|
男には行かねばならぬ時があるのだ でも、せっかく国際免許とってレンタカーも予約したし、なによりこの旅での目標のひとつをやすやすあきらめるわけにもいかず、折衷案としてナポリ行きはあきらめ、ローマ近郊のドライブ(アッピア街道とヴィラ・アドリアーナ、そしてヴィラ・デステ)に計画変更。テルミニ駅地下の本屋でラツィオ州の地図を買い、事前にルートチェックを行いながら、ホントはいきあたりばったりの旅がいいんだけど、まあ初めてだし仕方がないななどと自分に言い聞かせつつも鼻の穴は大いに膨らんでいたことは想像に難くない。 いよいよドライブ当日、ボルゲーゼ公園の地下にあるHertzへ地下鉄で移動。3駅くらいですぐ到着。ボルゲーゼ公園は地下が大きな駐車場になっていて、意外なほど多くのクルマがプールされている。街中で見かけるクルマはことごとく汚れたりへこんでいたりするなかで、ここのクルマ達はかなりきれいで驚いた。商用車も多く、ここで生まれて初めてパンダヴァンのホンモノにお目にかかる。その駐車場の一角に目指すHertzの営業所を発見。その周りにはお目当てのアルファ156が何台もあって、奥様と一緒にコーフン気味に「きっとあのクルマだよ」などと指差したりなんぞして、6畳程度の、カウンターだけのこじんまりとした店内で、先客のビジネスマンらしき2人組の手続きの終わるのを待つ。
カウンターの中には女性がひとり。インターネットで予約してあると告げてWeb予約したページをプリントアウトしたものを渡すと、女性はわかったというようなそぶりをしてカウンターの奥へ入っていった。少しすると斎藤洋介似のおじさんが登場。観光か、どこへいくのかなどを聞かれ、アッピア街道とティボリだと告げると地図を広げて道を教えてくれた。駐車場をでてからフラミニオ広場を通過し、テベレ川を渡ってそのまま川沿いを下り、サンタンジェロの外周を回ってさらに南下し、パラティーノ橋を渡ってチルコ・マッシモを横に見ながらまっすぐ行くとアッピア街道だということ、そのままずーっといくと環状線が走っているので23番のAppiaで乗って13番のTiburtinaで降りればあとは一本道だということ、帰りはその道をまっすぐ来れば大丈夫だということ等丁寧に教えてくれた。地図にボールペンでくるくるとらせん状のしるしをつけながら、ポイントとなるランドマークは必ず3回名前を復唱してくれた。”Flaminio.Flaminio,Flaminio”と繰り返し、ご丁寧につづりまで地図に書いてくれる親切ぶりだ。後で思えば、このときにもらった地図がドライブ中一番役立ったような気がする。 そして必要書類を受け取っていよいよクルマの鍵の受け渡し。駐車場の番号を教えてもらい、店を出て一台目、二台目と進んでいく先には、なんと、イタリアで初めてお見かけする、銀色に光り輝くホンダ・アコードが鎮座ましましているのです!アルファ156で疾走するイメージは音を立てて崩れ、ここまできてなんで日本車なのよ、と落胆の色を隠し切れない我々でしたが、落ち着いて分析した結果、おそらくHertz側で気を利かせて、日本人の観光客のためにわざわざ台数の少ないホンダを手配してくれたのだという結論にいたったのです。左ハンドルのマニュアルとはいえ細かい操作性はまったく日本車そのものであり、初めて異国の地で運転するには慣れ親しんだホンダ(ワタクシ自身元ホンダ乗りで、実家は長年のホンダ党)もいいのかな、などと思いつつ出発したのでありました。
|