P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第11回
ザ・エージェント



 東京、晴海埠頭にて。


 全身黒ずくめの男達が暗闇に混じって4人いた。

 ちょうど、2人づつ向かい合うような格好だ。

 「時間は守れるようだな。」

 「ああ、俺も時間に遅れるようなヤツは信用しないからな。」

 そのうちの向かい合っている二人が互いに言った。

 二人の隣には、それぞれジェラルミンのケースを持った男がいた。

 「じゃあ確認だ。」

 「解ってるさ、まずそっちから見せろ。」

 「何を言ってる、そっちが先だろう?」

 「解ったよ・・・おい!」

 レイバンを掛けた男が言った。

 その合図で後ろのケースを持った男がジェラルミンを置く。

 「開けろ。」

 カチリと音を立ててケースが開く。

 「一束放れ。」

 部下はたくさんの束から一つ選び帽子の男に放った。

 男はその束を確認する。

 「よし。いいぜ・・・おい。」

 帽子の男が部下に声を掛ける。

 部下はケースを開きやはり一束取ってレイバンの男に放った。

 「いいぜ。」

 レイバン男は中を確認しつつ言った。

 「取引成立だ。」

 男達はケースを閉め互いに渡す。

 「いい夜を。」

 「ああ、そっちもな。」

 レイバンの男はケースを部下に持たせ、さっさと引き返す。

 それを見送ってから帽子男の部下が言った。

 「それにしても、ちょっと損なんじゃないですか?『歌姫』と『舞姫』の2000対2000のトレードなんて・・・」

 「何を言う。『いのまたむつみ』だぞ、ヤツからしか『舞姫』2000枚なんてのは手に入らないんだからな。」

 「し、しかし・・・」

 「黙れ!これでいいのだ。」

 帽子の男は部下を一喝する。

 「これでほぼ『舞姫』は買い占めたからな。値が上がるのさ。」

 「それだったらやっぱり『歌姫』の方が・・・」

 「黙れと言っている!!俺だって!!いや・・・旦那様には逆らえんのさ。」

 「『歌姫』が・・・俺の・・・『歌姫』・・・」

 夜は白々と明けていった。

第11回 完P第12回

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