A2: 都築様、佐藤勝昭です。
    @ものによって違いますが、電界強度で10^4〜10^5V/cm程度でしょう。
    従って、1cm厚の試料に10kV-100kV程度かけないと絶縁破壊はおきませ ん。
    A長さ数mmのコイルから出る磁束はコイルを出たとたんに広がりを持ち ます。コイルの長さよりはみ出した試料部分でどの程度の磁束密度にな るかはすぐに見積もれませんが、どの程度不均一な磁場であるかは、直 流を流してガウスメータで測定されるとよいでしょう。
    「交流は電界と磁界がセットで動いているので、導体に電界が引き 寄せられた結果、磁界も引き寄せられると言う事はないのでしょうか?」 という質問ですが、もし金属のような導体を置いたとしたら、渦電流に より中心部の磁界が排除され、導体の周辺のみに磁界がかかります。
    食塩水の濃度にもよりますが、食塩水の導電性はイオン伝導によるもの ですから、おそらくMHzの交流磁界に対しては、導体としての振る舞い はないと思います。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
  • 826. 半導体中の空間電荷制限電流の温度依存性


    Date: Wed, 09 Aug 2006 01:33:22 +0900
    Q: T大学大学院、工学研究科のSです。 公開は匿名で御願いします。
    現在、空間電荷制限電流について勉強しているのですが、半導体における空間電荷制 限電流の温度依存性が良くわかりません。文献などをしらべてもほとんど温度依存に ついては載ってません。
    どうか教えてください。もしくは文献などを教えていただきたいです。
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    Date: Wed, 09 Aug 2006 19:35:22 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
     空間電荷制限電流とは、電流が流れることによって生じた不均一な電荷分布が 原因で電圧と電流が比例しなくなる現象です。
    空間電荷制限電流が流れるときには、電荷密度の空間分布はポワソンの方程式で 決まります。
    電流密度をJ0とします。J0は試料の端からの距離xに依存しない量です。
    距離xにおける電荷qのキャリアの速度をv(x)、キャリア密度をn(x)とします。
    すると任意の位置において、電流密度は
      J0=qn(x)v(x)     (1)
    で与えられます。
    各位置xにおけるポテンシャルをV(x)とします。試料の長さをdとします。
    試料の両端の電位差をV0とします。 
      V(0)=0, V(d)=-V0
    とします。また、x=0において電界が0、キャリアの速度が0と仮定します。
      E(x)=[dV(x)/dx]x=0=0, v(0)=0
    ここでポワソンの方程式を考えます。
      d^2V(x)/dx^2=-qn(x)/ε (2)

    [Case1 真空中の場合]
    キャリアの速度v(x)はエネルギー保存則から
      (1/2)mv(x)^2=q(V(0)-V(x))
    が成立するので
      v(x)=(-2qV(x)/m)^(1/2)  (3)
    式(1)に代入すると
      J0=q(-2qV(x)/m)^(1/2)n(x) (4)
    これより、
      n(x)=J0/q(-2qV(x)/m)^(1/2) (5)
    式(2)に代入して
      d^2V(x)/dx^2=-J0/ε0(-2qV(x)/m)^(1/2) (6)
    これを積分して(ちょっと面倒な演算ですが・・)
      J0=(4/9)ε0(2q/m)^(1/2) V0^(3/2) /d^2 (7)
    となります。
    このように真空の場合は、J0はVの3/2乗に比例するのです。
    これを見る限り、どこにも温度の入る余地がありません。

    [Case2 固体の場合]
    キャリアの速度は、移動度μを使って、
      v(x)=μE(x)=-μdV(x)/dx  (8)
    で表されます。
    こっこに移動度は
      μ=qτ/m*  (9)
    のように電子散乱寿命τで決まります。
    式(8)を式(1)に代入すると、
      J0=-qn(x)μdV(x)/dx (9)
    これより、
      n(x)=-J0/(qμdV(x)/dx) (10)
    式(2)に代入して
      d^2V(x)/dx^2=J0/(εμdV(x)/dx) (11) 積分して
      dV(x)/dx=-(2J0x/εμ)^(1/2)
    さらに積分して
      J0=(9/8)εμ(V0^2/d^3)  (12)
    となり、固体の場合は、J0はV0の2乗に比例します。
    この式を見ると移動度が入っています。
     式(9)より、μはτに比例します。
    格子振動によるτは絶対温度Tの-3/2乗に比例します。 従って、空間電荷制御電流は、温度に対しTの-3/2乗で変化するのではないで しょうか。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 12 Aug 2006 01:01:08 +0900
    AA: T大学のSです。
    空間電荷制限電流を理解する事ができました。
    ありがとうございます。
    また、他に質問があるときは宜しく御願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------

    827. 真空中での水の凝固


    Date: Wed, 9 Aug 2006 14:17:48 +0900
    佐藤勝昭 様
    D*****梶@T****と申します。
    Webに載せるときはD社のTという匿名でお願いいたします。
    HPを拝見してメールさせていただきました。
    質問内容は以下通りです。
    常温常圧下で、水50gを厚さ1mm程度の膜状にしてアルミ製の箱に入れ、 箱内部の空気をポンプで引き、20秒ほどで気圧を100Paへと下げると水が凝固しま した。
    なぜ水は凝固するのでしょうか?
    お忙しいとは思いますが、ご教授ください。
    以上よろしくお願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 09 Aug 2006 20:01:02 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     水の三重点ってご存じですか。三重点(0.01℃、0.06気圧)よりも低い温度、 低い圧力では、水は液相で存在できず、固相/液相境界線を境にして、水蒸気が 直接氷に凝固するのです。
     
    水の話
    というサイトに水の三重点の話が書いてあります。
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    Date: Thu, 10 Aug 2006 10:05:55 +0900
    佐藤様
    Q2: Tです。
    ご回答ありがとうございます。三重点、中学で教わりました。三重点では 沸騰している水に氷を入れても溶けないということでした。

    三重点よりも低い温度と圧力では水は固体として存在するというのは分かりましたが、 減圧すると温度も下がるのはなぜでしょうか。ゆっくり(圧力が15秒で10分の1になる ペースで)減圧した場合、圧力は2000Paでひとまず一定になり、水温も10℃より下がら ず凝固しませんでした。急に(20秒で1000分の1)減圧した場合、圧力は100Paまで下が り水温は-30℃まで下がって凝固しました。急に減圧した場合、2000Paの時点でも0 ℃以下でした。

    まとめます。
    ・減圧すると水温が下がる理由
    ・急に減圧すると圧力と温度が大きく下がり凝固する理由
    を教えて下さい。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 10 Aug 2006 11:39:36 +0900
    A2: T様、佐藤勝昭です。
     準静的に減圧した場合、熱平衡が成り立つので、図の赤線のように変化し液相が存在したので しょうが、急な減圧の場合、断熱過程となっていきなり気相になるとともに 水蒸気自身から潜熱が奪われて凝固するのではないかと存じます。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 08:50:57 +0900
    AA: 佐藤様
    Tです。大変勉強になりました。
    お忙しい中、ご回答いただき有難うございました。
    今後、また質問することがありましたらよろしくお願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 13:34:48 +0900
    A3: T様、佐藤勝昭です。
     昨日は急いでいて中途半端な回答をしてしまいました。
     相図において、等温過程で減圧すると赤線のようにまっすぐにおりて、 気液境界に来ると液相と気相が共存し減圧しても境界線に沿って下がる ので圧力もあまり下がらず、液体も存在するのでしょう。液化するとき 潜熱を奪いますが熱平衡状態にあるので、徐々に冷却され10℃程度で 止まるのでしょう。
     一方、急に減圧すると、断熱状態になり、気液境界を通過して一気に 100Paまで来ます。このときおそらく過冷却状態の液体になっているの ではないでしょうか。この液体が気化するとき潜熱を奪って一気に急激 な冷却が起き、図の一点鎖線のように温度低下して凝固するのではない かと推察します。(あまり自信がないのですが)
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  • 828. アルミニウム酸化被膜の耐食性


    Date: Thu, 10 Aug 2006 22:44:41 +0900
    Q: 佐藤先生
    初めましてS社のNと申します。
    同社で研究開発に携わるものです。
    Web上では匿名でお願いいたします。
    先生のHPをいつも拝見させていただき、色々と勉強させていただいています。
    このたびはアルミニウムの酸化皮膜について先生のご意見を伺いたく、メール させていただいた次第です。あまり知見のない分野なのでお門違いな質問に なってしまうかもしれませんがお許しください。
    一般にアルミの酸化皮膜は耐食性に優れますが、酸・アルカリ溶液中では 容易に破壊されるということは色々な文献やHPに載っております。
    ところが別の文献ではAl2O3が酸やアルカリ中で、耐食性を示す皮膜になると言った話や、 Al表面上にAl2O3を意図的にパターニングし、Alを酸エッチングする際のマスクにすると 言った話も聞きます。
    相反する話で少々混乱しているのですが、AlとAl2O3では酸やアルカリ溶液中で同じように 溶解するとしても、溶解速度が相当に異なるといった理解でよろしいのでしょうか? 先生のご意見は如何でしょうか?
    また、上記のような理解で正しい場合、最も簡易的な耐食性処理はアルミの酸化皮膜を より厚く成長させることになると思うのですが、先生はQ&Aの590で化成処理を例示されています。
    化成処理ですとたいていの場合、Al2O3とCr系の複合皮膜になると思いますが、このような複合皮膜 ではなくて、純粋なAl2O3皮膜を成長させる手法を何かご存知でしょうか?
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 11:23:46 +0900
    A: N様、佐藤勝昭です。
     Al2O3の結晶はサファイヤあるいはコランダム(鋼玉)と呼ばれる宝 石で、ルビーはAl2O3:Cr, グリーンサファイヤはAl2O3:Feです。
    サファイヤは耐酸性が強く、通常の酸やアルカリでは変化しません。
     一方、Alの表面を酸化したときにはアモルファスのAl2O3ができます。 アモルファスAl2O3の超薄膜(厚さ数Å)は最近話題のMRAMに使われるト ンネル磁気抵抗素子の障壁層に使われていることでも知られますが、Al をプラズマ酸化して作られます。
     ご質問のAl酸化皮膜とは、いわゆるアルマイト加工(酸の中で陽極酸 化)で形成したものと存じます。文献により、Al酸化被膜の耐食性につ いての記述が異なるということですが、酸化被膜の形成法や厚さ、構造 によっても違うのではないでしょうか。陽極酸化するとアモルファス Al2O3の多孔質の厚膜が形成されます。シュウ酸を用いて陽極酸化した 酸化被膜は、耐食性に優れると言われます。
    http://www.sanwa-p.co.jp/report/pdfFile.asp?ID=47&DT=2006/07/31% 208:55:53 に酸化被膜と裸アルミの耐食性の違いが出ています。
     アモルファスAl2O3の耐酸性について私は詳しくはありませんが、金 属のAlに比べれば遙かに耐酸性に優れていると思います。
     アモルファスAl2O3は一種のガラスですからフッ酸系のエッチャント で溶かすことはできます。下記文献には、HNO3-HF-H2O溶液で完全に除 去できると書かれています。
    Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B:
    Beam Interactions with Materials and Atoms
    Volumes 127-128 , 2 May 1997, Pages 596-598
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 11 Aug 2006 13:27:59 +0900
    AA:佐藤先生
    早速御回答いただきありがとうございました。
    陽極酸化膜とでは差があるにせよ、アモルファスAl2O3膜でも、ある程度の耐食性は見込めるということですね。
    また質問させていただくこともあると思いますが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
  • 829. パンチスルー現象


    Date: Mon, 14 Aug 2006 05:53:35 +0000
    Q: こんにちは。
    日大2年の荻原といいます。
    現在、半導体の本を読んで勉強をしているのですが、 突きぬけ現象というものがよく理解できません。
    また、本にでている式を使い、適当な代入式を行ったのですが、とても大きな電圧値 となってしまいます。
    お手数だと思いますが、詳しい説明を宜しく御願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 14 Aug 2006 14:59:37 +0900
    A: 荻原君、佐藤勝昭です。
     申し訳ない。私は、「突きぬけ現象」なる用語を聞いたことがありません。
    その現象、英語では何というのでしょうか?
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 14 Aug 2006 10:54:45 +0000
    Q2: 萩原光正です。
    英語では(Punch Through)と書いてありました。
    英語で分かりますでしょうか?
    宜しく御願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 15 Aug 2006 01:13:02 +0900
    A2: 荻原君、佐藤勝昭です。
     パンチスルーのことですね。
    MOSFETでは、ドレイン電圧の増加につれてドレイン側およびソース側の空乏層幅 が広がることにより、チャネル長が短くなっていきます。これによってドレイン 電流の増加が起きます。特にゲート長の短い微細なデバイスにおいては、チャネ ル長変調の効果が大きく、極端な場合にはチャネル長がゼロになってしまいま す。この現象をパンチスルーと呼びます。こうなると、MOSFET特有の飽和現象 (添付図の緑色の曲線)がなくなり、ドレイン電圧の増加に対しドレイン電流が 急増する現象(添付図の黒の曲線)をもたらします。
    MOSFETにおいてパンチスルーまで計算式で説明するのは半導体デバイスを専門と する大学院生レベルなので学部2年生には難しすぎると思います。
    Principles of Semiconductor Devices"というサイトのChapter 7 "MOS Field-Effect-Transistors" の7.7節「7.7. Advanced MOSFET issues」の中に説明がありますから、参考にしてください。
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  • 830. ステンレスSUS316の熱膨張


    Date: Thu, 17 Aug 2006 11:03:50 +0900
    Q: 初めてメールします。私、E社中川と申します。
    SUS316材質の25cmの円柱が、0℃から100℃に温度変化をするとどのぐらい伸び縮 みするか教えて頂けないでしょうか?
    宜しくお願いします。
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    Date: Thu, 17 Aug 2006 12:02:00 +0900
    A: E社中川様、佐藤勝昭です。
    ステンレスの物性値(熱膨張係数を含む)は
    http://www.coguchi.com/data_s/stainless/stainless1/ に出ています。
    SUS316の熱膨張係数(0-100 ℃)αは15.9×10^-6です。
    αの定義によると(理科年表)α=(1/L)(dL/dt)です。
    ここにLは長さ、tは温度です。
    従って、のびΔLは
     ΔL=L∫αdt=αLΔt
    となります。ここでαは温度範囲で一定としました。
    この式にαは15.9×10^-6、L=25cm、Δt=100を代入すると
     ΔL=3.98×10^-2[cm]=0.398[mm]となります。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
  • 831. 線材の長さの見積もり方


    Date: Wed, 9 Aug 2006 14:41:54 +0900
    Q: 拝啓 佐藤先生様
    突然のメールで大変申し訳ございません。
    私はT**株式会社営業部の岡野と申します。
    (万が一公開されます時は、匿名で、T社の岡野でお願い致します。)
    アルミ線の長さを導き出す計算式を調べていたら、こちらのHPに行き着きました。
    主旨に合わない質問かもしれませんが、縋る思いでメールさせて頂きました。
    ご確認だけでも宜しくお願い致します。
    Q.直径0.7oの純アルミ線が、総重量10Kgとした場合、長さを導き出す計算方法を調べていますが、全くわかりません。
    もし、導き出し方や計算式があればお教え下さい。
    お忙しい中恐縮ですが、何卒ご教授の程宜しくお願い致します。
    敬具
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 09 Aug 2006 23:27:34 +0900
    A: 岡野様、佐藤勝昭です。
     アルミ線の直径d[cm]、長さL[cm]の円柱だとして、体積V=(π/4)d2L [cm3]
    総重量M[g]、密度ρ[g/cm3]とすると、M=ρV=(π/4)ρd2 L
    従って、L=4M/πρd2
    から求めればよいはずです。
     ご質問のケースでは、M=104[g]、ρ=2.69[g/cm3]、d=0.7[mm]=0.07[cm]です から、
    L=4×104/(3.14×2.69×0.072)=4×107/(3.14×2.69×4.9)=9.66×105[cm] =9.66[km]
    このような単純な方法では何か問題があるのでしょうか?
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    Date: Thu, 17 Aug 2006 15:18:47 +0900
    AA:拝啓 佐藤教授殿
    先日は首記の件でお世話になりました、T社岡野と申します。
    盆休みになってしまい、御礼が遅くなり誠に申し訳ございませんでした。
    内容を拝見致しました。
    解り易いご回答を賜り、心より感謝申し上げます。
    今後も、また何かありましたら何卒宜しくお願い致します。
    本当にありがとうございました。
    敬具
    ---------------------------------------------------------------------------------------
  • 832. プラズマポテンシャルとセルフバイアス


    Date: Fri, 18 Aug 2006 08:22:47 +0900
    Q: 佐藤勝昭教授様
    初めまして、(株)R***のS***と申します。佐藤先生
    のHPを拝見しメールさせて頂きました。
    お忙しところ申し訳ありませんがご存じでしたらご教授お願い致します。
    ※Webアップの際は匿名でお願いします。R社S氏。

    質問項目
    プラズマポテンシャルとセルフバイアスについて

    内容
    当社は摺動部材の摺動部にアークイオンプレーティングにて低摩擦係数 を有するCrN皮膜を処理しております。アークイオンプレーティング とはプロセスガス(N2)を導入した真空中で金属ターゲット材(Cr) に大電流を流し、ジュール熱により蒸発、イオン化させ、プロセスガス と反応させることにより目的の被膜をワークに被覆しております。
    当方、プラズマ工学の知識がなく表題の内容は漠然としてしか捉えてお りません。プラズマポテンシャルとはそもそも何を意味しているのでし ょうか?どうすれば(パラメータ)ポテンシャルを高くできるのでしょ うか?またセルフバイアスとはイオンシースと関連性があるのでしょう か?平衡プラズマ状態とのずれ?
    頭が混乱しております。
    以上、お忙しいところ恐縮ですがご回答よろしくお願い致します。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 18 Aug 2006 11:55:11 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     ご質問の「プラズマポテンシャル」について、私の理解している範囲 でお答えします。
     金属のチェンバー内でプラズマを発生したとしましょう。電子は陽イ オンに比べて高い移動度をもつので、電子はイオンより速くプラズマの 端っこに到達するので、プラズマを離れてチェンバーの壁にぶつかるこ とになります。この結果、プラズマは徐々に正に帯電していくことにな ります。この結果電位がプラスになるのですが、際限なく上昇すること はありません。なぜなら、壁が相対的に負になるので、電子は壁に到達 しづらくなるからです。このため、ある安定な電位で止まります。この 電位のことをプラズマ電位(ポテンシャル)と称しますが、数ボルト〜 数十ボルト位です。この電圧をセルフバイアスと呼ぶことがあります。 この電位差のためにイオンが壁面にあたって清浄化するという効果も報 告されています。
     チェンバーの壁や試料表面付近にあるプラズマの端っこはプラズマの 本体とはかなり異なった性質を持ちます。プラズマに接するチェンバー 付近には発光のない領域があって、これを鞘(シース)と呼びます。つ まり、プラズマ本体では電位は一定で、電位が急落する部分がシースで す。この部分では、電位の低下が急激なので、高い電界が生じ電子は加 速されこの部分から離れるため電子密度が非常に低くなっています。こ のために発光強度が弱くなるのです。
     私も、共同研究者としてイオンプレーティングを使った成膜をやった 経験を持つのですが(Kondo et al.:JJAP 36 (1997) 6668)、 道具として使ったので、原理などのあまり詳しいことは勉強不足です。
    この論文では、基板に負のバイアスを加えると、結晶粒が大きくなるが、 基板をアースから浮かした(フローティング)状態でも、負にバイアス したのと同じ効果が現れ、これを、「電子の速度がイオンより速いため に起きるセルフバイアスの効果」として説明しました。
    実際にフローティング電位を測定したところ-14Vでした。
     参考になれば幸いです。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 18 Aug 2006 12:08:36 +0900
    AA: 佐藤勝昭教授様
    早速のご回答ありがとうございました。非常にわかりやすい説明で納得 できました。また文献も紹介頂きありがとうございます。
    また先生のHP楽しん拝見させて頂きます。
    お忙しい中ありがとうございました。
    ------------------------------------------------------------------------------------
  • 833. 負分散ミラー


    Date: Mon, 28 Aug 2006 13:51:46 +0900
    Q: 初めまして。
    A***株式会社のH***と申します(匿名でお願いします)。
    HPを拝見し、初めてメールをさせていただきます。
    質問内容の分野にあまり知見がなく稚拙な質問になってしまいますがよろしくお願いします。

    短パルスレーザーなどに用いられる負分散ミラーの特性について質問があります。
    ミラーなどでパルスが反射した場合、群遅延などの影響によりパルスシフトが起こります。
    これを負分散ミラーで補正しようとした場合、レーザー波長でミラーの群速度、三次分散の値が小さければ小さいほど良いと考えてよいのでしょうか。
    それとも小さすぎる場合問題が起こるのでしょうか。
    群速度などの概念がうまくつかめていないため「負分散」の役割がいまいち理解出来ていない様です。

    お忙しい中恐縮ですが、ご回答をよろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 29 Aug 2006 23:27:44 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     レーザー光学の専門家の本学物理システム工学専攻の三沢和彦先生にお伺いしました。
    以下のようなお答えをいただきましたので転送します。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    三沢です。負分散ミラーに関して、以下のようにご回答申し上げます。

     超短光パルスには広い範囲にわたる周波数成分が含まれており、それ らの周 波数成分がすべて同じ群速度で伝搬しないと、伝搬していくうちに周波数ごとに 時間的なずれが生じてきます。これが群遅延です。この 群遅延の結果、パルス 幅は広がり、そのパルス幅の中で周波数が時間的に変動するチャープという現象 が起こります。
     この群遅延は、伝搬路の屈折率の周波数依存性が原因です。群速度は 屈折率 に依存するからです。この屈折率の周波数依存性のことを分散と呼びます。分散 のかかり方は、媒質の屈折率の周波数依存性がどのよう な関数になっているか によって変わります。2次分散、3次分散ということばは、媒質の屈折率の周波 数依存性を周波数を変数としてベキ級数 展開(ωについての多項式)した時の各 次数の係数を指します。この言い方では、群遅延は2次分散に対応します。
     空気やガラスなどの透明媒質中では、一般的には屈折率は短波長(高 周波) ほど大きくなり、群速度も遅くなるため、伝搬とともに長波長(低周波)側が進 み、短波長(高周波)側が遅れてきます。この状況が 正分散です。
     それに対して負分散ミラーは、ミラーの積層膜の厚さを連続的に変え ること で、1回反射するごとに短波長(高周波)側が進み、長波長(低周波)側が遅れ て戻ってくるように設計されています。周波数による進 み遅れが逆なので、負 分散と呼びます。この負分散ミラーで正分散を補償する時は厳密に言えば、正分 散がかかった時の媒質の屈折率の周波数 依存性を逆に戻すように正確な負分散 をかけなければ、パルスは元に戻りません。ですから、一概に分散の値がどうな るべきかということは言 えません。
     100フェムト秒以上のパルス幅では、2次分散の影響が大き く、3次分散の影 響はあまり考えなくてもよいでしょう。数フェムト秒から数十フェムト秒のパル スでは2次分散、3次分散含めて分散の関数 形を正確に把握して補償する必要 があります。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 31 Aug 2006 14:13:50 +0900
    AA: 佐藤様 三沢様
    A(株)のHです。(匿名でお願いします)
    負分散ミラーについての説明ありがとうございました。
    おかげさまでミラーの役割について良くわかりました。
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  • 834. アモルファスシリコンpinダイオードにおける大電流でのI-V特性


    Date: Wed, 30 Aug 2006 12:22:19 +0900
    Q: 佐藤先生
    お世話になります。
    G社の上山(ウエヤマ)と申します。
    a−SiのPINダイオードのI−V特性についてお伺いします。
    不純物を含まない真性のi層をもつPINダイオードと、 ドナーとアクセプタを含むが相殺されて擬真性となっているi層をもつPINダイオードにおいて、 小電流領域ではI−V特性に大差はないと思われますが、 1〜10A/cm2オーダーの大電流を流した場合、そのI−V特性は異なるでしょうか?
    特に、大電流時のドリフト電流に対し、ドナーとアクセプタ原子が電気抵抗を高めるように 働くのかどうかについてもお教え頂けますと幸いです。
    以上、宜しくお願い致します。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 31 Aug 2006 01:58:56 +0900
    A:上山様、佐藤勝昭です。
     私は、a-Siダイオードについて研究したことがありません。従って、正しくお 答えできるかわかりませんが、一般論でお答えします。
     一般に、アモルファスシリコンの電気抵抗率は非常に高いので、a-Si:Hのpin ダイオードにおいて1-10A/cm^2もの電流を流すことは出来ないのではないでしょ うか。
    順バイアスにおいてI-V曲線の違いは
       J(V)〜J0 exp(qV/mkT)
    における理想因子mで記述されます。
    ふつう、アモルファスシリコンpinダイオードでは、J0は10^-12A/cm^2の程度, mは1.4 の程度です。
     順方向電流は、i領域での再結合過程で決まっています。従って、i領域での再結合中心(不純物または欠陥)の分布 が、I-V特性に大きな影響を与えます。
    アモルファスシリコンの欠陥状態の密度はダングリングボンド(未結合手)の分布によって決まるために空間的に不均一 になっています。従って、解析は大変複雑です。
     あなたの言われる擬真性というのは、ドナーとアクセプターが補償している状態ですが、もしそのような状態 がi領域であれば、もともとの無添加のi領域に比べ再結合センターが多いために、理想因子mに影響を与えると思われます。
    --------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 31 Aug 2006 09:10:11 +0900
    AA: 佐藤先生
    早々のご回答有難うございます。
    参考にさせて頂きます。
    上山
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  • 835. 磁気異方性物質に旋光性が発現する理由について


    Date: Wed, 30 Aug 2006 14:08:13 +0900
    Q: はじめまして
    私はT***社のH***と申します。
    HPを拝見しまして連絡させていただきました。
    ※Webアップの際は匿名でお願いします。

    先生の光磁気の教科書を拝見させていただきました。
    自分は光学異方性物質が専門なんですが。
    磁気異方性物質では屈折率が右・左円偏光に依存して変化することを知りました。
     光学異方性物質では、誘電率テンソルがエルミート行列の形式を取り、対角化することで 直線偏光が基底になります。
     一方、磁気異方性物質では、誘電率テンソルがユニタリー行列の形式を取っているので、対角化す ることで、基底が円偏光になるという印象を受けました。

    <質問項目>
     物理的現象を数学的に表現すると上のようになりますが、そもそも磁気異方性物質において 円偏光が基底となり旋光性が現れるのはなぜなのでしょうか。
    光・磁気の相互作用としてはローレンツ力がありますが。
     磁気異方性物質内部でも、磁場中で運動している電子に対してローレンツ力が作用して旋光性が現れる、 と解釈してもよろしいでしょうか。
    -------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 31 Aug 2006 01:06:25 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     磁化をもつ物質においては、time reversal symmetryが破れているのが原因で 誘電率テンソルの非対角項が現れ、これが原因で基底が円偏光になると思われます。
     ご質問の磁気光学効果のミクロの理論ですが、私の「光と磁気(改訂版)」第4 章をよく読んでいただければわかるように、4.2節にあるように古典論的なロー レンツ力では非現実的な3000Tというような強い磁界が働かない限り説明できま せん。4.3節の量子論を使うと、スピン軌道相互作用を考慮すれば大きな磁界を 仮定しないで説明できます。
     お手元に書物がなければ、
    光と磁気第4章原稿 をダウンロードしてお読み下さい。
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    Date: Thu, 31 Aug 2006 13:12:21 +0900
    AA: 佐藤様
    早急な御回答並びに御親切な内容感謝致します。
    早速、スピン・軌道相互作用の項を読まさせていただきます。
    どうもありがとうございました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
  • 836. スパッタ装置の電源の極性


    Date: Sat, 2 Sep 2006 09:32:42 +0900
    Q: 猪俣と言います。
    スパッタリング装置について質問させて下さい。
    スパッタリング装置で電源の極性をカソード側にマイナス接続する理由を教えて下さい。
    宜しくお願い致します。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 02 Sep 2006 15:21:47 +0900
    A: 猪俣様、佐藤勝昭です。
     スパッタ装置では、放電でできたアルゴンイオンAr+をターゲットにぶつけて ターゲット材料をたたき出し基板に堆積させます。従って、ターゲットは負の電圧にしなけれ ばなりません。たたき出された物質は負に帯電していますから基板側が正電圧なので、 基板に引き寄せられます。基板は接地しますから、ターゲットに負の高電圧をかけるのです。
    なお、カソードとは陰極のことですから「カソード側にマイナス」はあたりまえのことです。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 837. 真空蒸着の最適蒸着速度


    Date: Sat, 2 Sep 2006 10:05:17 +0900
    Q: 物性なんでもQ&Aをいつも拝見させていただき、たいへん勉強させております。
    D大学電子工学科4年のSです。Webにアップする場合にすべて匿名でお願い します。
    現在、真空蒸着法によるアルミニウム薄膜の作成を行っています。
    しかし、蒸着速度を0.2Å/sと10Å/sにするとでは、同じ膜厚にもかかわらず 薄膜が異なってしまいます。
    なぜこのような違いが生じるのでしょうか。また、蒸着膜の強度に差が生じているの でしょうか。
    最後に、良い蒸着膜を作成するにはどのような点に注意すればよいでしょうか。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 02 Sep 2006 14:12:30 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
     お使いの真空蒸着装置の背圧はどれくらいでしょう?
    MBE装置のような超高真空(背圧<10^-9Torr)で蒸着したときには起きませんが、 通常の10^-6Torr程度の装置で0.2Å/sのような低速で蒸着すると、Alは成膜中に 残留している酸素と結合してAl2O3のような絶縁性の化合物になります。10Å/sの ような高速で蒸着すると酸化物が出来るよりもAlが金属状態のまま堆積する確率 が高いので、表面のみAl2O3で覆われたAlが堆積します。
     一方、高速成膜すると柱状構造になるなど膜表面の構造が3次元的になると存 じます。もし、高真空中で低速で成膜すれば2次元的な膜が成長するでしょう。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 2 Sep 2006 15:00:21 +0900
    AA: 佐藤先生、早速のご回答ありがとうございました。
    僕のは通常の真空蒸着装置なので、以下の点を踏まえて中速の2〜5Å/s程度で行い たいと思います。
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 838. アクリルの熱伝導率


    Date: Mon, 4 Sep 2006 14:52:14 +0900
    Q: はじめまして 私はC社の坂巻と申します。
    アクリル板を用いた構造物の熱伝導解析を行っていますが、アクリル板の熱伝達係数が不明です。
    標準的なアクリル板の熱伝達係数が解ればお教えください。宜しくお願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 4 Sep 2006 19:42:57 +0900
    A: 坂巻様、佐藤勝昭です。
     理科年表(2005年版)によれば、アクリルの熱伝導率は、 室温で0.17〜0.25 W/m.Kとなっています。
     一方、古川電工から出ている
    Furukawa Review No.22 (2002) にNew Products Developed Using Environment-Friendly Elastomer Rubberという論文が載っています。そのTable 3にAcrylic rubber(ア クリル・ゴム)の熱伝導率が 0.27W/m.Kであると書かれています。
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  • 839. ストロンチウムフェライトの物性値


    Date: Wed, 6 Sep 2006 11:59:48 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生
    はじめまして。T(株)のTと申します。
    先生のHPを見てメールさせて頂きました。充実した内容なのでいつも参考にさせて頂 いております。
    すみませんが本件公開時は匿名でのアップをお願い致します。

    現在、諸事情により磁性粉体を用いた実験、およびシミュレーションにトライしてお ります。
    様々な文献を調査しているのですが、必要となる物性値の中で
    (1)ストロンチウムフェライトの磁化曲線
    (2)同ヤング率、ポアソン比
    が確認できず困っています。途中過程を対象としているので保磁力、残留磁化だけで なく磁化曲線が見たいのですが、どの文献も保磁力、残留磁化値を付表で示すか、ヒ ステリシスを説明するためのグラフ掲載にとどまっているのがほとんどでした。粉体 の粒子径はミクロンオーダーで一般に売られている汎用品です。メーカーにも問い合 わせましたが、カタログを提供頂けただけでした。

    定性的な現象確認のためですので、代表的なものや一例(測定例or計算例)、ある いはある程度代替可能な類似材料の物性値があればそれで構いません。もしご存知で したら情報ご提供頂けますと助かります。参考になる文献名等だけでもアドバイス頂 けますと幸いです。
    ご多忙中大変恐縮です。
    何卒ご検討の程宜しくお願い致します。
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    Date: Wed, 6 Sep 2006 12:26:31 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     ストロンチウムフェライトの磁性と機械的性質については、MEMS関係 の論文をご覧になるとよいと思います。
    たとえば、JOURNAL OF MICROELECTROMECHANICAL SYSTEMS, VOL. 6, NO. 4, DECEMBER 1997 p.307には、Magnetic and Mechanical Properties of Micromachined Strontium Ferrite/Polyimide Compositesという論 文が載っています。
    (1)ストロンチウムフェライト微粒子をポリイミドに分散した系の磁 化曲線は、
    添付図のとおりです。
    (2)ポリイミドに分散した系のヤング率Eを1-ν(νはポワソン比)で割った値は、Table 3に載っており、分散率によって6.6〜16.7GPaの範囲で変化しています。
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    Date: Wed, 6 Sep 2006 12:48:43 +0900
    AA: 佐藤先生
    早々のご返信どうも有難うございました。
    また、ご多忙中にも関わらずご丁寧にご指導下さいまして感謝致します。

    大変参考になりました。先生のHPを参考に一層の勉強に励みたいと思います。
    今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
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  • 840. 活性炭素繊維の光導電性は測定できるか


    Date: Fri, 15 Sep 2006 23:30:39 +0900 (JST)
    Q1: はじめましてネット上で光導電性について調べていたらこのページがあったのでメールを 送らせてもらいました.私はK***大学大学院 農学研究科のM***と申します.物理の分野は 全然詳しくないのでよかったら教えてください.
    質問は活性炭素繊維に可視光線を照射すると活性炭素に微小でも電流が流れるんでしょうか?
    また活性炭に光(特に赤色もしくは青色の光)が照射されると何か電気的に生じるものがありますか?
    紫外線などエネルギーが強い短波長を照射すると光電効果によって外部,内部光電効果が発生するとは 色々な本に書いてあったのですが・・・.
    ど素人の質問で申し訳ありません.よろしくお願いします.
    P.S. ホームページへの掲載は匿名でお願いします
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    Date: Sat, 16 Sep 2006 12:04:28 +0900
    A1: M様、佐藤勝昭です。
     活性炭素繊維は、多数の細孔がある炭素の繊維です。表面積は、 1,000〜1,800m2/gと非常に大きく、その孔径は5〜100Åと極めて小さい細孔を有 し、ユニークな細孔構造をもっています。[石崎信男、井上勝也監修:炭素は七 変化、研成社、p.103〜108(1993)]
     炭素には、ダイヤモンド構造、グラファイト構造、ナノチューブ構造、フラー レン構造などがあります。私は活性炭素の原子配列構造をよく存じませんが、お そらくグラファイト構造を基本としていると思います。グラファイトは炭素の蜂 の巣状網目が層状に重なっているもので、網目の層面内は金属的ですが、層間は 半導体的です。
     外部光電効果は、仕事関数より高い光子エネルギーの光を当てて真空中に電子 を取り出す効果です。これはどんな金属でも半導体でも起きます。しかし、これ は光導電性ではありません。
     内部光電効果(光導電性)は、光によってキャリアが生成され、その物質の電 気伝導度が高くなる効果です。従って、半導体においてバンドギャップ付近の光 子エネルギーの光を照射したときに最もよく観測されます。
     金属ではこの効果は起きたとしても観測されません。なぜなら金属の自由電子 の密度は10^22個/cm^3もあるのに、光で生成されるキャリアは10^15個/cm^3の程 度だからです。従って、グラファイトでは層面内の金属伝導性のため、光導電性 は観測されません。
     活性炭素繊維の細孔のある表面部分の電気的特性がどうなっているか分かりま せん。グラファイトの網目が細孔部分で切れて、そこに酸素などが吸着すれば絶 縁体または半導体になっている可能性があります。しかし、たとえ表面で光導電 性があったとしても、バルクの金属性にマスクされるので果たして観測出来るで しょうか。
     結論を言うと、活性炭素繊維では光導電性を観測するのは難しいと存じます。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 17 Sep 2006 20:48:02 +0900 (JST)
    Q2: ご返答ありがとうございました。あらゆる波長の光が半導体(今回では炭素) に照射されると観測はできないにしても極微小な電流は流れると考えてよろしいでしょうか?
    あとは表面の構造が活性炭素繊維(ざらざら)と炭素繊維(規則正しい)とではかなり 異なってまして,この場合活性炭素繊維の方が光が照射されると内部光電効果が現れやすいのでしょうか?
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    Date: Sun, 17 Sep 2006 21:06:33 +0900
    A2: M様、佐藤勝昭です。
     いまお考えの活性炭素の電気抵抗率はどれくらいでしょうか。
    通常の炭素では抵抗が低いので無理だと思いますが、活性炭素繊維の 電気抵抗が高ければ、光導電性が観測される可能性はあります。
    活性炭素繊維の方が規則正しい炭素繊維よりも電気抵抗が高いと思われますので 光導電を観測できる可能性が高いでしょう。
    光を回転チョッパーで断続し、光電流をロックイン検出すれば、測定できる かもしれません。やってみてください。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 841. CdTeの電析について


    Date:2006/09/20 16:12
    Q: はじめましてK**大学4年のA**です。公開は匿名で御願いします。
    私は今、電流パルスを使ったCdTe電析についての論文を読んでいて、その中でパルス 周波数とCdTe電析の関係、デューティサイクルとCdTe電析の関係についての話がでて きたのですが詳しいことが書かれてなく理解できません。もしよろしかったら教えて 頂けないでしょうか。
    またパルス電流密度が大きくなると陰極効率が減少するようなのですがその理由も書 かれていないのでもしよろしかったら教えて頂けないでしょうか。よろしくおねがい します。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/09/21 0:29
    A: A君、佐藤勝昭です。
     4年生ということは、卒業研究でしょうか?CdTeのElectrodepositionがテー マなのですね。私はelectrodepositionの専門家ではありません。卒業研究で分 からないことがあれば、基本的には指導教員に尋ねるべきです。また、論文に は、引用文献(reference)があって、論文に書いてないことも、referenceを調べ ると載っていることがあります。君がいま読んでいる論文のpdfがあれば送って 下さい。アドバイスしてあげます。
    (注:これに対する返事はありません)
    ---------------------------------------------------------------------------------------
  • 842. Q179「炭素のマイクロ波加熱」への質問


    Date: 2006/09/21 16:24
    Q: 東京農工大学 佐藤勝昭様 H**社、技術開発のO**と申します。(公開時匿名希望)
    過去に金属のマイクロ波焼結に関して質問させていただいた者です。その節はありがとうございました。
    今回は、Q179「炭素のマイクロ波加熱」の中で理解に苦しむところがあり、質問させていただきたく メールさせていただきました。
    先生は回答の中で、板の場合はマイクロ波は内部まで届かず表面しか発熱しないの対し、 粉末であれば隙間が多く、奥までマイクロ波が入るので昇温しやすいと回答されていると思います。
    私は、電磁波は波長に対して充分小さな隙間は通り抜けられないと認識しております。
    (電子レンジの扉に付けられている、電磁波に対するシールドはメッシュになっています。)
    電子レンジのマイクロ波の波長は約12cm、粉末の隙間は波長に対して充分小さいと考えられると思います。
    そうなると、粉末であっても表面しかマイクロ波が当たらないのではないでしょうか?
    (内部までマイクロ波が入っていかないのだから、粉末であることによるトータルで 表面積が大きいことは意味を持たないのでは?)
    何卒、ご教示の程を宜しくお願い申し上げます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/09/21 17:37
    A: O様、佐藤勝昭です。
     波長より小さな隙間を通らないというのは正しくないでしょう。
    波長がメッ シュの構造より長いとき、マイクロ波は隙間と金属との複合体の平均の損失を感 じます。金属とカーボンとでは抵抗率がかなり異なります。もしカーボンで同程 度の隙間のシールドメッシュを作ったら、マイクロ波は透過するでしょう。
    ------------------------------------------------------------------------------------
  • 843. フォノン閉じ込めモデルによるラマン散乱スペクトル


    Date: 2006/09/27 11:33
    Q: N**大学、M1のE**です。Webにアップする場合に匿名希望でお願いします。
    お忙しいところ失礼します。なんでもQ&AのHPを見ての質問です。

    質問
    @ラマン散乱スペクトル形状からナノ粒子サイズを計算するフォノン閉じ込めモデルでは、計算式のどの部分が  サイズによるピークシフトを表しているのでしょうか?
    Aフォノン閉じ込めモデルについて参考になるホームページ、文献を教えてください。
    ------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/09/27 12:33
    A: E君、佐藤勝昭です。
    この質問は、あなたが、ゼミか何かの文献を読んでいて、その式に出く わしたのでしょうか。原則的には、指導教員か、先輩の博士課程学生、 ポスドクなどに尋ねるべきでしょう。
     私は、フォノンとじこめモデルの具体的な計算式を存じ上げません。
    もしいま読んでおられる文献に出ているなら文献をpdfで送ってください。
     
     シリコンナノ結晶に閉じこめられた音響フォノンのラマン散乱は10年 くらい前に物理学会で議論されていましたが、その後の動きを知りません。

    最近の文献では、
    U Serincan et al: Characterization of Ge nanocrystals embedded in SiO2 by Raman spectroscopy; Semicond. Sci. Technol. 19 (2004) 247-251 
     およびその参考文献が参考になるのではないでしょうか。
    本学には、この文献は入手できませんが、貴学なら図書館にあるのではないでしょうか。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/09/27 14:21
    Q2: 佐藤勝昭様
    メールの返信ありがとうございます。
    今読んでいる文献は、
    Phys.Rev.B48,4(1993)
    Microstructure and optical properties of free-standing porus silicon films:
    Size dependence of absorpton spectra in Si nanometer-sized crystallites

    Solid state Commun.58.10(1986)739-741
    The effects of microcrystal size and shape on the one phonon raman spectra of crystalline semiconductors です。

    Semicond. Sci. Technol. 19 (2004)247-251をN大では入手することができませんでした。
    ありがとうございます。
    ----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/02 15:46
    A2: E君、佐藤勝昭です。論文のFAX受け取りました。
    私の解釈を申し上げます。
    Phys. Rev.B48,4(1993)の論文の(1)式は、Campbellの論文の(6)式の中に ある重み付け関数|C(0,q)|^2として、同論文の(5)式(ガウス型関数) を代入したものです。
     Phys. Rev.の式(1)
       I(ω)=∫[exp(-q^2L2/4a2)/{(ω-ω(q))2+(Γ0/2)2}]dq3 (1)
    はスペクトルの形を表します。これをよく見ると、qによる積分をしていますが、ブリルアン域のさまざまなqについて
       1/{(ω-ω(q))2+(Γ0/2)2}
    というローレンツ型分散式を作りそれらを足しあわせたものと考えることができます。
    ここで、きいてくるのが重み付け関数exp(-q^2L2/4a2)です。
    この関数は、q=0を中心とする分布を表すガウス関数ですが、ブリルアン域の端、すなわちq=1ではexp(-L2/4a2)となり、Lが格子定数aに比 べ大きいと非常に小さい値になりますが、Lがaの程度だとそれほど小さな値をとりません。
    従って、Lが大きいとqの小さなフォノンしか寄与しないが、Lが原子サイズに近づくとqの大きなフォノンまで関与することになります。
     フォノンの周波数のq依存性はPhys. Rev.の式(2)に出ていますように、
    ω(q)2=A+Bcos(πq/2) (2)
    で表されますから、q=0のフォノンの周波数ω(0)はω(0)=(A+B)
    ^(1/2)
    q=1でのフォノン周波数ω(1)はω(1)=A^(1/2)となります。
    このため式(1)の積分は、Lが大きいときはq=0の成分のみとなり、
     I(ω)=1/{(ω-ω(0))2+(Γ0/2)2}
    というω(0)=(A+B)^(1/2)を中心周波数とするローレンツ型で記述され ます。これに対し、Lが小さいときには、q=1の成分の寄与が大きくなり、 中心周波数はω(1)=A^(1/2)に近づく(小さくなる)こととなります。
    また、線幅も、単一のフォノンのローレンツ型ではなく、たくさんのフ ォノンのローレンツ式の重ね合わせになるので、幅広くなるのです。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/02 23:20
    AA: 佐藤勝昭様
    お忙しい中、質問に答えていただきありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
  • 844. 入射角によるアルミニウムの反射率の変化


    Date: 2006/10/02 13:45
    Q: はじめまして、S**社のT**と申します。
    佐藤先生のHPを見て、メールをさせて頂きました。
    (会社名は非公開でお願い致します)

    現在、ストロボのシミュレーションを行っております。
    実測した結果とシミュレーションした結果に差異があり原因を探しております。

    原因は、フレネルロスを考慮していなかった事がなのですが,レンズ系の物は全てフレネルロスを考慮する様に設定し 略、実測とシミュレーションの結果が一致するようになりました。
    (フレネルレンズ、Xe管のガラス管のフレネルロスを考慮)

    ここで、お聞きしたいのですが反射鏡に蒸着しているアルミニウム。
    これにも入射角による反射率の変化を適用するべきなのでしょうか?
    現在は角度に依存しない85%の反射率で設定しております。

    仮に角度による依存がある場合、無視できる量なのでしょうか?

    また、無視出来ない場合はどの様に考えれば良いのでしょうか?

    お忙しいとは思いますが、ご教授願います。
    参考になる文献等御座いましたら、教えて頂けますでしょうか。
    宜しくお願い致します。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/02 15:19
    A: S社T様、佐藤勝昭です。
     メール有り難うございました。斜め入射の反射率は、偏光依存性と入 射角依存性をもちます。角度によっては無視できません。たとえばP偏 光については、ブリュ−スター角付近で反射率が非常に小さくなります。
     どのような光学の教科書にもありますが、たとえば、小生の著書では、 「光と磁気(改訂版)」第3章3.5節にあります。
    3.5節のpdf を右クリックしてダウンロードできます。
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    Date: 2006/10/02 15:36
    Q2: Tです。
    早速のご返答、ありがとう御座いました。
    アルミニウムの複素屈折率の値をご教授願えますでしょうか。
    私の手元にある資料には、詳しい値を記述しているものがありませんでした。
    お手数では御座いますが、宜しくお願い致します。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/03 0:44
    A2: 武本様、佐藤勝昭です。
     Alの複素屈折率は、#797にあるように、Palikの第1巻p.395-403にあります。
    すべてをコピーすることはできませんので、抜粋した値を示しておきます。
    ------------------------
    波長nk
    2000.132.39
    3000.2762.39
    4000.494.86
    5000.7696.08
    6001.207.36
    7001.838.31
    8002.808.45
    9002.068.30
    -------------------------
    これを使って斜め反射のRsとRpを(3.70)式で計算するためのExcelファイルを添 付します。
    Excelの分析ツールをonにしておく必要があります。
    データ分析ツールへのアクセス 分析ツールにアクセスするには、[ツール] メ ニューの [分析ツール] をクリックします。[ツール] メニューに [分析ツール] コマンドが表示されない場合は、分析ツール アドイン (アドイン : Office に 独自のコマンドや独自の機能を追加する追加プログラムです。) プログラムを読 み込む必要があります。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/06 10:34
    AA: 株式会社SのTです。
    返事が遅くなり申し訳御座いません。
    エクセルを使い、無事評価を行うことが出来ました。
    想像以上に角度による反射率の変化があり驚きました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 845. 中炭素鋼の熱膨張係数


    Date: 2006/10/03 9:37
    Q: 佐藤勝昭様
    初めてお便り致します。

    Y社の金田と申します。
    中炭素鋼の温度が850℃と750℃の時の 熱膨張係数と降伏応力を調べているのですが 何処にも載っていなくて困っています。

    私の勉強不足は重々承知致しており、 お恥ずかしい限りなのですが、 もし宜しければご教授願えますでしょうか。
    お忙しいとは存じますが、何卒宜しくお願い致します。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/04 19:09
    A: 金田様、佐藤勝昭です。
     理科年表によれば、500K(=227℃)、800K(=527℃)における炭素鋼の線 膨張率はそれぞれ、α=13.7×10^-6/K、16.2×10^-6/Kとなっています。
    これを延長すると1100K(=827℃)で18.7/Kと推定されます。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/05 8:35
    AA: 佐藤勝昭様

    Y社の金田と申します。
    この度は私の質問にお答え頂きまして誠にありがとうございます。

    早速業務に役立てたいと思います。理科年表は調べていませんでした。
    勉強不足でお恥ずかしい限りです。駆け出しですので、精進致す所存です。
    本当にありがとうございました。また解らないことがありましたら、 申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 846. MOD成膜したPMNZTの表面モルホロジー


    Date: 2006/10/04 18:25
    はじめまして。
    H**大学、工学部4回生のH**と申します。
    突然のメール、失礼いたします。
    先生の「物性なんでもQ&A」、参考にさせていただいております。
    今回、先生のお力をお借りしたくメールをさせていただきました。
    私は現在MOD法(有機金属化合物堆積法)でPMNZT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbZrO3−PbTiO3)の厚膜作製に取り組んでおります。
    その過程で今はまだ薄膜を造っている段階なのですが、今回その膜の表面モフォロジのことで質問させていただきます。
    膜はスピンコートをして、乾燥(低温乾燥、高温乾燥)、熱処理という段階をとっているのですが、 熱処理が終わった段階で(一回膜を作り終わった段階で)、 毎回膜の表面モフォロジをMOを用いて観察しています。
    観察してみるとどうも黒い粒々がついています。
    (今回添付させていただいた画像はその膜の表面の450倍と3000倍のものです。3000倍のものが2枚あります)[Webでは省略]
    初め埃かな、と思ったのですが、3MIN−2回目のファイルを見ていただいたら特に思うのですが、 どうも埃っぽくないようにも思います。
    これは一体なんなのでしょうか。
    この部分だけ、きれいに結晶化されていないのかな、とも思ったりするのですが…。
    私の担当の先生は小さい黒い点は残留炭素だとおっしゃってます。
    でも、アメーバーみたいなものまで残留炭素だとは考えにくいのですが…。
    表面モフォロジだけで「○○だ!」と断定できるものでもないと思いますが、「こうじゃないのかな?」 と考えられるものとしてどのようなものがあげられるのでしょうか。
    断定できれば尚のこといいんですが・・。
    知恵をお貸しいただけたら幸いです。
    Web公開される場合、匿名でお願いいたします。
    ----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/04 19:34
    H君、佐藤勝昭です。
     複合酸化物をMODで作製する場合、なかなか組成の均一なものができ ないのがふつうです。おそらく、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3の多い部分、PbZrO3 の多い部分、PbTiO3の多い部分などのむらができるのではないかと推察 されます。場所によってはPbZrO3などがが析出していることも考えられ ます。EDXなど面分析の可能な手段で組成を測定されては如何でしょうか。
    -----------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/04 20:20
    先ほど質問させていただいた長谷川です。
    早速のお返事ありがとうございました。
    なるほど。ムラ、ですか。
    ご意見ありがとうございました。
    検討してみます
    ------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 847. アルミニウムの熱伝導率測定


    Date: 2006/10/05 16:20
    Q: 佐藤勝昭先生はじめまして。物性なんでもQ&Aをいつも拝見させていただいています。
    わたしはY*大学工学部3年のH***と申します。公開時は匿名でお願いします。
    アルミニウムの熱伝導率測定について質問させてください。熱伝導率の低い木やコンクリートならば、 非定常法によって経過時間とそのときの温度を測定することで、熱伝導率を求めることができましたが、 熱伝導率の高い金属ではうまくいきそうにありません。アルミニウムの熱伝導率を非定常法で求めることはできるのでしょうか。
    できるのであればその方法をおしえてください。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/05 22:34
    A: H君、佐藤勝昭です。
    私は、熱測定の専門家ではありません。
    図書館に行って、「熱量測定・熱分析ハンドブック 」(丸善1998年08月)
    の熱伝導測定の項を読んでください。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/06 10:40
    AA: ありがとうございました。図書館で調べてみます。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 848. 弾性定数の数値計算


    Date: 2006/10/05 15:04
    Q: 始めまして。
    私はE**大学理学部4年のF**と申します。 (表記の際は、“E大Fさん”でお願いします)。
    佐藤研究室のHPを拝見させて頂き、私も先生に教えて頂きたいことがあってメールしました。
    ・弾性定数(C11,C22など)の具体的な数値計算は、どのようにすればよいでしょうか?
    お答え頂けると幸いです。
    宜しくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/05 22:20
    A: F君、佐藤勝昭です.
    [弾性定数(C11,C22など)の具体的な数値計算]の意味が分かりません。
    通常は、C11,C22は物質定数で、ハンドブックなどに載っている数値を使います。
    どのような量から数値計算したいのでしょうか?
    もう少し整理して他の人に分かるように質問しなさい。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: 2006/10/06 9:08
    AA: 佐藤先生へ
    失礼しました。 バンド計算で、弾性定数の計算をしたいと考えています。
    それで、ハンドブックなどに載っている数値はどのようにして 出されたのか参考にしたいと考えていました。
    もう少しよく考えて整理してみます。
    ありがとうごさいました。
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 849. フタロシアニンの昇華温度


    Date: 2006/10/06 10:16
    Q: 初めまして I高専 専攻科1年のT**と申します。HP公開の際は匿名を希望します。
    なんでもQ&Aたたびたび拝見させていだだき、大変 ためになると感じております。今、研究で電気デバイス材料 であるフタロシアニン系(ZnPc、CuPcなど)の薄膜作成をしているのですが、 蒸着の際に、何度で昇華しはじめているのかがわかりません。
    (真空計を観察していて、真空度が悪くなったら昇華しているとは思うのですがボートに流れている電流値しかわかりません。)
    図書館にも行きましたが詳しい資料がありませんでした。もし、ご存じでしたら、教えてください。よろしくお願いします。
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    Date: 2006/10/09 16:36
    A: T君、佐藤勝昭です。
     一般に、何度で昇華するかは、気体の圧力と温度の関係が分かっていなければ なりません。ある温度の蒸気圧が蒸着器のバックグランドの真空度より低ければ 昇華は起きません。
    J. Curry and R. W. Shaw: The Vapor Pressure of Copper Phthalocyanine; J. Phys. Chem. 69, 344-346 (1965).によれば、温度が657K(384℃)から722K(449℃) に変わったときに蒸気圧は4×10^-7atm(3.04×10^-4Torr)から2×10^-5atm(1.52× 10^-2Torr)に変化すると書かれています。蒸着器の真空度が3×10^-4Torrであれ ば、384℃で昇華することになります。バックグランドの真空度がもっと低ければ もっと低温でも昇華できます。
     高専の図書室に行き、J. Curry and R. W. Shaw: The Vapor Pressure of Copper Phthalocyanine; J. Phys. Chem. 69, 344-346 (1965).を取り寄せて 貰って読んでください。
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  • 850. TiCの格子定数


    Date: Tue, 3 Oct 2006 18:14:44 +0900 (JST)
    Q: はじめまして、私はI*大学のS*です。
    現在、回折像から指数付けを行っているのですが、 TiC、CuTi2の格子定数がわかりません。
    よろしければお教え願います。
    大学、名前は匿名でお願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 4 Oct 2006 19:45:28 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
    TiCはcubic fccのNaCl構造を持ちます。
    その密度は4930kg/m^3=4.93g/cm^3です。
    NaCl構造なので、fccのunit cellにTiCが4分子入ります。
    分子量は59.89ですからTiCの1分子の質量Mは59.89/アボガドロ数です。
    Unit cellの質量は4Mです。これを格子定数aの三乗でわれば、密度が出 ます。自分で計算してください。
    CuTi2についてはデータを持ち合わせません。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 5 Oct 2006 13:30:36 +0900 (JST)
    AA: 迅速丁寧な回答ありがとうございます。
    これからの研究に役立てていきたいと思います。
    -------------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 851. 半導体への励起光の侵入長


    Date: Sat, 7 Oct 2006 23:28:58 +0900
    Q: P社Iと申します。
    半導体表面に光を照射する場合の侵入長に関してご教授お願いいたします。
    例えば、GaAsに780nmや680nmの光を照射する等、半導体のバンドギャップより大きい励起光が入射した場合の侵入長の計算方法をご教授願います。
    ご多忙のところ、誠に申し訳ございませんが、何卒宜しくお願いいたします。
    --------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 08 Oct 2006 00:18:48 +0900
    A: I様、佐藤勝昭です。
     一般に、光の浸入長は、吸収係数の逆数の程度です。
    吸収係数αは、消光係数κを用いて、α=4πκ/λで与えられます。
    従って浸入長dはd=1/αであらわされます。
    Palik:Handbook of Optical Constants of Solidsによれば、
    λ=785nmでκ=0.087です。侵入長は
    d=7.85×10^-3/(4π×8.7)=7.18×10^-5cm=7.18×10^3Å=0.718μm
    一方、λ=6.81nmでκ=0.158です。侵入長は
    d=6.81×10^-3/4π×15.8cm=3.43×10^-5cm=3.43×10^3Å=0.343μm
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 8 Oct 2006 09:04:19 +0900
    AA: 佐藤様
    お忙しいところ、誠にありがとうございました。
    (Webへのアップは、匿名でお願いいたします)
    ---------------------------------------------------------------------------------------------------
  • 852. 光と磁気(改訂版第1刷)第4章の誤植訂正


    Date: Sun, 8 Oct 2006 22:23:46 +0900 (JST)
    Q: 佐藤 先生
    いつもお世話になっております。
    T大学大学院博士課程学生のYと申します。
    Webにアップする場合は匿名でお願いいたします。
    HPの“光と磁気誤植訂正”に記載されていない事項で、 “光と磁気”に関して確認したいことがあります。
    現在、2001年11月20日改訂版第1刷を使用しています。
    質問は、主に四章に関してです。

    1)p.66の下から2行目からp.67の一行目まで。
    2)p.89の四章の参考文献5)と10)

    1)については、磁場を印加したときにマグネトプラズマ共鳴が起こり、 スペクトルの谷が分裂するのであれば、印加磁場の大きさとスペクトルの対応が、 おかしいと思い、原著である参考文献1)にあたりました。
    原著と図4.3では、磁場の大きさがとスペクトルの対応が反対になっていました。

    また、“光と磁気”の本文では、
    “図4.3はωc=0.2ωpの場合について理論的に計算した反射スペクトルである1).”
    と記載されていますが、原著によると図4.3として記載されている図は、 原著ではFIG.2の実験結果で、計算結果はFIG.1として掲載されていました。

    2)についてですが、原著を探してVolとPageが間違っていたものがありました。

    5)Y. Shen: Phys. Rev. 133A (1964) 551.
    → Y. Shen: Phys. Rev. 133 (1964) A511.

    10)M. Singh, C. S. Wang, and J. Callaway: Phys. Rev. B 8 (1973) 1239.
    → M. Singh, C. S. Wang, and J. Callaway: Phys. Rev. B 11 (1975) 287.

    上記の点に関して、ご確認いただければ幸いです。
    尚、私の間違いや、上記の事項が既に改訂済みの場合は、ご容赦ください。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 08 Oct 2006 23:40:10 +0900
    A: Y君、佐藤勝昭です。
     拙著を丁寧にお読みいただき有り難うございます。
    1)図4.3:おっしゃるとおりです。次の版では訂正します。磁場との対応、ト レースしたときに間違ってしまったようです。また、実験結果であって、理論で はありません。
    2)参考文献:ご指摘の通りです。
     5)は、私の文献リストから書き写す際に間違ったようです。
     10)は、文献12)をペースとして書き直す際に間違ったようです。
    お恥ずかしい限りです。次版では、修正したいと存じます。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 8 Oct 2006 22:45:07 +0900 (JST)
    Q2: 佐藤 先生
    先ほどのメールで、記述し忘れたことがありました。
    p.63の式(4.10)との対応をとると、
    p.67の4.2節のまとめの第2式の右辺で、負号が不要に思われます。

    “光と磁気誤植訂正”の欄には、
    p.62. 式(4.6)
     誤:B×du/dt
     正:du/dt×B
    (初版では正しかったのに、改訂版で間違ってしまいました)
    これに伴って、この後の式(4.7),(4.8),(4.9),(4.10),(4.11),
    (4.17),(4.20)のBを-Bに、ωcを-ωcに修正する必要があります。
    と記載があるのですが、p.67に関する記載がありません。

    上記の点に関して、ご確認いただければ幸いです。
    尚、私の間違いや、上記の事項が既に改訂済みの場合は、ご容赦ください。
    よろしくお願い申し上げます。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 08 Oct 2006 23:41:54 +0900
    A: Y君、佐藤勝昭です。
     有り難うございます。おっしゃるとおりp67も修正の対象です。
    きちんと、読んでいただき有り難うございます。
    まだまだいっぱい出るかもしれません。宜しくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------
  • 853. 拡散反射の偏光性


    Date: Tue, 10 Oct 2006 11:33:29 +0900
    Q: 東京農工大学 佐藤勝昭様
    はじめまして。
    株式会社D***、研究開発グループ所属のY*と申します。
    公開の際は匿名でお願いいたします。
    分からない点を調べている際に先生のHPを拝見し、 質問させていただきたく思い、メールさせていただきました。

    物体に光を当てた際の反射には鏡面反射と拡散反射があり、 鏡面反射ではP偏光がS偏光に比べて小さいというのは知っているのですが、 拡散反射ではどのような偏光状態になっていると考えればよいでしょうか?
    偏光面や偏光度はランダムと考えてよいのでしょうか?

    お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Oct 2006 12:37:52 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     拡散反射の場合偏光は解消すると考えられています。しかし、普通は 鏡面反射成分が重畳しているので、多少の偏光依存性は見られるはずです。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Oct 2006 16:03:45 +0900
    Q2: 佐藤様
    早速のお返事ありがとうございました。
    重ねて質問させてください。
    拡散反射の場合は偏光が解消されるとの事ですが、 拡散反射の際は、それぞれの光が偏光度ゼロの無偏光になるということでしょうか?
    いろんな偏光度、偏光面の光が混在していて平均すると無偏光ということでしょうか?
    申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 10 Oct 2006 18:30:36 +0900
    A2: Y様、佐藤勝昭です。
     先ほどは、会議に出かける直前にメールしたので、不十分な解答で失 礼しました。
     無偏光というのは、偏光面が時間的・空間的にランダムな方向を向い ている状態を指します。
     球形粒子による拡散散乱の場合、後方散乱では偏光は解消しません。 レーザー光の偏光と同一の偏光で後方散乱された光の強度をPp、これに 垂直の偏光で散乱された光の強度をPsとするとき、δ = Ps / Pp を偏 光解消度とよびます。球形の散乱物質からの一回の後方散乱では偏光の 回転は生じないため、δ = 0 となります。すなわち偏光は保存されま す。ダストなど非球形粒子の散乱や、球形であっても多重散乱が問題と なる場合には偏光解消度が生じます。従って、拡散反射でも完全に偏光 解消するとは限らないのです。液晶パネルの拡散反射板では、偏光を保 ちながら拡散反射性をもつことが要求されるので、どこかで妥協してい るようです。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 11 Oct 2006 11:21:43 +0900
    Q3: 佐藤様
    詳しい解説をありがとうございました。
    拡散反射では、偏光面が時間的、空間的にランダムになるとの事ですが、 この性質は、物質や状態によらないものでしょうか?
    ある物体に光を当てたときの拡散光と、 その物体の上に水がある(数センチ程度の深さ)ときの拡散光では 偏光面の空間的分布が変わることはありますでしょうか?
    水面下の物体からの拡散光が水から出るとき P成分が多く透過するので、P成分が強い方に偏るように思えるのですが、 そうはならないでしょうか?
    重ね重ね申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 11 Oct 2006 22:44:14 +0900
    A3: Y様、佐藤勝昭です。
     球状粒子が水と接しておれば、状況が変わって来るでしょう。なぜなら境界条 件が空気の場合と変わってくるからです。偏光がどうなるかは、理論的な扱いを しないとなんとも言えないでしょう。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 12 Oct 2006 10:28:58 +0900
    AA: 佐藤様
    解説いただき、ありがとうございました。
    偏光について理論的に検討したいと思います。
    お忙しい中、本当にありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------
  • 854. シリコンゴムの耐腐蝕性


    Date: Wed, 11 Oct 2006 23:55:53 +0900
    氏名:S***(匿名希望)
    所属:K社(匿名希望)
    突然で恐縮ですが、HPを見て是非質問したいことがあり、メールさせていただきました。
    私は研究者ではありませんが、以前からシリコンゴムの食品に対する安全性について 知りたいと思っておりました。食品保存容器のフタ等に使用されているシリコンゴム の酸・塩分・アルコール等に対する腐蝕性について、日常生活レベルでの知識をご提 供いただければ幸いです。お忙しいところ申し訳ございませんがよろしくお願い申し 上げます。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 12 Oct 2006 00:52:27 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     私は、食品安全性についての専門家ではありませんので、断定的なことは言え ませんが、シリコーンゴム(ポリシロキサン)は、化学薬品に対する耐性が高い ので安全性が高く、歯科用印象材として使われる他、食品工業などで、流動性の 食品輸送用チューブの材料としても使われています。食品保存容器のフタ等に使 用されているのもシリコンゴムの化学的安定性によるものです。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 13 Oct 2006 01:24:20 +0900 AA: 早々にお返事をいただき、誠にありがとうございます。 大変参考になりました。 益々のご活躍を念じております。 ------------------------------------------------------------------------------
  • 855. 熱伝導と誘電率


    Date: Wed, 11 Oct 2006 12:53:25 +0900
    Q: はじめまして、いつも拝見させていただいております。
    H****大学工学研究科修士2年のTです。
    熱伝導性の物質について勉強しているのですが、一般に絶縁性が高く誘電率が 低い物質は熱伝導率が低いと記されていたのですが、これは何が影響している のでしょうか。熱伝導率と誘電率の関係を教えていただきたければ嬉しいで す。あと抵抗りつも影響するのでしょうか?よろしくお願いします。
    名前は匿名でお願いします。
    ------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 11 Oct 2006 14:48:02 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
    「一般に絶縁性が高く誘電率が低い物質は熱伝導率が低い」とはどのよ うな書物に記されていたのでしょうか?
     物質中の熱伝導はフォノンによるものと電子移動によるものとがあり ます。
     金属の熱伝導は電子によるもので、電子熱伝導率Keと導電率σの間に は有名なWiedemann-Franz則が成り立ちます。すなわち、
     Ke/σ=LT
    ここにLはLorenz数と呼ばれる定数で
     L=(πkB/3e)^2=2.45×10^-8 WΩ/K^2
    で与えられます。アルミの熱伝導率は2.37W/cm・Kです。
     一方、絶縁物の熱伝導は、フォノン(格子振動の波)によって起きま す。ダイヤモンドは絶縁物ですが、1.29W/cm・Kという高い値をもちま す。フォノン熱伝導Kpは、単位体積あたりのフォノン熱容量C、フォノ ンの平均速度v、ウムクラップ過程によるフォノンの平均自由距離lに比 例します。このため、デバイ温度の高いダイヤモンドは、フォノンの速 度も大きく、熱伝導が大きいと考えられます。ダイヤモンドの比誘電率 は5.68です。誘電体にも高い熱伝導を示すものがあります。サファイヤ の熱伝導率は室温で0.42W/cm・Kです。サファイヤの比誘電率は9.4です から比較的高いといえますが、誘電率と熱伝導率を結びつける物理的根 拠はないように思います。
     結論ですが、「一般に絶縁性が高く誘電率が低い物質は熱伝導率が低 い」ということの物理的な根拠はありません。一方、金属においては、 「導電率の大きい(すなわち抵抗率の小さい)ものほど、高い熱伝導率 を示す」という法則があります。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 12 Oct 2006 09:37:44 +0900
    AA: 東京農工大学 佐藤勝昭様
    早速のお返事ありがとうございます。
    H***大学工学研究科修士2年のT***です。
    「一般に絶縁性が高く誘電率が低い物質は熱伝導率が低い」と記されていた という件ですが、これは某企業のテクニカルレポートに書かれていたものです。
    非常にためになりました、勉強していく上で参考にさせていただきます。
    ありがとうございました。
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  • 856. シャボン玉の物理 Date: Tue, 10 Oct 2006 23:35:04 +0900 (JST)
    Q: 松井由輔  高校3年理系
    はじめまして。今シャボン玉について調べているのですが、シャボン玉の物理的現象で 電気電子分野で活かされているものは何かありますか?また物理的現象は光の干渉、 屈折のほかに何かありますか?よろしくおねがいします
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    Date: Fri, 13 Oct 2006 12:53:04 +0900
    A: 松井君、佐藤勝昭です。
     シャボン玉に見られるような薄膜における光の干渉の現象は、積極的 に干渉フィルターとして光学の装置に使われます。テレビカメラにおい て光をRGBの3原色に分解するためのダイクロイックミラーは多層薄 膜の多重反射と干渉を用いています。太陽電池の反射防止コーティング も同様です。
     シャボン玉は石けん(脂肪酸塩)の薄膜ですが、有機物の薄膜という 意味では、ポリイミドの薄膜が半導体デバイスの絶縁体として使われて いますし、ポリビニルアルコールは液晶の配向剤として用いられていま す。
     米村伝治郎先生は、小中学生向けに電荷を帯びたシャボン玉で面白い 実験を見せておられます。http://www.denjiro.co.jp/01/a_02.html  シャボン玉の物理現象としては、「非線形物理学」があります。東京 農工大学工学部物理システム工学科の佐野理教授が面白い実験を紹介し ておられます。
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  • 身近な実験を通してみる非線形物理学 --- シャボン玉の世界
    ちょっとむずかしいですが、「シャボン玉は、実験室で風のゆらぎを 押さえ,また石けん液にグリセリンを加えたりすると,膜は1時間以上 破れないで観察できます.石けん膜の厚さは大変薄く,ほぼ一様で,ま たその両側が空気に触れているだけなので,実は理想的な2次元流(膜 の厚さ方向が一様になっている)の観測装置として使えます.」という ことで、流れの可視化などに用いられるそうです。
  • --------------------------------------------------------------
    もっと詳しく知りたいときは佐野先生に直接質問してください。
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  • 857. 細線に大きな電流を流すと切れるわけ


    Date: Fri, 13 Oct 2006 14:17:18 +0900 Q:佐藤先生 こんにちは。 私は中央大学3年の西岡と申します。 理系の大学生といっても勉強あまりしていないので、 平易な回答でお願いできたらと思います。 銅の細い線に電流を流すと切れます。 (銅の太い線でも大電流を流すと切れると思います。) これはなぜでしょうか? 電流密度は、どういうふうな計算式になるのでしょうか。 金属によって電流密度は変わると考えてよいでしょうか。 お忙しいところ申し訳ありませんが、 ご教授願えたら幸いです。 よろしくお願いします。 ----------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 13 Oct 2006 18:22:38 +0900
    A: 西岡君、佐藤勝昭です。
     銅線が細いと何が変わるでしょうか。それは、電気抵抗です。 長さd[cm],半径r[cm],抵抗率ρ[Ωcm]の抵抗R[Ω]は
     R=ρd/πr^2
    これに電流Iを流すと、P=I^2 R
    電流がt[s]流れたときの発熱はQ=Pt/4.19 [cal]
    比熱c、質量Mとすると、
    熱が他に逃げなければΔT=Q/cMだけ上昇します。
    密度をDとすると銅線の質量Mは、M=Dπdr^2
    従ってΔT=I^2(ρd/πr^2)t/4.19cDπdr^2=I^2 tρ/4.19cDπ^2r^4 となります。すなわち温度上昇はr^4に反比例しますから、同じ電流を 流したときの温度上昇は、直径が1/10になれば10^4倍にもなってしまう のです。
     具体的に、半径0.1[cm]の銅線と0.01[cm]の銅線に10[A]の電流をt[s] 流したときの温度上昇を比べてみましょう。純銅の抵抗率はρ=1.55× 10^-6[Ωcm]、比熱はc=0.092[cal/gK]、密度はD=8.93[g/cm^3]なので ΔT=100t×1.55×10^-6/(4.19×0.092×8.93×3.14^2×r^4] =(100t/r^4)×4.6×10^-8
    t=10[s]とします。
    r=0.1のときは、ΔT=(1000/10^-4)×4.6×10^-8=0.46[deg]
    となり、ちょっと温度が上がる程度ですが、
    r=0.01のときは、ΔT=(1000/10^-8)×4.6×10^-8=4600[deg]
    となり、融点を超えるので融けるか蒸発するかして切れてしまいます。
    -----------------------------------------------------------------------
      Date: Wed, 18 Oct 2006 22:40:17 +0900
    Q: TO:佐藤先生
    こんにちは。中央大学の理工学部3年 西岡です。

    回答くださりありがとうございます。
    お礼が遅くなり申し訳ありませんでした。
    自分なりに教えてくださった内容について考えていますが、 わからないことがあるので、再び質問させていただきました。

    金属は自己放熱?(放熱性が高いという意味です。)します。
    コーヒーが熱いときに金属のスプーンを入れるとすぐ冷めて飲めますよね。

    とりわけ銅はとても放熱性が高いと聞きました。
    教えてくださった内容は、
    熱が他に逃げないということが前提です。
    そこで熱が逃げることを想定した場合について、 自分で考えたんですが、やっぱりわかりません。
    銅の熱伝導は398W/m℃となることは調べてわかったのですが、 教えていただいた式には、長さに関係なく適用できるので、 398W/m℃の値をどうやって活用すればよいかわかりません。
    ぼくが今知りたいことは、 銅の放熱性も考慮した場合に、 ある太さの銅線に、 何アンペア流せることができるかが知りたいです。
    大きな電流を流す場合は、放熱も大きくなると思いますので、 ある温度で飽和するような気がしますが、いかがでしょうか。

    お忙しいところ度重なる質問で申し訳ありません。
    よろしければご教授願えたら幸いです。
    よろしくお願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 19 Oct 2006 09:54:58 +0900
    A: 西岡君、佐藤勝昭です。
     前回の答えは、あくまで熱が逃げないとしての試算でした。
    熱伝導、熱輻射などを考えるとかなり複雑になります。
     ただし、あなたのいう「コーヒーが熱いときに金属のスプーンを入れ るとすぐ冷める。」は、単に「金属のスプーンの室温での熱量」と「熱 いコーヒーの熱量」との平均化が行われたという話です。
     熱の出入りを正確に考えるには、熱伝導と熱輻射(熱放射)を考えな ければなりません。
     熱伝導については、金属が何らかの熱浴に接していて熱伝導によって 逃げて行く様子を記述する必要があります。これについては、フーリエ の熱伝導方程式があります。断面積Aの金属の線にそって熱の流れQが あるときに、線に中に長さΔxの小片を考えると、Δt時間に小片の熱量 の変化量をΔQ、温度差をΔTとすると、
     ΔQ/Δt=κAΔT/Δx
    と表されます。ここにκは熱伝導率です。これを境界条件のもとに解け ば温度分布がわかります。(フーリエは、この線の両端が熱浴に接して いる場合の温度分布などを計算するためにフーリエ級数展開などを導入 しました。)詳細は、熱学の教科書を読んで勉強してください。
     熱輻射については、環境との温度差と放射率とがわかれば、計算でき ます。
     これらのすべてを取り込むには、発熱と放熱と伝導とをすべて入れた レート方程式を解き、定常状態における温度を求めることになります。  ご自分でやってみてください。
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  • 858. ランダム偏光から円偏光


    Date: Fri, 13 Oct 2006 19:05:12 +0900
    Q:佐藤先生
    いつもお世話になっております。私は、株式会社S**のS***と申します。
    WEB上では匿名で御願いします。(S社Sで御願いします)
    別件ですが、これまで2回ほど質問させていただいた経験があります。

    現在、1um帯の高出力レーザ(連続出力1〜2kW、ビーム径15mm)を利用した主に切断加工のテストを実施しております。
    ご存知のように、ファイバー伝送の固体レーザでは、加工点ではランダム偏光で出力されることが多い状況にあります。
    しかしながら、レーザ切断の場合、CO2レーザ切断の経験から円偏光での加工が安定に寄与します。
    そこで、私のねらいは、『ランダム偏光から円偏光を形成することが可能かどうか?また、技術的な課題を知ること』です。

    まず、具体的な話で、
    添付ファイルをご覧ください。
    1)直線偏光重ね合せ(ページ1)
      ランダム偏光を偏光ビームスプリッターでP成分及びS成分に分割し、それぞれをまた重ね合せる方法です。
      その際、方位角45度方向の直線偏光にするためには、それぞれの位相が揃っている必要があると
      認識しています。
      質問)基本的な考え方として良いでしょうか?また、位相を揃える手法は存在しますでしょうか?
    2)円偏光重ね合せ(ページ2)
      質問)基本的な考え方として成り立つでしょうか?また、円偏光のビームスプリッターなどは存在しますか?

    お忙しいところ恐縮致します。私の稚拙な質問にお答えいただければ幸いです。
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    Date: Sat, 14 Oct 2006 00:23:01 +0900 A: S様、佐藤勝昭です。 1)単に直線偏光を取り出すだけならば、直線偏光子を入れるだけでよいと思う のですが、入射光の偏光が揺らいでいるので偏光子の出力が揺らぐのを防ぐため に考えられたのですか。もしそういうケースであれば、あなたの光学系は基本的 な考え方として正しいと思います。位相を整えるのには補償板を入れる必要があ りますが、偏光スプリッターを出た後でなく、どちらか一方の光のパスに入れる べきでしょう。 2)ページ2のままだと円偏光を重畳すると直線偏光になってしまいます。 -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 14 Oct 2006 11:57:26 +0900
    AA: 佐藤先生
    早急なるご回答ありがとうございました。
    直線偏光重ね合せの部分ですが、単に直線偏光を取り出すために『直線偏光子』を使用しなかった のは、ランダム偏光から直線偏光を取り出すのに『直線偏光子』ではパワーロスを大きく伴うのでは ないかと思いました。(我々は1kW以上のパワーを使います)
    また、補償板などの示唆どうもありがとうございます。
    ------------------------------------------------------------------------------
  • 859. シリコンの純度


    Q:シリコンの純度を上げる方法を教えてください。
    シリコンの純度を計測する方法も教えてください。
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    Date: Thu, 19 Oct 2006 20:09:13 +0900
    A:S社O様、佐藤勝昭です。
     どのような状況でのご質問でしょうか?
    一般に市販されている半導体グレードのシリコンは十分に高い純度(ten nineと かeleven nineといわれる)をもっていて、その上で、n型やp型のドーパントを 添加しています。シリコン単結晶を引き上げる際の原料シリコンは、帯域精製法 などによって高純度化されています。無添加の半導体グレードのシリコン単結晶 以上の純度を上げるのは、通常の技術では不可能ではないでしょうか。
     シリコンの純度は電気的な手段で測定されています。
    -----------------------------------------------------------------------------
  • 860. 微粒子の消磁効果


    Date: Sat, 21 Oct 2006 02:53:29 +0900
    Q:佐藤勝昭様
    はじめまして、T***大学大学院修士1年のW*(匿名でお願いします)と申 します。
    佐藤先生のHPを初めて拝見したのですが、非常に役立つ内容が多く、これから ずっと活用させて頂こうと思っています。
    私は現在、磁性に関連した研究をしているのですが、大学時代は他分野の学科 だったので勉強してもわからないことが沢山あります。
    そこで、以下の内容を御質問させて頂きたいので、宜しくお願いします。

    (質問1)消磁効果の増減は、磁性粒子のサイズに依存しているのでしょうか?
    「磁性粒子を含んだ材料で微粒子を入れた場合と粗粒子を入れた場合では、微粒 子を入れた場合の方が粒子表面積の合計が大きいために消磁効果が増加する」と 論文で読んだのですが、これがどういうことかわかりません。

    (質問2)磁歪について、磁歪材料に予荷重を加えるとなぜ歪は大きくなるので しょうか?

    (質問3)質問2に関連するのですが、磁化ジャンプ(magnetization jumping)とは一体どのような現象なのでしょうか?
    私は磁化容易軸に関係していると思うのですが、よく理解できません。

    お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 21 Oct 2006 10:17:13 +0900
    A: W君、佐藤勝昭です。
     ご質問ですが、私もよく分からない部分があるのです。
    (1)「消磁効果」ということばは、磁性学の分野では使われません。(金属系 では普通に使われるのでしょうか?)英語のdemagnetization(反磁界)の訳で はないかと推察します。一様な磁化Mをもつ物質において、その両端には磁極が 生じます。磁化ベクトルの矢印の頭がN極、お尻がS極です。すると、N極から S極に向かって逆向きの磁力線が通ります。これを反磁界demagnetizationと言 います。
    反磁界Hdの大きさは磁化Mに比例します。HdとMの関係は
     Hd=NM
    と表され、反磁界係数Nは磁性体の形状と磁化の向きに依存します。
    例えば、無限に広い薄い円盤状の磁性体の面に垂直方向の反磁界係数はN=1です が、面内方向の反磁界係数は0です。このため、円盤の面に垂直に磁化しようと すると反磁界のために静磁エネルギーを損するので、磁化は面内に向く傾向があ ります。一方、球であれば、磁化がどの方向を向いていてもN=1/3です。
    反磁界の大きさは、このように形状のみに依存し、サイズに依存しません。あな たの言われる「粒子表面積の合計が大きいために消磁効果が増加する」というの は、本当かな?と思います。
     磁性体が有限のサイズを持っているとき、ご存じのように、初磁化状態では全 体の磁化は打ち消しています。これは、反磁界を抑えるためにいくつかの磁区 domainに分かれて、全体としての磁化を打ち消しているのです。(磁化方向が同 じ領域のことを磁区といいます)磁区と磁区のあいだには磁壁domain wallと いって、磁化の向きが徐々に変化する領域があります。この壁の厚みは10-20nm と云われていますから、微粒子のサイズが磁壁のサイズと同程度になると、磁区 に分かれることができなくなって、単磁区(single domain)状態になります。球 状の単磁区超微粒子では、磁化はどちらの向きでも向くことができるので、磁気 異方性が小さく、極めてソフト(軟磁性的)な磁性材料になります。

    (2)磁歪
    私は磁歪については専門外です。磁歪についての知識は、近角先生の「強磁性体 の物理」に書いてあることの請け売りですが、予荷重の効果は私の想像です。
    (1)で述べたように磁性体は磁区に分かれていますが、もともと各磁区の内部 では、結晶格子が磁化方向にひずんでいます。しかし、磁性体全体としては特定 の方向に伸びているわけではありません。磁界を加えると、磁区内の磁化が回転 して、それに伴って結晶の向きも回転するため、磁気飽和時には、結晶格子の方 位が揃って、磁界の方向に大きなひずみをもたらすのです。
     磁気ひずみは、磁界に対して直線的に増加するわけではありません。始めはひ ずみがゆっくりと増え、途中急になり、最後は飽和します。予め、磁界を加えて おいて、傾斜の急なところで用いるのがよいのでしょう。この磁界を予荷重とい うのではないかと思います。
    http://www.kougise.pref.ibaraki.jp/04publish/research/27/N27P091.pdf では予荷重として永久磁石で磁界を加えています。

    (3)磁化ジャンプ(magnetization jumping)
    私は、磁歪のジャンプのことは知りませんでした。近角先生の教科書には、磁界 を加えていったとき、最初は形状効果でH^2で増加するが、磁化が回転領域には いると、結晶効果が現れ、いったん減少し、再び強制磁歪効果によって磁界に比 例して増加すると書かれています。この結晶効果による現象をジャンプといって いるのではないでしょうか。
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  • 861. 酸化チタンのバンドギャップ決定法


    Date: Sat, 28 Oct 2006 17:32:49 +0900
    Q:はじめまして。突然のメール失礼致します。
    O*大学理学部4年のH**と申します。
    HPに掲載される場合は、大学、名前はイニシャルしていただけますようお願いいたし ます。
    佐藤教授の研究内容とは直接関係の無いことかもしれませんが、現在、卒業研究とは 別に、光触媒に興味を持って勉強をしているのですが、疑問が生じて、壁に付き合っ たたので質問させていただきます。
    不純物のドープや、金属イオン注入による、可視光応答型酸化チタンにおいて、多く は、UV-Vis吸収スペクトルを測定していて、その吸収端からバンドギャップを出して いるようなのですが、不純物のドープなどによるスペクトルはショルダーのバンドが あってどのような方法で吸収端を決定しているのかということがわかりません。
    また、純粋な酸化チタン(や、その他の半導体など)でも、文献を調べたりしても、 吸収端の決定方法は何種類かあるようで、実際にはどのような方法で決定することが 最も信頼性が高いのでしょうか?
    お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 30 Oct 2006 09:09:13 +0900
    A: H君、佐藤勝昭です。
     直接遷移型半導体であれば、吸収係数αのスペクトルは
     α(hν)=A{(hν-Eg)^(1/2)}/hν
    で表されるので、
    (αhν)^2=A^2 (hν-Eg)
    と書き換えることができ、(αhν)^2をhνに対してプロットすれば、直線となり、 x切片はEgを与えます。
     一方、間接遷移型であれば、(αhν)^(1/2)をhνに対してプロットしてx切片か らEgを求めます。
    どちらかわからないとき、この両方をやってみてよく直線になる遷移型だと考え ます。
     不純物が入っていても、その吸収が弱い場合は、十分大きな吸収係数のところ まで吸収スペクトルがあれば、 上の手続きで、OKです。
     不純物濃度が高く、不純物帯を作る場合、伝導帯(または価電子帯)とくっつ いてしまい正確なEgが得られないようです。
      電子状態がバンド間遷移でなく、吸収端に関与する遷移が局所的におきる 電荷移動型遷移であれば、ローレンツ型の吸収曲線となりますが、この場合は上の手続きでは決められません。
     また、薄膜の場合干渉縞が重畳しますので、それを取り除くための手続きが必要です。
    =========================================
    というようなわけで、Egを光学的に決めるのは、単純ではありません。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 30 Oct 2006 22:36:41 +0900
    AA:ご返信ありがとうございました。
    早速参考にさせていただきたいと思います。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 862. 光学的異方性フィルムの屈折率測定


    Date: Mon, 30 Oct 2006 23:57:11 +0900
    Q:東京農工大学 佐藤勝昭様
    はじめまして。
    N**大学の電気電子情報工学課程4年に在籍しておりますO** (匿名希望です)と申します。
    いつも佐藤先生のHPを拝見させていただいてます。特にHP内の講義資料が私の研究活 動にとても役に立ってます。

    さて、今回は、佐藤先生に質問がありメール送らせていただきました。講義資料の 「光と磁気第5章」にも載っているエリプソメトリー法に関する質問です。
    (専門外の事なので知識が不足しております。ぜひともご返答のほどよろしく願います)

    現在、研究の関係上、光学的異方性のあるフィルムの屈折率測定が必要です。
    エリプソメトリー法で屈折率を測定しようと思っているのですが、 出来る事なら分光エリプソメトリーではなく、単一波長のエリプソメトリーで測定し たいと思っております。
    そこで質問なのですが、下記に示す条件で光学的異方性のあるフィルムの屈折率測定 は可能でしょうか?

    条件
    ・単一波長(He-Ne lasar)
    ・反射型エリプソメトリー (Si基板上にフィルムを作製)
    ・透明膜なので吸収係数k=0
    ・消光型エリプソメトリーで構成 (レ-ザ-→偏光子→試料→λ/4波長板→検光子→受光器)

    異方性のバルク(方解石)の屈折率測定の文献 は見つけました。
    W. Xu, L.T. Wood, T.D. Golding2:An ellipsometric method for the determination of the dielectric tensor of an optically uniaxial material suited for in-situ measurements; Thin Solid Films 384(2001)276-281
    異方性のバルクの場合、偏光子の方位角αiを変化させて3組以上のΨ(αi)と(αi) を測定すればフィッティングにより測定が可能です。
    薄膜の場合も同様に測定する事ができると思うのですが、膜内の多光束干渉を考慮す ると振幅反射率rpp rps rsp rss をどのような式にしたら良いのか分かりません。

    ご存知でしたら返答のほど、よろしくお願いします。
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    Date: Tue, 31 Oct 2006 00:52:38 +0900
    A: O君、佐藤勝昭です。
     通常の分光エリプソには、干渉のある場合に屈折率を求めるソフトが付属して いますが、あなたは、単一波長のエリプソで、原理のところからきちんとやりた いのですね。
    一方向に引っ張った高分子膜のエリプソについては、
    J. F. Elman et al.: Characterization of biaxially-stretched plastic films by generalized ellipsometry; Thin Solid Films, vol.313-314, 13 February 1998, Pages 814-818
    が参考になるかもしれません。
    -----------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 31 Oct 2006 15:33:48 +0900
    Q2: 佐藤勝昭先生
    返信ありがとうございます。
    エリプソメータを組み立ててプログラムする所から初めてるので、付属ソフトを持っていないのが難点です。
    さっそく教えていただいた文献を拝見したかったのですが、 本校の付属図書館が、1997年からThin Solid Filmsを契約しておらず見れませんでした。
    あとで文献依頼して見てみようと思います。
    abstractを見た限りでは、異方性の高分子フィルムの屈折率をgeneralized ellipsometryという方法で測定する事が分かりました。
    光源が単一波長なのか分光なのかまでは分かりませんでしたが自分の探している論文 に近いものがあると思います。
    助かりました。ありがとうございました。
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    Date: Wed, 1 Nov 2006 11:31:20 +0900
    A2:O君、佐藤勝昭です。
     論文コピー送付します。
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  • 863. 塩化ビニールのヤング率とポワソン比


    Date: Tue, 31 Oct 2006 09:00:25 +0900
    Q: 佐藤研究所ご担当様
    初めまして、S社の本田と申します。
    弊社はプラスチック押出し成形の会社です。
    透明硬質塩化ビニール及び充填材(炭酸カルシウム20%-30%入り、比重1.55) のヤング率とポアソン比のデータを教えて頂きたく宜しくお願いします。
    今回土木建築用の塩化ビニール成形品を開発するに当たって強度計算 をするにあたりヤング率とポアソン比が必要なためです。
    尚、塩化ビニール重合度は1000-1500くらいです。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 31 Oct 2006 09:42:08 +0900
    A: 本田様、佐藤勝昭です。
     
    なんでもQ&A#794. 塩ビの弾性定数に書きましたが、PVC(polyvinyl chloride)のYoung's modulusは2900-3400 MPaです。
    充填材は中身がわからないので一般的なデータはありません。Poisson ratioは通常の値でよいのではないでしょうか。
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    Date: Tue, 31 Oct 2006 10:00:51 +0900
    Q2: 佐藤様
    早速のご返事有難うございました。
    非常に助かります。ところで、通常のポアソン比とはどのくらいなのでしょうか?
    何度もご面倒ですが、お教えいただきたくよろしくお願いします。
    -------------------------------------------------------------------------------
    Date: Wed, 1 Nov 2006 10:35:33 +0900
    A2: 本田様、佐藤勝昭です。
     PVCの Poisson's ratioですが、通常の値というのは0.3-0.4です。
    ハーベル社のHPでは0.41となっています。
    ----------------------------------------------------------------------------------------
  • 864. 白色で近赤外吸収のある酸化物


    Date: Thu, 2 Nov 2006 09:09:11 +0900 (JST)
    Q: 近赤外領域(800nm〜1000nm)の吸収(70%以上)がある、白色もしくは無色の 酸化物はあるのでしょうか?
    岐阜大学 大学院 工学研究科 杉浦 和彦
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    Date: Fri, 03 Nov 2006 00:42:56 +0900
    A: 杉浦様、佐藤勝昭@大阪出張中です。
     白色の物質のバンドギャップEgは可視光の短波長限界である380nmに相当する 3.26eVより大きくなければなりません。
    一方、800-1000nmに吸収帯を作るためには、価電子帯の上1.24-1.5eVまたは、伝 導帯の下1.24-1.5eVに準位が無ければなりません。
    バンドギャップのど真ん中ですからこれは、vacancy, dangling bondのような deep levelが存在する場合です。
    あるいは、遷移金属不純物のd−d遷移やp-dの電荷移動遷移がこの辺りのエネ ルギーに存在する場合です。わたしは、今、ちょっと思いつかないのですが、さ まざまな酸化物で、遷移金属をドープしたり、格子欠陥を作ったりして、バンド ギャップの真ん中あたりに準位が来るようなものを片っ端から探すしかないですね。
    -------------------------------------------------------------------------------------
  • 865. 弾性係数測定の誤差


    Date: Wed, 8 Nov 2006 17:57:05 +0900 (JST)
    Q: はじめまして。
    F*大学3年 K*Y*と申します。web掲載の際は匿名でお願いします。HPを見て質問させていただきます。
     先日、軟鋼の引っ張り試験を行ったのですが、その結果、縦弾性係数が実際の206GPaとはかけ離れた16GPaという値が出ました。何が原因でこのような誤差が生じたのか全く解りません。何か決定的な原因があれば教えてください。
     また、校正ひずみとは何か?なぜそれが必要なのか?ということについても教えていただければと思います。
     よろしくお願いいたします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 9 Nov 2006 12:56:12 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     学生実験の質問は、本来、指導教員に尋ねるべきものです。しかし、 貴学の指導教員の指導が十分でなかったためのご質問であると受け止め てご回答します。
     私は、この方面の専門家ではありませんので、機械システム工学専攻の 専門家(桑原研究室大学院生)に教えていただいた回答を転送します。
    ==============================================================
    まず文面より,「校正ひずみ」とは,試験機の計測系の校正に用いる 「CALひずみ」のことだと思います.この校正が試験前に適切に行われ ていないと試験機は異常値を出力しますので,16GPaの原因もこの校正 ミスにあると考えられます.

    では「CALひずみ」が何かということですが、
     例えば100kNのロードセルを例に挙げると,ロードセルの内部には, ひずみゲージが貼付されており,負荷を加えたときのゲージの変形量 (ひずみ)が荷重に換算されています.
     つまり,以下のような関係になるわけです.

     例) ロードセル内のひずみ(2000με) → 荷重(100kN)
    そして上記のようなひずみと荷重の関係が成立していることを,試験 前に確認しなければなりません.
    しかし,実際に100kNを負荷することは現実的ではありませんので,擬 似的に2000μεを計測系に印加します.この擬似ひずみが「CALひずみ」 となります.
    そして,「CALひずみ」を印加した状態で荷重値が100kNを指すように 計測系を調整するわけです.よって,この調整が不十分だと正確な計測 結果は得られません.

    簡単ですが以上です.
    具体的な校正の手順等は,試験機や計測系によって異なりますのでお 答えできませんが,市販の試験機であれば試験機メーカーに,自作であ れば製作者に問い合わせることをお勧めいたします.
    ============================================================
    ということですので、参考にしてください。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 9 Nov 2006 19:11:07 +0900 (JST)
    AA: 校正ひずみについての件ですが、ご回答いただき誠にありがとうございました。
    大変参考になり、理解することができました。
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 866. 熱交換器伝熱面積


    Date: Tue, 14 Nov 2006 17:10:52 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生
    はじめまして。N***のT**と申します。
    HPを拝見し、ご教示頂きたくメールさせて頂きました。
    (本件公開時は社名及び当方名前については匿名でお願い致します)

    質問なのですが、熱交換器の性能評価の際に伝熱面積を算出しますが、その際 フィン付チューブの場合、伝熱面積にフィン面積は含まれるのでしょうか? (チューブ内に冷却水がとおり、チューブ外は加熱空気です)
    某学校教授の意見ではフィン面積は計算せず、チューブ平均有効径(外径−内径) /2でのチューブ表面積で計算するというものでした。
    (当方はフィンを含めた空気に触れる表面積で計算しました。

    当方伝熱工学は専門外の為、大変申し訳ございませんが、ご回答方宜しくお願い致 します。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Nov 2006 01:03:11 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     申し訳ありませんが、全くの専門外です。
    finned tube heat exchanger COPとしてGoogle検索して、添付の論文が見つかり ました。
    FINNED TUBE HEAT EXCHANGER OPTIMIZATION
    Stewart, S.W., Shelton, S.V., and Aspelund, K.A.
    2nd International Conference on Heat Transfer, Fluid Mechanics and Thermodynamics 23-26 June 2003, Victoria Falls, Zambia Paper number: SS2
    DESIGN ANALYSIS OF A FINNED-TUBE CONDENSER FOR A RESIDENTIAL AIR-CONDITIONER USING R-22
    Thesis, Georgia Institute of Technology, April 2000
    Emma May Sadler
    が参考になるのではないでしょうか。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Tue, 21 Nov 2006 09:08:33 +0900
    AA: 佐藤勝昭先生
    N社のTです。
    お礼のご連絡が遅れ誠に申し訳ございませんでした。

    ご専門外の質問にも拘わらず、ご連絡有難うございました。
    添付して頂きました論文を解読、勉強させて頂きます。

    有難うございました。
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  • 867. 熱サイクルによるハンダの物性変化


    Date: Tue, 14 Nov 2006 17:32:20 +0900
    Q: O*大学工学科4年 学生のN**と申します。
    匿名でお願いします。
    HPを見て質問させていただきます。

    温度サイクル負荷や振動負荷をかけた場合、はんだの物性値 で変化するものは何でしょうか?降伏応力は変化しそうなのですが 他に何かあれば教えていただきたいです。

    お忙しいところ申し訳ございませんがご返答お願いいたします。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Nov 2006 01:17:20 +0900
    A: N君、佐藤勝昭です。
     私は、金属工学の専門家ではありません。温度サイクル負荷や振動負荷をかけ た場合、電気抵抗に大きな影響があると存じます。
     なお、繰り返し負荷によるハンダの降伏応力変化については論文があります。
    Chen K.C., Telang A., Lee J.G., Subramanian K.N.: Journal of Electronic Materials, Volume 31, Number 11, 1 November 2002, pp. 1181-1189(9)に "Damage Accumulation under Repeated Reverse Stressing of Sn-Ag Solder Joints "
    という論文が出ています。図書館で調べて読んでみてください。
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    Date: Mon, 20 Nov 2006 16:49:04 +0900
    AA: 東京農工大学理事・副学長
    佐藤勝昭様
    大阪大学Nです。
    いつもお世話になっております。
    ご返答ありがとうございます。さっそく読んでみます。
    お忙しい中、ありがとうございました。
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 868. 磁性材料の相転移


    Date: Wed, 15 Nov 2006 12:10:54 +0900
    Q: 佐藤先生

     O*大学のT*といいます。
     磁性材料の1次相転移、2次相転移を調べる手法としてBanerjee plotという手法 があるのですが、論文を読んでもいまいち理解できません。 Positive slope を示 せば2次相転移。 Negative slopeであれば1次相転移ということですが、なぜそれ がいえるのでしょうか。
     また磁性材料における1次相転移、2次相転移の物性に関わる影響の違いについて 教えていただけたらと思います。
    お忙しいとは思いますがよろしくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 16 Nov 2006 23:55:32 +0900
    A: T君、佐藤勝昭です。
     申し訳ありませんが、私は、Banerjee plotを知りません。
     磁性体の相転移については、「小口武彦:磁性体の統計理論(裳華房)」
    が詳しいので、自分で勉強してください。
    -----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Nov 2006 02:20:26 +0900
    AA: 佐藤先生
     夜遅くに返信ありがとうございます。
     Banerjee plotですが、Mの2乗を横軸、H/Mを縦軸にとっておりその曲線の形によっ て物質の1次相転移、2次相転移の違いが分かるというものとまでは分かっているので すが、その考え方が未だによくわかりませんでした・・・。(軸のパラメーターはア ロットプロットのx軸とY軸を入れ替えたもの)。引き続き勉強しようと思います。
     磁性の相転移については紹介していただいた本を参考にしようと思います。
     ありがとうございました。
     またよろしくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------------
  • 869. 温度勾配のある導体の電位差


    Date: Wed, 15 Nov 2006 17:14:27 +0900
    Q: はじめまして。
    M**大2年のK*といいます。匿名でお願いします。

    導体内は等電位ということを教わりましたが、棒の両端に温度差が 生じている導体では、なぜ電位勾配が生じるのでしょうか?

    どうぞよろしくお願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 16 Nov 2006 23:16:31 +0900
    A: K君、佐藤勝昭です。
     温度差があると電荷が拡散によって熱いところから低いところに移動します。
    このため、両端に電位差が生じるのです。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 870. 近赤外線の路面反射


    Date: Thu, 16 Nov 2006 15:34:05 +0900 Q: 佐藤勝昭先生へ 初めまして. N*大学機械工学専攻大学院2年のS***と申します. (匿名でお願いします.) インターネットで調べていたときに偶然見つけてメールさせていただきました. 私は近赤外線(850nm)のレーザレーダで路面に照射をしてその反射強度から路面状況の 認識を行う実験をしています. しかし,赤外線や光学の知識が乏しくわからないことが多々あります. そこで基本的なことで申し訳ありませんが質問があります. 1.近赤外線を照射する際に空気中の散乱や吸収等はどのように考えればよろしいでしょうか?  レーリー散乱などを参考書でいろいろ勉強したのですがいまいちわかりません. 2.路面(アスファルト路面)での散乱や反射などはその物質固有のものなのでしょうか?  また物性値などはどのような文献,参考書を見ればよろしいでしょうか? 3.赤外線は太陽光と同様な反射,屈折をするのでしょうか? また実験時に晴れている時と夜間の時とでは赤外線のレーザ光に何か変化が生じるのでしょうか? 4.路面状況で濡れている路面,雪路,氷路の実験も行っていますが赤外線の水分で 赤外線が吸収されることが考えられますが,具体的にどのような現象が起きるでしょうか? 5.専門が機械工学で電気関係,光学関係の資料が乏しいので何か参考になる文献,参考書があれば教えてください. 長々と質問をさせていただきました.お時間があるときでよろしいのでお答えいただけると幸いです. ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 16 Nov 2006 23:05:12 +0900
    A: S君、佐藤勝昭です。
    1.850nmくらいの波長では、空気の散乱や吸収は無視して良いでしょう。
    2.路面のアスファルトからの反射は拡散反射といいます。鏡面反射との違い は、http://www.glenbrook.k12.il.us/gbssci/phys/class/refln/u13l1d.html に詳しく出ていますから、勉強してください。天文学では、天体や地面などから の反射率をアルベド(albedo)といいます。様々な物質のアルベドの一覧は、リ モートセンシングのホームページに出ています。
    http://www.fes.uwaterloo.ca/crs/geog165/scopers.htm
    これによると
    Asphalt 5 - 10 %
    となっています。
    3.800nm-1500nm付近の近赤外線に対する路面の反射率は、可視光線に対するも のとそれほど違わないと思います。一方、3-30μm付近の中赤外線に対する反射率 は、その物質の格子振動を反映するので、物質によってかなり違うと思います。 4.濡れている路面は可視光線に対しても大きな変化を示します。濡れた土は黒 くなりますよね。近赤外線では1.3μmを除いて比較的水分の影響を受けません。
    http://www.fes.uwaterloo.ca/crs/geog165/scopers.htm
    にも出ています。
    5.私は、物理屋なので、機械の人のための教科書は分かりません。
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Nov 2006 19:09:58 +0900
    Q2: 佐藤勝昭様
    Sです.
    お忙しい中ありがとうございました.
    大変参考になりました.
    追加で質問です.

    1.近赤外線を照射する際に空気中の散乱や吸収等はどのように考えればよろしい でしょうか?
    「850nmくらいの波長では、空気の散乱や吸収は無視して良いでしょう」
    との事ですが,例えば路面への計測距離が長くなってもそれは言えるのでしょうか?
    実験結果で計測距離に対して反射強度の値が反比例する結果になったのですが これは赤外線の強さが逆2乗の法則に当てはまるのでしょうか?

    何度もすいませんがよろしくお願いします.
    ----------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 16:26:03 +0900
    A2: 佐藤様、佐藤勝昭です。
     拡散反射は等方的になりますから、ある位置で測定した強度は距離に依存して 減少します。
    ---------------------------------------------------------------------------------
  • 871. pn接合の光電流


    Date: Thu, 16 Nov 2006 18:28:00 +0900
    佐藤勝昭 先生:

    突然のメールで申し訳ありません。
    東京工業大学工学部4年電気電子工学科の照井と申します。
    いつも先生のHP「物性なんでもQ&A」を楽しく拝見しております。

    論文を読んでて不思議に思ったことがあり、メールいたしました。

    添付した図では、順方向バイアスにおいて、光電流が暗電流よりプラスに多く流れ ていることが見て取れました。

    一般的な半導体の教科書では光電流は暗電流をマイナス側にシフトしたように書か れていて、光電流が暗電流よりも大きな値をとることはないように書かれていま す。
    しかし、その論文では光電流が暗電流よりもプラスに多く流れていました。光電流 が生成される原理を考えれば暗電流よりも高い電流が流れることは、ないと思われ るのですが、そんなことはないのでしょうか?

    それともこの現象はヘテロpn接合特有のものでホモpn接合では起きないものなので しょうか?

    もし、先生にお時間がありましたら、ご教授お願いします。
    ----------------------------------------------------------------------------
    Date: Thu, 16 Nov 2006 21:21:57 +0900
    照井君、佐藤勝昭です。
     光を当てると電流が増加する現象は光伝導または光導電現象といいます。一般 の半導体ではこの現象が起きます。これは、光で生成されたキャリア(電子と ホール)によって電気伝導率が高くなるためです。
     一方、マイナス側にシフトしたのは光起電力効果です。これは、pn接合など において内蔵電位差(拡散電位差)があるため、短絡状態(V=0)でp側から外 部回路をとおしてn側に電流が流れます。外部回路から見れば逆の電流なので、 マイナス側にシフトするのです。
    -----------------------------------------------------------------------------
    Date: Fri, 17 Nov 2006 11:41:44 +0900
    Q2:
    佐藤勝昭 先生:

    ご返信ありがとうございます。
    丁寧なご説明ありがとうございまいた。十分に納得することができました。これか ら光伝導について調べてみようと思います。

    先生の返信が届く前に、自分なりに考えた考察があるのですが、先生に時間があり ましたら、ひとつご意見を聞かせていただければ幸いです。

    考察
    光が半導体に照射されることにより、多量の電子・正孔対が発生した。それらがト ラップ準位(欠陥的なものや不純物準位)にトラップされトラップ準位を占有する ことにより、その準位のstateを常に満たした(もしくわ直接これらの欠陥準位でキ ャリアが生成)。その結果、伝導帯とトラップ準位、もしくわ価電子帯における再 結合割合が変化し、過剰に電流が流れるようになった。

    というものです。つまり、光電子がトラップ準位を埋めることにより、結晶性が良 くなったのではないかと思ったのですか、この考えは全然間違っているのでしょう か?
    -------------------------------------------------------------------------------
  • 872. 相図の見方


    Date: Fri, 17 Nov 2006 08:46:35 +0900
    Q: S社の斎藤と申します。
    初めまして。
    金属間化合物を勉強しています。
    相図の見方を教えてください。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 22:43:24 +0900
    A: 斎藤様、佐藤勝昭です。
     相図(平衡状態図)の見方は、結晶工学スクールのテキストにありますから、 応用物理学会結晶工学分科会の世話をしている応用物理学会事務局の分科会係にご連絡下さい。
     もっとわかりやすいのを見つけました。英文ですが、イギリスのサザンプトン 大学のインタラクティブ学習センターのWebサイトに
    phase diagramというのがあ ります。ぜひアクセスしてみてください。このサイトのInteractive phase diagram を 見ると、相図の中のさまざまな場所をクリックするだけで、その相の状態がビジュア ルに分かるようになっています。
    ---------------------------------------------------------------------------------
    Date: Mon, 20 Nov 2006 18:21:41 +0900
    AA: S社の斎藤です。
    有難うございました。
    下記のような文献も見つけました。
    教えていただいたホームページも良かったです。
    2成分系の相図
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 873. 蒸着における母材と金属の密着メカニズム


    Date: Fri, 17 Nov 2006 19:22:50 +0900
    Q: 東京農工大学 理事 佐藤 勝昭 先生
    O**株式会社 T*と申します。(web掲載時は匿名にてお願いします)
    突然のメールで失礼いたします。
    先生のホームページを拝見し、ご質問させていただきたくメールさせていただきました。 現在、樹脂やガラスに金属膜(主にAl,Ti,Crなど)を蒸着(あるいはス パッタリング)したものを素材として取り扱う仕事をしております。
    あるとき、樹脂フィルムに金属を蒸着したものを重ねて保管しておいたところ、 結露により膜の剥離が発生しました。
    この現象から、蒸着膜の密着度について調べ始めたのですが、よくわかりませんでした。 そもそも、蒸着とはどのようなメカニズムで金属と樹脂やガラスとが引っ付いているの でしょうか?
    ご教授いただきたく、よろしくお願いします。
    よろしくお願いします。

    追伸
    私は現在営業部門に籍を置いておりますが、もともとは工学部機械工学科の出身で 研究開発を長く担当しておりました。
    したがって、ある程度の技術的内容は理解できる前提でご説明いただければ幸いです。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 16:22:10 +0900
    A: T様、佐藤勝昭です。
     メールありがとうございます。
    薄膜と基板界面の付着状態について一般論で扱うことはできません。
    膜堆積のメカニズム(蒸着法、スパッタ法、ICB法、イオンプレーティング法、 プラズマCVD法、MOD法、・・・)によって違ってきます。
    また、基板温度によっても違いますし、膜の材料によっても異なります。
     蒸着法では、粒子はるつぼから熱エネルギーを受けて飛び出してきますが、そ の運動エネルギーはあまり大きくありませんから、基板を加熱しないと基板上を 拡散するエネルギーも小さく、基板との結合も大きくありません。このため、基 板を加熱しないで金属を蒸着すると、アモルファスか微粒子の集合体になり、基 板との結合も悪く、基板上に載っているだけとなります。(もちろん、蒸着粒子 は高温のため、樹脂基板などでは表面に食い込むようにして付着すると思いま す。)基板温度を上げると、金属の結晶性もよくなり、金属原子と、表面の原子 との間の結合ができます。しかし、基板温度が冷えるにつれ、基板と膜の膨張係 数の違いによって、ひびが入ったり剥離が起きたりすることがあります。結露に よって水分が付着すると、水はひび割れを伝って膜・基板界面に達し、金属は酸 化したり、水酸化物を作ったりして、基板との剥離の原因になると思います。
     これに対して、スパッタ法やICB法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法 などでは、粒子が電界等で加速され運動エネルギーを持っています。この運動エ ネルギーは粒子の基板上の拡散に用いられるだけでなく、時には、基板材料の間 に侵入したり、基板表面の原子と結合を作ったりします。
    このため、これらの方法で作った膜は、蒸着膜に比べればはがれにくいと思います。  金属の種類によっても付着力は違います。私の経験ですが、ガラス上に金を蒸 着した場合、はがれやすいですが、クロムははがれにくいです。これは、金はガ ラスと結合しにくいが、クロムは結合しやすいためであると考えています。
     ご質問の「樹脂フィルムに金属を蒸着したもの」は、おそらく、基板温度を上 げずに蒸着しているでしょうから、基板との結合が弱く、結晶粒のサイズも小さ いので粒子の表面積が相対的に大きく、水分によって酸化されるなどしてはがれ たのではないかと考えます。
    -----------------------------------------------------------------------------------
  • 874. ベーテ・スレータ曲線について


    Date: Fri, 17 Nov 2006 21:32:10 +0900
    Q:佐藤先生
    HPを拝見し、メールさせて頂きました。
    K**社Y*と申します。ステンレスに係わる仕事をしております。
    (HPに公開される場合は、匿名 K社 Yでお願い致します。)
    物性なんでもQ&A 『814. ステンレスはなぜ磁石につかないか』 のベーテ・スレーター曲線の、妥当性と横軸数値についての質問です。

    ベーテ・スレーター曲線についてWebで調べていたところ、
    志賀正幸先生という方のHPに、 「ベーテー・スレーター曲線は、大型計算機による計算結果からは Fe,Coの強磁性が説明できず、理論的根拠が失われた。」との趣旨の記述がありました。
    これが本当でしたら、ベーテ・スレーター曲線を用いた説明は説得力に欠けるかと存じます。

    また、志賀先生のベーテ・スレーター曲線の横軸は、『原子間距離/3d波動関数の有効半径』としてありました。
    そこで気付いたのですが、佐藤先生のHPのベーテ・スレーター曲線は横軸数値が合わない気がします。

    α-Fe 原子間距離 2.483Å
    δ-Fe 原子間距離 2.579Å
    Fe 原子半径1.26Å

    として、ともに横軸〜2.0あたりとなります。
    逆算して3d波動関数の有効半径〜0.8Åであれば、佐藤先生のベーテ・スレーター曲線 の横軸数値があっているかと思います。
    (原子半径は定数表の値ですが、原子間距離は格子定数から自分で計算しました。
    間違えていましたら申し訳ありません。)

    なお追加の質問ですが、金属Feの磁性について交換積分Jやワイス分子場の、 原子間距離依存での理論説明は可能でしょうか。
    3次元の3d電子の場合であれば、計算機による数値計算しかないのでしょうか。
    なにか情報かヒントが有りましたら、御教えいただけると助かります。

    御手数かけますが、宜しくお願いします。
    ---------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 16:22:16 +0900
    A: Y様、佐藤勝昭です。
     ベーテスレータ曲線はあくまで実験結果を整理したもので、どちらかといえば、経験則と言えるものです。
    814の答えは、あくまで定性的な話で、正しくは、第1原理のバンド計算で説 明すべきです。しかし、計算しないとわからないというのでは、実験家にとって は困ります。遍歴電子磁性の相互作用が、原子間距離に対して振動するというの は、大まかには正しいと存じますので、あのような説明をしたわけです。
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 17:43:00
    AA: 佐藤先生
    経験則ですか、わかりました。有り難うございます。
    鉄や磁石についての知識がまだ自分には不足していますので、 今後も勉強を継続していきたいと思います。
    お忙しいところ、お返事いただき有り難うございました。
    --------------------------------------------------------------------------------------
  • 875. 18-8ステンレスの食品安全性


    Date: Fri, 17 Nov 2006 23:10:22 +0900
    Q: 氏名:S(匿名希望),所属:K(匿名希望) 佐藤先生、HPを見て質問させていただきます。以前
    シリコンゴムの腐蝕性について質 問させていただいたことがございます。その節はご丁寧にお返事をいただき有難うご ざいました。お忙しいところ誠に恐縮ですが、もう一点だけ質問がありメールさせて いただきました。

    【質問】18-8ステンレス製容器を食品保存に使用した場合の酸・塩分・アルコール等 に対する腐蝕性、食品に対する安全性について日常生活レベルでの知識をご提供いた だけませんでしょうか。

    専門の先生に以前同様的外れな質問で申し訳ございませんがよろしくお願い申し上げ ます。
    ------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sat, 18 Nov 2006 23:30:07 +0900
    A: S様、佐藤勝昭です。
     カナダの厚生省のホームページに
    「調理器具の安全な使い方」が出ています。
    これによれば、
    「ポット、鍋、その他の調理器具はさまざまな材質でできている。これらの物質 は調理中に食品に入ることもあり、ほとんどの場合は無害であるが、中には注意 が必要なものもある。カナダで販売されている大部分の調理器具は良く手入れを し本来の目的に沿った使い方をしている限り、日々の調理には安全に使用でき る。しかしながら一部の物質にはリスクの可能性もある。」
    とあり、ステンレスについては、
    「・ステンレススチール及び鉄の調理器具ステンレススチールは、鉄及びその他 の金属から作られ、丈夫で摩耗しにくく破損しにくい。比較的安価で長持ちし、 北米では最もポピュラーな調理器具である。ステンレススチール及び鉄製の調理 器具に使用されている金属で、健康影響の可能性があるものは、鉄、ニッケル、 クロムである。
    鉄は赤血球を造るのに必須であり、大量摂取は有害であるが北米では摂りすぎよ り不足の場合が多い。鉄製調理器具による鉄の摂取は、毎日の鉄総摂取量の20% 未満であり、十分に安全域内である。ニッケルは少量の場合毒性はないが、ニッ ケルアレルギーの人には反応を誘発する。平均的な成人は、1日あたり20〜250μg のニッケルを摂取している。耐腐食性ニッケル含有ステンレススチール製の調理 器具を使用した場合、たとえルバーブ、アプリコット、トマトなどの酸性食品を 調理しても、食品中のニッケル量の増加はほとんどない。微量のクロムは健康に よいが、高用量では有害な場合がある。安全な摂取量は1日あたり50〜200μgであ り、ほとんどのカナダ人はこの範囲内である。ステンレススチール製器具で調理 した1食分の食事は約45μgのクロムを含んでいるが、特に問題はない。」(訳 は:食品安全情報 No. 13 / 2006 (2006. 06.21)による)
    --------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 19 Nov 2006 00:23:15 +0900
    A(追伸):S様、佐藤勝昭です。
     18−8ステンレス(SUS302とかSUS304とか)とは、18%のクロムと8%の ニッケルを含む鉄鋼です。ステンレスがさびないのは、酸化によって表面に不動 態を作り、それ以上の酸化の進行を防ぐのです。従って、かなり腐食性の強い(例えば塩素や塩化物のガス) を流してもよいのです。
    -------------------------------------------------------------------------------------
    Date: Sun, 19 Nov 2006 10:59:19 +0900
    AA: さっそくお返事をいただきありがとうございます。
    お忙しいところ懇切な解説をいただき誠に恐縮です。
    大いに参考になりました。
    今後益々のご活躍を念じております。
    先ずは御礼まで。
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  • 876. 熱電効果の論文の式の意味


    Date: Sun, 26 Nov 2006 02:43:07 +0900
    Q: はじめまして。
    実はある論文(L.D. Hicks and M.S. Dresselhhaus: Effect of quantum structures on the thermoelectric figure of merit; Phys. Rev.B47 (1993) 12727)を読んでいて、どうにもこうにもわからなくなってしまい、質問するにいたりました。
    添付した論文なのですが、(3)式について、量子力学の教科書の冒頭で よく見かけるシュレディンガーの解のように見えて、各方向の有効質量などが含まれているため、 どのようにして導かれた式か、不明です。
    他の式(4〜7)もどうやって導くのか、わかりません。
    もしよかったら、これらの導出方法が載っている参考書などを教えていただけませんか?
    なお、webには匿名でアップしていただけると幸いです。
    K***
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    Date: Sun, 26 Nov 2006 15:19:54 +0900
    A: Kさん、佐藤勝昭です。
     あなたは所属を書いておられませんので、学習歴が分からず、以下の説明がお わかりいただけるか自信がありませんが、電子工学の4年の学生であると仮定し て説明します。
    (3)式は、半導体における伝導帯の電子のエネルギーを電子の波数kに対して プロットした分散式です。(これをきちんと理解するには、固体物理学のバンド 構造のことを勉強する必要があります。例えば、キッテルの固体物理学入門をお 読み下さい。)もう少しかみ砕いて説明すると、一般に電子の運動エネルギー は、運動量をpとして、E=(1/2m)p^2と表すことが出来ます。半導体中では、電 子の波数k(=2π/λ)として、p=h'k(h'はhbar=h/2π)で表されます。ま た、半導体中の電子の質量は有効質量m*で表す必要があります。このことから、 半導体の伝導電子の運動エネルギーはE=(1/2m*)(h'k)^2と書けるのです。Eがkの 2乗に比例するので、「放物線型のバンドを仮定すると・・」と書いてあるので す。もし、異方性のバンドを考えるなら、有効質量は方位によって異なります。 そのため(3)式ではE=(1/2mx)(h'k)^2+(1/2my)(h'k)^2+(1/2mz)(h'k)^2となって います。
    (4)〜(7)式は、参考文献の3と4に導き方が書いてあるはずです。
    (4)について、キャリア密度nは、等方性の物質であれば、
     n=2(mkT/2πh'^2)^(3/2)F(1/2)
    と表されるので、導電率σはσ=neμで表されますから、(少し係数は違いますが)
    (4)式の等方性バージョンが得られます。異方性の場合
     m^(3/2)=(mxmymz)^(1/2)
    となります。
    ゼーベック係数、熱伝導率はやや面倒な計算が必要です。
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    Date: Mon, 27 Nov 2006 13:33:52 +0900
    Q2: 佐藤さま
    返信いただき、ありがとうございます。
    また、私自身の経歴を書き忘れてしまい、本当にすみません。

    私は、K***大学理工学部B学科の4年生です。

    今までの学習として、量子力学の入門書は読みましたし、アッシュクロフトの書いている「固体物理の基礎」という文献も 1冊目の半分くらいは読み終わっています。また、現在は電気伝導(阿部龍蔵)も読んでいます。

    そのため、量子力学の教科書の冒頭にでてくる
    -h'^2/2m△ψ=εψ ・・・@
    をεについて解くと
    ε=h'^2/2m(k_x^2+k_y^2+k_z^2) ・・・A
    となることは理解しています。

    わからない点は、有効質量を考慮する場合、
    @の式に、どのように有効質量を反映させればよいのか、ということなのです。
    よろしければ、ご教授ください。
    K**
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    Date: Mon, 27 Nov 2006 14:17:39 +0900
    A2: K君、佐藤勝昭です。
     了解しました。@は極めて一般的な自由電子の方程式です。固体中で は、周期ポテンシャルVが入ってきます。その結果、電子は単なる平面 波ではなく、ブロッホの方程式で表されます。その結果として、エネル ギー準位はバンドとなり、半導体ではバンドギャップで隔てられた価電 子帯と伝導帯が現れます。伝導帯の底の付近では、近似的に自由電子と 同じ=h'^2/2m(k_x^2+k_y^2+k_z^2)で表されるけれど、mとして有効質量 で記述しなければならなくなります。このあたりを説明するには、固体 物理の教科書を半分ではだめで、一冊まるごと読んでください。
     小生の教科書「応用電子物性工学(コロナ社)」の関連する部分(厳 密ではありませんが、ざっと読んでイメージはつかめると思います)を
    添付ファイルとしてお届けします。
     K大のB科であれば、私の友人のM先生にお尋ねになれば、丁寧に 教えていただけると思います。
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    Date: Fri, 01 Dec 2006 11:26:42 +0900
    AA: 佐藤様
    いろいろ教えていただき、ありがとうございます。
    また、資料までつけてくださって、本当に感謝しております。
    先生の書かれた本、これから書店で探してみます。
    詠んでみて、質問した内容の理解に努めます。
    また何かわからないことがあっったら、よろしくお願いいたします。
    では、最後に、本当にありがとうございました。
    K**
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  • 877. 水晶の剪断弾性係数


    Date: Mon, 27 Nov 2006 17:20:22 +0900
    Q: 佐藤勝昭先生
    はじめまして。(C***)株式会社の(H*)と申します。 先生のHPを見てメールさせて頂きました。

    大変申し訳ありませんが、HPアップ時には ( )内は伏せていただけますでしょうか?

    私は(+++)の開発業務を行なっております。
    その中で、水晶板に関するCAEシミュレーションに現在取り組んでいるのですが 水晶の物性値の一部 せん断弾性係数 xyz方向 が、どうしても見つかりません。
    ヤング率、ポアソン比、腺膨張係数は分かっております。
    せん断弾性係数に関しましては水晶メーカーからも分からないとの解答をいただき困っております。
    もしご存知でしたら情報ご提供頂けますでしょうか?
    ご多忙中大変恐縮ですが、何卒ご検討の程宜しくお願い致します。
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    Date: Mon, 27 Nov 2006 20:05:31 +0900
    A: H様、佐藤勝昭です。
     
    トーソーのサイトに出ています。
    Shear Modulus
    3.1 to 3.2 x 10^5 kg/cm2
    3.0 to 3.1 x 10^10 Pa
    となっています。
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    Date: Tue, 28 Nov 2006 13:30:59 +0900
    Q2: 佐藤勝昭先生
    お教えいただいたデータを基に、解析を進めてみたいと思います。
    今回は水晶でしたが、
    一般的に、直交異方性弾性材料における、ヤング率とせん断弾性係数、ポアソン比の関係は
    等方性弾性材料におけるそれらの関係(下記式) と大きくは変わらないのでしょうか?
         E
      G=-------
        2(1+v)
    お忙しいところ、貴重なアドバイスをいただき誠にありがとうございます
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