P THE MEN WHO HAVE ENDED
P終わっている男達
P第19回
ジュンイチ・ザ・シャドウスキル



 「よう静寂、早いな。」

 そう言ったのは高橋純一だった。

 「今日は日直だから。」

 静寂は振り返らずに答えた。

 「そうか、空いてるならやろうぜ。」

 そう言って純一は制服の内ポケットから緑の箱を取り出した。

 デックだ。

 この男は誰もいないこんな朝っぱらからやろうというのだ。

 デュエルを!!

 (こいつは・・・俺がモンコレをやっていることをいつ知った?)

 静寂にはバラした記憶はない、誰も知らないはずだ。

 (何処から漏れたんだ?)

 静寂の疑惑を余所に、もうデックをシャッフルし始めている。

 (手慣れている。)

 その手つきはひとつき、ふたつきの初心者のモノではなかった。

 (2年・・・か)

 静寂はそう読んだ。

 「早くしろよ、静寂」

 純一は今にも先行決めのダイスを振りそうな勢いだ。

 静寂は懐からデックを取り出しシャッフルしながら席に着いた。

 セット、カット、そしてダイス・・・

 二人とも淀みない。

 「じゃあ、俺先行だな。」

 そう言って純一は『ストーンサークル』を戦場に置いた

 そして『星に願うもの』を召喚。

 (重儀式デック!)

 静寂は一目で読み切った。

 (クッ!このデックでは勝てない・・・)





 (負けた・・・完敗だ。)

 静寂は本陣から一歩も動けなかった。

 (ディックは儀式を使わないからな・・・油断していた、こんな使い手がいるとは!)

 静寂は震えていた。

 恐れではない、興奮だ。

 新たなる強敵(とも)に向けて静寂は言った。

 「こっちのデックで勝負だ!!」



第19回 完
P第20回

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