


「2D6」第2話 逆襲の狼煙
時は2000年1月
『ダイス禁止令』が施行されてから数十日。
違法となったモンコレのカードが処分されようとしていた。
「ック!オレは何をしているんだ・・・」
バットは燃えさかる炎に向かって呟いた。
「燃えていくカードを見ても涙さえ流れねぇ、オレの内にはもう情熱は無くなっちまったのか・・・」
バットは今、人類統合体の一部としてカード処分場で働いていた。
「いや、しかし・・・俺の力では・・・どうにも、できない。」
バットの仕事はカードの収集と運搬である。
そしてそれを人類統合体の幹部が一枚づつ火にくべていく。
「ハッハッハ。見ろ、カードがゴミのようだ。」
幹部のキールが『大砂蟲』を炎にくべながら言った。
!
(ゴミ・・・だと!)
その言葉でバットの中の何かが変わった。
「一つ質問だ・・・キール隊長。」
「?何だ、バット。」
キールがいちべつをくれた。
せっかくの気分に水を差されて多少機嫌が悪いようだ。
バットは気にせずに続けた。
「無抵抗の人間から奪ったカードを燃やすのってどんな気持ちだ?」
キールは表情も変えずに逆にバットに訊いた。
「お前は紙を燃やす時に何か感想をもつのか?」
「成程ね、イカす答えだ!!」
(俺もリアリストと呼ばれた漢だ。)
バットは心を決めた。
「アンタは俺の中の眠れる竜を起こしちまったらしいぜ。『大砂蟲』は紙じゃない、神だ!!」
バットは叫ぶと同時に火にくべる前の『大砂蟲』の束に手を突っ込んだ。
そして数枚を取り、真っ直ぐにキール目指してカードを投げる。
カードはヒュンという音と共にキールの頬を裂いた。
そして後ろの壁に刺さる。
カードは真っ赤に染まっていた。
「レアカードにシミがついたわ!!」
「それは・・・おまえが自分で・・・」
「問答無用!!」
バットはさらに数枚のカードをキールに投げつけた。
すべてのカードがキールを引き裂き、壁に刺さる。
キールに逃げ道は無かった。
「あ、ああ・・・あ。」
キールの口からは言葉にならないうめきしか出ない。
「殺しはしない!!一緒に唱えろ!!」
「『クラブはイイーッス』だ!!」
第9回 完