

賢者の贈り物
(もうすぐクリスマスか・・・)
ロバートはショーウィンドウを眺めながら考えていた。
(サラに何を贈ろうか)
そう思っていたロバートの目に一際輝く物が飛び込んできた。
「こ、これは・・・」
ロバートはそれから目が離せなかった。
そこには美しいべっこうの櫛があった。
「美しい・・・サラの髪に飾ればさぞ映えるだろうな・・・」
ロバートは思わず呟いた。
しかしその値段は、彼に手が出せる物ではなかった
「いや、彼女に精一杯の贈り物をしたい。サラも喜んでくれるといいな。」
ロバートは行動に移した。
そしてクリスマス当日。
「ただいまサラ、君にプレゼントだよ!!」
そう言いながらロバートは家の扉を開けた。
!!
ロバートは驚いて言葉を続けることができなかった。
「あら、お帰りなさい。」
サラは何もなかったように応えた。
「サ、サラその髪は・・・」
そう、サラの長く美しい髪が突然短くなっていたのだ。
「・・・まぁいいじゃない、そんなことよりプレゼントがあるの?見せて。」
「あ、ああ・・・これだよ。」
そう言ってロバートは包みを渡した。
「開けてもいい?」
「ああ・・・」
ロバートは歯切れが悪かった。
サラは包みを開けた。
「まあ素敵な櫛!さっそく使ってみるわ・・・」
サラはハッと気がついた。
「わ、わたし、髪が・・・」
「しょうがないさ。」
「・・・そうだ、私もプレゼントがあるの、見て。」
サラは努めて明るく言った。
「開けてみて。」
ロバートはその小さな包みを開く。
!!
そこには『髑髏の騎士』があった。
「こんなに高い物どうして・・・ま、まさか!」
「・・・そう、髪を売ったの。で、でも髪はまた伸びるから、知ってるでしょ私の髪、伸びるの早いんだから。」
「・・・ああ、そうだね。」
「あなたいつも『後一枚足りない』って言ってたでしょ。だから・・・そうだ、デックを出して、私が入れてあげるわ。」
「・・・残念だけどカードは売ってしまったんだ。」
「!!まさか、この櫛を買うために?」
「ああ。でもいいんだ。」
「ありがとう。」
二人の顔は晴れやかだった。
「カードはまた買えばいいんだからね。」
第13回 完