下田海中水族館/2005

 5月28日。朝6時半。品川駅。
 俺はこだまの中にいた。車内アナウンスを往生しまっせの人がやればいいのにと思った。
 もうすでにネタはバレているわけだが、下田海中水族館へ向かうためだ。下田海中水族館はその名の通り下田市にある。下田市というのは伊豆半島の南に位置する市であり東京に住まう俺としてはそのくらい早くに出なければならないのだった。

 じつは新宿などから伊豆急下田へ直通の特急はある。スーパービュー踊り子が。しかしこの時刻にはないんだった。なのでわざわざ新幹線を使うのだった。

 熱海で下車。つぎは伊豆急下田行きの普通列車だ。
 すこし時間があったので、駅構内のドトールで食べ物を注文する。じつはこだまに乗り込んだのもギリだったので、なにも食べていないのだった。
 これがいつまでたっても出てこない、レタスドッグ。
 ようよう出てきたそれを奪い取りホームへダッシュ、ぎりぎりで列車に乗り込む。飲み物を買えなかった。

 座席の空きがないので、しばらくデッキで佇む。なんだこの車両。ひどく変則的なシート配置だ。指定席なんだろうか。
 よくわからないがそうならそれでなんとかなろう、と空いた席に尻を置いた。
 客の多くは観光といったフゼイだ。まあ俺もそうなんだが。俺というか俺たちも。
 変則的なシートがあいたのでそちらに移動。なんつうか、シートが左窓、つまり海を向いてるんです。伊豆半島東岸の海をずばっと見ながらぼんやりできるんですよ。いやぼんやりしなくてもいいんだが。

 写真はないです。あ、横顔はありました(伊豆急下田で撮影)。最前車両はさらに眺めがよさそうですね。

 という間に伊豆急下田駅に到着したのは8時48分ごろ。
 改札の外の便所で排便をする。小便器のところには下田豆知識みたいなプレートがくっついていた。

 さて。どうしたもんか。
 水族館ゆきのバスはあるにはあるが、けっこう待たねばならない。ということで徒歩でいくことにした。まあ俺はハナから徒歩でいくつもりだったんだが。
 

 観光地でありますから、辻辻にいくらか案内板はあるんだが、なんだかよくわかんねえなあ、という感じになりながら歩いているとありました。旧い観光地にありがちなゲート。

 しっかしこりゃあきらかに自動車乗りのとおる道だなあ、というようなトンネルをくぐると、それっぽいのが見えてきた。
 左手の小山は公園になっておるようで、いりぐちあたりに鶏のようなものを抱いた裸の女性が立っていた。

 駐車場には車がそこそこ停まっていた。まあ、土曜日だしな。
 館のいりぐちには小さなプールがあり、そこにはウミガメがいた。説明板によればアカウミガメとアオウミガメがいるようだったが、どっちがどっちだかよくわからなかった。というか俺は爬虫類に萌えないのでまあ、ああ、カメだカメ、という感じだった。(トメにはすまないことをした)

 受付で1700円。入場券と福引券を貰う。元気なおじいちゃんがカラー魚拓展をやっているということだった。この館がいま一番いいたいのは、これなのか。

 まあ館のサイトの園内図かなんかを見ていただくとようくわかるんですけど、というか俺は説明するのをハナから投げちゃってるわけですけども、そんな投げやりな気持ちで説明いたしますと、天然の入り江をふさぐような感じに桟橋がのび、海水プールを中心に飲食施設や展示棟やショープールが点在するという感じのものでございまして。

 俺の文章はどうも、一文が異常に長いか短いかどちらかにかたよる習性がありますね。どうでもいいですね。

 浮島桟橋をずるずるとすすむと、アクアドームペリー号という名の水族船という名の建物。まあ下田といえば下田条約、つまりは浦賀とならぶペリータウンでありますから、そのような名前がついておるわけですね。そりゃあ黒船もあります。
 ここはほぼ円筒形をしており、なかには大きな水槽がありいろいろな魚が泳いでいるんです。

 まあそこは無視して、なんだ、客が尠いんじゃないか、と思いながらイルカショーの行なわれるプールへ行くと、客席はほぼ埋まっていた。そっか、ショーだからみんなここに来てたんだ。
 客層は中高年。なんでだろう。

 まあいいや、と正規の客席なのかよくわからない、一段上にあるベンチにすわり、ぼんやりとショーを見ました。いや、ほとんどぼんやりとしていただけでした。
 ま、MCはなかなかこなれていて、いいかんじでした。ショー自体はまあ平凡で、イルカのハイジャンプなんかはもうちょっとMCもためてじらしてやってもいいなあとは思いましたが。カマイルカでした。

 それにしても、なぜイルカショーの人たちは、イルカを美化したがるんだろう。すぐに環境問題的な感じに話をまとめにかかるんだろう。それがやだ俺は。

 イルカショーがおわるとほぼすぐに同じ場所でアシカショーがはじまる。MCは同じ人だ。
 これもまあ、前半はどこにでもあるようなアシカショー。輪投げがあったりアシカが拍手を要求したり。
 んで、後半は世界初という水中でのなんか。
 まあ、人間とアシカが水中でぐるぐるまわったりする、という感じのもので、ふーん、って感じでしたが。水着若女にさせればいいのにと思いました。

 すぐ横に水槽たちがあった。タカアシガニの剥製かな、があった。生きてるのはないんだ。
 あと鰯がぐるぐる回遊していた。
 あとクラゲの水槽があった。ここはじゅうぶん明るく、フラッシュなしで撮影が可能だった。水槽底面がまるくなっていたので、クラゲがぐるぐる上へ下へとゆらりゆらりとまわっていました。
 せっかくなので写真を載せますね。

 
 
 
 
 
 
 

 なんかつぶつぶみたようなのが浮いているのは、エサです。プランクトンですかね。ちょうど給餌中だったんであります。笠のまわりの細かい糸みたようなあれにつぶつぶがたくさんついていました。あれでエサとるんだな。

 ほかにはまあ、ラッコハウスというのもありましたね。さすがにラッコ様は人気者なのでそのようなものをつくっていただけるんですなあと感心する。人見知りするのかもしれないな。

 海の生物館シーパレスというのは、はっきりとはわからないですけど改装中だったようで、そのようなカッコをした男たちがうろうろしていました。

 ペンギンプールというのもありました。ペンギンがいましたよ。

 おれはこの、ペンギンというひともけっこう好きないきもののひとりでございまして、あまりうごかなくてもついつい写真をとってしまうであります。
 ちなみにここのペンギン舎はその名のとおりプールでもありまして、まあ陸地とプールの併設というのはもちろんペンギン舎のお約束でありますが、プールのこっち面がアクリル張りでございまして、彼らの泳ぐようすがよく見えるのであります。
 泳いでいる彼らに手を近づけると、爪の匂いを嗅げると思っているのか知りませんが寄ってくるんですね。手を動かすと、その動きについてくる。これよそ(ズーラシアだったかなあ)でもやったことがあるので彼らの基本的習性なんだと思いますが、やってる人をあまり見かけないので、みなさんもペンギンプールを横から見られる園にいらしたときにはぜひやってみてくださいね。

 写真はそれとは関係ない、飛び込もうかどうしようか迷っている感じだったひとの写真です。動きを見ている限りはそうだったんだけど、かれらは鳥特有の無表情なので写真だとよくわかりませんね。

 そうこうしていると10時45分。我々(書き忘れていましたが俺とAのイルカ好きを自認するふたりで行きました。というか俺のほうがイルカ好きですが)が予約したドルフィンシュノーケリングだったかは11時の予約で、15分前にカウンターへ来てくれという話だそうで。
 カウンターで道具の料金を払う。もよおしそのものへの料金は事前に振り込んである(4200円)。
 ウェットスーツとシュノーケルと脚ヒレとおもりで2000円だったかな。靴がついて2500円だったかな。よく覚えてないけどなんせ1品500円なんです(持ってる人は持参すればいいです)。ほかに水中めがねもあったんだが、俺は近視でありコンタクトレンズなぞ持っていないので、持参した水泳用の度つきゴーグルを使うことにした。ほかになんか、ウェットスーツの下に着るようなのをすすめられたが、そんなに寒くはないだろうと思ってそれは使わないことにした。

 んで、11時から海上ステージというつまり敷地内の海ゾーンでイルカショーが行なわれるので、それが終わったらここにまた戻ってきてください、と。
 よくわからんがそのショーの行なわれる海でシュノーケリングは行なわれるそうだから、そりゃまあショーが終わってからしかだめだよな、と思いつつ、じゃあなんで10時45分に一回集合させるんだと思いました。

 ペリー号から海上ステージでのショーを見るわけですが、そんな説明を聞いたあとに行ってももう人山でぜんぜん見えず。

 海上ステージでのショーが終わったので、ドルフィンビーチカウンターへ戻ることに。
 すると前方からペンギンが歩いてきた。どうやら散歩中だったらしい。ひとり抱きかかえて逃げてやりたい衝動にかられたが、イルカと触れ合ってからでも良かろうと今回は見のがしてやった。

 カウンターへ。我々以外にも常連の人が参加するとのことだった。常連て。そんなにいいのか、これ。その人は道具を持参していました。
 んでまあ、イルカは噛むんだよ、とかこう逃げろとかそういうブルーになる話と、足ひれのつけかたなどのレクチャーがあり、ようやく更衣。初めて着るウエットスーツだかは体にぴたりとしていて、やや窮屈だった。

 皆で波打ち際に。ぷかりとあおのけに浮かんだ状態やうつぶせになった状態から直立状態にもどる練習や、シュノーケルに水が入った時に出す練習などをした。俺いがいの人たちが使っている水中めがねはどうやら鼻もふさぐかんじでありシュノーケリングしやすそうだったが前述の通り俺はふつうのスイムゴーグルなので、口で息しても鼻に水が入って困った。今度は鼻栓を持参しようと思った。

 そうこうしているあいだにも、イルカがこっちに寄ってきています。オキゴンドウのジャンボというひと。この人はこの館に来てから35年ほどたつそうで、もう老イルカなんだそうです。

 イルカを、なでまくります。イルカ独特のこの触感、そうそう、2年ほど前に鴨川でさわった感じだ。ごしごしこすると垢がおちる。これをイルカは喜ぶらしいので、ごしごしこする。

 んで足ひれをつけて、ジャンボとともにゆるゆると足の届かないほうへ進んでいきます。

 ジャンボのほかには、バンドウイルカの名前は忘れましたがふたりほど泳いでおりまして、かれら(彼女ら)はイルカらしくびゅんびゅん泳いでおりました。おれはめんどうなのでジャンボのそばにいました。というかジャンボにしがみついていました。どこをどう動かしているのかよくわかりませんが、それでもイルカはゆるゆると進んでゆき、おもしろい。

 バンドウはショーにも出ているひとたちなので、テンション上がってジャンプを披露したりします。生イルカが自分と同じ水の中で生ジャンプしてるよ、ってすげえ興奮しました。そういえば消毒されているはずの水道水を生水と呼ぶのは失礼な気がしますね。どうでもいいですが。

 俺いがいの人たちはバンドウたちともたわむれてましたが、俺のほうにはぜんぜん寄ってこず。ゴンドウのそばにずっといたからかもしれない。(ゴンドウはこのイルカたちのリーダー的存在なんだそうです。ちうかイルカはじっさいの海でもバンドウとゴンドウ混成の群れをつくることがあるそうです)

 ただ、途中からバンドウたちはケンカをはじめ、近づくと噛まれるおそれも出てきて、Aなどはじっさい噛まれたりして、けっきょくはジャンボを中心にみんなが泳ぐという感じでした。

 何十分泳いだのかさっぱりわからないんですけど、この幸せなひとときにも終わりは訪れます。急に訪れました。

 常連だというそのひとは、さっそく来月の予約を入れていました。たしかに、その気持ち、わからんではないと思いました。俺も近けりゃ危なかった。

 あと、文中では省略しましたが、めちゃめちゃ水が冷たかったです。もう寒くて寒くて。

 というかね、俺シュノーケル必要ないと思った。そのほうが自由にできるわ。足ひれも要らないな。それじゃさせてくれないんだろうけど。

 ちなみに右の写真はペリー号から撮影したものであります。奥にマリンスタジアムが見えますね。手前の海で、イルカと泳いだわけです。

 さて帰るか、帰る前にメシ食うか、と入口棟にあるレストランシーパークへ。

 金目フライカレーと生ビール。ディスプレイの無いポケットベルのようなものを持たされ、できあがったらこれがなりますので受け取りに来てください、と。なるほど、番号札なんかよりずっとわかりやすい。聞き漏らすこともないしな。

 窓際の席につく。窓からはぜんたいを見渡すことができるのだった。写真ひだりがわの円い建物が、ペリー号ですね。

 食いおえて、みやげものを少し見て、福引をすることに。入場時に1枚もらっているわけですが、イルカと泳いだりメシ食ったりで、ふたりで11回も福引きができることになっていた。
 つうかべつにティッシュとかでいいよ、と思ってたんですが最下位でも箱根小涌園特製缶コーヒおよび缶茶、ということで、11本の缶をゲット(うちわけは忘れた)。11本は大きめのリュックを持ってきていた俺の背中に。

 そういえば、いまごろ言うのもなんですけど、ここ吸殻入れが多いと思った。
 このような施設の場合、けっこう喫える場所が制限されちゃうんですけど、ここはそうでもなく、いたるところに吸殻入れが置いてあった。右の写真はちょっとした休憩スペースですけど、確認できるだけで3つもある。

 了仙寺はすぐ近くにありそうなので、なんか名前に聞き覚えがあったので行くことにした。なかなかに観光地ふうのよさげな景観の道を、そこそこの観光客をすりぬけ向かうと了仙寺

 入るなりもう花のかおり。なんの花かはよくわからなかったが、ジャスミンとかいうものらしい。とにかく境内はジャスミンが満開。

 了仙寺宝物館というのがあった。どうやら、黒船開国関連の文書や絵図をたくさん持っているらしく、テレビだなんだで使われているのはだいたいうちが貸してるもんだ、というようなことが書かれていた。
 入口には紙コップと給茶器がおいてあり、ジャスミン茶をのめるようになっていた。熱そうだったので飲まなかったが。

 500円を払って入館。なるほどいろいろ展示してある。気づかなかったが2階建てで、そこそこの分量の展示品。
 まあ、正直、あまり興味をおぼえる品物はなかったですけど。

 そのなかに、了仙寺の秘仏コーナーがあった。俺も仏友会の主宰となって8年ほどたつわけで、秘仏と聞いちゃだまっていられない。まあ一人で入館してるので黙ってたんですが。
 俺の想像していた秘仏というのは、7年ごとに公開とか33年に一度公開とか50年に一度公開とかされる仏像だったんですけど、違いました。
 かんたんに言えばエロ仏。歓喜天とかインドのリアル歓喜天(ガネーシャと11面観音がリアル頭身でからんでる)とか陰陽物の顔をしたイザナギイザナミとか陽物の顔をした稲荷神とか張形とかさらっと見ただけですけどそんな感じのものばかりでした(さらっと見たわりによく覚えてるな)。
 そういえば了仙寺という名前に聞き覚えがあったのは、黒船関係でじゃなかった。エロコレクションで有名だ、って覚えてたんだ。どこで覚えたんだろう。

 徒歩でそのまま駅に戻り、スーパービュー踊り子(251系)で新宿までひとっとび。

2005.6/5

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