P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第9回
「2D6」第2話 逆襲の狼煙



 時は2000年1月

 『ダイス禁止令』が施行されてから数十日。

 違法となったモンコレのカードが処分されようとしていた。





 「ック!オレは何をしているんだ・・・」

 バットは燃えさかる炎に向かって呟いた。

 「燃えていくカードを見ても涙さえ流れねぇ、オレの内にはもう情熱は無くなっちまったのか・・・」

 バットは今、人類統合体の一部としてカード処分場で働いていた。

 「いや、しかし・・・俺の力では・・・どうにも、できない。」

 バットの仕事はカードの収集と運搬である。

 そしてそれを人類統合体の幹部が一枚づつ火にくべていく。

 「ハッハッハ。見ろ、カードがゴミのようだ。」

 幹部のキールが『大砂蟲』を炎にくべながら言った。

 !

 (ゴミ・・・だと!)

 その言葉でバットの中の何かが変わった。

 「一つ質問だ・・・キール隊長。」

 「?何だ、バット。」

 キールがいちべつをくれた。

 せっかくの気分に水を差されて多少機嫌が悪いようだ。

 バットは気にせずに続けた。

 「無抵抗の人間から奪ったカードを燃やすのってどんな気持ちだ?」

 キールは表情も変えずに逆にバットに訊いた。

 「お前は紙を燃やす時に何か感想をもつのか?」

 「成程ね、イカす答えだ!!」

 (俺もリアリストと呼ばれた漢だ。)

 バットは心を決めた。

 「アンタは俺の中の眠れる竜を起こしちまったらしいぜ。『大砂蟲』は紙じゃない、神だ!!」

 バットは叫ぶと同時に火にくべる前の『大砂蟲』の束に手を突っ込んだ。

 そして数枚を取り、真っ直ぐにキール目指してカードを投げる。

 カードはヒュンという音と共にキールの頬を裂いた。

 そして後ろの壁に刺さる。

 カードは真っ赤に染まっていた。

 「レアカードにシミがついたわ!!」

 「それは・・・おまえが自分で・・・」

 「問答無用!!」

 バットはさらに数枚のカードをキールに投げつけた。

 すべてのカードがキールを引き裂き、壁に刺さる。

 キールに逃げ道は無かった。

 「あ、ああ・・・あ。」

 キールの口からは言葉にならないうめきしか出ない。

 「殺しはしない!!一緒に唱えろ!!」


 『クラブはイイーッス』だ!!」


第9回 完P第10回

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