帰路に

 

しばしの感慨にふけるも、そろそろローマへ帰る時間となった。先ほどの路駐も違反キップを切られることなくやれやれといった感じでホンダ=アコードに乗り込む。しばらくは来た道をそのまま戻ればいいので気楽に進む。が、途中から渋滞に巻き込まれはじめる。周りの景色を眺めながらのんびり走っていると、少し車間が空いただけで容赦なく車が突っ込んでくる。そのうち2車線が1車線に減少し、もう一方の車線に合流せざるをえない状況に追いやられてしまう。

普通日本ではセイフティドライバーな人たちが「どうぞ!」と道を譲ってくれるのだが、交通マナー最悪の国イタリアの本領発揮とばかりに、どの車もビッチリ車間を詰めて一向に入れてくれる気配がない。だんだん車線も縮まり、片側のタイヤが路肩にはみ出しつつもじわじわと車間を詰めつつ割り込んでいく。

が、何とかいけそうだと思ったその時、マイクラ(要は日産マーチですね)に乗ったイタリアオババが進路をふさぎ、全く退く気配がないのである。いちいちそんなことに腹を立てていても仕方ないのだが、それまでのイライラが堆積していたせいか意味もなく大声で罵倒してみたりする。割り込ませてくれないだけで怒鳴る東洋人ってのもかなりマナー悪しって感じがしなくもないのだが、とにかくこの国での車の運転は厚顔無比でなければやっていられないのだろう。

スムースに走れない苛立ちから、最寄のインターチェンジからアウトストラーダに乗ろうか?と奥さんに提案するも、この道をそのまま行けば間違いないんだからそのままでもいいんじゃない?と逆に諭され冷静さを取り戻す。思えばこのあたりからこのあと起こるアクシデントの暗示があったのではないか、と今になって思うのであった。

 

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