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1996年2月の田沢湖 1998年11月の奥会津 1999年8月の薬莱山 1999年11月の裏磐梯
2000年2月の銀山温泉

 
 旅行、と言ってもここ数年の個人的な旅行というと、常にアルコールがからんでいる。
 その土地固有の風景や文化などに触れて、自分の気持ちをリフレッシュし、高めるのが本筋なのであろうが、どうも肝臓に負担ばかりかけているように思える。
 まぁ〜高尚な“旅”というものが元来似合わない粗忽者だから、いまさらということで、このページでは酒にからんだ旅行記を紹介します。
 
『冬 酒と温泉の田沢湖』
 
 1996年2月、この年最大級の寒波が日本列島を襲っている最中、無謀?にも秋田の田沢湖まで、大手パソコン通信のオフで“酒”を飲みに行って来ました。

 2月2日(金)仕事がらみで、青森の鰺ケ沢まで出張。そのまま続けて翌日(土)は能代で業務を行う為、五能線で夕方能代へ。
 粉雪を巻き上げ、窓が凍てつく車両には自分を含めても3〜4人位の寂しさでして、まともに能代までたどり着けるか不安でした。

 それでも定刻5分遅れ位で能代に到着し、明日田沢湖に一緒に行くメンバー(能代在住)が駅まで迎えに来てくれました。
 ホテルにチェックインし、軽く食事でも(呑兵衛の食事とは酒!)ということで、能代の居酒屋「べ*ぼう」という所へ行きました。
 ここの御主人、昔はひよこの鑑別士を生業としていたそうで、海外にも良く行かれてたそうです。角刈り、鉢巻、サングラスのいかにも居酒屋の親父、という現在の風貌からは想像も付きませんでした。

 能代の店ですので、酒は喜久水や秋田の酒が主流でして、1合入るぐい飲みで、2人でグビグビ飲りました。
 3杯目位に「親方のお勧めを」と頼んだら、ちょっと考えてから、怪しげな緑のペットボトルを出してきました。
「ちょっと若いけど」と言ってそのペットボトルから乳白色の液体を我々のぐい飲みに注ぎました。
 そう、近郷の村で作られた、純粋?なド○○クです。

 口に含むと独特の甘酸っぱさと、わずかばかり、刺すようなえぐ味が有りました。
 本当のドブ○○を飲んだのは7〜8年ぶりでしたが、市販されている生酒やにごり酒とは違う、実に個性的な味でした。

 で、もう一杯お代わりをして-----

 気付いたらホテルのベットで朝を迎えておりました。
 あれ?昨日は、たしか----
 記憶がない!(°o°)??

 いくらなんでも4〜5杯で記憶を無くすとは、しかもスッポリと飲んだ後の記憶が無くなっているのです。
 店の支払いは?タクシー代は?
 財布を見る限りでは、少し札が減っているから、支払いは大丈夫だったのかな?それにしても???

 一緒に飲んだ人に連絡したところ、彼も○○ロクを飲んだ後の記憶が同じように無くなってるとの事でした。
 もしやあのド○○クは、某宗教団体が個人の記憶を無くさせる為に作った物か、とも一瞬思いましたが。
 ドブ○○ですから本格的な日本酒のような3段仕込みをしている訳ではないでしょうから、せいぜいアルコール度数は13〜14度程度しか無いはずでして、何故あんなに回ったのか、大いなる疑問でした。

ところが因果は巡る何とやらで、3日に蔵見学に行った「福*友」の専務がこの疑問を解く鍵を与えてくれました。

 2月3日13:30分 秋田県大曲駅。
 約20分遅れで列車が到着し、急いで改札を抜けると他の参加メンバーは既に到着していました。
 参加者は幹事が地元秋田の方(能代在住で昨日一緒に記憶を無くした人)山形の新庄から1名、後は会津から4名(内女性2名)の自分を含めて7名です。
 もう1名夜の宴会からの参加者(秋田鷹巣在住)がおりまして、全員で8名の宴会ということになります。

 久しぶりの再会に「お久しぶり。元気」−−−と挨拶を交わし、蔵の見学に向かいました。
 見学する蔵は、大曲市の隣町、神岡町神宮寺地区にある「福*友」です。

 当日は蔵の事務部門は休みでしたが、専務さんが待機してくれていて、麹室と吟醸蔵を除いて一通り見せていただき、普通酒ですが絞っている最中の酒も飲ませていただきました。
 この酒は圧搾機で絞っており、出てきた酒は想像していたよりも綺麗な酒で、いわゆる「にごり酒」のような色や感じは有りませんでした。
 飲んだ印象は、残っている炭酸分がまず舌にピリッと来て、それから生特有の甘酸っぱさが口に広がります。普通酒ですから、香りが有るとか、残るというようなことは有りませんでしたが、それなりに飲める酒でした。
 蔵の中を見せていただいた後は、座敷で酒を試飲しながら、専務のお話を聞きました。
 年齢バラバラ、会社もバラバラ、住所もバラバラの我々のグループを少し怪しまれたようですが、酒関係の職業では無く、パソコン通の仲間ということで納得していただきました。
 確かに客観的に見れば、自分も怪しい一団だと思います。(^_^)

 試飲させていただいた酒は、「神宮寺」「冬樹隣桶仕込み」「神桜」の3点です。
 「神宮寺」は、この蔵の地名をそのまま銘柄にした純米吟醸、「神桜」は地元の酒販店グループに頼まれた吟醸、「冬樹隣桶仕込み」は、この蔵の代表酒でもある無濾過無調整の純米吟醸「冬樹」の隣のタンクで造った、 「冬樹」になり損ねた?酒で、それをそのまま銘柄にしてしまったという酒です。
(^O^) 個人的にこういうセンスは大好きです。

 専務のお話では、精米歩合、酵母、麹、分量、仕込み時期も全く同じで造ったそうですが、発酵途中の品温が微妙に違い、本来の「冬樹」の味より、軽くさっぱりとした仕上がりになってしまったそうです。
 モロミの温度データを比較した表を見せていただき、微生物が造りだす日本酒の世界の奥深さの一端をかいま見た気がしました。
 この酒、最初は酸度の高さから(1.8〜1.9)濃く、キツイ酒に感じますが、飲むほどに旨さが増してくる(感じてくる)酒でした。

 「神宮寺」はさらりとした純米吟醸で、4合瓶1300円の値段は、非常にリーズナブルに思いました。これはメンバー全員の一致した意見です。
 「神桜」は「ドイツワインのような酒を」と望まれたそうで、確かに辛口の白ワインに近い感じがしました。でもこのような日本酒は、面白く無い!という意見もありました。(ただで飲ませてもらって、この言いぐさ、すみませんでした)

 一通り飲ませてもらった後、ド○○クの話になりまして、秋田の山村にドブ○○造りの名人の婆さまがいるそうで、蔵の専務も是非分けて欲しいと言ったら、会員制で誰か亡くならないと、駄目だという事でした。
 会員が亡くなるよりも、婆さまが亡くなるのが早いのでは?−−−−と思いましたが、口には出せませんでした。

 その話の中で、、酵母が活発に活動している若い酒を飲むと、体内に入ってからの温度上昇によって急激に発酵が進行すると言っておられました。
 要するに胃袋の中で集中的に発酵が進む場合があるそうです。となれば、体内で発生したアルコール分がダイレクトに胃壁から吸収されるということになります。

 そんな馬鹿な〜(^o^; と思って聞いていましたが、!(°o°)!ハッと思い出したのが、昨日の「べ*ぼう」の親方の「ちょっと若い」という言葉と2杯飲んだ○ブ○ク。
 能代のメンバーと顔を見合わせ、もしや今の話が昨日の我々の胃袋の中で行われてしまったのでは?
 と言うことで何となく納得してしまいました。(^_^)

 一時間ほど試飲を行いながら、専務の話を聞き、蔵を後にしました。
 「試飲された酒は今日の夜の宴会で飲んで下さい」というありがたいお言葉 に甘えて半分以上残った4合瓶3本をお土産にいただきました。

 さて後は田沢湖スキー場近くのペンションで恐怖?の宴会です。

 蔵見学後は一直線に宿に向かう予定でしたが、時間が少し余ったので、みちのくの小京都.角館の武家屋敷通りを車窓から観光? 黒い板塀と巨木の屋敷、そして降りしきる雪、もう少し天気が良ければ歩いて散策したかったのですが、駐車場も雪で入れず、寒さにくじけて、ただ通り過ぎるのみでした。(^_^;

 角館から田沢湖町に入る頃になると天候が回復してきましたので、ちょっとより道をして田沢湖に。
 全面凍結はしていませんでしたが、車から降りると寒いこと、寒いこと。
 辰子姫の像まで行くつもりでしたが、再び寒さにくじけて、宿に向かうこととしました。(軟弱な奴ら−−−−)
 宿に着いて最初に行った事は。
 集まった酒を全部集めての記念撮影。V(^O^)V
 北 鹿   大吟醸あらばしり生酒「春月(しゅんげつ)」
 楽 泉   無濾過無調整純米大吟醸「吉野錦(よしのにしき)」
 喜久水   吟醸純米にごり酒「一時(いっとき)」
開けるのに失敗した危険な酒(^^;
 天寿   純米吟醸「ふりかえれば鳥海(ちょうかい)」
 刈穂   昔生もと純米酒1994年「出羽の雫(でわのしずく)」
(2年古酒)
 天の戸   別格 大吟醸(秋田流花酵母AK−1使用)
  以上幹事選定酒

 十四代  「しぼり生」
 六歌仙   
 栄光富士 秀鳳   
 春高楼   
 栄川   宝嶺 
 鳴瀬川   夢幻
 澤乃泉   大吟醸
 浦霞   ぼとる 
 金泉  純米大吟醸「電光石火」
  以上 参加メンバー持ち込み&差し入れ

「福乃友」  神宮寺
 神桜
 冬樹隣桶仕込み
 秀よし  
  以上お土産&ペンションママ差入れ

 よくもまあこれだけ集まったものだと全員感心し、これが明朝までに無くなったら誰か死人が出るだろうな、と口には出しませんでしたが、誰もが思っていました。
 まさしく「売るほど有る」状態で、その辺の居酒屋より充実した品揃えです。

 宿に着いたのが5時30分頃で、宴会からの参加者は未だ到着していませんでした。
 やはり乾杯は全員が揃ってから。などと言っても酒を目の前にしておとなしくしている連中では有りませんので「自分が持ってきた酒の味が、変質してないか確認を」「乾杯の練習を」などと言いながら、瓶の酒位が下がって行きました。

 6時30分頃に最後の参加者が着きましたので、正式な乾杯。
 ここで、喜久水の「一時」を空けたのですが−−−−

 大体においてこの飲み会に参加したのは、説明書などろくに読まない連中ばかりですから、ただ飲みたい!という気持ちがはやり、フタを押さえずに周りの金具?をはずしてしまってものですから、ものの見事にフタが、スッポオォーーン!!と吹き飛んでしまいました。
 全員その見事さに一瞬ビックリしてしまい、時間が止まったかの如くポカァーンと口を開けた状態で固まってしまいました。
 しかし次の瞬間シュワァアーーと中身が吹き出して来ると−−−
 人間慌てると何をやらかすか分からないもので、ある者は自分のコップを瓶の下に入れ、ある者は皿を差し出し、一番大きな器は、と土鍋の蓋を瓶の下に入れたものの、湯気抜きの穴から再びこぼれるわで、大人8名が右往左往の大変な状態でした。

 ここの夕食が「やまのいも鍋」というものでして、比内鳥のスープに鶏肉、もつ、野菜を入れ、そこに山芋をスプーンですくって入れ、ちょっと煮えたところでいただく、というものでしたが、実に美味しいものでした。

 このペンションは田沢湖スキー場に隣接してますので、当然スキー客で一杯。
 そのお客さんの中で、唯一、誰もスキー板を持ってこなかった集団が我々でした。(^_^)

 スキー目的であれば、明日のために宴会はそこそこに切り上げるのでしょうが、この集団、ただ酒を飲むことが目的ですので、ただひたすらしゃべって、酒の味の議論をし、途中酔った者は一時寝床に入り、風呂に入り、又復活し、飲むだけ、という宴会を延々と1時過ぎまで続けておりました。

 次の日早い人は6時頃目覚め、遅い人でも7時には目覚め。
 前日の残りの酒を飲み出すメンバー続出。(何も仇のように−−−)
 7時30分からの朝食では、納豆汁が旨いと、お代わりをする人が殆ど。
 9升近くあった酒は残りが約3升。ペンションの人や他のお客さんにも多少は振る舞ったとはいえ、良く飲んだものだと感心しました。\(@o@)/

 宿を出る前に、残った酒をジャンケンでそれぞれ好きな順番で持ち帰ることになりまして、自分は『北鹿 春月』をいただきました。

 『春月(しゅんげつ)大吟醸あらばしり生酒』
 無濾過炭素未使用、火入無し
 仕込み年月日   平成7年1月14日
 酌日数   34日
 原料米品種   兵庫山田錦
 精白歩合   35%
 アルコール分  17.5
 日本酒度   +6
 アミノ酸度  0.7
 粕歩合   74.6%
 使用酵母   熊本酵母
 杜氏氏名   島田 武三郎
 出身地   岩手県
 一仕込製造数量  700kg
 販売数量  420本
 ビン詰年月   平成7年3月17日

 これだけ詳しいデータが記載されているのに感心してしまいます。
 データを読んで初めてわかったのですが、この酒、おそらくは生酒で出荷されたものが能代の「大金酒店」さんの冷蔵庫で眠っていたものではないかと推測されます。
 けっして悪くなっているとは思えず、又生の荒々しさも感じられず、落ち着いたしっとりした酒に思えます。
 もう1〜2年熟成させたら、もっとおもしろい酒になるのかも知れません。
 実はこの酒宴会の時から目を付けておりました。(^o^; いいお酒です。

 この酒以外で印象に残ったのは「栄川 宝嶺」やっぱり旨かった。「天寿 ふりかえれば鳥海」でしょうか。もちろん栓を吹き飛ばした「一時」が一番印象深かったですね。(これは別な意味で−−−−)

 酒の分配が決まった後は、温泉です。
turunoyu.jpg
 除雪され、雪の壁がせまりくる道を走り抜け、秘湯として知られる乳頭温泉郷へ。
 昨日の荒れた天候とはうって変わった、青空の元「鶴の湯」の露天風呂へ。  ここの露天風呂、まさしく露天でして湯治旅館の道と風呂の境が殆ど無く、恥ずかしがりやの方にはちょっとお勧めできません。(^_^;

 お湯は白いにごり湯でして、熱くはないのですが、じわぁ〜と温まる感じでした。
 ここでも、酒瓶をお湯に浮かべて一杯。
 見上げれば真っ青な澄んだ青空に白い雲がゆっくりと動き、目線を横に移せば八幡平の白い山並みがくっきりと。
 いやぁ〜、極楽、極楽。こんないい思いをしていいんだろうか?バチが当たりそう(^_^)

 この思い、自分のつたない文では万分のイチも伝えることができないのが残念です。
 温泉を十分堪能した後、田沢湖駅で秋田、山形のメンバーと別れ、帰路に付きました。
 この田沢湖線も3月一杯で営業を中止し、秋田新幹線の為の線路巾を広げる工事に掛かるということでした。

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